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「一つ訊く。我の役はなんだ」

「どういう意味でしょう」

「軍の統括を解除された記憶がない」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

魔物たちには魔力があるが、人間が持ちうる奇跡は物語の中にしかない。

そう思われていた世界で、『魔剣』と呼ぶにふさわしい、異能を持った剣が出土して。

現魔王サラと同様の魔力吸収能力を持つ一品で、発見時に近づいた魔物が一体命を落とす事態にもなっていましたが……

 

強力ではあるが、あくまで剣一本。帝国を揺るがすほどの脅威ではない、と判断される事に。

なので宰相は、その情報を活用してこの機会に不穏分子を炙り出そうと画策してます。

トップが謀略の皇帝と呼ばれ、智者を厚遇しているのもあってか、スキピオも絡め手バンバン使いますね……

 

もっとも、帝国の臣下たちもさるもので、ほとんどは裏を察し状況も見据えて、今は動くタイミングではないと雌伏を決め込むわけですが。

王族の誇りを捨てきれず、暴走する人物が現れる結果に。

彼のブレーンである、教師役だったハイエルはそれを諫めたハズなのに行動を起こされて、さらに説得に赴くも失敗し……いや、散々ですね。

慟哭が痛い。とことん追い込まれて人が変わったようになった彼も嫌いじゃないですけどね。強かさが増してる。帝国の家臣はこんなのばっかりか。

 

今回はあくまで人の反乱への対処。

という事で、前魔王ラジャスに対しては特に関与しない方針でしたが……ラジャスの方が魔剣に興味を持って、反乱軍への対処に名乗りを上げて。

偽りの勇者探しの時、彼を城に呼ぶ名目とした「軍の統括」と言うのを、今度はラジャスの方が軍に関わる言い訳に使うんだから面白いと思いました。