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――人は簡単に変わる。ただ、変わるに足るきっかけのほうが起こらないだけだ。

 

高校デビューって、ありますよね。

進学を切っ掛けに今までとは違う自分になろうとする。

この作品は、それをどこまでも真剣に実践したとある二人の物語。

片や友人と「主役理論」を組み立てて、物語の主役たろうとする少年、我喜屋未那。

片や一人で「脇役哲学」を作り上げて、物語の脇役で良いと主張する少女、友利叶。

本来であれば、真逆な二人の青春は重ならず、互いに干渉することも無く学校生活を送っていたはずだった。

 

しかし。高校デビューって結局は、環境が変わったタイミングで、自分も変わるわけじゃないですか。

この二人は自らの主張に妥協をしないので、進学だけではなく、それをきっかけに一人暮らしを始める事で、環境の変化を劇的にしていて……

実家からの支援があるとはいえ、高校生の身で借りられるアパートで、進学にも適している物件を探せば、重なるのも無理はない。

 

我喜屋は102号室、叶は103号室とアパートの隣人になっており……バイト先まで一緒。

さらには、不慮の事故と言うか。相手の主張を認められずに壁を蹴ったら崩壊し、部屋が繋がるハプニングまで発生し……

誤魔化そうとしたものの友人にもバレ、彼女らは黙っていてくれる事になったものの。二人の詰めが甘かったせいで、付き合ってるのではないかと噂が流れる羽目になったり。

途中で我喜屋は「バカ+アホ+間抜け+ドジ」で満貫とか言ってましたが。

なんというか、ここまでトラブル重ねられてると役満と称してもいいんじゃないかな、みたいな気分にはなる。

 

お互いの主張を理解出来るけど、真逆であるために認めることは出来ない。

それ故に、どうしても交流せざるを得ないとなれば。争いは避けられないのだ……とか言いましたけど、二人とも外面は良いし、主張を理解出来てる部分もあるので、傍から見てると仲良くも見えますけどね。……ガンガン言い合いしてるので、仲悪くも見えるのが困りものですが。

 

1巻は面倒臭いところのある二人が、交流してすれ違い、少しだけ歩み寄るお話でありました。

初版3年前なので入手難度は高そうですが、今は電子書籍とかあるので……作者さんの新作『今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。』と合わせてオススメです。