気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

角川文庫

結界師の一輪華3

 ico_grade6_3h

「……私、朔のこと好きかも」

 

疎遠になっていた葉月との仲を修復した華。

いまだに離婚して一般の会社に就職する夢を諦めてないみたいでしたけど。

……葉月の件で頼ったり、学校で実力披露したりしてるんだから、もう無理でしょ諦めよ? みたいな穏やかな気持ちで見守っていたんですが。

 

三光楼家の次期当主として指名されている雪笹が、華と朔を別れさせようと目論んで。

雪笹は困難な試練に臨んでいたため、しばらく都市を離れていて情報に疎かったのもあるでしょうけど。華が実力を示したあとに「落ちこぼれ」の噂を信じて手を出してくるのはなぁ、と思う部分とそれはそれとして赤点取りまくったからな……って気持ちとがあって、少しちょっかいかけるくらいは仕方ないかな、って気持ちもあります。

ただわざわざ竜の逆鱗に触れる必要はなかっただろう、とも思うんだよなぁ。

朔からも華からも一撃貰ってましたけど、そりゃそうだとしか言えない。

 

朔が、華と葉月を保護した後、彼女たちの兄であり無干渉であった兄の柳と交流し、兄弟姉妹の間で交流が足りてないと話し合いの席を設けてくれたのは良かったですね。

しっかりと華の事を大事にして、解決できる家族間の問題については穏当に片付けてくれてるし。バカやってる両親も、今回の一件でようやく区切りを迎えられたみたいですし、ホッとしましたね。

結界師の一輪華2

ico_grade6_4

「く~。朔はその性格直した方がいいわよ。モテなくなるんだから」

「安心しろ。俺には華以外は目に入ってないから問題ない」

「だから、そういうのをやめてってば!」

 

柱石を護る五家。オールラウンダーの一ノ宮に対して他の四家は、呪具生成、守護、攻撃、呪いなどの得意分野があるとか。

一ノ宮は特に力があり術者協会を管轄内に設置されてたりするみたいですが、協会の管理などは五家が共同で厳重に行っていた……ハズだった。

しかし、そこに侵入者が入り呪具が盗まれる事件が起きて。

 

さらに才能ナシとみなされていたヒロインの華が、本家の当主の妻に選ばれたことで彼女の実家である一瀬家はピリピリしてたとか。

才能に目覚めたときに、これまで迫害してきたくせに手のひら返されるのが気に食わないって力を隠してきた華ですから、当然実家への便宜とか全くしなかったそうで。

それは両親の自業自得だからいいんですけど、そこで反省できないあたり愚かしいというか。良いように扱える華が居なくなって、今度は葉月を標的にするのが最悪です。

 

元々朔の婚約者の座に葉月を滑り込ませる予定だったが、それが失敗になった。つまり、葉月の結婚相手に関してはぽっかり空いてしまったわけですよね。

そこで懲りずに自分たちの都合で婚約者決めてくるんだからもう……何一つ学んでない。

今回はそんな両親たちが過去にやろうとしたことと、その時の葉月の決断を知ることで華が行動を起こせたわけですし。改心してなかったから見切りもつけやすかったという点だけは、双子にとって良かったか。

 

華に惚れた朔がしっかりアピールしてますが、だまし討ちで結婚続行したのと、プレゼントされた別荘は確かに海が見えるけど、定期的に妖魔が寄ってくるから掃除が必要だとか、もうちょっと手段選びましょう感がある。

いやまぁ、当主としての矜持はしっかりしていて、手が回りきらない分を実力を認めた華に任せたいって部分もあったみたいなのはありますし。

 

あくまでこの結婚は将来の仕事とかの面倒を見てもらう契約結婚だ、って意識が強い華相手だからアピール強くしないと、それこそ離婚されかねないってのも分かりますが。

実際、別の五家関係者から「金を積むから別れてほしい」と言われたときに、頷きかけてましたからね華……。

それからも絡んでくる朔を狙っていた令嬢と、最終的には打ち解けているあたり華の快活な性格が良い方向に働いてほっとしました。

ついに華の実力について公になったり環境はどんどん変化していくというか、華は認めないだろうけど大分逃げられなくなってそうな感はある。

結界師の一輪華

 ico_grade6_4

「確かにかなり強引だったけど、選んだのは私。いつか後悔する時が来るかもしれないけど、今はしてない。だから朔は私に後悔させないでね」

 

