「オレは!! 信じますよ!!!」
最初のノエが、アストルフォ相手に健闘してる場面が好き。
「相手を子供と侮り 自分の力を驕った だから負けた」。という自己分析をしてるのが良い。直前の「次は勝ちます」発言の本気度が伺えるといいますか。
それだけ覚悟をしてなお、ただ邪魔する敵を打ち払うのではなく、知りたいと思い、話しかける辺りがノエですけどね。
ジャン・ジャックは“獣”になった。
――では、彼が獣になる前に発生していた被害は、一体誰の手によるものだ?
そこから紡がれるジェヴォーダンの過去が、重くのしかかる。
暗い話に、それでも読ませる引力を持たせるのが上手い作家さんだなぁ、と改めて思いました。
獣の事を除外して考えると、死体の状況は「吸血鬼狩り」のものに見えてくる。
教会が、その始まりだったのではないかと言う事実。異端を畏れる人々の、もう止まれない狂気が怖くてたまらない。
坂道を転がる石のように、一度勢いがついたものはそう簡単に止まれない。
守るべきの人々に弾圧されたクロエが、今この地でやろうとしていた事は、復讐だったのかと思えば、更に隠されていたものがあって。
いやはや、大切なものを汚された人の執念は凄まじいものがありますね。
そこからネーニアの秘密が明かされるとは思ってませんでしたが、アレ思った以上の爆弾ですね!?
その後の、ヴァニタスとノエのやり取りがまた楽しかった。慌ただしい時の清涼剤ですね彼らは。是非いつまでもそのままでいてほしいものですが。