私が定期的に推し記事を書いたり、Twitter上で叫んでいるオススメ作品。
古宮九時先生の『Unnamed Memory』をはじめとする作品が属するシリーズです。
先日書いた「Unnamed Memoryを推すだけの記事」は感情優先で、結構順序バラバラだったので、少しまとめて書いていきたい(願望)。
ちなみにこんな記事を書くまでもなく作者様公式サイトにも情報はあるので「コチラ」もどうぞ。
可能な範囲でネタバレは抑えております。

1、どうしてそんなに推してるの?
2、『-world memoriae-』ってそもそもどんなシリーズ?
3、どんな作品が属しているの?

の3部構成でお送りします。続きは下記。

(20/01/04追記。冬コミ新刊と『奇跡のような嘘をあなたと』について)

(20/01/11分類変更。同人誌をUM書籍版を読んでれば分かるものと、ネタバレを含むものとで分けました)
(2020/3/1追記。『時の夢Ⅱ』と短編について)

(2020/5/7追記。6月刊行のBabel新文芸版と、なろう版Unnamed Memoryについて。併せて【WEBのみ】の項目からUMだけ抜粋しました)

1、どうしてそんなに推してるの?
初めて読んだ時受けた衝撃が忘れられないイチオシ作品『Unnamed Memory』が属しているから。
それが理由の一つであることは確かです。けれど、他の作品も魅力的なのです。
書籍化されている作品だけで終わらせてしまうのはあまりにも惜しい。
1人でもこの記事を読んで、1作でも多く読んでくれたら良いな、と思ってこの記事を書いてます。

2、『-world memoriae-』ってそもそもどんなシリーズ?
藤村由紀/古宮九時(WEB名義/商業名義)先生が執筆しているシリーズです。
始まりは個人サイト「no-seen flower」。全作品が網羅されています。
また、いくつかの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載。移行時に推敲してるらしいので、こちらから見るのも手です。

元々一つだった大陸が、神々の時代に5つに分割された世界を描いています。
作品群の内、『Unnamed Memory』と『Babel』が書籍化されています。
この2作はどちらもファルサスという国を舞台にしていますが、『Babel』は『Unnamed Memory』から300年もの時間が過ぎた時代が描かれています。
時代が違う同じ国(大陸)の話だけではなく、『Rotted-S』のように違う大陸の話もあります。
時代・大陸によって風土・文化が違い、この「大陸分割神話」が知られていないところもあったりしますね。
『Unnamed Memory』が分かりやすいので例にしますが、剣と魔法のファンタジーというのが一つの要素です。作品ごとにそれ以外のテーマとかもあったりしますけど。
それは読んで確かめてください。

3、どんな作品が属しているの?
【書籍化】
・『Unnamed Memory』(以下UM)
電撃の新文芸から4巻まで刊行中(20年3月時点)。
呪いを受けた王子オスカーが、青き月の魔女ティナ―シャに解呪を願う話。
2人の交流と関係の変化。王と魔女という公の部分と私的な部分のギャップが良い。
WEB本編がAct.1、Act.2の2章構成なのですが、書籍は1~3巻でAct.1が終わり、4巻からAct.2が開始となります。

・『Babel』
電撃文庫から2巻まで刊行中(19年8月時点)。
電撃の新文芸より、2020年6月よりリブート刊行予定。
作者さんによると電撃文庫版は、文庫に収録できる量にするために、半分以下に削減しつつ少女小説テイストを書き加えたもの。
新文芸版は、WEB版を削らずに書き加えた本来の筆致になるそうです。曰く「精神の図太さで押し切る淡々根性系」。

UMから300年後、同じ大陸が舞台です。
現代地球の大学生・水瀬雫が異世界へ迷い込んで。
幸いにも言葉は通じたため、最初の村で出会った魔法士エリクの協力を得て、帰還の術を探す話。
バベルという題名の通り、言葉にまつわるエピソードが多いです。
なぜ、異世界で言葉が通じるのか。その答えは、物語後半で明かされます。

【WEBのみ】(UM関係だけ抜粋)
・『Unnamed Memory Side Story』
UM本編後の『-world memoriae-』世界の話。
本編読了後、そのまま読んでもいいですが、他の作品を知ってると楽しさが増しますね。
「鳥籠の女」とかはUMのSide Storyではありますが、違う大陸をメインにしてますし。繋がりを感じられるエピソードも収録されているので。

