気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ダッシュエックス文庫

ログアウトしたのはVRMMOじゃなく本物の異世界でした~現実に戻ってもステータスが壊れている件~

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「――超える。今の俺なら、超えられる」

 

新世代VRMMO『アストラルボーダー』に参加した主人公、神崎玲人。

しかし、そのゲームはゲームクリアまでログアウトできず、ゲーム内での死は現実の死に通じるデスゲームと化し……。

玲人は死力を尽くしてラスボスの撃破に成功したものの、3人の仲間が命を落とす結果になってしまって。彼は、仲間がいないのにクリアしても意味が無い、とデスゲームでは使い道のなかった「自分を犠牲にパーティーメンバーを復活させる」というスキルで仲間を助ける選択をして、息を落とした。

 

……はずだった。

現実世界で覚醒した彼は、自分の記憶にない妹と対面することになったり、魔物が出現するため特殊な警報が鳴ったり……ゲーム時代のスキルがそのまま使えるという、「彼のする世界とのズレ」に直面していくわけです。

オマケにゲームでのラスボスを倒したことによる経験値は玲人の中に注がれており、この世界でも異質な強さを見せつけていくことに。

 

玲人が目覚めた世界は、魔物の脅威とそれに対処できるスキルを持った人々がいることもあって、怜人が通う高校でも魔物を退治できるようするための実習が組み込まれているほどだった。

一応、討伐隊に入る人も多いそれなりに名の知れた学校っぽかったですけどね。

強いスキル持ちが増長したりしてましたが、気負うことなく結果を出していく玲人は強かった。

 

ゲーム時代のスキルや知識が使えるので、うまく発動できずに悩んでいたクラスメイトにアドバイスをしたり、高名な同級生との特訓をすることになったり。

イベントを着実にこなしてもいましたが。ヒロインたちとの関係ばかりではなかった、というか。魔物という存在、警報があるほどの脅威であることを改めて実感したというか。

襲撃を計画的に行う悪魔によって妹や友人に危機が迫って、奮闘している姿は実に主人公でしたね。玲人、強いは強いけどかつてのラスボス戦では補助を担当するバッファーだったらしいし、戦場が複数あると対応大変そうですねぇ。

今回は間に合ったけど、次回間に合う保証もないしどうなるでしょうか。雪理みたいに時間を稼いでくれた人が成長していけば、負担も減っていくでしょうし……玲人の探し人が、本当に見つかればもっとよくなる気はしますが、どうなるやら。

許嫁が出来たと思ったら、その許嫁が学校で有名な『悪役令嬢』だったんだけど、どうすればいい?2

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「前も言ったでしょ? たとえ、世界中の皆が貴方を間違っていると、認めないと言っても――私は、貴方の味方よ、東九条君!」

 

悪役令嬢として知られている彩音と許嫁という関係になった主人公。

孤立していた彼女と触れ合って、許嫁になったからには彼女の事を大切にしたいという気持ちもある。

一方で、彼にはこれまでの時間を積み重ねてきた幼馴染の少女が2人いて……。

 

その好意は明らかで、彼女達の友人だったり浩之の妹だったりと、周囲は事情を察していましたが。

主人公はどうも煮え切らない態度だったなぁ、というか。一応過去に心が揺れ動いた時に、幼馴染サイドから踏みとどまるような対応されたことで、ぬるま湯状態で停滞していたっていう部分もあるようですけど。

 

許嫁としていきなり彼の間近に迫ったヒロインが現れた以上、これまで通り「3人仲良く」みたいな状態でいられるはずもなく。

外野に背中を押された結果として、少し前進した関係を築くことになる話。総じていうと、1巻分費やしたわりに進まなかったというべきか。

まぁ長らく停滞していた以上、大きな一歩ともいえるでしょうが……1巻ほどは刺さらなかった。今後どう展開するか次第かな。

迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について

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「出会ったばかりの俺が言えることではないかもしれないけど、シャーロットさんとエマちゃんには強いきずながあるように見えるよ」

(略)

