「そんなことのために、僕は麻衣さんと付き合ってるんじゃない」
「じゃあ、何のために付き合ってるの?」
「ふたりで幸せになるため」
霧島透子と名乗った、咲太にしか見えない未ニスカサンタの女性。
彼女はサンタとしてプレゼント――「思春期症候群」を配り歩いた、と告げて。
大学内にも該当者は多く、その中には中学時代の知り合い、赤城郁実も含まれていた。
プレゼントを贈ったのは嘘か真か、1000万人。
さすがにそれら全員を救うなんて真似ができるはずもなく。……けれど、かつての縁もあって赤城のことだけは気になっていた。
まぁ、赤城のことばかり考えていられるわけでも無く。
バイトで教え子と交流したり、道が分かれた高校時代の友人たちと遊んだり。
麻衣さんの許可が得られてしまったために、合コンの穴埋めに行く羽目になったりと。
咲太が、わりと普通の大学生やっているのは感慨深くありますねぇ。
……否応なく思春期症候群と言う厄ネタが付きまとうので、普通とは少しずれてますが。それでも、青春を満喫しているのが伝わって来て楽しいんですよね。
美東が毎度会話あったり、上里も同じ大学に進学していたりと、意外な縁がつながり続けてるなーと言うか。
その内どっちかが思春期症候群に巻き込まれたりするんだろうか、と思えて気が気じゃないな。特に、一線を引いてる美東は気になる。
赤城が気になり、彼女と交流する中で思春期症候群が発現しているのが確定。
そして彼女から「勝負をしないか」と持ち掛けられて……受けるのが咲太なんだよなぁ。
中学時代に起きた出来事は、どうしようもなく影を落としていて、あちこちに影響を与えているのが改めて示されるエピソードでもありました。
しかし、赤城の思春期症候群からすると、「#夢見る」って「あるから使った」だけな感じがするというか、これまだ根深く残り続けそうな気配がする。
最後、意味深な警告が飛んできていましたし、続きが楽しみです。