気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

富士見L文庫

彼女と彼の関係~平凡な早川さんと平凡な三浦くんの非凡な関係~

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「へへっ……今ならそんないい子の早川さんを、彼女にできますよ!」

「――なら」

(略)

「よろしくお願いします」

 

主人公の三浦拓海くんが男友達と「誰でもいいから彼女がほしい」と他愛ない話をしていたところ、早川夏帆さんが「私でもいい?」と声をかけてきて。

その場では解決せずに後日となったんですが……有言実行で履歴書書いてくる早川さんは微妙にズレてますけど、不思議な可愛さがある。

お相手となる三浦くんも「まじで面接じゃん…」と言いつつ、それを粗雑には扱わずしっかりと受け取ってるし、真面目な子ですよね。

 

特別な理由があったのではなく、男女交際というものに興味があったという一点で、それまで知らなかった男子に声をかける行動力はすごい。

とは言え今まで知らなかったのも確かなので、お試し期間としてひと月ほど時間を取ってみることになるわけですが。

 

……なんか初対面の時から、妙に波長があってるからお試しと言わず付き合ってしまえばいいのに、と外野から好き勝手言っちゃう。まぁ、勢いだけで決めない真面目さも個人的には好印象ではあるんですけどね。

可愛らしく好感の持てる2人の青春模様を垣間見れる、良い始まりのラブコメ。

それぞれの視点が交互に入っていて、内心とかも分かるので理解度高いし、読みやすい作品です。

三浦君と早川さんの友達も接点が出来て、時にからかったりもしてきますが。誤解からすれ違った時とか背中押してくれるところもあって、友情が篤くて良かったですね。



ぼんくら陰陽師の鬼嫁 七

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「まもりと、いのりちゃんは、せりさまがげんきで、わらってくれるのが、いちばんいいです。きっと、あるじさまも」

 

北御門が呪われるという前回の一件はなんとか乗り切ったものの……近頃、芹は体調が思わしくなかった。

そもそも彼女に北御門への呪詛が効かなかったのは、別の呪詛が掛かっていたからだ、という可能性が出て来て。

ただの体調不良だ、という現実逃避も出来ず。皇臥は災いを受け流す役割を持つ式神・青龍を起こすことにして。

 

一体誰に芹は呪われているのか。

彼女自身からすると交友関係も狭いし、呪われるほどの出来事には思い当たらなかった。

友人から悪い噂が流れてないだろうかとか情報収集に取りかかったりもしますが……どうにも状況は上手く運ばず。

皇臥は式神作成に関しては才能があるはずなのに、青龍への呪詛回避も機能しなかったりと、どれだけ凄い呪詛を受けているのかとハラハラする事になったんですが。

 

芹の友人が入院する事態にまでなったことで、見落としていた可能性に気付き、そこからは早かったですね。

今回の一件に関しては概ねハッピーエンドと言っていい終わり方だったとは思うんですが……最後の一文が不穏なんですよねぇ。

病院に怪しい動きをしてる人が居たり、ある式神にも不調の気配が見えたりしましたし。芹と皇臥の関係はかなり良好に見えますが、他の問題が山積だなぁ。頑張って乗り越えて欲しいものです。

わたしの幸せな結婚三

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「構わない。お前は、おまえの好きなようにしたらいい」

「はい……!」

 

清霞の父親・正清が抜き打ちでやってきて、二人を久堂家の別邸に招待して。

この機会に美世は、確認の為にある質問をしていました。

「斎森家の娘」に持って来られた縁談。求められていたのは、妹の方だったのではないか……という疑念。

 

正清が隠すことなく、事情を話してくれたのは良かった。

調べた結果、娘が二人居るのは知っていたし、美世が来る可能性も考えていた、と。

あまりにも息子が結婚しないものだから、誰が来るかどう転ぶか分からない縁談に賭けてみた、と。

明け透けすぎる物言いではありますが。結果として丸く収まったのは良かったし、正清の方も息子の変化を感じ取って、君が来てくれて良かったと受け入れてくれたのには安心した。

 

