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2020年2月コミティアで頒布された『時の夢Ⅱ』感想、第5弾。完結ですよ!
今回は現代パロディ「学園Babel」時空の『月の白さを知りてまどろむ』。
そして『監獄学校にて門番を』と『Unnamed Memory』のおまけと書き下ろしについてですー。
長い戦いもついに終わる……私は何と戦っていたんでしょうね……自分か。
感想は下記。


 

◇現代パロディ「学園Babel」(月の白さを知りてまどろむ)

・クリスマスの予定

「先生、デートに行きましょう?」

妹とデートさせるために、先に自分と遊びに行く予定を入れて友人の時間を確保しておくとか、トーマのサポート能力が高くて笑う。いや、これに引っかかるシシュもシシュだよ。

先約があるからと一回は断ったのに、結局は彼女と一緒に映画を見に行って、似合うと思っていたものを買ってあげる辺り、流石はシシュ。

……似合う似合わないだけで判断して、金額考慮してなかったと思しき当たりも流石なんですけどね。トーマ、もっと言ってやって。

 

・クリスマス2016

「ぴったり。先生、すごい」

家庭教師と生徒という関係の二人。授業に訪れたシシュに先手を打ってサァリがプレゼントを渡して。これのために一時バイトまでしたというんだから、行動力凄い。

シシュの頭が固い所も考慮して、ちゃんとその後授業を受けるから終わったらデート行こうというあたり強い。で、シシュも彼女が前欲しがっていたものを覚えていて贈ったのはいいんですが。トーマからサイズを聞いて指輪を贈っている辺り、シシュも相当ですよね。なんで付き合ってないんですか。

 

・ハロウィン

「トリックオアトリート」

私服姿で、シシュの家に乗り込んだサァリ。イベントごとは逃しませんね。

菓子がないという彼に「じゃあ悪戯にする?」と言う彼女は本当小悪魔というか、この時空だと普通の高校生のハズなのに、変に蠱惑的というか。シシュにだけ見せる顔、って事で見ている分には可愛いですけどね。シシュはもっと困れ。

 

・こてんぱん

「先生、あの人を逃がしたでしょう!」

シシュに講義のノートを口実に近づこうとした女子。しかし、たまたま足を運んだ喫茶店にサァリが居たのが運の尽きというか。勝ち目無いから諦めな。

臨時の応援だったみたいですけどね。知り合いかと聞かれて「一番大事にしている人」と言う辺りシシュの方も、想いは固まってるように見えますが。戦うつもりで出待ちしているサァリが強い。

 

◇監獄学校にて門番を おまけ小話

「気楽だなんてことはありませんよ、陛下」

若き女王が突発的に訪問してきて。変わらないやり取りを交わしているのが懐かしい。門番と女王と教師と。楽しそうに過ごしているのが、何よりです。

 

・その後の話 二

「昔もこんなでした?」

ジリアがクレトに教師になろうと思う、と打ち明けて。

元は官吏として国を変えたいと思っていたが、一旦は人脈頼りで任せて、自分は自分なりの考えを持って学園を支えると決めた。うん、覚悟持っている子は強いですよ。ファイト。

 

・おすそ分け

「お前は俺に何を課そうとしてるんだ。今までの用事で既に十分すぎるくらいだろ」

指輪生のジリアが夜にやって来て。今回は怪談ツアーではなく、別件。

自作の料理の指し入れ。気恥ずかしそうにしている辺り微笑ましいですねー。

 

・門番のお仕事

「いつも思うけど理不尽だな」

外に出られない生徒たちが、門番を射的の的にして。

彼が後処理をする羽目になるあたり哀愁が漂いますね……お疲れ様です。

 

・休日には怪談を。

「あなたいつも聞き流してますからね……おかげで同じ話を誤解しても気付かないので面白いです」

『怪談を聞いてくれたリスト・時間ランキング』ってなんだよ。いやそのままでしょうけど。リストにするほど怪談流布してるのか、とか。その下のランカーは何時間聞かされてるのかとかちょっと気になる。

「自分の怪談を信じろ!」が中々のパワーワードというか。読み聞かせされてる方から言われるのは早々ないと思います。

 

・冬の行事

「やめろ。俺を巻き込むな」

季節の行事に関して盛り上がる少女と門番。

その話を聞いて、種族特有の現象か何か? と言いつつ怪談を引っ張ってくるあたり彼女もぶれないな。

 

Unnamed Memory

「夢を見てた。ここじゃないどこかで、お前と暮らしていた」

四百歳超えてる、と言っているのでAct.1時空で、結婚した後。

オスカーが見た夢をティナーシャに話す、短いエピソード。幸せにすると王が言い、期待していると魔女が返す。

あぁ、うん。今が既に幸せなんだよ。とても幸福に満ちた時間を過ごしているんだよ。短くて優しくて暖かくて。コレが試行に巻き込まれて消えるんだもんな、容赦ないな……

 

◇書き下ろし Unnamed Memory Act.2 if

「というわけで、ファルサスに来るでいいか?」「……え、え、あの」

トゥルダールに足を運び、ティナーシャを地下から連れ出した後。

オスカーが「彼女を花嫁としてくれるの?」と聞いた後、カルステが彼女を王位につけようとせず「その方の合意が得られるなら」とうなずいたIF

凄いな、カルステが力に固執しなかったらこんなに早く結婚確定するのか。多分これが一番早いと思いますってリアルタイムアタックでもしておられます? 
まぁ、さすがに王太子が結婚するとなれば準備期間があるわけですが、それでも三か月程度ですし。

状況に振り回されて困惑しているティナーシャが可愛かったです。オスカーなんて思わずラザルに「式を早められないか」とか言ってましたしね。
とりあえず結婚は決まったが、相手のことを知らないので知ろう……を通り越して「口説き落とそう」に至る辺りあまりにもオスカーが強い。