一般には秘されているが、妖魔とそれに対抗する術者が存在する世界。

島国である日本は5つの柱石によって支えられており、柱石ごとに5つの家系が守護していた。

分家の1つである一瀬家に生まれた華は、双子の姉である葉月に比べて才能がないことから、姉の出涸らしなどと呼ばれ、家族からの扱いもかなり悪かった。

それでも努力を重ねる華の事を見て密かに支えてくれる使用人が居てくれたおかげで、家族からの評価を求めない自立した少女に育ったんですよね。

 

無能と蔑まれ続けた華でしたが……15歳の誕生日の時に、なぜか能力が覚醒。

両親が可愛がっていた姉はおろか、そこらの術師とは比べ物にならない領域にまで到達したのですが。

この時にはもう彼女は周囲に期待する事がなくなっていて。今更手のひらを返して優しくされるのなんてお断り! と力を隠す方面の努力をしていくことになります。

最初に作った蝶の式神も喋れるようになったし、その後に人型の式神を2体生み出して、負担を感じてなさそうな当たり、華の能力強すぎてそこは若干違和感があります。

どうしてそれだけの力が今まで表に出てこなかったのか、とか。強大すぎるからこそ、身体が成長してからでないと使う事が出来なかった、とかいくらでも理由は付けられそうですけどね。

 

基本的には力を伏せていて、それは人間の術士には通じていたみたいですけど妖魔には通じず。

華は密かに襲撃してきた妖魔を狩り続けていたようです。ある日それを、宗家の御曹司・朔に見つかってしまって。能力の高い妻を求めていた彼から合格点を出され、話し合いの末に契約結婚をすることになります。

……もっとも、2人の関係が冷え切っているというわけでもなくて。そこにはしっかりと信頼があり、フォローしあうことで遭遇した事件を解決も出来てるので、結構いいコンビに見えます。

朔の方は華に惹かれて、もう彼女を逃がすつもりなさそうですし、早めに覚悟決めた方がいいんじゃないかな……。

昨日の僕が僕を殺す

ico_grade6_3
「協力はしてやる。だがそこから先は自分で考えろ。道は教えられるが、歩き方やどの道を選んで進むか決めるのは自分自身だ」

 

表紙絵がBUNBUNさんで目を引いたので購入。

したのはいいんですが、残念、ちょっと苦手な雰囲気でした……

北海道、小樽が舞台。

厄介事に巻き込まれたときに、あやかしに助けられたルカ。

彼らとの交流や、周囲で起こる異変に対峙することとなるホラーミステリ。

 

母親が父親を殺すというトラウマじみた過去があって。               

親族はいるが、そこまで親しくはない微妙な関係。

厳しくしかり同時に褒めてくれた叔母が居たが……彼女も亡くなってしまった。

 

そういう喪失があって、彼自身が他の人と距離を測りかねている部分はあるでしょう。

過去を掘り返されたくなくて、人と関わらないようにしている。

彼自身の迂闊さがどうにも見ていてハラハラするというか、どうにも苦手。

渚もそうですが、もうちょっと言葉を尽くすと、いいのでは……

ホラー要素が強めではありましたが、あやかしと人、魔が差すということ。そうした怖さは魅力的だと思いました。

ただ、ルカ苦手なのは致命的なので、続きは手を出さないんじゃないかな……


つれづれ、北野坂探偵舎 物語に祝福された怪物

ico_grade6_5

だから、雨坂続が完成したとき、編集者としての佐々波蓮司は必要なくなるだろう。

それは悲しいことではない。

むしろ、夢のような。奇跡のような、喜ばしい未来だ。

 

