百題感想、Babel編。
数が多いので分割してます。百題3~4について掲載。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。

3-1『雨』
「違います。晴天祈願のまじないです」
てるてる坊主をみて絞首刑がまず出てくるエリクよ……
異文化交流って難しいね!

3-6『水晶』
「…………何これ」
キスクとの騒動で、水晶窟を得られる事になって。
功労者としてエリクは魔法具を与えられることに。
その構成図を読み取れずに城の人難儀してましたが。
雫が通りがかって良かったですね。まぁ、分からなかったら最終的に本人呼び出してたでしょうけど。

3-10『悪夢』
「まったく……どういう夢だ」
ニケが見た悪夢の話。
現実も相当なものがありましたけどね。
ラルス、隣国の家臣をツルツルにしようとするのやめよ?

3-11『混沌』
「まほうねこ」
雫と結婚したエリクの下に彼の妹が訪れて。
微妙に噛み合わない会話をしている様に笑った。

3-17『弱者』
「だとしても。俺が知る限りお前より強い人間はそういないな」
また変わった勝負をしている雫とラルスの話。
「陛下の面白係」と他の臣下から言われているとか。
でも、普段はふざけていますけど、ラルスが雫をはっきり認めてる場面は、いいですねぇ。真面目モードそんなに持たずに遊びに戻ってましたけど。

3-31『サディスト』
「ああ、俺のことか」
真正面から加虐趣味を認めるラルスもラルスだし、自覚があって何よりですと返す雫も雫だ。
そりゃあ迫力感じて通りがかりの魔法士も逃げるよ。
後日巻き込まれたらしいオルティアは、お疲れ様です。いやほんと。

3-33『王』
「分かりました。鉄の靴に履き替えてきますので、少々お待ちを」
逸脱した魔女と当代の王の会話……というにはいささか状況が特殊すぎてなぁ。
チョコレートを買いに来た相手に、マッサージしてもらうとかどういう状況だ。
その代役を命じられた雫が、速攻で得物を取りに行こうとしてて笑った。

3-41『白い鳥』
「ひょっとして期待してる? してるよね」
中庭でパンを食べていたら白い鳥が寄って来て。
思わずエサを与えてしまった雫と、続々寄ってくる鳥。
異常事態とオルティアに報告行ったみたいですしね。平和だ……

3-42『黒い鳥』
「別に。特に考えてないけど」
此方も取りに餌付けをしている話ですが。
俺とユーラの結婚後の新居で。
二日後の嫁の奇行にも臆さない俺はナイスというか。
食べられるかなと言って剣を出した彼女を良く止めた。

3-44『歌声』
「いや、今日から少し心持ちを変えようかと思ってな」
不思議な夢を見て、心機一転したニケの話。
雫や主君までドン引きさせる偉業を成し遂げてましたが。
影響が抜けた後の彼がどんな反応したのかはちょっと気になる。
黒猫、不用意に歌うな……

3-58『親友』
「なるほど。僕にはそういう括りがないから面白いな」
友情を誓い合う女子の会話に影響された俺。
エリクと俺は親友だよな、と本人にぶつかりに行くあたり行動力凄いな。
どもってたけど。

3-61『硝子』
「他に言うことはないの?」
領地の子供たちと、どれだけ遠くに投げられるか勝負をして城のガラスを割ったアルノ。
窘めているレウティシアが、兄の影響を受けているのではと、不安をぬぐえず対策を取っていたのには笑った。
そしてそれが役立つ状況を作った王様は何してるんだ。

3-62『崩壊』
「よし、国境を拡張してみるかー」
国境結界の調整の場で、いつものように言い合うラルスとオルティア。
こう言う所からでも子供は気づきを得てしまうんだよなぁ……概ねラルスのせいだと思いますが。

3-72『優美』
「何だそれは」
たまにジャンクフードを食べたくなる雫。
ポテトチップスを作ってオルティアの下に遊びに行って。
それを彼女が気に入ったものだから、大変というか。
雫が後に精神ダメージ喰らってましたが、割と自爆ですよねコレ。

