だがしかし、後悔はしない!
やられたらやり返す!
それが私流!
Sシリーズの分量が多めになってる感じですかねぇ。
濡れ衣を着せられながらも、なんとかエルフの里へ辿り着いたシュンたち。
そこでエルフと、エルフに「保護」された転生者との間にある溝なんかも前巻で感じていましたが。
関係を取り持てるほどの余裕は、心情的にも時間的にも存在せず。
いざ戦闘が開始して見れば、相手側に翻弄されるばかり。
シュンは王族としての地位があっても、生まれ故に疎まれてたのもあって、準備をしていた管理者陣営と相対するには、色々と足りてない。
それでも抗おうとするからこそ、勇者の称号が継承されたのかもしれませんが。ま、その辺りは先代の、シュンの兄であるユリウスの功績が大きいと言えるか。
そして、一方の蜘蛛子。彼女は初めてとなる転生者との会合を果たしましたが……。
相手はまだ赤子。しかし鑑定した見たところ、「吸血鬼」のスキルを持っていて。人族の、身分の高い両親から生まれた、吸血鬼の真祖。
いやぁ、蜘蛛子でなくても厄介事の気配しか感じられない案件ですね!
将来の事は知ったことじゃないと思いつつも、情報を得る機会だからと街の近くに居座って盗賊退治してたら神獣と崇められてるとか、君は君で波乱万丈な人生……蜘蛛生? 送ってるよね。
力で排除も出来ず、領民に治療を施す魔物とか、当主が胃痛を覚えるのも止む無し。
さらには、彼女の存在を発端とした戦争まで勃発しそうになるし。自分を出汁にされるのが癪でちょっかい出しに行ったら魔王にエンカウントする羽目になるし。
辛くも生き延びて念願のアラクネへの進化を果たした直後、エルフの長と戦闘する羽目になるし。イベント乱立しすぎってレベルじゃね―ぞ。
蜘蛛子ちゃんが対策しまくったおかげで、魔王との停戦が成立したのはまぁ、何よりでした。