気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

その他

花を追え 仕立て屋・琥珀と着物の迷宮

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「なんで怪石にまで教えてしまうかなあ。切り札は最後まで取っておくものと、誰かに教わりませんでしたか?」

「それは大人のやり方でしょう? 私は子供ですから」

 

先代に住む八重は篠笛教室に通う女子高生。

かつてあったある出来事から、着物を苦手にしていますが……おそんな彼女が仕立て屋である琥珀という男性と出会い。

着物にまつわる様々な謎に挑むことに。

 

泥棒になるから着物は着ない、という七五三前の少女の言葉の意味ですとか。

端切れで作られたシュシュ、その絵柄に込められた謎だとか。

本人は着物に関わらないようにしてるのに、縁が出来て向こうから問題がやって来るのがまた何とも。

しかし、最初の方の話はまだ可愛げがあったというか、日常の謎的ではありましたが。

 

後半に行くにつれ、重たくなっていくからその辺の温度差がなぁ……

和装の雑学というか蘊蓄部は面白かったですけど、後半のそう上手くいったら苦労しないんじゃ……みたいな部分がありましたし。

真犯人を罠にかけてやる部分とか。全体的に嫌いではないんですが、もう一押し何か欲しかったかなぁ、と感じました。



ミステリーズVol.80

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「他人の恋よりも、わたし、マカロンに興味津々なの」


懐かしの小市民シリーズの短編が掲載されるという事で。
その為だけに買いましたよ! 通常配本なかったので追加で注文出しました。
収録は『巴里マカロンの謎』。
時期としては高校一年の秋という事で、時系列的に最新のエピソードではありませんでしたが、相変わらずの二人の様子が見れただけで満足です。
 
快速電車に乗れば、20分で着くから、と名古屋に連行された小鳩君。
互惠関係に則って、フォローを小佐内さんにしてもらったお礼返し、という流れのようですが。
新しくオープンするお店に行って、新作マカロンを食べるとのこと。

セットで突いてくるのは3個、限定フレーバーは4種。持ち帰りはやっていない……だから小鳩君を連れてきた、とのこと。

相変わらず甘味については熱心だなぁ。読んでるとちょっといいとこのケーキとか食べたくなります。

 

そうして辿り着いた店で、二人がちょっと目を離した隙に、ティーセットに3つついてきているはずのマカロンが4つに増えている、という謎と出くわして。

マカロンが1つ増えた、というだけの謎でもこれだけ読める話に膨らむもんなんだなぁ、と変なところに感心してました。

小市民二人のやり取りは、お互いのスタンスを分かってるから、流れるように進むので、読みやすいですよねぇ。

懐かしくなって、読み終えた後、思わず既刊読み返しちゃいました。冬期限定はでないのかしら……

ミステリーズ! vol.80
米澤 穂信ほか
東京創元社
2016-12-12
 

 

Know

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「ただ、せっかく生きているのだから」

(略)

「せめてその生は幸せでありたいものだな」

 

「情報材」や「電子葉」の開発により、情報化が進んだ社会。

特に電子葉は移植が義務付けられるようになったため、容易く検索などが出来るようになった。

わりと読みやすいライトなSFだと思いましたよ。SFそのものを数読んでるわけではないんですが。

 

主人公は、情報庁で働く官僚。ある時、恩師が残したコードの中に暗号を見つけて。

物語的にはそこから動き出した、と言うべきなんでしょうが。

その暗号は「14年前」に仕込まれた者で。そこに至るまでの道もある意味では既定路線ではあったわけですが。

14年前に失踪した恩師、残された暗号、託された者。

そこから巻き起こる数々の騒動と、最後に導かれた答え。

 

物語の本筋にはほとんど関与してないけど、三縞副審議官がいいキャラしていて好きです。

連レルの「僕が触れたら、きっと汚れる」。汚れたらもう落とせない「だから最初から触っちゃいけない」という彼女の評価とか。二人の距離感が割と好みでありました。

 

恩師に託された、この物語のもう一人の主役である少女知ルは……

独特過ぎて、評価しがたい。いや、嫌いじゃないんですけどね。

遠すぎて理解できる範疇にないので怖い、というのがまだ正確かな。

実際目的の為には危険に飛び込むことも厭わないわけで。……スペック高いから、並大抵の危機じゃ危機として機能しないって言うのもあると思いますが。

know (ハヤカワ文庫JA)
野崎 まど
早川書房
2013-07-24
 

 

星読島に星は流れた

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しかし、それでも。

それでも、あの夜、たしかに――

星読島に星は流れたのだ。

 

天文学者ローウェル博士は、孤島に観測所を作り居住していた。

その島には、数年おきに隕石が降って来るという曰くがあり、毎年行われる天体観測の集いは恐ろしいほどの倍率に。

医師の加藤も、ネット上にあるローウェル博士主催に参加していて。最も、たまに眺めるライトユーザーだったみたいですけど。

 

