気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

星海社FICTIONS

サクラカグラ1

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「――僕は、僕が誰に殺されたのか知りたい」 
 

ある学園を舞台にした物語。

断章もありますが、話のメインは2本「コノハナカグラ」と「リンネカグラ」。

それぞれメインの視点が変わって進行しています。

 

「コノハナカグラ」は高等部1年の少女、此花が「この世に存在しない少年」を見てしまう事から動き出して。

少年は「自分が誰かに殺された」と言い誰がそれを為したのか知りたいと此花に助力を求める。

少女は一週間だけの条件でその手をとりますが……少年の名も分からず、それらしい事件の情報も集まらない。

けれど、途中で彼が語った言葉に彼女は心を揺さぶられて。

得体のしれない何かがいるのは、まず間違いない。けれど、手がかりなどもない。これからどうすればいいのか……と悩みを抱えた状態で彼女の視点は一度終了。

 

その後語られる「リンネカグラ」。

これは、同じ学園の中等部の話。

忘れ物を取りに深夜学園に入った二人が、不思議な事件に出くわして。

一人は、その夜に出会った不思議な少女と話をしようと行動を始める。

力ある言葉を遣う少女の話だったんですが……いやはやオチには騙されたというか、「コノハナカグラ」の犯人もうあの子でいいんじゃないのか、みたいな雰囲気ですが。

 

中々面白くなりそうなシリーズですが……

問題は、コレが発売されてから2年たってなお2巻が発売されてないところですよね。

2年積んでた俺も俺ですが。続き、出てくれるといいんですがねぇ。



ケイオスドラゴン 赤竜戦役2

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「あんたのせいで、あたしの可愛い部下が何もできずに倒れていった。その憎しみは生涯忘れやしない」

女将軍の瞳には、銃弾にも等しい『力』が籠っていた。

「……だけど、あんたにとって金は銃弾なんだろう。あんたが撃った。あたしが撃ち返した。それが戦争ってもんだ」

 

原典のレッドドラゴンは大好物だったんですが、アニメが振るわずちょっと残念に思っている作品。小説版です。

婁が女性になったり、忌ブキの力が異なる形になっていたりと差異が色々ありますが。

……たどる道は、こうなるのか、と。

原典とは違って、どんどん名前ありのNPCが命を散らしていく流れには、これが混沌の地ニル・カムイ……! と戦慄したものです。

 

しかし、形が違えど、歩む道が異なるものであろうとも。

不死商人はぶれないなぁ。もういっそ、彼こそがこの作品の癒しなのだと言ってしまっていいかもしれない。

……物資の値上げを行って、戦線を維持できなくさせて、戦争を中止せざるを得ない状況を作り出し。

多くの支援者がいると同時、星の数ほどの敵がいるはずなのに、なおも存命の恐ろしい商人ではあるんですけどね。よく暗殺されないな、この人。婁さんクラスなら忍び込めると証明されましたが、言葉によってその危機を脱しているわけで。

 

ハイガに辿り着いた婁と忌ブキが不死商人と出会った場面から。

オガニ火山での戦闘、そして忌ブキの妹が表舞台に上がるまで。

原典と一番差が大きいのは彼女なんじゃないかなぁ。阿ギトも、大分キャラ変わった感じがありますけど。

 

原典の忌ブキは、確かに殺すことを躊躇い、会話を望む性格でしたが。それでも、赤の竜を巡る波にもまれ、自らの意志でもって王として立つことを選んでいました。

けれど、ケイオスドラゴンでは。かれは、迷い続けているような印象がありますね。皇統種の位置が異なるというのもあるとは思いますが。

忌ブキの迷いが長いのもあって、ちょっと中弛みしてしまった部分があるように感じて残念に思っています。

まぁ、なんのかんの言いながらも、小説版は完結まで追いかけるとは思いますけどねぇ。

 

ケイオスドラゴン 赤竜戦役 1

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「あなたのしたことは、何も特別じゃないと思う」
また、エィハが言う。
「順番を守っただけ。命と命が対峙した時、必ずどちらかに順番が来る。あなたもそれを守っただけ」
(略)
「だったら……僕の友達なんて……誰もいなくていい……!」

RPFレッドドラゴンを正史として、再構成されたメディアミックス企画「ケイオスドラゴン」。
アニメ、アプリ、ボードゲームと連鎖した構成、という謳い文句でしたが。
うーん、期待値高かった分アニメは正直なところパッとしない印象。
毎回更新を楽しみにしていた「レッドドラゴン」程の熱量がない気がします。
アプリも一応手を出してみましたが、あっちもまたアレな出来でしたが。