「小説家になろう」などでは、本編後にまとめられています。他の作品とリンクしているエピソードも多く収録されています。
2020/5/7追記)時系列が前後してしまうのが気になったそうで、なろう版からは削除されました。いずれ、入れ替えが柔軟にできるカクヨムに移動する予定のようです。……とか言っていたら、その日のうちにカクヨム移転されてましたね。
今なら、なろう時代には掲載されてなかった、「神に背く書」とかも一緒に移動しててお得!
ただし、SideStoryはただでさえネタバレの宝庫ではあるんですが、「神に背く書」はこれからリブート刊行される『Babel』に絡むので、新鮮な気持ちで『Babel』読みたいよって人は後回しで!!

「断片集」はそのまま残ってますね。
『香りのない花』、『人形の記憶』、『魔女の休日』はそれぞれ1~3巻発売記念の短編なので、そこまで読んでいれば問題なく楽しめますよ。
というか、「断片集」掲載で要注意なのは、『奇跡のような嘘を貴方と』ぐらいですかね。あれ「試行」の中の一編なので。それも、書籍3巻まで読み終わってれば察する事が出来るんじゃないでしょうか。

続きが気になる方は『no-seen flower』へGO。
SideStoryとはまた違いますが、『no-seen flower』内の『Unnamed Memory』のページは、番外編として子ども世代のエピソードもあるのでそちらも要チェック!

・記念短編など
作者様が、UM書籍化を記念したページを設置されてます。「こちら」。
UM1~4巻の購入特典として、掌編を公開中。本が手元に在れば分かるクイズがパスワードとなっていますので、各巻読了後のお楽しみとしてどうぞ。
同ページ下部では書籍版の情報を掲載していますが、そこにもオマケ短編のPDFあるので、確認をお忘れなく。
他には『このライトノベルがすごい!2020』単行本部門1位記念の番外編が、カクヨムにて掲載されてますね。

また、Twitterでも精力的に活動されており、ライトノベルニュースオンラインさんが毎月実施している、ラノオンアワードで受賞されたときなどに掌編を画像で上げて下さることもありますので、先生のアカウントフォローするとより楽しめるかも。
お忙しい時は無理ですけどね。ご自愛ください……。

【WEBのみ】(-world memoriae-シリーズ)
・『Rotted-S』(なろう版あり)
時代的には『Babel』の数年後。UMとは異なる大陸を舞台とする。
戦乱が続く中、辺境の村で暮らす孤児だったアージェが、ある事件をきっかけに旅に出る話。
その道中で剣の師や、光のような少女に出逢って、成長し、大陸の真実を知る物語でもあります。

・『将軍と黒猫』(なろう版あり)
掌編。魔女となったばかりのティナーシャが登場します。
主人公は「将軍」の方で、姫からの無茶ぶりに奮闘する、コメディチックな話が多い作品。

・『水の冠』
UMスピンオフ。過去編なのでオスカー・ティナーシャ出番なし。
本編では登場しない「水の魔女」にまつわるエピソードです。
トゥルダールの初代王も登場するので、全く関係ないわけでもないのがミソ。

・『Icy Prayer』
『Babel』世代の後。ファルサス王家、キスク王家の子供たち世代が中心のお話。
平和な時代が描かれます。王子達の行動力が色々と凄まじいですけど。

・『Void』
荒野に立つ城に住まう、王都を追われた王子の話。
「彼の平穏が終わる直前を語る、ささやかな恋物語である」と公式サイトのあらすじにありますね。
確かRotted-Sと同じ大陸。けれど、時代がかなり経過した後のエピソード。

・『Auratica』
時代的にはかなり古いエピソードですね。
魔法士が忌まれている描写がありましたし、UMとかと同じ大陸の話かな? これはちょっと自信ないです。※(20年11月追記:作者さんTwitter情報)作中で場するカサンドラというキャラが、とある魔女の関係者らしく、UMと同じ大陸で確定です。
喜劇として語り継がれる、恋の話。小国の王女アウラティカと隣国の王子セデウス。
政略結婚ではあったが、確かに二人の胸には募る想いがあって。けれど、政略結婚であるがゆえに、国の情勢に振り回されることとなった。その顛末が描かれます。

