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「俺はニセモノだ。こんなところで立ち向かうような英雄じゃない。だいたい、こんな茶番劇、とっくの昔にうんざりだ」

(中略)

「だけど、そのままでいなくちゃいけないのか?」

 

再読。

生誕祭が近づき、街も学院もにわかに活気づいて。

カルロですらオモチャの帽子を被ったり、ラーフラも学院でサンタの格好をしたり。

戦いの最中の休息。それが、とても良い時間になりそうな、準備期間があって楽しそうだったところに、水が差されるんだから最悪で最高ですね。

 

カルロがイザヤに問うた聞き覚えのない都市の名前だったり、復活した蒼馬が再度イザヤの前に現れたり。

英雄『久瀬諫也』を知る新たな異端審問官の登場と、獣の襲来。

どれか一つでも重大イベントなのに、それが纏めてくるって言うんだから容赦ないにも程がある。

 

異端審問官であるシスター・レアは、到着早々自らの権限でカルロとイザヤを拘禁しますし。

そのまま指揮を引き継ぎ、獣との戦線を支えながら、蒼馬を追求しに行くんだから、行動力に溢れてますな……

道を分かったかつての戦友との会話が、楽しくて好き。気心の知れた過去を共有している相手であり、もはや交わる事のない怨敵。

会話で情報を引き出し……そこから戦闘に入ってバチバチやり合っているのが、熱かった。

 

一方、隔離されたカルロとイザヤも、為されるままではなく。

周到に準備していたカルロもカルロですが……これまでの戦いと学院での時間を経て、イザヤが前に進んだのが好印象。

「英雄どこうなんて、所詮はただの言葉だろうが」と宣い、今度は自ら戦場に立つ彼を尊敬する。