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「助けて、って聞こえたんでね。こんな美味しい状況逃がしたら絶対セーネに笑われるし、怒られるし、俺も一生後悔する」

 

魔王が居て、対抗するための神意を伝える聖剣がある世界。

これまで六代の勇者が、聖剣を奮い偉業を為した。

吟遊詩人の妹のために勇者になりたい青年ジオは、見事聖剣を引き抜くことに成功し、勇者の器であることを示した。

……しかし。

王都には、ジオよりも相応しい人物がいる、と神々が勇者の証である紋章を授けたのは一人の少女であった。

それができるなら、もっと早く紋章渡しておけよ……と思わなくはないですけど。

 

かくして、紋章という確かな証を得た少女は、聖剣を勝ち取り魔王討伐に赴いた。

そして季節が廻り、勇者イリアが帰還した。

争いが終わるのかと思いきや、彼女は魔王に敗北を喫しなんとか脱出してきたのだという。更にイリアは、自らの敗北を隠蔽しようとした。

それによって神々の怒りを買い、紋章はイリアに次ぐ資格者であるジオの下へ移動した。

 

そこから物語が加速していく感じですね。

神々が結構下界を観察していると言いますか。

紋章を授ける「勇者力」の判定は、強さだけではなく、いかに勇者らしい行いをしたか。人々にどう思われているか、と言う基準まであるようで。

イリアの失態を受けてジオは紋章を得た。しかし、イリアも紋章の剥奪と言う罰を与えたので未だ候補者のまま、ジオが勇者力を落とせば紋章が移る有様で。

 

まぁ、コロコロと紋章が動くこと。いや、だから、そんなに頻繁に紋章動かせるんだったら、聖剣抜く必要あった!? みたいな気はします。

ジオもイリアも、我が強いというか私欲の為に勇者たらんとして。「勇者力」に関わるから、どちらも善行を為してる、良い人ではあるんですが。

紋章を奪いあうライバルであるお互いの前では、仮面をかぶらずガンガン言い合いしてるのは笑えました。

 

イリアの方は、勇者になりたいというよりは、ジオと関わって居たいという方向の欲で、もうちょっとやり様あるでしょ、って言いたくなりますけど。

如何せん、彼女生き方が不器用極まってるからなぁ。スペックは高いし、それを活用してはいるものの、色々と足りてない。

かつての旅の仲間が心配するのもうなずける。まぁ、仲間の方もちょっとネジ飛んでる感じはしましたが。

ジオの秘めていたものや、イリアの過去。さらには、魔王陣営の方にもネタが色々仕込んでありそうで、これから楽しくなりそうなシリーズですね。

七代勇者は謝れない (GA文庫)
串木野 たんぼ
SBクリエイティブ
2019-11-14