3-76『歓喜』
「私の発想が間違いでした。忘れて下さい」
エリクがあまり強い感情を見せないので、雫が「やったー」とか「ばんざーい」みたいな体使った表現をやって見せたり、真似させてみたりして。挫折してましたが。
後日、エリクが実践して周囲を慄かせたのが笑える。「驚いた」じゃなくて「慄いた」ってあたりが特に。

3-78『玩具』
「よーし、じゃあ球遊びを開始するぞー」
クサヤキュウを聞いたラルスの実践編。
無茶苦茶な素振りに逸脱者の片割れは「ファルサス相変わらずだなー」とか感想を抱いていましたが。かなりの惨状を「相変わらず」で済ませるあたり器が大きい……

3-80『十字架』
「そっか。こっちの世界には十字架ないんですよね」
宗教的シンボルである十字架は、エリクに通じず。
なんとか意思疎通しようとしてましたが、途中で挫折。
まぁ、神話・宗教絡みを下手につつくとね、ヤバいよね。

3-87『古』
「それでいいと思う。この手のものは納得いく速度で読み込んだ方がいい」
エリクが買ってきた全集。全36巻からなるそれをエリクは一年かけて10冊読んで。
雫も興味を持って、1巻を手に取ってましたけど。
夫婦仲良しでいい感じです。「夫の記憶に残っている日の事は雫も思い出せる」。
それだけの時間を積み重ねているというのが良い。

3-92『桜』
「……まさかな」
地球側のエピソード。
雫がいなくなった場面を目撃し、水瀬家にメールした青葉君のエピソード。
彼は結局目撃しただけの部外者で。雫に何が起きたかは知らず、日常に戻っていってましたが。合縁奇縁、こんなこともあるんだなぁ、という始まりの断片。

3-94『守護』
「見ているように」
赤子を見守るメアの話。
どこまでが見守る、の範疇なのか迷いながらも子供を見てくれてるメアが。
その後戻って来た雫が見た、寄り添って眠っている二人が可愛い短編。

4-5『鍵』
「君、王を止めずに放置するようになってきたよね」
王族の墓でのラルスと雫の会話。
様々な事情で遺体が残されているが、スペースの問題もある。
そのため過去の分は骨だけの安置にしようとした、と発想は間違ってないと思うんですが。
扉の鍵間違えて壊したって言うのは、ねぇ。止まろうよ。おおむねラルスのせいです。

4-7『裏』
「で、何で滅んだんですか?」
Rotted-Sのネタバレ有り短編。
彼の大陸で起きた事について、雫とエリクが会話している感じですねー。
論文がこちらにも来ているあたり、収集能力が凄い。

4-8『論理』
「よし、久々に意味が分かりません」
魔法に関する話。雫とエリクの会話。
なんだかんだで雫も頭が良いというか、エリクとの会話になれてるからって言うのもあるでしょうが。ポンポン進んでいくので読んでて気持ちいいです。
詠唱「ぽんぽんぷー」には笑った。

4-10『獣』
「私、今幸せです」
雫の様子を見に来た逸脱者二人の話。
普段は黒猫が来てますが、珍しく相方も来ていて。
真面目に謝罪もされていましたが、それでも今幸せだという雫が格好良くて好き。

4-11『邪心』
ラルスも物怖じしないというか、無茶をしますよね。
王剣アカーシアの頑丈さは確かなものでも、どれだけ耐えるのか試そうとする人はいなかったでしょう。さすがに。いなかったと思いたい。
普通ないだろう宮廷法にあらたな条文を書き加えてましたね。この辺の行動は早い。

4-17『慟哭』
「それをして何の意味が?」
アヴィエラとエルザードの話。
見事なまでに噛み合っていない、破滅に向かう道中の一幕でした。
救いがない。

4-18『悪い子』
「これは……凄い、ですわね」
逸脱者の魔法書を見たレウティシアとエリク。
「世界を渡る方法」の手がかりを得るためでしたが……
エリク、それただの落書きだから。引っかかるところと違うから。

4-24『酒宴』
「見学者連れてきましたよ」
現代のエピソード。青葉と澪の話。
概ね青葉よりですけど。澪が来たのも何かの間違いっぽかったですけど。
まぁ、そんなこともある。