「それに、前にエマちゃんは行ってたんだ。シャーロットさんは優しくて大好きだって。だから、大丈夫だよ」

 

少し醒めた、というか。学校などで自分が嫌われ役になることでうまくいくならそれでいい、みたいな自罰的な面を持つ男子高校生・青柳明人。

そんな彼のクラスにイギリスからシャーロットという美少女が留学してきて。すぐにクラスで注目の的となったわけですが……その分自由に動きにくくなることもあって。

 

テスト近いんだから無理に遊びに誘うなよ、とかともすれば空気読めない発言をするんですが。その裏には気遣いがあるわけですよ。

担任教師で明人のことも良く知ってる花澤先生と明人のやりとり見ていると、なーんか過去にあって今みたいな態度をとるようになったみたいですけど。なにがあったのやら。

 

そんな明人には英語が流ちょうにしゃべれる、と言う特技があって。

シャーロット自身は日本語を普通に扱えてましたが……彼女の妹であるエマちゃんは、まだ英語しか上手くしゃべれなかった。

タイトルにある通り、迷子になってしまった幼女エマちゃんを見つけた明人が、英語で意思疎通して。名前を聞いたらシャーロットの妹だとわかったので、彼女に引き渡そうとしたことで、縁が出来て。

 

さらにはたまたまシャーロット達の住まいが、明人の隣室だったこともあって、不思議と交流が増えていくことに。

シャーロット曰くエマは人見知りするタイプ、とのことでしたが。なぜか明人には早い段階で懐いて、彼をお兄ちゃんと慕い度々エマが遊びに行きたいということで、シャーロットとも会う時間が増えていく。

実は明人、シャーロットに一目ぼれしていたので、実に青春してると言いますか。微笑ましかった。明人、先述の通り昔何かあったみたいなので、それで張っている壁をシャーロットにはぶち壊してもらいたいものですね。

レベルダウンの罠から始まるアラサー男の万能生活

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「楽しめ?」

「ああ。勇者の卵ってことにとらわれ過ぎてちゃあだめだ。悲壮な顔してる奴とか、余裕のない表情の奴とかに助けてもらったとしたら、助けられた奴はありがとう、よりも申し訳ないって思いそうだろ。だからイセリア自身、人生を楽しめ」

 

BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで4月30日まで。
弟妹を養うため冒険者となり、引退した今はギルドの職員として働いている主人公のアレン。

ギルドの仕事として、モンスターを生み出すダンジョンを適正に管理しなければならないというものがあって。

アレンは、スライムしか出てこないため魅力に乏しく、誰も入らないようなダンジョンからスライムが溢れないように狩る日々を過ごしていた。

 

そんなある日、ダンジョン構造が変化する十年に一度あるかないかというレアイベントに遭遇。

ダンジョンの調査を行ったところ、踏むとレベルが1上がるがステータス上昇量が最低値になってしまうレベルアップの罠と、踏むとレベルが下がってしまう罠の2種類を発見。

罠の検証を始めたアレンは、レベルアップ時のステータス上昇量についてある仮説を立てて……それを自分で実行することに。

一般的な人間はレベル五百が上限とのことですが、せっかくだからレベル1から500まで最大効率で育て上げよう、と考えて成し遂げたのはお見事。

 

それからアレンはギルド職員として働きつつ、休日にネラという偽名でダンジョンに挑む2重生活を送っていくことになります。

ステータス上げすぎて逆にコントロールが大変そうでしたけど、冒険者時代には踏み込めなかった領域を楽々超えていくのはテンポよくて良かった。

偽名での活動がバレないように仮面をつけたローブ姿で活動し、言葉を発さず筆談するネラは不審極まりないですけどね……。

 

ダンジョンでイセリアという少女を救って連れ帰ってきた時も、怪しまれて武器向けられたりしてますしね……。

後日イセリアと再会し、彼女を捨て置けずに協力することにしたり。ギルド職員としても活動してるから、不人気依頼の解消のため顔を出したりと、お人よしなんですよねアレン。慕っている人が多いのも頷ける。