何の因果か、高い倍率を潜り抜けて当選。天体観測の集いに参加する事になったわけですが……

滞在中に、一人が死体となって海に浮かぶ事態になって。

孤島である上、用意されていた設備が破壊されたため通信もできず。定期船があるわけでもないので、「この中に犯人がいる」というクローズドサークルの状況に。

 

加藤が天文のライトユーザーであるため、隕石についてだとか説明が入り判りやすかったですねぇ。

そして星座の数の話なんかも驚きました。意外と少ないんですね。

隕石の価値に吊られてこの島に来たもの。個人の事情として願掛けの意味を込めて参加した者。色々と事情がありますが……

 

それらが上手く溶け合って、あの島の不思議を演出していたように思えます。

「地球最後の日」の問答や、「星が流れた」結末に至るまで。綺麗にまとまっていて、流れるように読めました。




活版印刷三日月堂 星たちの栞

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「はい。あの夜、印刷しているとき、祖父のことをいろいろ思い出しました。『印刷とはあとを残す行為。活字が実体で、印刷された文字が影。ふつうならそうだけど、印刷ではちがう。実体の方が影なんだ』って」

古びた印刷所「三日月堂」。
そこでは昔ながらの活版印刷を行っていて。
元々は店主の祖父が経営していた印刷所で、亡くなっていらいそのままだった。
活字が合金のため処分が難しく、そのままになっていて。
ある事情から、そこへ戻ってきた孫娘の弓子が、知人の依頼を受けて活版印刷を再度行う事に。

言葉一つ一つを大事にしている、と言いますか。
知識としては知っていましたが、こうして描かれるとまた違った趣があります。
章ごとの扉に活字などの道具の写真が置かれているのもにくい演出だと思います。

冒頭の「世界は森」では母から子へ送られるレターセット。
「八月のコースター」では、叔父から喫茶店を継いだ青年が新たに作り出したコースター。
学校でのワークショップなども行っていました。
誰もが、何かを求めていて。店主との相談しながら「これだ」と思える作品と出会う。
いや、いい作品を読んだ、って感じがします。

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)
ほしお さなえ
ポプラ社
2016-06-03
 

ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり3 動乱編

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「ただ問題は、刺客が並大抵の相手ではないらしいのです。炎龍を倒したという実績を高く評価されてかなりの刺客が放たれたようです。我ら二人だけでは、とうてい防ぎきれぬ相手です。ご協力いただけますかな」
「当然だな。大事な身内を守るのを誰が嫌がるって言うんだ?」

講和のための人員も派遣され、帝国側との話し合いも始まった。
日本側が捕えていた特地の人員も、一部が帰国し、さてとりあえずは交渉のテーブルにつけるかと思ったら、またひと騒動が。
伊丹がダークエルフたちと炎龍を撃ったのが原因の一つでもあるし、帝国がそもそもその内崩壊してもおかしくなかったあたりが、また痛いよなぁ。

炎龍という災害を仕留めたことは評価されるべきだ。
しかし、異種族と亜神、さらには皇太子を打擲した当人がいるとなると中々厳しい。面子の問題もあり、レレイを神輿にしようと皇帝が動き、それが気に食わないゾルザルが刺客を雇ったりと、面倒なことに。
オマケにクーデーターは起こるわ、門の外、日本を取り巻く各国の思惑も加速するわで大わらわ。

車の運転を楽しんでいる姿とか、和む場面もあるんですけどねぇ。それ以上に厄介ごとが押し寄せてくるから大変だ。
マスコミ関連の記述は分かりやすく嫌なヤツとかができたりするんで、好み別れるんじゃないですかね。キャラの主義主張がはっきりしているから、行動も読みやすくはあるんですけど。
どんどん泥沼化していっていますが、どう決着つけるのやら、と初見の時には思ったものでした。


雨のことば辞典

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空の時雨
 涙の流れるのを時雨にたとえたことば。


タイトル通り、雨にまつわる言葉をあつめた時点になっています。
いろいろ間にコラムも挟まっているので、読み物としても決してつまらないものでもない。
割とこういう雑学系というか辞典系は好きです。

五月雨、時雨ぐらいは名前は知っていますが、しかし実際どんな雨なのかと聞かれると困ることでもあるわけで。
いろいろ参考になる部分はありました。
沖縄の方言も乗っているあたり芸が細かいというか。

なんとなく聞いたことあるものもあれば、全く聞いたことのないものもあって新鮮ではありました。
たとえば、空に三廊下。
雨降るか、晴れるか、曇るかあいまいな天気の時に使う。
「降ろうか」「照ろうか」「曇ろうか」の三つの廊下があるという言葉・・・だとか。