・『End of Memory』(連載中)
『-world memoriae-』シリーズの時間軸で、もっとも未来にある話。
そして、異質なエピソードでもあります。彷徨都市ルーディルスタイアが舞台。
地下で目覚めた記憶のない少女ルリヤが、自分を知るためにちょっとした無茶をしたりするエピソードが多いです。「100題に挑戦」にも何篇かはあり、ルリヤ以外の視点、逸脱者の話もあります。

・『企画作品/100題に挑戦』
「no-seen flower」に掲載されてる企画ですね。
100題に挑戦系はなんと5つもあります。セルフパロディとかもありますね。
「企画もの」→「小ネタ倉庫」→「Babel学園(パラレル)」が笑えて好きです。
どれも面白いのですが、全作品ネタバレ前提なので、読了してからのお楽しみ。
当ブログでは、100題の各作品ごとの感想記事も書いてて「WEB小説」の分類にまとめてあるので、まぁ、暇な人はそちらもどうぞ。

【同人誌】(UM書籍版の各巻を読んでからなら、ネタバレがないもの)
全て電子版あり。kindleストアで購入できる。古宮九時名義。

・『Unnamed Memory 水月妃』
書籍1巻と2巻の間のエピソード。電子版も出てます。
隣国で大々的に行われている花嫁募集と、それに伴って広まる行方不明の噂。それを調査に行く話。

・『Unnamed Memory 魔女の遺骸』
書籍2巻後のエピソード。オスカーの下に持ち込まれた怪しい事件。
魔女にまつわる噂もあって、ティナーシャとオスカーが解決しに足を運ぶ話ですね。
巻末に世界設定、人物紹介などの設定集も収録されています。
ただし電子書籍版では、紙媒体とは異なり小説部分のみの掲載となっているのでその点ご注意を。

・『Unnamed Memory 死骸の森』

書籍版3巻後のエピソード。C97「陽の新刊」枠。十分明るくない不思議。

いつも通りさっくり解決する安心仕様。『死骸の森』というタイトル通り、暗い部分もありますが、これくらいなら全然アリです。

読むと「魔女に連れ去られる」という噂のある本。ファルサス南部の海岸で魔法士の変死体が見つかり、魔法士が使えていた主の下から、王へ祝宴の招待状が届く。魔女と王による謎解きもの。そして、ある魔女の断片。

・『着せ替えは心変わりを呼び起こさない!』
UM書籍4巻後のエピソード。
2020年夏(GW)コミで刊行されるハズだったもので、メロンブックスさんの通販等で販売されました。2020年11月時点で、電子版も刊行されているのでkindleでも買えます。
ファルサスのとある商家に伝わっていた「人の心を変える指輪」。
それが盗まれたと陳情が入り、オスカーとティナーシャが調査をする話です。
なぜか闇オークションの会場に乗り込んだりしてます。
それはそれとして、ティナーシャを着せ替えしてるオスカーが楽しそうで和む短編です。

【同人誌】(UM本編等のネタバレを含むもの)
電子版あり、と書かれているものはkindleストアで購入できる。こちらは藤村由紀名義なので注意。

・『Fal-reisia』
全3巻からなる同人誌。UMやRotted-Sとも異なる大陸が舞台です。
他の大陸とは文化が異なってますね。UMなどに出て来る魔法士は魔力を使い、構築を組んで魔法を使います。
ですが、この大陸では魔力がエギューラと呼ばれています。ローカルルール。使われ方にも差異がありますねー。
本編の内容としては、支配領域を拡張していく軍に属する少年と、それに対抗する宗教組織の少女の戦いの話です。
『Fal-reisia -unnamed stories-』という短編集も出てたそうです。完売済み。描き下ろし短編も収録されていたとか。持ってないので詳細不明。

・『ヴィヴィア・バベルと屍人姫』
『Babel』本編後のエピソードですね。
死人が蘇ったと城に陳情に訪れた男。面白がったある人物によって、一人の少女が調査に派遣されるお話です。

