気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

感想(ライトノベル)

ジェノサイド・オンライン2~極悪令嬢の集団遊戯~

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「……お主はこれからなにを成す?」

「? 自分のしたいようにするだけですが?」

 

2巻はBOOK☆WALKER読み放題にて読了。面白かったので、追々買いたいな……。
はじまりの街での「遊び」に区切りをつけ、次の街であるベルゼンストック市に辿り着いたレーナ。

道中で確保した検証勢で、はじめてフレンドとなったユウから情報を引き出しつつ、この街で新しい「遊び」を始める事に。

……彼女の前に、奴隷を酷使している領主とか持ってきちゃダメですって……。

コレ、本来なら秩序側のプレイヤー達が正義に燃えて、領主を打倒する感動のシナリオになったんじゃないのかなぁ。

 

酷い目に遭いかけていた奴隷の少女達を救出して、そこから自由を勝ち取ろうと足掻く勢力との縁が出来て。

初めて受けるクエストが、No.番外の7ワールドクエストとか、普通とは違うルートを進んでる感じが凄い。

実際ルート分岐までしてますしね……かなり自由度の高いゲームで楽しいだろうなぁとは思います。

 

最も現状某ジェノサイダーちゃんのせいで、渾沌勢力が力を付けているというか。彼女の与えた影響によってあっちこっち大変ですけど……。

大事件が起きた事で商人の足が遠のくとか、妙にリアルよりですからね、この世界。

 

そして初となる公式イベント。

イベント専用マップで、秩序・中立・混沌の3勢力による『隠れ鬼ごっこ』。

広大なマップで敵を探し、あるいは潜み、撃破する事でポイントを獲得する形式で……。

プレイヤーのカルマ値によって、得られるポイントも変動するとか集計大変そうなイベントではありますね……。

各陣営のトップ5のカルマ値が発表されていましたが、レーナが他プレイヤーと100点近く差をつけていたのは正直笑った。

 

しかしまぁ、そこそこ人気なのかレーナの学校にもプレイヤー多いんですね。

……ジェノサイダーちゃんのせいで、悪い感じに噂になってそうだと思いましたけど。

実際模倣犯もでてる(すぐ捕まる)らしいし。

ユウや半値すたちの存在を察知して、リアルで隠す素振りも見せなかったのはちょっと意外ではありました。こうやって縁ができた事で、玲奈が「普通」を知っていければいいんですが。さてはて。

ジェノサイド・オンライン 極悪令嬢のプレイ日記

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「いやー、笑った笑った! こういうのが見たかったんだよ!!」

「それに振り回される現場のことも考えてくださいよ……」


VRMMOモノで、WEB未読。フォロワーからのオススメの一冊。

以前にもオススメしてるのを見たかなんかで、購入だけはしていたのを読了。

実際オススメして来るだけの事はあるというか、一気に読んでしまうくらいには満喫したので、もっと真面目に積読を崩すべきだと思いましたね……。

 

華族の家に生まれた主人公、一条玲奈。

しかし彼女は「普通」の感性が分からず、父からも距離を取られていた。

母親は愛を注いでくれていたものの、病いで既に亡くなってしまって。孤立しているといっていい。でも、孤立してること自体にはなんの感慨もないんですよね、彼女。

 

常識とずれていることを指摘してくれていた指標が、なくなってしまったために自分の中の異常と折り合いをつけにくくなることの方が死活問題だったそうで。

実際、アリの巣に水を入れるような子供らしい残虐さを、人に向けてしまう「遊び」をしてしまう「異常」は社会で生きるのに致命的すぎるんですよね……

 

そんな彼女が、折り合いをつける為に手を出したのが『カルマ・ストーリー・オンライン』。

プレイヤーにカルマ値が設定され、ゲーム内での行動によって変動。最終的には秩序、中立、渾沌の三勢力に分岐することになるようです。

さらに、重要NPCだろうと殺すことが可能とさらに仕様上NPCは復活しないため、自由度は高いもののプレイヤー達の倫理観によって、ベータテスト時代から環境は秩序寄りだった模様。

 