閑話休題。
本編の話をしましょうか。
これもアニメと小説という媒体の違いもあるので、微妙に表現の仕方が変わってきてますね。
ハイガに婁が潜入するときのやり取りとかが、明らかに違います。
レッドドラゴンとの違いでいうと、やっぱり道中のイベントとかは、冗長になるためかばっさりカットされていますねぇ。

忌ブキが、レッドドラゴンの時以上に重要な人物に祭り上げられている感じ。
あちらでは苦労してようやく得た契り子という立場に一話で到達してますし。
ま、その分手にした力が厄介極まりないものですけども。
しかし、赤の竜は狂ったんじゃないのか。
皇統種の声に反応して、契約を交わしているのはどういうカラクリなんだろうか。
レッドドラゴンの第六夜で現れた声みたいに、「思念」だけが残って反応しているとかいうパターンなのだろうか。

エィハとスアローは派手な変更はありませんが。
婁が、女性キャラへと変貌したので、そのあたりの関係が変化したりしていて、これはこれで面白いです。
この調子でアニメとかも盛り上がってくれればいいんですけど、どうかなぁ……
とりあえず、懐かしくなったのでレッドドラゴンを近い内に読み直そうと思いました。


RPFレッドドラゴンⅥ 第六夜(下) 果ての果て

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「みんなが抱いていたのは、特別な願いではありませんでした。望外な欲望ではありませんでした」
(中略)
「平等、自由、そんなありふれた、当たり前の幸せを掴むために、多くの人が立ち上がりました」
そう、信じている。
信じたいと思う。ついには理解できなかった人々も、しかし彼らにとっては当たり前の幸せを追い求めた結果なのだと。


ついに、物語は終焉を迎えます。
竜という災害に見舞われて一致団結するのではなく、危機的な状況だからこそ、それぞれが己が生き方を貫いた、その結末。
恋する怪人暗殺者が、魅了の剣を振るった時。黒竜騎士に蘇った所有欲。
あぁ、こうなるのか、と。
確かにスアローにしか認められない行動ではあったんでしょう。
それを受けての婁の行動もまた、一貫していたなぁ、と。

最終決戦。万人長の本気が怖かったなぁ。
蒸発って、どういうことなんだろうか。オーバーキルにもほどがあるというか。
もういろんな思惑が混ざりすぎていて、息つく暇もなく進んでく話に、ただただ引き込まれるだけでありました。

禍グラバの戦闘能力が結局どれほどのものなのかは最後までわかりませんでしたが。
五行体で防御力高い分、マシンガンとかって案外火力無かったりするんだろうか。
「儲け話だ」と最後ぶちかますシーンは、不死商人という看板に恥じないものでした。

エイハと忌ブキ。
二人の付き合いも、良い描かれ方をしていたのではないでしょうか。
何処かの巻でスアローに「実は忌ブキさん主人公だな?」みたいなことを言われていたように思いますが。
まさしく。少年だった彼は、阿ギトや、調査隊の面々と交流していくことによって、覚悟を決めた。
それは革命軍の王になったことでもあるし、生き残って彼が起こした行動そのものでもある。
もはや彼は迷うだけの少年ではなく、スアロー達と並び立つ英傑である、と。
このレッドドラゴンという物語の一面は、間違いなくこの忌ブキの成長譚であったと言えるでしょう。

その裏側で、恋する暗殺者が一人ヒャッハーして、わくわく天稜ランドつくったり。
黒竜騎士が秘密兵器ぶち込んで魔素流壊滅させたりしているわけですが。

巻末には、3Dプリンタで作られたという、各キャラクターのフィギュアだったり、WEB公開時のトップのイラストだったりが掲載されています。
フルカラー。最終戦闘用のステージに関してもそうですが、星海社、色々と力入れるところが間違っているというか。ここまでくると、いいぞ、もっとやれって感じがしますね。
あそこまでぶっ飛んだからこその面白さっていうのはあると思いますし。だからこそ、楽しめたわけですし。
新しい企画もあるようで、楽しみです。

 

RPFレッドドラゴンⅤ 第五夜 契りの城

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――なんだあの男は。
死んでいながらも変わらない。
――なんだあの男は。
生き返りながら揺るがない。
――なんだあの男は。
あれほど雁字がらめでありながら、あれほど自由に生きている――!