シリーズ完結巻。

作家と編集者の業が描かれているように感じられて、好きな作品です。

それが一番濃く感じられる4巻の「感情を売る非情な職業」が一番のお気に入りではあるんですが。

完結となる今回も作家の我がままな面、人間味のある面など多くの顔が見られて楽しかったです。

 

二年の時が流れたところから始まる本編。

佐々波は喫茶店店主から編集者に戻ったし、北野坂の店は、パスティーシュが運営する形になった。

ユキは女子大生になって、ノゾミは幽霊の身で色々と状況を動かそうと手を打って。

雨坂続は病院のベッドで寝たきりで、指先の世界で、文章を書き続けていた。

 

好きな場面がたくさんあります。

冒頭の天才についての佐々波と作家のやり取り。小暮井ユキが「落書き」をした所。

佐々波のプロッフェショナルについての言葉遊び。

ユキがノゾミの依頼に躊躇わなかったところ。彼女が、答えを考え続けていたこと。

聡一郎が語る「人間には書けない本物の小説」の話。

「錯覚でも、わかると答えたいことだって、あるじゃないですか」というユキの言葉。

佐々波の「天才は、祝福されていなきゃいけないんだ」という願い。

 

2年の間で変わった事があって、もっと超然としてるかと思った作家が迷ったり、パスティーシュさん好きだったので、出番少なくて悲しかったりしましたが。

やっぱり河野さんの文章が好きだなぁ、と実感しました。

凄く雑にまとめてしまうと、書けない作家がもがいてる、って話なんですが。葛藤している様子ですら、美しいと思う。思えることが、とても幸せで。

これだから読書は止められないし、出版不況の中で書店員続けられるんだよなぁ。


きみのために青く光る

ico_grade6_3

 あるかどうかは分からないけど、まず「ある」と信じてしまう。その方がうまくいくから。

「……なんだか、いいかげんですね」

「人間の叡智ですよ」

 

青藍病という、心の不安に根付いた異能を発する病気。

原因も不明、能力の表れかたもそれぞれ異なって。

周囲の動物に攻撃される能力とか、相手の年収が分かる能力みたいな使い道どこよ、みたいな能力があれば、危険な能力もあって。

念じるだけで生き物を殺せる能力みたいな、ヤバさしかない能力もありましたねぇ。

 

別々の能力者について語られた短編がまとまっている形ですね。

「犬が光る」、「この世界に二人だけ」、「年収の魔法使い」、「嘘をつく。そして決して離さない」の4章から構成されています。

元々が心の不安に根ざしているため、思わぬ事態になって慌てふためく、何て場面もあったりしましたが。

概ね能力と向き合って着実に前進したのは良きことでしょう。

 

青藍病を研究している静先生がいいキャラで好きです。

動物が好きで、相談相手がペットを連れてきていると途中で撫でまわしたりしていて、何というか和む。

あと、発症者達が静先生と話をして、他の発症事例を聞いて感想を零してるところが個人的にはツボです。「おかしな人もいるらしい」とか「とんでもないのもいるそう」とか短い言葉で他の話とのつながりが見える、こういう演出が好きなんですよねぇ。

 


つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先

ico_grade6_3h
「君は編集者でしたね」
「はい」
「なら、わかるはずだ。編集者の仕事は、天才を少しだけ凡人に近づけることです」


発売直後に読んではいたんですが、記事作成が遅れに遅れました……
同作者の『階段島シリーズ』の新刊が出て、そちらも読み終えたので、感想書こうかと。
最近読むペースが早すぎて感想書くペース追いついてないんですよね。
まぁ、その読むペースも購入の速度に追いつかず「購入後に詰まれた山」と「読了したけど詰まれた山」が出来て、我ながらどうしたものかと。

閑話休題。
事態が加速した感じがしますね。
小暮井ユキは、『知らない神戸の街』で目覚め、無くなった親友の星川唯斗と再会する。
一方作家と編集者は、現実世界匂いて倒れて目を覚まさないユキに紫の指先の影を見て。
調査に乗り出していくわけですが。