そうやって、少し騒がしくも穏やかな仮面生活が続くのかと思っていたら、ドラゴンが住んでるようなダンジョンでスタンピードの兆候があって、慌ただしくなるんだから儘なりません。

アレンは自身の決断によって立場が少し変わることになってましたが、後悔しない選択をしてたからヨシ。……なんか色々火種はありそうですけどね……。



魔弾の王と凍漣の雪姫12

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「大切なひとたちと、愛すべきこの地を守る。私はそのために生まれました。生涯をかけて、この生き方を貫くつもりです」

「おまえなら、できる」

 

『魔弾の王と凍漣の雪姫』完結巻。

最後の魔物となったズメイはティル=ナ=ファを君臨させるべく動き、使徒メルセゲル異神アーケンを降臨させるための準備をしつつ、戦乱を広める為にキュレーネーという国を焚き付けて、ブリューヌやジスタートに軍を向けさせるんだからいやらしい。

 

特にジスタートの争乱では、ブリューヌの時に助けてくれた戦姫達がかかりきりになる形となったので、本当にティル=ナ=ファ関連の問題はティグルとミラ、リュディで解決しなきゃいけなくなりましたしね。

……完全に応援がなかったかというとそうでも無くて、シャルルが割り込んできたりして中々混沌とした状況になったりもしてましたけどね。

 

ブリューヌを守るためにザイアンがアスヴァールに派遣されたロランに助力を乞いに行ったり、ブリューヌも内乱を経たとはいえ良い人材が居るなぁ、と言ったところ。

というか本当にロランが頼りになりすぎるんですよね……最初のシリーズ『魔弾の王と戦姫』での扱いもまぁ納得と言うか。

頼れる人々に助けられてきたからこそ、信じてティグルがティル=ナ=ファ降臨阻止に専念できる、と言う流れが良かったです。

今回のルートでもまた困難を乗り切ったティグルでしたが、あとがきによれば『魔弾』の物語構想的にまだ続く予定みたいで、全三巻というそれを楽しみに待ちたいところ。2023年初夏予定なのでまだまだ先ですけどね。



カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ3

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「いやいやあ。ああいう子はむしろ」

(略)

「調子に乗ってるときの方が実力以上のものを発揮して、手強くなるもんだよ」

 

ヒューペルポレアは本当に神殺しの坩堝というか。

誰も彼もがこんな面白そうな状況でおとなしくしていられる存在じゃないよなぁと改めて実感することになりました。

護堂陣営はひとまずエリカと恵那が付き添ってきていたようですが。彼らが、かつておいていかざるを得なかった双子と、この世界だからこそ再会できたというのが喜ばしいし、そのシーンを見ることができたのはうれしかった。

 

とはいえさすがは護堂の子供たちというか、「感動の再会!」って感じじゃなく淡々としてましたが。

再会したからといって行動を縛るつもりもなく「この後どうするんだ?」って聞けるのも護堂らしかったですけど。

子供たちの霊視なども加味して一緒に行動することになって。なるほど、これまで断片的に見てきた構図はこうしてできたのか……。

恵那に言わせると祐理とリリアナは諸事情によりヒューペルポレア入りが遅れてるだけで、来る予定はあるとのことですからいつか見てみたいものですが。

ついつい積んでしまってる間に一年過ぎてて続刊出てないんですよね……悲しい。

 

騒動の根源となってるアイーシャ夫人を封印しようという試みはすでに行われていたようですけど。

当人は「それならば私を殺して」みたいな殊勝な態度とってるけど、絶対いざとなったら反撃くらうから封印にとどめておこうっていう判断は正しいと思います。

いや本当にカンピオーネ諸兄は、誰も彼もが殺しても死なないですからね……。

とは言えおとなしく封印もされてくれなかった、というか。なにがしかの介入があったと夫人は燃えてましたけど、本当だろうか。

 

一方で、救世の神刀を持つ雪希乃は黒王子アレクに奪われた弓奪還のために奔走することになって。

相変わらず蓮の正体に気が付かなかったり、護堂の代理として彼女の前に立った神様に押されたりと、まだまだ未熟さがありましたが。

今回1歩か2歩ほどは前に進めた感じがしてよかったですね。……とはいえ、それで詰めた差を状況次第で突き放してくるのが、神や神殺しの方々なんですけど。

がんばれ、応援だけはしているぞ……!