こんな美しい表現聞いたことないんですが、という発見があったりもするので、なかなか読んで勉強にはなります。表現を学んで、いざ使いこなせるかというと、さて、どうですかねぇ・・・


ウユニ塩湖 世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景

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「旅に出るすべての人に勧めたい。
そこには汚れたモノなど何もなくて、
ただ、圧倒的な美しさと
世界の大きさにココロを救われる。」
     ――ある世界一周者の言葉

ジャンルに困ったので文芸に入れたけど普通に写真集っていうか旅行書っていうか・・・
実際にウユニ塩湖を訪れた100人の旅人がとった写真から選りすぐった写真と、感想の言葉が乗せられた写真集です。
後半には、遊んで取ったネタ写真なんかも乗っていて笑えます。
まぁ、それはさておき。

もう一言、美しいとそれだけしか出てこない。
世界一の絶景と言われるのも納得できる感じです。
限られた条件下でしか見られない、鏡張りの空。

そもそもが高地にあるので行くのも大変。
弾丸ツアーのプランが紹介されていますが、適応も考えて最低7日とか取らないと大変なようで。
近場に空港ができたから、これでもマシになったとかなんとか。
昔は、悪路を13時間バスに揺られないとたどり着けなかったそうで。
それでも30時間近くはかかるようで何とも大変な道のりです。
日本から直通便もないのでいろいろ回らないといけませんし。

けれど、多分そこまでしてでも行く価値はある場所なんだろう、と写真を見て思います。
死ぬまでに、一度は行ってみたい。そう思えるのも確か。
写真でも十分にきれいだけれど。本物を見ることができたら、それはどれほど美しいんだろうか。
良いなぁ・・・

 

蛇行する川のほとり1~3

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あたしは今、天使を描いている。
あたしには彼女を理解できない。
けれど、好きになることはできる。
だから、あたしはあの夜彼女と一緒に過ごしたのだ。一生繋がれることになるはずの手錠を、自分で自分に嵌めたのだ。

第1部 ハルジョオン
第2部 ケンタウロス
第3部 サラパンド
終章  hashaby

3冊構成ですが、1冊に1部。
最後の3巻のみ、3部と終章が収録されています。
で、全ての章において視点がかわり、他のキャラクターの違った姿が見えていくのはいい感じですね。
男のキャラクターもいるんですが、視点はすべて少女たちのものとなっています。

夏の終わりに行われる演劇祭。
その舞台背景としての大きな絵を制作することになった少女たち。
学内でも有名な、二人組。
久瀬香澄に斎藤芳野。
いつも一緒にいるが、可愛さをアピールするでもなく。
キャラの一人からは「二人だけで完結している」と称されている女子二人。

1部では、その二人とともに制作にかかわることになったもう一人の少女、蓮見毬子の視点から描かれています。
青春しているなあ、というか、若々しい雰囲気の中に苦さとか不穏さを混ぜるのがうまいなぁと思います。 
香澄の住居である『船着き場のある家』では、付近で人が死んでいたという謂れがあった。
貴島月彦、志摩暁臣。
香澄の親戚とかの理由で、彼らも『船着き場のある家』にやってきます。
それぞれが何らかの形で事故に関係していたり、気になることがあったりと行動していますが、毬子も関係しているじゃないか、と切り込まれて。

2部は、コンビの片割れ、 斎藤芳野の視点。
憧れの対象として見られている芳野。
でもこうして内面を見てみると、結構普通の学生をやっているんだなぁ、という感じ。
絵のセンスがあって、美大に進もうと考えていて。
ただそれだけではなく、かつてあった事件についての話も少しずつ進みますね。
それぞれがかつてあった事件について、自分なりの解釈をしたり、断片的な情報しか持っていなかったりして、進んでませんでしたが。
少しずつ会話によって情報が引き出されていきます。
いったいどんな真相が明らかになるのかと思ったら、巻末が驚きの展開過ぎて。
これ一体どうやって続けるのかと思いましたよ。 

そして完結の3巻。
事件について、真相を解き明かすべくいろいろと月彦が動いています。
この話の登場人物はほとんどが、過去の事件における当事者だったり、あるいは共犯だったりするわけですが。
探偵のように一席ぶった月彦。
それはそれで一つの解釈というか、ピースが足りない状態でパズルをすればそんな形になるのか、という感じ。
終章で語られなかった真実が明らかになるわけですが。
面白かったですよ。すらすら読めました。
 
 
蛇行する川のほとり〈1〉
恩田 陸
中央公論新社
2002-12





蛇行する川のほとり〈2〉
恩田 陸
中央公論新社
2003-04

蛇行する川のほとり〈3〉
恩田 陸
中央公論新社
2003-08-26


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