「紫の指先」の作り上げた仮想世界は思っていたよりも世界としての形がはっきりしていて、驚きました。
取り込まれた幽霊たちは、個々の思惑をもって動いているし、建物やら食料やら、生活に必要なアレコレも整っている。
もっと紫の指先って機械的というか、怨霊的な感じに幽霊を飲みこんで同化していってるのかと思ってましたが。
多重人格みたいな形で一人の器の中で完結しているような形といいますか。
けど、実際であった紫の指先は、空っぽの器みたいな感じがありますね。だからこそ、周囲で色々な思惑が渦巻いているんでしょうけど。

紫の指先を否定する幽霊、肯定よりの幽霊。中立的な立場をとる幽霊。
そんな想いがあるなかで、それぞれが気にかけているのはユキの存在で。
彼女が、この世界にしてしたことが紫の指先に影響を与えたから。
よりよい物語を作るために、打ち合わせをするかのように答えに近づいていく様はやっぱり読んでいて楽しいですねぇ。
今回は、答えに至るための前提を提示したところで終わった感じがしますし、早く解答が読みたいものです。
完結巻は、今年の夏発売予定とのことですし、早く夏になりませんかねぇ。


つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非常な職業

ico_grade6_5
「どちらも間違っていないが、いちばん大事なことはそんなことじゃない」
「じゃあなんですか?」
「言葉にはできないよ」
「言葉にできないことが、この世界にありますか?」
「あるんじゃないか? たぶん。でなえれば、小説はひどくつまらない」


傷一つない、完璧で完全なものなんて存在しない。
けれど、どうしたってそれを求めてしまう人はいるのだ、とそんなお話。
佐々波が編集者をしていた、過去のエピソードが語られます。
このシリーズは結構好きなんですが、今回が今のところ一番気に入りました。

萩原春。愚直なまでな校正者であった彼女。
編集者であった佐々波とのすれ違っているような、噛み合っているような何とも言えない交流に、胸に何かが刺さるような痛みを感じ、どうしようもなく憧れた。
自分は萩原春というキャラクターは結構好きです。

何を一番大事にするのか、その一番のために何を犠牲に出来るのか。
覚悟を決めて、彼女は選んでしまって、その結末がアレなのか。
「最高の本に仕上げよう」。

失恋に似ていて、殺人に似ている二人だけの会話。
線引きをした境界。作家は「こちら側」といって、校正者は「向こう側」といった。
結局のところ、その差がこの結末につながったのではないかなぁ、と。
別れの場面の描写がなかったのが少し物足りませんが、あれで終わっているのなら、それはそれで綺麗かな。
彼女の起こす現象がなんだったのか、ちょっと気になりますが。

しかし、このエピソードを見て思うのは、紫の指先を追うエピソードは、雨坂と佐々波の二人で完結できそうなんですよね。あとは、幽霊になったノゾミちゃん。
3巻の時にも触れられてましたが、小暮井ユキというキャラクターが、レギュラーのように登場しているのは、いったいどんな意図があるんでしょうかね。


吉野北高校図書委員会

ico_grade6_3h
「俺はあいつらのああいうところが好かん。なんていうか、あの……考えすぎっていうんか……いつも、自分のこと自己満足じゃないかと考えるところ。優しさは優しさちゃうんか? あいつらはほんんまに心からしよるのに、ちゃんと正解の優しさかどうかなんか関係ないやん。そんなことばっか気にして、心配ばっかするあいつらはあほや」


高校時代に、ダヴィンチ文庫版を読んだんですよね、確か。
今回角川文庫から再度出ていて、懐かしくなったので、つい手に取ってしまいました。

方言がちょいと読みにくく感じる部分はあります。
あとは別にこれ実は図書委員会じゃなくてもよかったんじゃね、みたいな部分もありますが。
まぁ、ほどほどに甘酸っぱいというか青臭い、学生たちの青春物語としてはそこそこなんじゃないかと。
この作品については、自分が学生の時に読んで、気に入っていたものなんでちょっと思い出補正がかかっているかも。

