「ボクらの勝ちだ」
丘の上で立つ「学園」で目覚めた子どもたち。
大人の姿はなく、学生たちの手によって自治を行っていたが…
彼ら、彼女らは皆記憶が曖昧で。なぜ、学園にいたのかも分からない。
周囲には荒廃した街が広がり、「ミサキ」と呼ばれる怪物も徘徊している。
少しでも情報を得るため、危険を承知で周辺の地図を作る「探索班」が組織され、その功績に応じて報酬を与えられる、と。
随分上手いシステムを構築したものだなぁ、と思いましたね。
帯に「世界はボクらを騙している」と有るように、この世界には欺瞞が満ちているわけですが。
探索班に属しながら「学園」の規律に馴染めずにいた少年が、「この世界はおかしい」と言う少女に出会って…嘘が、暴かれるまでの話。
口絵を贅沢に使ってきたな、という部分に驚きましたし、序章の展開でしっかりこの世界の理不尽を描いてきて引き込まれました。
今回は「学園」絡みの真実が明らかになってましたが、謎も残っていて。そもそもこの世界は一体なんなんだ、という疑問もあるわけで。
それらが明らかになるまで続いてほしいものですが。