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「これより先、貴方が損なわれ、潰え、失われようとも、私は永遠に貴方と共にあります」

 

綾里先生の新作だー! 『異世界拷問姫』半分くらいしか読めてないのに、新作に浮気してしまった。追々読みます。

相変わらずのダークなテイストは健在で、その中で培われた絆の描き方がお見事と言いましょうか。

 

突如として【キヘイ】と呼ばれる脅威が現れ、人類を蹂躙した世界。

生き残った人々は学院を作り、【キヘイ】の死骸を回収し分析するなどして、対抗を続けていた。

主人公のカグロ・コウは、学院研究科に所属する学生だったが、遺跡の調査に赴いた先で命を散らした……はずだった。

 

【キヘイ】の少女によって救われ、秘められていた情報を知ることになったコウ。

一部の【キヘイ】はなぜか人間と【婚姻状態】になり、その力を貸してくれるという。

期せずしてそうなってしまったコウは、研究科から戦闘科、それも存在しない筈のクラスへと移籍になり……自分と同じ境遇の仲間たちと出会う事になる。

元居たクラスでは白面と呼ばれ、得体のしれないものとして扱われていたコウ。理解者も居るにはいたようですが、移籍によって縁も切れて……

 

代わりに、クラス百こと【百鬼夜行】の面々との交流がスタート。

【キヘイ】と婚姻関係にある彼ら・彼女らは中々に個性的で、白面と呼ばれていたコウが振り回される事に。

コウ自身も白姫という婚約者を得た事で、少しずつ変化していったという事もあると思いますが。

クラス百にじっくりと馴染んでいった。荒廃している世界においても、人を気遣える心は残っているだなぁとちょっとほっとした。

 

……まぁ、【キヘイ】に対して一般生徒のほとんどは無力なので、油断してると初期のコウみたいにあっさり死ぬんですけど。

救援任務に赴けば、救出対象の亡骸を見つけてしまうくらいには、あっさり。

本当に絶望的な状況で、【百鬼夜行】と言う戦力がいるのは、望外の奇跡なんだなぁと思えましたが。

そんな彼らですら対処しきれない事態が勃発するんだから、この世界は本当に容赦がない。

 

【キヘイ】の女王の降臨、一斉侵攻のはじまり。

余りにも強大な彼らの行進に対抗するためにコウが取った手段が、中々に反則的で………

一度は折れそうになりながらも成し遂げた彼に拍手を。

ある程度の犠牲は出る結果となってましたが、困難を乗り越えた彼らに幸いが合ってほしいなぁ。この後も絶対波乱万丈だという確信しかないからなぁ。