けれど屋敷を訪問した際に出会った清霞の母親は、美世を絶対に認めないと宣言して。

清霞や葉月の反応から、癖の強い人なんだろうとは思ってましたが。

まぁ歯に衣着せぬ人で美世に欠けているものをバンバンいうし、貴女には使用人がお似合いよとお仕着せ着せようとするし。

 

美世は、とやかく言われるけど手は出してこないんだと感じ方ずれてるし、お仕着せも受け入れるし。

……いや、過去の扱いを想えば優しい扱いですけどね。

ただこれまでの彼女と違うのは、言われっぱなしじゃなくて、義母に認めて欲しいと思って自分から行動を起こすようになっていて。成長が感じられます。

 

若奥様と呼ばれたり、清霞と出掛けた先で新婚さんだろと誤解されたり。

気落ちするばかりではなく、可愛い和む場面もあります。

特に美世がもどかしい思いを抱いて改善に励んでいることを、清霞が気づいてフォローするような事を言った場面は見ものでしたね……

 

近くの村で広がっていた鬼の噂。その裏で蠢く組織と、首魁の存在。

謎が多く残された状態で、最後見るからに怪しい奴が現れたところで終わり。
4巻が楽しみです。




ぼんくら陰陽師の鬼嫁6

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「わ、わいろには、まもりは……ちょっとしかくっしません! でも、うちでのおゆうしょく、たのしみにするのに、やぶさかではない、です」

 

一年と二か月ぶりくらいの新刊。

前回の終わりが気になる感じだったので、刊行されて嬉しいです。

廃園となった遊園地に踏み込んだ芹たち。

しかし、そこで芹たちは不審なミステリ作家かつ陰陽師である鷹雄光弦に出会う。

「北御門を、此処から出す気はない」。

それだけを告げると、彼は芹たちの前から姿を消して。

 

外に出ようにも、正門の外は八城曰く「ダイナミック握手会」と化しているので無理。

本間さんと笑ちゃんも残っていたのが、今回は良い方向に左右した感じですねぇ。

とりあえず、腹ごしらえをして方針を決めよう、と提案してくれた本間さんはナイス。

その後、園内を探索する事になってましたが、その際も廃墟探索の経験などを活かして色々とフォローしてくれてましたし。

 

ヘタレだけど優良物件だと思うんだけどなぁ。笑ちゃんに色々言われてたけど。色々言ってたのも、場の空気に呑まれて気落ちしない為って効果もあったし、いいんじゃないですかね……険悪になったわけでもないし。

 

あとは、「や、です」「いじわるー」みたいな玄武たちの会話がかわいくて和みました。

わいろにちょっと屈してる護里も可愛かった。アレをみて小さく噴き出すにとどめた芹の忍耐が凄い。

皇臥が連絡を受けて駆けつけてくれたのも良かったですね。愛されてるねぇ、芹。

自分には陰陽師の妻としての知識が不足しているのでは、と勉強する決意を決めたようですし。覚悟を決めた彼女は強いぞー。

 

廃遊園地と、そこにいた陰陽師。

その真意が明らかになった時は、正直ちょっと脱力しましたね……

口下手にも程があるというか、これだけの仕込みをしたのに、終わりはコレか。骨折り損のくたびれ儲け、という言葉を贈ればいいのかな。

 

まぁ「北御門への呪詛」は本物で、それを為した怪しい存在が居るわけで。式神がら逃げおおせたっぽいし、何者なんだ……

芹の父親のこと。芹自身のこと。不審者と、先生の名前。などなど、気になる情報があったので続きが楽しみ。続刊を祈っております。



浅草鬼嫁日記七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。

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「良かった。良かったね、馨」

 

茨木童子の転生者である、茨木真紀の存在は既に結構な界隈に広まってしまって。

陰陽局は津場木茜を真紀たちの学校に派遣したりして、手を打っている様子。

ミクズ達も動いていて、叶先生の方もまだなんか隠してる事ありそうな雰囲気だったりしましたが……

 

今回の見どころはやはり、天酒馨の母方の実家へ、馨と真紀が連れ立っていくことになった所でしょう。

すれ違い壊れてしまった家族の形。それぞれに後悔があって、それをしっかりと相手に伝える事が出来たのにはほっとした。

良かったねぇ。うん、本当に良かった。

 

