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「修と過ごした日々は……幻想なんかじゃない」

 

名前は以前から知っていたのですが、このラノ2020で文庫部門8位に入っていたので購入に踏み切りました。

私は結構好きです。ただ、一度夢破れて枯れた青年が、また歩き出す話で、重い部分があったり、田舎特有の独特な距離感があったりと、好みは別れそうかなーと思いました。でもそれで8位取ってるんだから凄い。協力者票の方が強いですが、WEB投票でもそこそこ入ってる感じですね。

 

二十歳の松本修は、絶賛無職で実家に引きこもり中のニート男子。

大学を逃げるように辞めて、就職しようかと思ったら体調が悪くなり、病気が発覚して。

早ければ半年の命、と余命宣告まで受けて。手術をしても五年後の生存率は決して高くない。

彼は、それ故に今まで以上に枯れ果てて、就職も辞退して……あのままだったら、多分静かに息を引き取っていたことでしょう。

 

ただ、時を同じくして幼馴染で、今は大手レーベルに引き抜かれシンガーソングライターとして活動中の少女が帰省していて。

世話焼きの兄貴の手によって二人は再び出会い、すれ違い、ぶつかり合う事になる。

青い鳥の話ではないですけど、探し物は一番近い所にあった、と収まるべきところに収まる話でもありました。

1巻で結構綺麗にまとまっていたと思うんですが、コレ2巻も出てるんですよね。何が描かれているんだ……近いうちにそちらも感想書きます。