・『Unnamed Memory 奇跡のような嘘をあなたと』(電子版あり)
「小説家になろう」のページ下部、断片集に収録されてます。
が、あれ無料配布のペーパーの再録で、フルバージョンが文庫で出してたらしいです。完売済み。少し前に電子化されました。
持ってないので余り語れないですが、「なろう版」の内容で言うとUMのIFストーリーですね。
オスカーとティナーシャ。お互いの身分を知らずに出会ったら、そんな話。


イベントで運よくゲットできたので加筆(2020/1/4)。

なろう掲載分だと「~貴方と」で書籍のほうは「~あなたと」で表記が違うみたいですねー。
限定頒布した小冊子(約一万五千字)だったものに加筆して、五万字強の中編にしたそうです。
最初の遺跡探索の描写が増えていたり、WEBでは描かれなかった冒険パートも増えていて、大変楽しかったです。かなり幸せなIFで、心が安らぎました。

・『Unnamed Memory 砕けた月を瓶に詰めて』
「月蝕」という本編に繋がる前日譚。本編は現時点(2019年8月)で未刊。気長に待ちましょう。
いずれ王になる少年と、傍らに侍る狂気の魔女の話です。

・『Unnamed Memory 灰の見る夢』
UMのIFストーリーとでも言いましょうか。試行の1つ。
塔を上ったオスカーが、ティナーシャを魔女と気付かなかったら。
そんな出会いから始まる、一つの物語です。

・『Unnamed Memory 零れた灰を嘆くとも』

『灰のみる夢』の続きとなる物語。C97「陰の新刊」枠。告知用の画像では「『灰の見る夢』に続く、知らない方がいい後日譚」と書かれていました。

その謳い文句が、一片の偽りも無い真実だと、保証します。幸福の果てに起きた悲劇と、それを覆そうと足掻いた、ただ一人の物語です。悲しい。

・『Unnamed Memory 紅毒の眠る床』(電子版あり/ネタバレ注意)
このエピソードは結構核心に踏み込んでるので、UM本編読了後に読むのを推奨。
ヘルジェールという夜を渡り歩く薬師。
彼女が救ったことのある王子の国が危地にあり……取り引きによって彼女の身柄を求めた、剣士の話です。

・『Unnamed Memory Aeterna』(電子版あり/ネタバレ注意)
これも、他のエピソードに繋がる話であるので、UM本編読了後を推奨。
妻を探して、オスカーが享楽街ガテリア・ティティに踏み込んで。
長い時間の果て、一つの終わりと新しい始まりの区切りとなる一編。

・『時の夢 no-seen flower 小冊子総集編』(電子版あり)
総集編の名の通り、「no-seen flower」内の作品ほとんどの短編が乗ってます。UM、Babel、Rotted-sなどなど。各作品、本編後のエピソードがあるので、これから買う人はお気をつけて。
『-world memoriae-』に属さない『月の白さを知りてまどろむ』等も掲載されてます。
それらも面白いですよー。『-world memoriae-』紹介の記事なので割愛しますが。
『時の夢』の感想も当ブログにはありますー。短編それぞれについて語ってるせいで、3つに分割してます。

・『時の夢Ⅱ no-seen flower 小冊子総集編』
2020年2月コミティア新刊。以前の『時の夢』から7年が経ち、纏められた総集編第2弾。
イベントのペーパーや、完売したコピー本。ファンレター返信や期間限定公開の掌編など、「今はもう読めない掌編」ばかりを集めた1冊。
その都合上、複数作品が混在しネタバレもあるので、お求めの際はご注意を。

『月の白さを知りてまどろむ』と、電撃文庫から刊行された『監獄学校にて門番を』の短編が入っているほかは全て『-world memoriae-』関連ですね。
半分くらいは、現代パラレルの『学園Babel』時空です。
例年、古宮先生はクリスマスにコンビニプリントで掌編を公開されていたのですが、それらも収録されています。クリスマス掌編あまり追えて無かったのですごく嬉しい。2019年の分まで収録されてるので多分完全版。

とまぁ、こんな感じで多様な作品が属し、それぞれの魅力があります。
同人誌を精力的に刊行されてて、完売後に電子化してくださっているものも。
『End of Memory』に関してはまだ連載中ですし、書籍化を期にUMの新しい短編を書かれたり、今なお更新が続いている大作です。
WEBのみの作品もありますので、まずはそれらから読んでみる、というのも全然アリ。
きっと楽しんでいただけると、そう信じています。