岩巨人を倒した後、禍グラバが財力に物を言わせて、他国からの干渉に対してバランスを取るような行動をしていた時も、すさまじいと思ったものですが。
婁さんが還り人となり得た能力は、それを超えるほどの衝撃があったといいますか。
これ、あの人にだけは持たせちゃいけない能力でしょう・・・
わくわく天凌ランド。字面は可愛いのにその実態といったらもう・・・
いや、率いている本人はこれ以上ないほどの喜悦に浸っているとは思うんですけども。

赤の竜の襲撃により、壊滅したシュカ。
残ったのはスアローただ一人。
忌ブキとエイハは革命軍と行動を共にし、禍グラバはその革命軍をストーカーして情報を探る。
一度死に、還ってきた婁さんは、島から離れられなくなったその身を呪い、媛の為に行動を起こす。
一人だけ別ゲーやっててすごく笑えました。

スアロー 選択肢ひとつで命が飛ぶ島、それがニル・カムイ――!


状況が瞬く間に変わり、安全って何だったんだろう、という感じであちこちで事件が起きていますが。
この発言が、本当に現状をよく表していると思います。
阿ギトだって、エイハたちが助けに行かなかったら、1巻で死んでいたわけで、そうなると、忌ブキたちの革命軍ルートっていうのも選ばれる可能性が減っていたかもしれないわけで。
そう考えると、色々とIFが気になったりはしますねー。いったいどれだけ選ばれなかった道があったんだろうか、と。

忌ブキがどんどん革命軍の王として成長していっていますが。
それと同時にどんどんこぼれ落ちていっているものもあるように思います。
婁とスアローをみて「優しい人」と言った少年だったころとはだいぶ違ってきてしまったなぁ。
それが悪いというのではなく、この島の置かれた状況からすればある種の必然だったんだとは思いますが。
どこか歪んでしまった部分があるんじゃないか、と思える。

スアローは母国ドナティアの一段と行動を共にしていますが。
彼は彼で迷っているというか、さすがに前回最後の結果に衝撃を受けている部分はあるようで。
それでも調査隊に最後に残った一人として、禍グラバの支援を受けながら色々と手を打っています。

禍グラバは・・・遊び心豊富だよなぁ、と言いますか。
革命軍の前に出てくるときのやり取りには思わず吹きましたよ。
一体あの商人は何を考えているのかと。
手を尽くして、契約の条件を自分に都合がよくしようというその行動理念は一貫していて安心できますが。

この作品はあちこち力の入れ方がおかしいと思いますが。
婁さんの新しい能力の為に分厚いルールを作ったり、計算の為に何人もスタッフがいたり。
しかし、カフェに依頼を出してニル・カムイ料理をPLにふるまうとか・・・贅沢だけど、何やっているんですかとツッコミは入れたい。
前回の結末を受けて、それぞれが現状把握のために尽力する話、という感じで、これまでと比べるとちょっと盛り上がりが足りない感じはしましたね。
でも、準備回ということで、ここまで怒涛の展開を起こしてきたPCたちが、これだけ溜めて最終決戦が面白くならないはずがない、と期待できる感じがいいです。


RPFレッドドラゴンⅣ 第四夜 夜会擾乱

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FM(雪蓮)「でも壊れるわ。壊れたらどう思う?」
スアロー 壊れた分だけ、新しいものを作るべきだろう。壊れることだけが続くのはやはりよくない。
FM(雪蓮)「……つまりあなたは、新たに生まれたものを愛し続けるのね」
スアロー その通りだ。僕が子供たちに希望を見るのは、彼らがまだ若いからだ。


恋する怪人、危険すぎる暗殺者である婁と媛が起こした行動によって、更に引っ掻き回されることとなったニル・カムイ。
折しも会談を行うために各国の要人がシュカへと集まろうというところで起きた惨事にそれぞれの国は対応に追われていた。
赤の竜対策のためのチームであったスアローたちも、婁が同行していたという一点で、渦中にいるわけで。
今回は、そんな随分と想定と変わってしまった夜会編です。

FM まさか、このルートに突っ込むとは……(後略)

と、FMが思わず零すレベルで夜会は荒れ、シュカの状態はかなり悪くなった。
禍グラバが、商人としては恐ろしいけれど、戦闘力はいかほどなのかさっぱりわからない。
物資の価格操作で戦争を止めたあたりからして、そもそも戦闘になる前にどうにかするっていう方針のようにも思いますが。