そして玲奈が選んだのはもちろん混沌ルートで、プレイ初日からカルマ値が減る凶行を開始。

プレイ開始早々に、人気のあるチュートリアル説明NPCを殺害。プレイヤー達が混乱している隙をついて更にNPCのキルスコアを増やし、勇敢にも立ち向かってきたPCは自身のプレイヤースキルで撃退。

他にも多くの騒動を引き起こし、掲示板でジェノサイダーちゃんの異名を頂戴する事に。

 

いやぁ、他人事なので正直ゲラゲラ笑ってしまった。あそこまで徹底して悪役プレイされると逆に清々しいです。

とは言え、予定していたイベントが潰れた開発の方々の苦労とか。振り回されることになるプレイヤーの方々のことを思うとちょっと目に涙が……。

賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦~愛弟子サヨナはぷにぷに天国DX仕様~

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「この巻から読んだ人は先生が何を言っているのか分からなそう……」

「一巻から追っていたとしても何言ってんだコイツ以外の感想が出ねえわ!」

 

実は、これが新年初読書です。積読の山に一番いたばっかりに……。

毎回ネタにこまっているというか、奮闘されているような姿をTwitterやあとがきなどがら伺うことができますが。

いやぁ、今回もひどかった……。シコルスキにおいては褒め言葉ですからねコレ。帯に「変態度、ナンセンス度、クズ登場人物度 ライトノベル業界1位(※自称)」とか書いてありましたし。

 

1話からやたら濃い変態(いつもの事ですが……)が登場したり。新キャラの名称がナカニダスだったり。さらには、パロディと言う名のトンデモ商品を生み出してオークに売りつけようとしたり。

よくもまぁここまで粘着的な変態どもを生み出せるな……と感嘆してしまう。

しかし、ちょっと下ネタが増えてきているのは……これも前からと言えばそうなんですけどね。一気に読むとくどくて胃もたれしそうになりますね。

 

シリアスを許さない会の会長とか、なんというか特殊技能持ちが多いですよねこの世界。

純粋な暴力で魔族をボコボコにしてたユージンも中々ですけど。

ゴマ塩の二人が、魔族の障害となっていた勇者と賢者が云々言ってた気がしますが。現状でも何とかなりそうな戦力が多い気がする。

 

そして最終話に爆弾を放り込んでくるのがいつものスタイルですが。

……なんでKADOKAWA刊行のラノベに、小学館の編集者が出てくるんですか???

ちゃんと取材した上で、バッチリ登場させてきてるのは草。仕事選んでいいんですよ?
後書きによればマジに今度こそ終わりだそうですが。まかりまちがって4巻出てしまった時、タイトルどうするんだろう。フォーを現せる単独の漢字……? 

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました3

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「……ふぅ、まっ、そうか、お前は自分の意志で旅を止めたんだな」

「きっかけはアレスだったとしても、旅を止めると決めたのは俺の意志だ」

 

WEB未読。BOOKWALKER読み放題にて読了。

キャンペーン追加タイトルで、1231日まで。

……もう終わってるじゃないか……。31日に滑り込みで読み終わったので……。

読み放題活用するのはいいけど、攻めて期間中に感想は上げようね、はい。

 

本編の話。

遺跡を攻略し、飛行艇を得た勇者ルーティ。彼女は、デーモンから齎された薬にある活路を見いだして一路ゾルダンへ。

大きな事件が起きて、B級冒険者アルベールも消息不明。戦力不足に喘ぐ町は、事件解決に協力したビュウイを新たなB級として旗頭に据える事を決定していましたが。

……それが黒幕なんだよなぁ。順調に蝕まれているというか。手札が足りないと、あっちこっちにガタが来ますね……。

 

勿論ゾルダンにはレッドとリットの二人も家。

冬の寒さに備えて、リットの故郷で使われていた懐炉を再現してみたり。順調に名前を広げていっている模様。

ルーティたちも偽名を使って忍ぼうとはしていましたが。最終的には鉢合わせして。

 

まぁ、すれ違って別行動していただけで中の良い兄妹ですから、微笑ましくて良かったと思います。

ティセが勇者の友人となって、彼女の顔色読めるようになったりする進展もあって、少しほっとしました。

……勇者の加護と、その衝動。ルーティが悪魔の加護を求めた理由なんかを想うと、気が重くなりますけど。

 

