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「強く在りなさい。この先も理想執行者(シュミレーター)として生きたいのであれば、貴女に必要なものは、紛れなき強さ。精神(こころ)も肉体(からだ)もその成長の伸び代は貴女次第なのだから」
(略)
「強さに意味を求めるのは、その後でも遅くない」


師匠の研究の断片を用いて制作されたバイオテスタ「暴君」。
その名の通り、暴走しまくる厄介な奴で。
バイオテスタに、幻獣融合させたらどうなるか、という実験の結果のようで。
同様の実験の成功体というか完成体がフィアでもあるわけで。
師匠、かなりの重要人物だなぁ。そして、その重要人物の足取りや思惑を、中央部も把握し損ねているようですし、本当に何者なのかと。

科学世界と幻想世界。
それぞれが接続したことは、各世界の一部の人のみが知っていて、その知っている人の間で、簡易な情報交換だったり、貿易じみた真似は行われているようです。
ま、重要な情報が流されていた、っていうんだから結構間抜けというか。
「暴君」の中にいる幻獣を解放というか回収するために、幻想世界の新しい期間『見えざる烙印』っていうのが出てきたりします。
新キャラ、ネオリエの言によれば、福音機関の奴らと比べると戦闘能力は格段に劣るとのことですが。

ミソラは、己が信条の為また、バイオテスタの前に立つ。筋が通っているのはいいですねー。過去作との繋がりもちらほら見えて、気になることは多いです。
レイレイに接触していた、主任研究者についても謎があるというか・・・イリスの方で暗躍していた人じゃないですか、貴方? みたいな。

他にも京花の義姉が新キャラとして登場。
レイベルトのⅠ級よりさらに上、怪物じみた強さを持つ無(ゼロ)級だとかいう高位の理想執行者であるようです。
まぁ、レイベルトがⅠ級どまりなのは、無級には第二世代しかなれないっていう制限があったりするからでもあるようです。
姉のエリス。高位なだけあって京花を軽くあしらっています。ただ、歯牙にかけていないってわけでもない様子。
素直になれないだけ・・・ともまた違うなんか微妙な距離感を維持しています。

面白いんですけど、同時に可もなく不可もなくというか。
安定していると言えばそうなんですが、なんか個人的にはこれまでのシリーズほどの引力を感じなかった。
3巻のエピソードがこのシリーズで書きたかったことの一つになるらしいので、全体の評価はそれ待ちな部分もあるかなー。
来月にはMF文庫Jから新シリーズを刊行する予定もあるそうで、そっちも楽しみにしてます。