4-33『謎』
「お邪魔してます!」
ハーヴと少女のエピソード。
たまの休みに実家に帰ったら少女が居て。
これでもなお気付かないあたりハーヴ、すごいな……
少女には是非とも頑張ってほしい。

4-41『血の雫』
「よーし、頑張りますよー……」
雫が出産するときのエピソード。
魔女も手伝いに来てて、まぁ、大抵の事は何とかなる状況でしたが。
そこでいつも通りの会話繰り広げるこの夫婦はもう……

4-46『蝋燭』
「俺はおかげで幸福を貰ったけどな」
子供たちに王位を譲ったあとのラルスとオルティアの話。
「父上を野放しにすると騒動を起こすから」と息子たちに頼まれたのが理由の一つというあたりラルス、ある意味信用されてますね。
まぁ、他にも理由はあったようですが。親思いの良い子に育って何よりです。

4-50『暗号』
「エリクのそういうところ羨ましいですよ」
エリクと雫の、まぁ、何でもないような会話。
此方の世界の文字の話から、雫が向こうで行方不明扱いで捜索されてるだろうなぁ、という話になって。うん、部屋いじられるのは嫌ですよねぇ。わかる。

4-51『来訪者』
「……まさかな」
ニケと有る少女のすれ違いの話。
平和な村で、思わず転寝してしまったニケの下に、「ありがとう」という手紙が届いて。
理解しても、確かめようとはしなかったニケが、珍しく格好良かった。

4-57『息切れ』
「では俺はもう行く。息災でな」
ニケとサイラの話。
湯治のエピソードは知らないな……何読み逃してるんだろう。
妙な縁で出会った女性から逃げ回るニケに笑った。最初から転移で逃げればよかったのでは?

4-59『星占い』
「わー、面白いですね。こうなってるんですか」
こちらの世界の星座図を見せてもらって。
星占いの話から、最終的にたこ焼き食べたいになる思考スピードについていけない……

4-66『朝』
「エリク、幽霊に襲われたんですか?」
「幽霊なんていないよ。頭大丈夫?」
真っ先に幽霊が出てくる雫と、頭大丈夫と返すエリク。
試薬に触ってしまった故に手形が残っていたから、ですが。
朝から楽しそうでいいですね、とか言えばいいかな。翌々日の方が楽しそうですけどね、雫が。

4-67『天女』
「貴方を見てるの」
アルノとレウティシアの話。
この夫婦は、基本的にのんびり幸せそうな話が多くて和みます。
お互いの前でしか見せない顔があって。穏やかな日常が素敵なんですよ。

4-69『眩暈』
「帰れ」
仕事がたまり私室に持ち込んだオルティアと、そこに現れたラルスの話。
邪魔するようにからかいはしても、仕事に手は出さない。
その線引きが、良いですねぇ。

4-79『伽』
「素直になるといいぞ、オルティア」
娘が生まれ成長した後のラルスとオルティア。
父と母の間は一言で表現できぬものがありますが。
娘が素直に好きよといえるのが、子供らしくて、暖かさを感じる。

4-80『ぬくもり』
「って、なに堂々と嘘ついているんですか、王様」
ラルスがどうしてここまでニンジン嫌いなのか。
雫が追及していますが、嘘とも本当ともつかぬ話を聞かされて。
弁当のおかず盗られないために全てニンジンにしようかなとか考えてるとこが笑えて好き。

4-82『教えて』
「正しいかもしれないですけど、正解なんでしょうか……」
子育てに悩む雫。
何で結婚したのか。何で宮廷に出入りしたのか。
出自や経歴が特異なこともあって、説明し辛くて。
エリクは「正直に言えばいい」って言いますけど。
間違っては、ないけど。雫の悩みの方に共感してしまうなコレは。頑張れ……

4-96『手のひら』
「陛下が仰るなら、仰せのままに」
雫とオルティアの話。
雫の強さにオルティアが救われて、関係が続いている。
出会った当初の険悪さを思うと、遠くまで来たなぁ、というか。随分変わったと思います。