そして、勇者自身が居なくなったとあっては、アレス達も黙っているわけはなく。

手を尽くして迅速に追跡をしてきていましたが……随分とまぁ、荒っぽい手口を使うな。アレで賢者って言ってるんだから失笑モノというか。加護に踊らされている道化に見えて仕方がない。

レッド達と勇者一行、そしてシサンダンの思惑が入り乱れて、爆発寸前……という所で引き。読み放題期間に対象となっていたのは3巻までだったので、見せ方が上手いなぁと思いました。懐具合と相談して買って行こうかなぁ……ひとまずなろう版でも読むか……。

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました2

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「うーん、そうだな。別に強いから偉くならなくちゃいけないってことは無いんじゃないかって思ってさ」

 

WEB未読。BOOKWALKER読み放題にて読了。

キャンペーン追加タイトルで、今月31日まで。

二人で薬屋を営み、仲を深めていくレッドとリット。

恋人関係に不慣れでも、相手を尊重してイチャついてるのが微笑ましくていいですねぇ。

バカップル呼びされているのも納得できる甘さ。

 

穏やかな時間ばかりではなく、彼らの住む街でトラブルが起きたりもするんですが。

麻薬として使える薬が出回ったり、加護持ちに寄る傷害事件が発生したり。

それでも、勇者パーティーの一員として活動してきたレッドと、B級冒険者としての経験も積んできたリットがいると大体のトラブルに対処できるんですよねぇ……

リット達も完璧ではなく、敵の罠によって武器を封じられたりはしてるんですが、そこを乗り越える強さがあるので、安心して読めますね。

 

しかしまぁ、辺境と呼ばれ怠惰な職員が多いと呼ばれる国でもデーモンの暗躍があるんだから、何とも危ういというか。敵の手の長さが恐ろしい。

勇者一行も一枚岩じゃないどころか、ギデオンが抜けた後更にギクシャクしてて。

新たに加わった職業暗殺者の少女・ティセが表には出にくいけど、中々ユニークな性格をしていて面白いです。「私はこれでも人間関係がギスギスしていると落ち込むタイプなんだぞ」って一文が笑えた。

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました

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「(前略)そうでなければ、この難局を乗り切ったとしても、『勇者』がいなくなったあと、また魔王軍が来た時戦えない」

「私達が勝利していないから」

「そうだ」

 

WEBは未読。BOOKWALKER読み放題で読了。

期間限定タイトルで、1231日まで。

 

加護やレベルと言った概念が存在すファンタジー世界。

暗黒大陸を支配する魔王によって、人々のクラスアヴァロン大陸への侵攻が開始し、勇者の加護を持つ少女が仲間たちと戦場を渡り歩いていた。

その中にあって、勇者の兄であるギデオンは『導き手』という、初期レベルが加算されるだけの加護しかなく。

激しさを増す勇者たちの旅についてこれていない、と一行の『賢者』から追い出されて。

 

本人も力不足を実感していたり、予想外の場面を見せいで、諾々と従って辺境まで流れ着いたそうですが。

そこで、それまでに得たコモンスキルや汎用的な知識を使って、薬屋でもしようとして。

実力も伏せてDランクの冒険者として振る舞いつつ、住人と良好な関係を築いているので実際スローライフは成功してる感。

 

なんの因果か、勇者一行として協力した事の在る王女様も、彼女の事情によって辺境にやってきていて。

口絵で「ツン期の終わったツンデレ」と評されている通り、ギデオンに対して甘い彼女が可愛くていいですねぇ。

お偉いさんたちからすると、高ランク冒険者だった彼女が冒険者引退するのは避けたいらしくて、色々と交渉に来たりしてましたけど。逆効果というか。

守るものと排除するものの線引きが出来てるのは好感が持てて。

 

しかしまぁ、戦闘では力不足だったとはいえ、色々とフォローは欠かさなかったというか。

各種交渉なんかも請け負って居たりしたようですし……実際、ギデオンが抜けた後の勇者パーティーのギクシャクした感じを見ると、大打撃も良い所なのでは。

加護もスキルなどのプラスの素養だけじゃなくて、それの持つ力によって、力に傾倒したりする引力があったりするようで。正直ある種の呪いのようにも思えて怖い。

 

