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「鈴藤さんに追いつく。そして俺が鈴藤さんを守る。ついでに果須田裕杜をぶん殴る。俺はそう決めた。文句あるか?」

「目的と手段が逆転している。だがまあ、最終的には問題ない」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

天才として知られた果須田裕杜。

彼が〈ルール・オブ・ザ・ルール〉という、ゲームを開催する事になって。

21組のチームを組む参加者は、世界各国から集められた才能人ばかり。

「誇りと命を賭けて」行われるこのゲームは、結果として殺される事もある過酷なもので……そんな危険なイベントに参加する事になった、高校生2人の話です。

 

果須田裕杜の幼馴染である少女、鈴藤小槙。

彼女は、かなりスペックの高い頭脳を持っていた。ただ一度悩み始めると、思考が止まらなくなってしまう悪癖があり学内テストでは最下位を取ってしまったとか。曲がれないドラッグカーかなにかか。

 

そんな彼女が、亡き妹のためにゲームに参加を決意したクラスメイト・春野祥とゲーム実施日に出くわして、偶然パートナーになってしまう。

不意の事故ではあるものの、彼女自身が選んで参加して、ギプアップも選択せず出来る範囲で抗い続けてるのは好印象でしたね。

 

参加者同士でやり合いもするし、妨害を担当するディフェンダーと言うGM側の人材もいる。

そんな状況で、そこまで仲が良いわけでもない小槙と祥は初手から別行動をしているし。ゲームルール的にも障害が多く、合流も難しい。

目的がある祥が止まらず進み続けたのもそうですが、自分では決められない小槙がゲームを通して変化していったのが良い。

 

あと作中で提示されるなぞなぞに、駆け足でもしっかりと答えが描写されてたのもありがたいですね。ああいうの考えるの苦手で。

作者のデビュー作で粗っぽさもあるけど、作中のキャラがいい味出してて好きなシリーズですね。