ico_grade6_3h

「……ちょっと想定外の事態だけれど、まぁ……悪くは無いかな?」

 

なろうからの書籍化でWEB既読。

短いエピソードを毎日する更新タイプの作品で、書籍では3章まで入ってますね。

書籍化に伴って、説明パートとかが加筆されており、読み味を変えないまま理解度が上がるようになってるので良い感じでした。

 

異世界転生モノですね。日本で社会人をしていたはずの青年が、気がついたら異世界で孤児の少女になっていた、というのがポイント。

性別が変わってますけど、特に困惑することもなくなんか世界に適合してる感じはあります。一人称が「俺」なのが名残でしょうか。

 

ダンジョンや魔物といったファンタジー要素が存在する世界で、人類側の福音が「聖貨」と呼ばれる貨幣。

これは子供が生まれた時と、8歳の誕生日に確定で入手できるほか、魔物を討伐したときに稀に得られるもので……それを捧げる事で、分かりやすく言うとタイトルにある通り「ガチャ」を回せるんですよね。

【恩恵品】と呼ばれる特殊な効果を持ったアイテムか、【加護】と呼ばれるパッシブ、あるいはアクティブなスキル。ハズレ枠として各種加工用の素材まで出てくるそうで。

 

主人公が居た孤児院は子供が8歳の時に得られる聖貨目当てに保護している場所で、それまでは庇護されるものの、それ以降は命にかかわるような厳しい環境に送られるとか。

身体が小さい為、7歳くらいと見込まれていた主人公はある日8歳分の聖貨を獲得して。このままだと命にかかわるから、と脱走を決意。

見事適した【加護】を引き当てて、生まれ育った町から逃れる事に成功します。

 

とは言え伝手も無い少女が出来る事などなく。最悪、謎の怪盗として罪を重ねていく形になっていたでしょうけど。

運よく貴族の庇護を受けられることとなって。そこで、セラという新しい名前を貰い、色々な知識や経験を積み重ねていくことになります。

庭に潜んでいたセラを発見して「敵対する意思がないならついてきなさい」と招き入れて、自分の側近にしちゃう貴族令嬢のセリアーナがとても逞しくて好きです。

 

生誕と8歳の時の聖貨以外は、10枚集めないとガチャを回すことが出来ず。普通は数年かけて集めて、ガチャを回すようですが。

ある事情から、セラは聖貨を得やすくて。まぁ、作中でもあくまで仮設の段階でしたけど、恐らくは間違ってないんだろうな……。

ガチャを回して【恩恵品】で武装して、本人が非力なまま色々と活動してる様子が楽しいです。