レッドという偽名を使って、冒険者リットと薬屋をしている二人が平穏であればいいと思いますが。

勇者側も一枚岩じゃないし、絶対何か怒るんだろうなぁ……。賢者はもう少し痛い目見るといいと思う。


ロード・エルメロイⅡ世の冒険1「神を食らった男」

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「私はね、偉大な魔術師に憧れていた」

(略)

「……過去形で言っているのに、諦めていないんですね」

 

第五次聖杯戦争前の一時期を切り取った「事件簿」から時は流れ……。

三年後の世界。凛がエルメロイ教室の生徒になって居たり、彼女が連れてきた従者も時計塔に居たりと色々と変化が生じている模様。

あとがきによれば、ルート分岐の在るステイナイト本編の未来を書くと言うことは、ルートを決定してしまうことになり、いずれ来る「聖杯解体」にも影響を与えてしまう。

……そのため、奈須きのこ氏と相談の結果、『独自のルート』を想定した書き方になっているそうです。

 

時計塔のロードとして、当人の実力はともかく生徒たちへの貢献……「講師」としての腕前は相変わらず冴えわたっているようで。

「略奪公」なんて、彼の実情を知っていると何とも似合ってるような、そぐわないような異名で外部の魔術師から呼ばれることもあるようで。

いやまぁ、相手の魔術の解体をしてしまう眼力の精度が上がってるようにも感じますし。

暗殺にきた魔術師への対抗策として、その術式を改善した上で特許登録してるとか、そりゃ悪名広がっても仕方ないでしょ……

 

グレイは相変わらず内弟子として、彼の傍にあるようですが。

事件簿の最後において、彼女に残された影響が続いているとか不穏にも程がある。

自身の非才を自覚しながらも、それをどうにかしたいと足掻き続けるⅡ世の泥臭さ、好きだなぁ。

それをグレイが察しているのも成長を感じられて良い。

 

仕事でシンガポールに立ち寄った後、Ⅱ世とグレイが出会った少年エルゴ。

彼は、特殊な体質……というか能力を持っていて。それを狙った魔術戦まで起きる始末。

アトラスの六源なんてキーワードも出て来たり、時計塔が西洋に強く影響力を持つように東洋にも組織だって動くものがあるとか。世界が広がっていく感じがして楽しいですね。

……それだけに、終盤に描かれたキャラが意外だったと言いますか。私、型月世界そこまで詳しくないんですけど、そう言えば同時期!?!? え、2巻読みたい……

 

時計塔に入った凛が、いろんな意味で「強く」なっていて吹いた。

随分とたくましくなったというか、根っこの部分が変わっていないけど手を伸ばせる範囲が伸びている感じがする。

……才能を秘めた原石と、それを磨く力をもったⅡ世とか、実際のところトップクラスに「組ませちゃいけない」コンビだと思うんですが。

うっかり宝石剣とか組み上げたりしないだろうな、この師弟。

竜は神代の導標となるか2

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「なにを教えて、なにを残してやるのか。……これはどんな戦よりも難しいぞ、ヒューゴ」

 

綺晶機関の秘めた力と、それが新たな災害をもたらす可能性に気が付いたカイ。

問題は騎士竜とその機関の扱いに関してだけではなく。

領主であるシギル家の戦力が落ちた事によって、ヴェーチェル領そのものを狙う外部勢力の存在まで考えられることに。

 

このタイミングで、エレナの義兄であるリチャードが帰還して、戦略的なアドバイスをくれるようになったのは助かりますね。

カイとエレナの婚約に関して思う所があるようで、ちょっと面倒な兄としてちょっかい出してくる場面もありましたけど。

どちらかと言うと、現場で活躍したり機関の研究をしている現場の人間であるカイ。彼を補佐できる立場の人間が増えるのに越したことは無いでしょう。

 

……しかし、厄介なのはクーデターを実行したウェイン一派がそれを把握してることですよ。

エレナには王の器があること。カイは将の器ではない凡人だが……エレナと共にあるのならば、英雄になる可能性すら考えている。

力だけではなく、策謀も備えた敵と言うことで。カイとエレナ達に立ちはだかる敵は強大で、けれどカイ達はまだ青い。さて、乗り越えるまでの時間が足りるかどうか。

 

