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『戦となれば全員が命を張る。団長であろうと例外はない。それだけの話だろう』

 

暴威を奮った魔王を、エルフ・ドワーフ・人間など、住まう人々全ての力を合わせて撃退した世界。

打倒を期に暦を討伐暦と改め、200年近くの時が過ぎ……「再び現れる」と言い残した魔王の脅威を、多くの人々は忘れかけていた。

 

まぁそれも無理からぬ事ではありますけどね。魔物に追い込まれた領土を開拓する余裕も出て来た状況で、魔王の脅威を直接知る人もほとんど過去の人。

唯一、長命のエルフのみ生き残っていましたが、病に倒れ長くはない。そんな彼の下に、魔王について恐れ、知りたいと願う人間の子どもカレルがやって来て……彼はそこで多くを学び、成長したのでしょう。

 

討伐暦198年。カレルは、最強の傭兵団、狂嗤の団の調査部隊に居た。

団長の息子ではあるようですが、養子も多いので本当の息子かどうかは怪しいとかなんとか。あくまで一介の隊員であった彼は、色々な事情と思惑が重なった結果として、次の団長になることに。

 

魔王の脅威が薄れ、当時の利権は現状にそぐわないと人間同士の争いが勃発しそうな状況。

けれど、最前線であったアレンヘムには聖女の加護があり、王族には人の心を読む特殊な道具が伝わっていた。

情報を下手に広めるわけにもいかないし、たまった鬱憤は発散させないといけないしで、結局人同士の戦争は開幕するのですが……政治のトップと筆頭戦力がある程度協調できるのは安心材料ですねー。

 

傭兵団の団長にして聖女の婚約者と言う前線に立つカレルと、幼くして女王を継いだ妹を補佐する王子ヴェッセル。その二人を中心として描かれていく、戦記物。

いや、やっぱり『火の国、風の国物語』書いていた師走先生だけあって、キャラが多くて序章も序章なのに楽しいですねー。読むのが遅くなってしまったのが悔やまれる。