夜会の前に禍グラバは新聞を発行したりしている『連盟』の商人と渡りをつける。
エイハと忌ブキは、奴隷市場でこの島の現実の一部を知る。
想定では、ウルリーカが案内する予定だったそうですが、まぁあのような事態になったわけで。
それぞれの国の思惑とか、個々人の性格から来る対応の違いとか夜会の演出は面白かったですね。
禍グラバと楽紹のやりとりが個人的には笑えた。
でも一番ツボに入ったのでいえば、忌ブキの剣として覚悟を決めたエイハか。
黒玉さん怖い。スアローに「婁がいなくなった瞬間、エイハが婁並みに……! 何、あの殺人鬼、伝染るの!?」とか言われてましたしね。

おたやかならざる雰囲気を漂わせていた夜会。
それをさらに混乱させる、赤の竜の襲撃。
PCたちはここでも、己が信念を貫き、別々の道を行くことになっていくわけで。
ウルリーカがいないこと、婁が調査隊を離れたこと。
禍グラバが黄爛に情報を流したこと。忌ブキが王として決断を下したこと。
スアローの行動と、驚愕のダイス目。

もう、何から語ればいいのか分からないほど、密度の濃い状況。
一つ歯車がずれたらまた違う結末に至っていたかもしれない。
けれど、結果としてあぁなったことがまた凄まじいとしか言えない。
婁の離脱もありましたが、忌ブキの行動によって、決定的に調査隊は分裂しました。
彼らがこれからどんな行動をとっていくのか。序破急の破の終わりとしてはこれ以上ない展開だったんじゃないかと。


RPFレッドドラゴンⅢ 第三夜 妖剣乱舞

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スアロー ……つまり、あなたはひとつの事柄にこだわる人なのですね? 僕にはその、ひとつの事柄にこだわるという考えが、どうしても持てないんだ。
婁 なるほど……。
スアロー 初めて会った時から、あなたがそういう人間であることはなんとなくわかっていた。だから興味があったんだ。もしからしたら、あなたを見ることで僕にもそういう感情が学習できるのではないかと。だが……。
婁 いや、その期待が裏切られることはないでしょう。約束というか予言というか、一つだけ断言しておきます。……いずれあなたも、この気持ちを思い知ることでしょう。


FMの「やばい!(中略)・・・・・・このセッションはどこに行くんだ(笑)」の下りが面白かったです。
PLたちの思惑がFMの思惑を超えて、波乱を巻き起こしていく感じがいいですね。
あちこちで、それぞれの気持ちを研いでいるようで、これからの絡みが恐ろしくてしょうがない。
巻末の新聞とか、QRコードとか、単なる書籍で収まらない工夫がされてるのがWEBで知っていても、楽しめるところかと。
初版乱丁でちょっとばたついてたようですが、面白さに変わりはなし。

ちょっと前回から時間が経過したという事で、今回はキャラクターたちが成長してたりもします。
岩巨人の戦闘の結果、腕を失った婁は禍グラバの手配で義腕を得てますし、エイハは新しい特技で二十キロ先まで見られるように。正確にはつながれているヴァルが見られるようになったんですが、エイハも知覚共有できるから間違ってはいない。

正直初めてタイトルを見た時には、婁さんすでに恋する怪人でぶっ飛んでいるのに、これ以上妖剣が乱舞する余地あるの? とか思ったんですが……
婁が本気で暗殺に臨んだ姿が、おっかないけど、格好いいわ……途中のイラストが、すごかった……

革命軍の王としての覚悟を決めた忌ブキ。
ただ、一方でエイハとの関係については悩みが尽きないようで。
禍グラバに相談して、スアローにアドバイスをもらって。
この二人の関係もどんどん進んでいっているというか、強固なものになっているよなぁと思います。

スアローが巨人との戦闘中に行った行為によって、島にはまた違う災厄が発生しています
火山が噴火したり、島の中心部の魔素流がドナティア有利に傾いたり。
うっかりもう一本落としていたら、もうドナティアこの島取れたんじゃないかってぐらいの範囲が汚染されてましたね・・・

婁の行動により、これまでかろうじてチームの体裁を成していた、調査隊は、決裂。
禍グラバも同行はしているけど、決して参加者ではないと明言。
スアローがリーダーとしてふるまうことになりますが、残っているのって、黒竜騎士と不死商人と革命軍の王とその剣なわけで。まぁ、既に道分かたれた暗殺者もそうですが・・・これだけ集まって分裂しないわけがない、という感じで。
シュカで行われる、親善会議。荒れる予感しか、しませんね。

 