馨の実家、九州でもまたあやかし絡みのトラブルに遭遇していましたが。

これまでの危うい事件を想えば、サクッと解決できた類でした。

その分次回への引きが怖いんですが。ついに凛音の、吸血鬼陣営の話になりそうです。



わたしの幸せな結婚二

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「私に寄りかかればいい、美世。もっと、本心を言え。わがままになれ。そうしたら全部、受け止めてやれる」

 

美世が、清霞に追いつきたいと勉強を始めて。

信用できるというのもあるんでしょうが、そこで教師役に姉を連れてくるあたり清霞も過保護だ。

婚約者候補を追い返してばかりだった清霞が、ついに相手を定めたとあって一時噂にもなっていたようですしね。

 

二人の交流はとても初々しくて、美世が少しずつ変わってきているとはいえ、まだまだ自分に自信がないのが、勿体なく思えますが…

そういきなり変われるものでもない、か。「家族とは、何なのですか」という彼女の悩みは、切実でこちらの胸にも刺さるようでした。

 

じっくりと距離を縮めている2人を見れれば満足ではあったんですが。

周囲がそれを許してくれず。特に、美世の血。薄刃の異能に絡んだ暗闘は正直気持ちのいいものではなかったですねー。

いや一読者としては、薄刃家関係の伏線を回収してくれたのは嬉しかったですけど、それはそれ。

だから、最後の方に「はらわたが煮えくり返っておるのだよ」と言ってくれるキャラがいてよかったです。ああいう人が上に立ってくれれば、今後は安泰でしょう。


ぼんくら陰陽師の鬼嫁五

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「生憎、夫が迎えに来てくれるので、有料でも、出ていきます」

 

いろんな事情が重なり、笑の保護者代わりに二泊三日の旅行に行くことに。

高倉家恒例の家族旅行が、両親の都合がつかなくなったとかなんとか。

芹が旅行に出た裏側で、ぼんくら夫は北御門ゆかりの寺に預けられている三枝大典の下を訪れていて。

過去の事件については特に話はしないが、最近は明るい表情も見せるようになってきたとか。暗示じみた仕掛けの可能性も示唆されてきな臭い。

 

芹は道中、父親の墓参りに行ったり親戚や墓参に来ていた父親の知人から、自分の知らない父の姿を聞いたりしていましたが。

いろいろと見えている類の人だったようで、苦労していた模様。

芹の幼少期、祈里が見えていた時期は同じように思われて、預かった親戚はちょっと対応に苦慮していたみたいだなんて話まであって。

 

両親を亡くした子供が、見えない友達と話してるとなれば、まぁ、心配にはなるでしょうけど。最初からいなかったと、全否定から入るのもなぁ……

親戚と若干距離があるのも、仕方ないと思ってしまった。

それはそれとして、駆け落ち同然だったとか、母方の親戚の行動とか、芹の両親についても謎が深まった感じがしますね。

 

親戚がやっている食堂に立ち寄ったところ、廃墟研究会のメンバーと出会って。

話を聞いた笑が興味を持ってしまったため、同行。

そしてそこで厄ネタに出会うわけですが。本間先輩の引きが強くて笑う。

しかも北御門に思う所ある相手の仕込みのようで、この後どうなるか気になって仕方がない。なんでこういう時に本家の当主がいないの! 頑張って来て。

浅草鬼嫁日記六 あやかし夫婦は今ひとたび降臨する。

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「何もかも、何もかもお前を殺すために備えて来たことだ、ミクズ」

 

あやかしを商売道具とする「狩人」。

スイや浅草の組合長など知り合いが攫われて黙っている真紀達ではなく。

陰陽局とも協力して奪還作戦を実行する事に。

人間に転生した大妖怪、茨木真紀。彼女は注目を集めている“商品”で。

だからこそ囮になる、という作戦を立ててましたが。身体は人間なのに、無茶しようとするな……

 

幸いにして、叶先生から許可が出て由理が協力してくれたから何とかなりましたが。

真紀に変じた由理が敵に捕まって。その反応を元に拠点を補足して紛れ込んでました。

オークション形式で割と大物が参加していたりするのもおっかないというか。

闇は深いわー。いつぞやのぬらりひょんとかもいましたしね。

 

