「たった一度の人生でしょ。迷ってばっかりじゃ、後悔するわよ」
アニメ化も決定した好調なシリーズ。
袖コメントでニリツさんも触れられていますが、表紙絵のメノウがシリーズ1巻から徐々に体勢が変わり、5巻でついに立ち上がったのは感慨深いですねぇ。
導師「陽炎」に連れ去れたアカリを助ける為に、メノウが奮闘するのがメインだったのでアカリの描写は抑えめだった印象。
陽炎が釘を刺して、アカリの行動を制していたともいえますが。それを解き放つのがメノウだって言うのが良いですよね。
最も、そこに至るまでの道は決して平坦ではなく、一度はメノウも逃げの手を打つ羽目になったりもしてました。
……ただまぁ、メノウも処刑人としての腕はあるけれど、迷う心を持った一人の少女だというのが改めて明示されたのはいい感じでしたねぇ。
モモがメノウ一筋過ぎて、サハラの事微塵も覚えてないのは正直笑ってしまった。
巻頭の口絵の部分で、メノウ・モモ・サハラの幼少期イラストがある事も踏まえるとより味わい深いですよね。あのイラスト、三人と陽炎の距離感が良くわかる感じがして好きです。
そして、メノウの前では猫を被っている姿しか知らない為、メノウがモモに化けようとしたとき周囲の印象とズレるのには笑ってしまった。
シリアス寄りだと思ったのになんで突然コントが始まってるんですか!?(ああいうの好き)。
「聖地」とだけ呼ばれる、特殊な街の存在。そこに封じられていたもの。
蠢いている【使徒】達の思惑なんかも気になるところではありますが……最後の描写には驚きましたね。
いや、彼女の過去に秘密があるだろうとは思っていましたけど、思った以上の爆弾が埋まっていたというか。新しく覚悟を決めた異世界人と処刑人の少女達はどんな未来を描くんだろうか。続きが更に楽しみになりました。