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「……つまり、行き当たりばったりで考える、ということでいいのかな?」

「…………まぁ、身も蓋もない言い方をすれば」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

『パラサイトムーン』から8年後の世界を描くシリーズ。

成長したファウナやフローラ、心弥などなど。懐かしいキャラが出て来て前作おさえてると更に楽しいですね。

 

ただあくまで新シリーズなので、メインとなるのは、月代玲音という新キャラ。

キャラバン関係者の幼馴染・文槻クレアがいるものの、彼自身は迷宮神群のこととか何も知らない一般人。

友人と変わらぬ日常を過ごしていたある日。地元の洋菓子店を訪れて、事件に巻き込まれる事に。

 

封印を解かれた「マリアンヌの宝石箱」。

その中には、かつて欧州を席巻した異能者ブロスペクト一派の能力や記憶が封じられてあいて……事件に巻き込まれた人々の中で、覚醒する。

能力だけが付与されて、全く影響を受けない人も居れば。

ブロスペクト一派の記憶が混ざり、それに強く影響を受けてしまう人も居た。

 

そしてそもそも、失われていた「宝石箱」を奪い封印を解き放った黒幕も動いているわけで。中々状況が混沌としてますね。

敵側が派手に能力を使って、かつての仲間の覚醒を促したりしてきますし。対応が後手に回っている感じはある。

「ブロスペクト一派の記憶と能力」が混じっただけで、肉体的には一般人だったり、関係者だったりするから、手出ししにくいというのもあるとは思いますけど。「毒ガスで一網打尽」とか「高威力の攻撃で肉体破壊」とかできないもんなぁ。

こちらは手加減しなきゃいけないのに、相手が手加減してくれる保証はないので最悪です。

 

キャラバンの関係者も多く巻き込まれていて、対処してないわけではないんですけどねぇ。

心弥が美術教師として学校に来たり、その能力を磨いて評価されているみたいだったのは嬉しかったですねー。

彼なりの戦い方というのも見せてくれましたし。根黒を「桂君」と呼んだり、親しい人を増やしてるのは何よりです。大人になったんだなぁ。

 

玲音がそれまで何も知らなかったのに巻き込まれて、混乱している様子が良くわかります。

あと、このシリーズは13巻で序破急みたいな展開するので、まとめて読むのをオススメ。