捕まってしまったスイも、事前に色々と備えていたあたりは流石ですねー。

ついに酒呑童子と茨木童子その配下も集ったのは中々熱い展開でした。ま、敵になった輩も居るんですがそれはそれ。

ミクズ側も中々人材揃ってるなぁ、と言いますか。

 

ライの真実に関しては、正直予想外。最後、叶先生が訳知り顔で答え合わせをしていましたが、そこまで分かっていたならもうちょっと何か……

いや、式神二体派遣してくれてるから、何もしてないわけじゃないんですけどね。

馨の嘘について聞かされた真紀がこの後どうするのか、が肝になりそうです。

ここでいつもの大雑把さを発揮しないように祈りたい。さすがにないか。


わたしの幸せな結婚

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「美世さま。泣くことは、悪いことではありません」

(略)

「むしろ涙を我慢して、お気持ちをため込んでしまうほうが、よほど悪いのですよ」

 

ガンガンオンラインでコミカライズが掲載されていて、そちらで気になったので小説も購入。

名家に生まれたものの、母が早くに亡くなり、後妻と異母妹に虐げられていた美世。

特殊な力でしか倒せない怪異が出る世界で、異能持ち故に栄えた家柄で、美世は異能を発現しなかったため父も彼女を重視せず。

彼女に味方した使用人は追いやられ、一般的な令嬢とはかけ離れた生活を送る毎日。

 

そして父親は、彼女を政略結婚の駒として使うことにして。

相手は、婚約者候補が三日と持たず逃げ出したという悪評の持ち主。

美世が朝食を作った時なんか毒を疑ったりして、酷い事言ってきましたが。……後に「言い方がきつかった」と自覚できるあたり、人付き合い苦手なだけだよな清霞……。

美世がこれまでの候補とは違う部分が気になり、不快感もなく、様子見をすることに。

 

通いの使用人であるゆり江の手伝いをしたりして、段々と認められていくのがほっとしますね。

清霞が美世を気にして、優しくしていく様子がとても微笑ましい。

彼女の母が特殊な血筋だったがゆえに、欲しがっている連中が横やりを入れて来たりもしてましたが……

美世も強くなって、譲れないことを主張できるようになったのが、本当に良かった。

ぼんくら陰陽師の鬼嫁4

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「わたしねえ……お義母さん大好き」

 

ぼんくらながらも陰陽師としての活動をしている皇臥。

退魔の式神が祈里だけでは心もとない。……というか、祈里は芹至上主義だから、皇臥を見捨てる可能性が捨てきれない。

故に新しい十二神将を作ろうか、と考えているようですが。動物形態をシマエナガにしようとして既存の式神たちに散々言われている場面には笑ってしまった。

一時の流行で、形を決めるな! と。ここまで思考がハッキリしている式神を作れる辺り、こっち方面に秀でてるって言うのは確かなんですねぇ。

 

得意先の紹介で、出張祈祷に出かけて。

それ自体は問題なく終わったものの、突然の雨による土砂崩れで、帰路を塞がれ近くの宿で一泊する事に。

そこでは、霊的なトラブルが起きていて、解決の為に降霊会を行わんとしていて。

鳴り物入りの術師には、見鬼の才を感じず……怪しんでいたりしました。さらには、その主催に元北御門の門人も居て、もやもやする場面もありましたが。

                                                                                                                              

知人を見つけてまとわりついている護里が可愛かった。

史緒佳との関係もなんだかんだ良好ではありましたが……かつて、同じように可愛がられていた相手と遭遇して。色々と感情を揺さぶられていたようですが。

あらすじからすると、もう少しギスギスするかと思いましたが、最終的には協力して問題を解決していましたねぇ。

 

史緒佳と芹の関係にも変化がありそうというか……化粧してない芹のために試供品を集めてくれてたり、と史緒佳もなんだかんだ芹に甘い。

ここの嫁姑はどっちも不器用で、見ていて微笑ましい。嫁姑は良いですが……夫はもうちょっと頑張れ。服装を褒めようとすれば式神に先を越され、嫁の大好き発言は姑に向けられて……

ちゃんと依頼を受けるようになって、当主らしくはなったかもしれませんが。もうちょっと夫としてな、うん。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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