RPFレッドドラゴンⅡ 第二夜 竜の爪痕

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スアロー いや、少年らしいといえばらしいが・・・純粋であることと、責任が重いことは別だろう。もう少し軽く考えてもいいんじゃないかと思っていたんだがね。
FM(祭燕) 「ああ、自ら思い定めた道でない限り、どんな硬い意志でも砕けはするだろう。個人的にはひとちで組織を担うほど強いよりは、どこかの組織に寄り添うことをお奨めしておく」


虚淵さんが暗殺者プレイを楽しんで、重要人物の拠点に忍び込んだら、そこにいたのはプレイヤーでした、と。
不死商人、禍グラバ。
かつての戦争において、2大国を手玉に取り、戦争を継続できなくした狸。
後書きにもありましたが、禍グラバからすれば、起き抜けに目の前に暗殺者がいるとかいうのっぴきならない状態なわけですが。
何か一つ言葉を間違えたら殺されるかもしれない状態でも、飄々としている禍グラバが老獪さが出てていい感じ。

クリエイターをPLに迎えているだけあって、ロールプレイの一つ一つが光って見えますね。

婁(抑揚のない声で)腹に一物あると思って接したほうが、得策でしょう。
スアロー 婁サンハホント、ミンナノ守り神ヤデ・・・・・・(棒)


表向きは、チームの為を装って発言しているあたり婁さんが本当に怖い。
プレイヤーとしては、設定やらを知っているから恐ろしいけど、キャラクターは徹底的に疑うほどの粗を出してないんですよね。本当に暗殺者が似合いすぎていてもう・・・

禍グラバを脅すために婁が「自分は一人ではない」と張ったりかますところ。
2国の軍に挟まれた状況を改善するために、禍グラバが打った一手も油断ならない存在だと示してましたし。
最後の戦闘でのスアローの一撃も恐ろしい威力でした。
この巻だと、道行きに悩んでいる忌ブキやその傍にいるエイハがまだ癒しですねー。
これが回を重ねると黒玉さんが出てきたりするわけですけど。

一方でスアローが合言葉を忘れるための判定をしたりユーモアもあるんですよね。
シリアスな部分もあるし、スアローとかだと盆暗な演出もあったりして、うまいバランスだよなぁ、と。
おまけに、PCたち以外にも個性があって魅力的なキャラクターもいるんですよね。
祭燕さん結構好きですよ。まぁ、個性とか魅力がありすぎるあまり・・・っていうキャラもいるんですが。
まぁ、序破急の、序の部分であるわけで、まだ穏やかだなぁ、と思います。本当に。

最後、ドナティアが動きを起こしたり、1巻で助けられた阿ギトも手を打ったりと、動き出してきた感じがしますねー。
この巻の最後で、迷っていた忌ブキも道を定めました。
次からは、序破急の破。ここまでの積み重ねが、どう生かされあるいは壊されていくのかが見ものです。


RPFレッドドラゴン1 第一夜 帰り人の島

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エイハ 忌ブキの友達から、さっき一杯のスープを貰ったの。とても美味しかったわ。幸せの味だと思った。その一杯だけで、忌ブキは幸せに生きていけると思う。自由のために戦って死ぬことが、そんなに素晴らしいことだとはどうしても思えない。
FM(阿ギト) 「そうかもしれねえ。自由のために死ぬなんて言うのは本末転倒かもしれん。だけど、俺は別の生き方を知らん。ほかの死に方なんてもっと知らん」


TRPGの技法を用いて作られたRPF。
ロールプレイング・フィクションという新しい遊び。
たった五人、たった六夜のためだけに作られたシステムや世界観。
これだけの量のデータをよくも作ったもので・・・ここまで来るとなんて言っていいかわからないですよね。
後書きにあるハジマリにある通り。最高に「遊んで」る作品。

――最高のゲームをしよう、といいました。
――最高の物語(フィクション)を遊ぼう、と話しました。


リプレイでいえばGMに当たるフィクションマスター(FM)に、三田誠。
プレイヤーには、虚淵弦、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟といずれも劣らぬクリエイターが集結。
これで面白くなかったら嘘ですよね、という感じですけど。
最終話の更新を前に読み返しているので、感想書いてますが。
読み直しであってなお輝きが劣っていないっていうのはすごいなぁ。
最新話当たりまで読んでいると、本当にこのあたりは平和だったと思うことしきりですが。 

巨大国家ドナティアと黄爛。
その狭間に位置する島国、ニル・カムイ。
守護神ともいえる存在、赤の竜が狂い猛威を振るうようになった島。
それぞれの国がそれぞれの思惑を以て、赤の竜に対抗する調査隊を結成することとなる。

