「まあ、でも、メノウちゃんが死んじゃうくらいなら、世界なんて滅んでもよくない?」
「それはわかります」
メノウから離れ、モモと別行動をすることとなったアカリ。
いやぁ、それにしてもこの二人とことん相性悪いですね! お互いにメノウ第一主義なので、話題は尽きないようですが。
……どっちがメノウを理解しているか。大事にしているかのマウント合戦なので、バチバチにやり合っているのは、他人事なら楽しい。
二人とも爆弾じみてるので、ちょっかいは出したくないですねぇ。
故あって手を出したチンピラ達が蹴散らされてましたし。
命を狙われていると警戒されるより、別件で逮捕されて警戒を薄れさせた方が良い、と。あるいは誘拐の罪状よりはナンパの方が良い、と。連行されていく歴戦の戦士たちは笑えました。
メノウの追跡を少しでも送らせるため、財布からお金を取ったりしてましたが。
それならば、と即座に王女様を頼る辺りメノウが一枚も二枚も上手でしたね……
モモの行動予測も完璧で、しっかり追跡してましたし。王女からお金を借りる代償として、メノウが男装執事していたなんて瞬間を見逃した方が、逃亡者2人にはショック大きいのでは。
温泉のある山間の街。そこでモモとアカリは、アカリの概念魔導の特訓をしたりしてましたが。
追ってきたメノウと王女以外に、マノンと万魔殿なんかもその街を訪れて……
それぞれの思惑が交差してて面白かったですね。すわ、この街も滅びてしまうのかと思いましたが。集っていた人材から考えれば、驚くほど穏やかに決着してました。
かつての四大人災が為したことや、帰還する方法のこと。この世界に広まっている魔導の生まれ方など、世界の真実が明らかになる巻でもありましたが。
やはり大きいのは、モモから話を聞いて、メノウがアカリに記憶が残っている事、彼女の行動原理について知ったことでしょうか。
それによって、彼女達の立ち位置が確定したともいえますし。さてはて、力を使い続けて灯りの人災化まであとわずかの状況。
聖地でなにが待っているのか。期待して続きを待ちたい。