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「でも、あたしの尊敬する人が言っていました。どんな悪党にだって、一度くらいやり直すチャンスがあってもいいって。だから、これはそういうことなんです」


アルシエラやオリアスの様に、ザガンとネフィの幼少期を知る人との縁が出来て……お互いの誕生日を知ることに。
二人とも子どもの頃は、それどころじゃない環境に置かれていたので、誕生日ってどう祝えばいいのだと困惑していますが。
せっかくだからお祝いはしたい、と相手に秘密にして準備を始めているのが尊いですね。

……手島先生の作品の主人公、『影執事』シリーズのマルクくんと言い誕生日を知らない悲惨な子ども時代送ってますよね……。
誕生日問題で、シャスティルとバルバドスにも変化が生じたりしてるのは微笑ましくていいですねー。
口絵に描かれていたポンコツコンビの邂逅と対話も、中々良かったです。
あの二人の周辺、恋愛感情が色々絡まっているよなぁ。
今幸せそうだから、このまま行ってほしいと思いますけど。

シアカーンとビフロンスが座して待っている筈もなく。
同盟は決裂したものの、それぞれが手駒を動かしたり、領地に乗り込んで来たりしてくるんだからたまりませんな。
それだけじゃなくて、ホムンクルスであるネフテロスの寿命問題まで迫っていて。
研鑽を積んでてもそれに対する解決が即座に出来ない、と言うのが中々難しいですねぇ。

正確に言うと助ける方法はあるけど、ネフテロスがそれを選べないという問題だというのがややこしさをましています。
アルシエラのちょっかいで、少し気持ちが前向きになったように思える場面で崩れてしまったのは惜しい。
……というか、ビフロンスが本当に嫌なタイミングで介入してくるんですよね……。

調査に赴いていたシャックスと黒花の方でも、シアカーン配下との遭遇戦があって。
裏切りの聖騎士長との対決があって、黒花が速攻で決着をつけていた場面には凄みを感じましたね。
その後、ザガンのように他人に優しさを向けられるようになっていたのにも感動した。
成長したねぇ、黒花。シャックスに張り付いてる挿絵が可愛くて良かった。

そして、ヴァリヤッカが一度は生き延びてましたが、今回で屍を晒すことになって。
……まぁ、生き方を変えられなかったので当然の末路って感じですけどね。
けど、また聖騎士長が減ることになったのは教会の戦力的な意味で不安が残るかなー。
聖剣は回収して教会に返還されたから、マトモな聖騎士長が誕生してほしいけど、使いこなすのには時間かかるだろうし、どうなるやら。