図書委員の高校2年生、かずら。
彼女は、気の合う男友達大地と、ほかの委員を交えた三人でわいわいやるのを楽しく思っていた。
だが、その大地が後輩のあゆみと付き合いだしたと報告をしてきて、微妙にモヤモヤする想いを抱くことに気付く。
そして、そんな彼女を見ている委員会仲間の藤枝という男子も登場してきて。
気の合う仲間と楽しくやるのが好きで、可愛い後輩である彼女も好き。
何か引っかかるところがあって、揺れ動いている感じが、若さだよなぁ・・・とか思います。

しかし、やはり好みというのは変わるのか、昔はなにか割と気に入っていた作品だったと思うんですが、今読み直してみたら、好きだけどそこまででは、っていう感じになっていまして。
今となっては当時、この作品のどこにそこまで感じ入っていたのかが分からなく・・・これが年ってやつですか・・・
2巻と3巻も今年中に刊行予定のようですし、多分買うでしょう。
変化した感じ方を惜しみながらも、少し思い出に浸りたいところです。


つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション

ico_grade6_3h
「生まれてこなかったら苦しまなかったのに、とか。好きにならなかったら失恋しなかったのに、とか。地球から人間も恋愛もなくなっちゃったら、そっちの方が悲劇だよ」
ノゾミちゃんは可愛らしい表情で笑う。
「なんか問題がずれてませんか?」
「そうかな。だいたい一緒だと思うけど」

佐々波さんと、雨坂さん二人の会話が結構好きで読み続けていますねー
。しかし、ユキは最初だけのキャラかと思っていたら、レギュラーになっているんですよね。
雨坂も言っていましたが、彼女がいる意味は何なんでしょうか。

「(略)でもストーリーを考えた時、より設定を想像し辛いのは小暮井さんの方ですよ。彼女はあまりにイレギュラーだ」

必要ないキャラを動かす余裕なんてないはずですが。
いや、キャラとしては別に嫌いじゃないですよ。
冒頭に引用したセリフとか、その考え方は気に入っている部分もあります。
ま、作中のキャラにわざわざ疑問を提示させたってことは、作中でいずれ明かされるという伏線だと思っておきましょう。

屋敷のどこかにある一枚の絵を探してほしい。
昔なじみの女性の依頼で、佐々波と雨坂の二人は、山の上にある洋館に向かった。
しかし、この屋敷はただの屋敷ではなく、二人とも因縁がある場所だった。
その因縁に関係しているので、ユキとノゾミちゃんの二人も同行します。

洋館には、佐々波とも縁がある作家の女性が住んでいた。
彼女の依頼と、屋敷で起こる心霊現象。
そして彼女が導く結論がまた、悲しいものがあるといいますか。

「悪役は、正義を証明するために創るんです」


作家っていうのは、みんな業が深いんですかねー。
でも、確かに彼女がこの事件をどういう風に描くのかは少し気になったりしますね。

今回もそうですけど、あらすじが少しミスリードというか、嘘は言っていないけれど、みたいな文章でちょっともやもやしますね。
前回の最後レイニーが暗躍していたのに、全く別の事件描くのかよ、と持っていたら、冒頭でノゾミちゃんの話はありましたし。
地縛霊ではなくなった代わりに、小暮井ユキにとりついたような状態になったとか。
これがレイニーのしたかったことなのか、と思うとまたよくわからないことしてますよね。
そもそも、二年前からしてレイニーは件の洋館に佐々波たちを誘導しようとしていたそうで。
洋館に関しては、今回の明かされた真相を見せたかったっていうことなんでしょうけど、彼の思惑っていうのが読み切れない。

それ以外にも、烏の行動も気になりますし。
ノゾミちゃんの心霊現象がいったい何なのか、とか。
疑問というか、きになっている部分は多いですね。
最初に挙げた、小暮井ユキというキャラクターはどんな設定があるのだろうか、もそうですし。

今回の事件を通して、ストーリーテラーは情報を得て、目指すエンディングの形。
さてここから雨坂はどんなハッピーエンドを描いてくれるんでしょうか。
楽しみですね。
勝手な印象でいえば、あと2冊くらいで終わる感じですかねー。 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