虚淵さんに暗殺者とかやらせちゃダメでしょ!? って思いますが、すごく隠密ロールが生き生きしてます。
NPC見つけて、代理人やらせようとか、単身先行して潜入作戦決行したりとか。
すごく、暗殺者です・・・

奈須さんのスアローも、呪いを背負っているから、いい感じに壊れてるよなぁ。
壊れているというか、ゆがんでいるというか。
それに付き従うメリルも大変です。

紅玉さんのエィハも、つながれものという寿命の短い自分について達観してるというか、独特の価値観を持っていますし。忌ブキはニル・カムイにおける重要な存在である皇統種ですし。
二人は、島に関係するものとして、革命軍とのつながりをもったりするわけですが。
本当に、あちこちの思惑が入り乱れていて、たまりませんね。

FMも容赦ないというか、オープニングからキャラが死亡するとかどういうことなの。
イベント仕様なんで復活するんですけどね。ただ、後々明らかになる判定の恐ろしさよ・・・
失敗していたら本当にどうするつもりだったんだろう。
いったいいくつのルールが、どれだけの選択肢が使用されずに封印されていったのか、すごく気になりますね・・・


RPF レッドドラゴン 第六夜(上) 夢幻回廊

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エイハ ありがとうございます。……情報がちゃんと、わたしに都合のいいように伝わるようにしないと(一同爆笑)。
婁 俺でもここまでは言わねえ!
FM プレイヤーが今必要なことを完璧に把握しているがゆえに、発言がかえってひどくなるという例ですね(笑)。
スアロー もはや、ひどいとかひどくないとかじゃない!


もうこれぞクライマックスという感じで、ゾクゾクしますね。
追加のスタッフも含め、野球ができるほどの人数で行っているとか。
極めつけは、あの細工ですけども。

今回は最終幕ですが、決戦前という事で、劇的な変化っていうのはないですかね。
契りの城が出てきた時点で、戦争じみた大規模戦闘がおこるのは分かっていましたし。
それぞれの道が別れた以上、実際に敵対するのも予想の範疇ではあります。
「わくわく天稜ランド」のスタッフと婁さんが息ぴったりで笑えましたけど。
だから、今回の展開は予想外というよりは予想以上、というのが正しいですかね。

大規模戦闘を乗り切ってそれぞれの決意がより強いものとなる。
分かたれたはずなのに、それでもお互いを理解してる部分があるのは皮肉というかなんというか。
まー恋する魔神さんはいっそ読みやすかったりしますけども。
それでも、あのFMにした「質問」についての反応は恐ろしいものがありました。
本当に、恋する魔神というか、一直線というか。
赤の竜の残留思念もこの人にだけは与えちゃいけない能力が与えられるという事を明らかにしますし、どー寸のこれ。下手すると本気で婁さん一人勝ちだぜ……?

一方で、エイハと忌ブキの方でもドラマがありましたね。
竜殺しを殺したいエイハ。それを知らされていない忌ブキ。
「背中を押すわ」と語り、「愛している」と云う。
エイハ、迷いがないんですよね。寿命が短いという事も関係しているようには思いますが。
度々言っている、「順番」。それが根幹にあり、優先するものが決まっているから、ぶれないんですよね。
しかしそんなエイハに迷いを差し込んでくるあたりFMも手が込んでいるといいますか。
スアローに「下衆め!」とか言われてましたけど。

そのスアローも、子供好き? というか「育っちゃう系」とか色々おかしな言動振りまいていましたけど。
根幹が語られるに至って、なかなかすさまじい価値観というか、重たいものを抱えているんだなぁ、という感じで。
呪いについて明かされた場面でも想った事ですけども、スアローはスアローで怖いし、でも格好いいですよね。

そして禍グラバ。
エイハから、人の命のかかわる取引、彼女の「順番」について明かされる。
赤の竜に、唯一取引を持ちかけられず、友として見守ってほしいと言われた人物。
正直、禍グラバの戦闘能力がどれほどあるのかさっぱりわからないんですよね。
いやドリルとガトリングガン抱えているのは知っていますけど、具体的なデータとしてどこまで戦えるのか。
それぞれ一騎当千というべき、驚異の中、一体どういう行動をとっていくのか、一番読めないのってこの人なんじゃないだろうか。

それぞれに譲れないものがあるから、ここに至るのは変わらなかった事でしょう。
何処に着地するのか、楽しみでもあり、怖くもあります。


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