魔弾の王と天誓の鷲矢1

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「戦は、未だに怖いです」

「正直で偉いな。実は俺も少し怖い」

「ティグルさんもですか? 竜殺しなのに」

「怖いから、必死になって戦う。生き残るために力を振り絞るんだ」

 

『魔弾の王と聖泉の双紋剣』から一年後を描く新シリーズ。

リムの友人である商人、エリッサが誘拐された。それは彼女の親の出身である南国カル=ハダシュト関係者によるものだと推察され……。

さらに弓の王を名乗るネリーがカル=ハダシュトに向かったと思しき情報まで入って来て。

リムは戦姫エレンの命令を受け、ティグルを伴って異国の地へと赴くことになって。

 

現地では双王と呼ばれる指導者が倒れた事で、王を選ぶ七つの部族の間での抗争が激化しており……。

ティグル達も現地の協力者と接触した時点で、別部族の襲撃を受けることに。そのまま逃走に入るわけですが、現地の狩人から知識の教授を受けてから森に入りたかったと考える辺り、ティグル根っからの猟師だよな……。

戦争の経験も積んでますし、情報を得る度に「この地で戦をするなら」とか考えたり、思考が磨かれてはいますけど。

 

そして運よくエリッサと再会することは出来ましたが。

彼女は彼女で、この抗争から逃れにくい状況に置かれていた。各部族の指導者的な存在である弓巫女に就任する羽目になっていたのだ。

状況に流されつつ出来る範囲の事をして、それはそれとして商人としての利益も最終的には求めようとしてる辺り強かです。そもそもが誘拐されてきてますからね、という言い分は最もなのでなにも言い返せないのよ。

 

ティグル達は出来る範囲で勢力を拡大していってますが……弓の王もなんかおかしな状況になってるし、この抗争の着地点が現状だとさっぱり見えませんなー。

なにか弓の王には弓の王の目的がありそうですし、それ次第で状況は変動していきそう。

魔弾の王と凍漣の雪姫11

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「私が弓を使い続けていた最大の理由は、意地です」

(略)

「この意地が運命によるものだとは、認めたくありません」

 

ガヌロンが滅び、シャルルも姿を消したことでつかの間の平和が訪れる……はずだったけれど。

大陸全土で不可解で大規模な凶作が発生し、戦火が広がっていくことに。

ブリューヌは内乱直後だっていうこともあって、敵対勢力の残党が「一角獣士隊」としてまとまって各地の村落が襲われる事件まで勃発していて。

ティグルはリュディに呼ばれて、彼女に助力する事に。内部に協力者が紛れ込んでいたりもして、対処が難しかったようですが。

 

上手く策に嵌めることが出来てしまえば、魔物との戦闘経験もあるティグル達からすれば対処可能だったのは良かった。終盤で応援が来てくれたのも助かった。

10巻でミラの肌色回ありましたが、今回はリュディ。そっち方面の進展もありつつ、2人で抑えられそうなのは、『魔弾の王と戦姫』を想うと少ないのか。

 

ティル=ナ=ファ君臨のために動く魔物と、死の神アーケンの使徒とが本気を出してきて。

テナルディエの下にいたドレカヴァクも行動を開始して竜を差し向けてくるんだから、厄介な状況に陥ったりもしていましたが。

それでも退かない貴族が居てくれた(内乱で生き残ってくれていた)のは安心材料だなぁ。転移できるミリッツァもシリーズ通して顔出してくれていいですよね。割と彼女好きなんですよ。


魔弾の王と凍漣の雪姫10

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「おまえは、死者をよみがえらせる方法があると言われたら、どう思う?」

(略)

「ない方がいい」

 

