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「さあ――俺たちの戦争を、始めよう」

 

十香が消えてから一年。

元精霊の少女達と士道は、その喪失を抱えながらも未来に少しずつ進み始めていた。

完結となる上下巻エピソードで、数字を名前に持つ精霊たちが順番に焦点当たってるのが面白いと思いましたねー。

 

精霊が消え、ウェストコットが倒れた事で、ラタトスクの敵対勢力がほぼなくなり穏やかな日常を送れているのはいい感じ。

エレンが記憶を失ったために、ラタトスク機関員兼教員として活動しているのもちょっと笑いましたけど。

記憶失ってなかったら最強の魔術師として暴れるのは想像に難くないですからね……経過観察も必要でしょうし。保険もかけてるみたいですから、大丈夫そうですけどねー。

 

士道が特に十香の事を引きずってるようでしたが。

折紙が彼女を忘れるなと言い、二亜と進路や未来に関する話をして。

仲間として背中を押してくれる人が居るのは良い。折紙の方は、十香を超えて見せると宣戦布告までセットなのが彼女らしいですけど。

 

狂三とは、墓参りに行って。精霊の力が失われたことで、約束したことは叶えられなくなった。思わず、悪趣味な冗談を飛ばすくらいの事はされてましたが。……アレ、ほんとに冗談?

記憶を失った精霊であった四糸乃は、ラタトスクの調査によって過去を知って。想い出の地へ足を運ぶことにした。成長が感じられる話で良かった。

 

そして各エピソードの裏では、存在しない筈の精霊の存在が示唆されており……ついに士道が対面し、ラタトスクは行動を起こさざるを得なくなる。

司令である琴里は精霊の加護を失った指導を遠ざけようとしますが。ここまで「デート」を続けてきた士道が引くはずもなく。妹として。司令として。二つを背負った琴里のイラストが可愛かった。