『分かった』
今、決意と共に改めて、その言葉を噛み締める。
『俺が、お前たちの大将だ』
団体戦。敗退すれば3年生は引退となる大会。
悠は、剣鬼として仲間を鍛える道を選んで。その標的となっている「常勝」秋水も、その重さを背負い練習に手を抜くことはなく。
先輩方の縁というか意地のために、大会前に秋水相手に出稽古をすることに。
大会が近いという事もあって、手札を伏せようとしたり暴こうとしたり。お互いに画策してましたが。
瀧本にしてやられてた悠は、剣道強いけど、まだこの辺りは苦手みたいですねぇ。
でも、悠はそれを必死にやったんですよね。苦手だろうと、泥臭かろうと、嫌われる事になったとしても。
集中しすぎて千紘とかにはちょいと仕返しされたりもしてましたが。
その努力の成果が見られる、団体戦。熱気がこちらにも伝わってくるような、迫力がありました。
帯にもあらすじにも書いてあるので触れますが。秋水と藤宮との戦いの果て、涙が流れることとなるんですが…
あの場面は、圧巻だった。そうだよな…勝負すればどちらかは負けるわけで。あの涙は、悔しくてそれでも、目を離せない美しさのようなものすらあった。
快晴も悠も、勝ち続けた末に化け物のように言われていましたが。
まだ高校生なわけで。彼らの人間らしさが描かれて、胸にこみ上げてくるものがありました。
いやまぁ、人間味があろうがどっちも剣道星人なの変わりませんけどね!
むしろ、悠が剣道復帰したことで、瞳は上段解禁するし、乾兄妹は互いに悠贔屓でテンション上げていくし。剣道星人レベル、急上昇しているのでは???
大会前に藤宮の男子組が焼肉食いに行ってる場面は笑えました。「この罪は重い」からの流れが特に。「こんなの、あまりにひでぇっス……」って八代の台詞がツボだった…。