魔物たちが一枚岩ではなくて、ティグル達のあずかり知らぬところでガヌロンVSウヴァートが戦って、ウヴァートがあっさり負けてるのがなんか面白い。

特殊な不死身の能力者なウヴァートをガヌロンが消してくれたのは正直有り難いですしね。種しらないと、ティグル達も苦戦したでしょうし。

 

ガヌロンとシャルルと直接対面したことで、ティグルがある程度敵の行動指針を読めるようになっていたのは良かったですけど。

……ガヌロンがこちらの大戦力であるロランと戦姫を足止めし、シャルルは王都に乗り込んでレギンを討つ、という考えはすぐに理解は得られず。

 

ティグルとザイアンがちょっとした勝負をすることになって。

その話題をだした軍議までの間に、ヴォルン隊とテナルディエ隊の兵たちの間で何度か衝突も起きていたそうですし……ミラ達は状況を利用しようとしてるのに比べると、まだまだティグルは青い。でも、満点は無理でも及第点貰えるようになってるのはヨシ。

戦果もかなりあげてますしね、ティグル。あちこちで成長を感じられる。

ロランをして「もっとも勝利に貢献した」と言わしめて、彼の行動に変化を齎すくらいですし。

 

ティル=ナ=ファ信仰の両親に育てられた女性からの情報を得たりして、少しずつ前進もしてる感じはしましたが。シャルルが相変わらず全力で突っ込んでくるのが怖くてしょうがない。

レギンが、王宮から逃げないって覚悟を決めていたり、良い場面見られたのは良かったですけどね。

己の願望のために駆けたガヌロンでしたが……最後には、忘れてしまった約束がために刺されることになったのは、まぁ当人的には満足のいく終わり方だったのでは。

……それで国内ひっかきまわされた側からすると、たまったものじゃないですけどね。

魔弾の王と凍漣の雪姫9

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「あなたたちに私の好きな言葉を送るわ。――諦めなければ終わりじゃない」

その通りだと、ティグルは思った。これまで何度も厳しい現実を突き付けられてきた。それでも諦めず、前に進み続けた。だからこそ、いまがある。

この戦いも、決して諦めない。ティグルはあらためて決意を固めた。

 

ガヌロンがシャルルを復活させて。

蘇ったシャルルは「国奪り」を目的に掲げ、ロランをあしらいティグルの投擲も受け止めて、とかなりのスペックでこちらを圧倒。

あそこでガヌロンが回収に来てなかったら終わってたかもしれない、と言うのは中々厳しいものがありますね。戦力差がいつも大きすぎる、と言いますか。

 

三百年も時がたつと伝承は歪むものですが。……ガヌロンが意図して情報を抹消した部分もある、っていうのが厄介極まりない。

戦場で楽器を弾いていたとか言う伝承が、実は「弓弦を引いた、を弦を弾いた」に改編されたというもので、弓を忌避する風潮の発端もこういう所から生まれたのだろうか。

シャルルただ蘇っただけではなく、かつての友と交わした約束を気にかけている描写が多いので、なにか別の思惑を持っていそうですが。

……それはそれとして若い身体満喫してるのが食わせ者だよなぁ。

 

敵対側には始祖を名乗る力強い戦士がいるけれど、ガヌロンの積み上げてきた悪評があって。

一方でこちらは女王が認められていない国で、これまで王子と身を偽っていた王女レギンがトップになっている。

お互いに弱みがある中で、それでも与することを選んだ人員は貴重な財産とも言えそうですが。

魔物たちの暗躍を知っている読者目線としては、やっぱりティグル達に頑張ってもらいたいところであります。

 

公爵が亡くなったこともあってリュディの母が縁談を持って来たりして、それを切っ掛けにティグルに改めてアピール。

母から聞いた話を元に、ミラとの共同戦線を立ち上げようとしていたり、恋する女子は強いわぁ。

私的な問題にも挑みつつ、始祖シャルルへ対抗するために戦場に立つことも選ぶんだから、このシリーズの女性陣は本当に強いわー。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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