今回は、そんなカイが成長するエピソードでもありましたね。

エレナを渡すわけにはいかず、それ故に戦いは続けますが、彼自身の核が定まらずぶれていて。「誇り」を掲げて交戦する騎士相手に、迷う場面なんかもありました。

けれど、父親から当主の位を譲られ。領主として立つことを決めて。「騎士」の姿に感じていたもどかしさも超えて、彼なりの軸を確立したように思える。

ただ、それだけに。敵にこちらの手札を一つ奪われたのは痛いなぁ。猶予の時間が削られていく。

竜は神代の導標となるか

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「もう少しだけ我慢して、これから始まる戦いを見ていてくれ。みんなが頑張ってくれた成果を俺たちが示す。エレナを浚いにきた反乱軍を叩き潰してな!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

地方群主の子息であるカイは、武芸こそ駄目なものの口は達者で。

祖父と一緒に研究に打ち込んだり、幼馴染の婚約者・エレナと良好な関係を築いたり。

穏やかな時間を過ごしていた二人は、何事もなければそのまま平凡で幸せな人生を送るはずだった。

 

けれど、王都において参謀ウェインによるクーデターが発生。

王位継承者の多くが殺され……エレナもまた、継承権を持つために標的とされた。

この世界には鉄騎竜と呼ばれる巨大兵器が存在するが、カイ達のような地方群主にいきわたるほどではなく。

「鉄騎竜」の所持を厳しく制限する事で、上位層への特権化したり、戦力の集中と言う意味でも間違ってはないと思いますが。

 

そうやって造り上げた安寧を嫌って、反乱する輩まで出てくると話は別と言うか。

王位継承者を皆殺しにするという苛烈さ。その手口を好まない人は居るでしょうが、圧倒的な力の前では無力で。

エレナの命も危うかったですが。カイが祖父と培ってきた研究成果、「騎士竜」の力によって敵の尖兵を撃退。

 

長く厳しい戦いの始まり。

カイの父親たちが、流れされるままに戦うのではなく。

標的であるエレナを引き渡したところで未来はないと理解して、彼らなりの野心を抱えた上で戦う覚悟を決める描写を入れてくれたのは良かったですね。

騎士竜と鉄騎竜のバトルで、カイの見せ場を作りつつ。戦争では、それ以外の見通しとか根回しも必要だという視点があって作品世界が広がった感じがする。結構楽しかった。


BabelⅢ 鳥籠より出ずる妖姫

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「そうなんですけど。でも逃げても取り返しがつかない、失くしてしまって、きっと一生それを後悔するだろうって……そういう時があるんです」

(略)

だから退かない。

 

かつて文庫版が出ていた時、2巻で終わってしまったため描かれることが無かったキスク王女オルティア。麗しいわぁ……。

満を持しての登場に、目頭が熱くなりました。苦節4年? 5年? まぁそれくらい。
思い入れの大きさを加味して星5です。いやまぁ、普通に好きなエピソードではあるんですが。

 

でも、3巻サブタイトルが妖姫だったり、これまでの旅の中で悪い噂を聞いていた通り。

オルティアは、かなり気ままで理不尽な王族で。

ラルスも雫を初手で殺しにかかって来たり、その後も疑い続けたりしていましたけど。

それは、ファルサスに伝わる口伝を知るが故の態度だったわけで。……いやまぁ、性格がぶっ飛んでるのも否定しませんけど。

オルティアの抱えている闇は、ラルスの敵意が剣だとしたら毒のような感じで、じわじわと彼女自身をも蝕んでいた。

 

遊興を欲する彼女の前に立った雫は、エリクとの会話で気づいた「言語障害」に対策が打てる人員として自分をアピール。

1人の少女と一緒に生活しつつ、教育をしていくことに。異世界の知識を基にした教育を与えても良いものか、と迷いながらも出来る事をやり続けた彼女の戦いに敬意を。

 

結果を出したことで姫に気に入られて、側近のような扱いを受ける事になって。

オルティアの過ぎた行いに対して、雫が意見具申をガンガンしていくので、保護者の居ない状況で無理しないで……と凄いハラハラします。

ファルサスで塔から飛び降りた時もそうですけれど、「これ以上は退けない」というラインの見極めがシビアに過ぎるというか。

「退けない」ってことは「退かない」ってことだと、激痛に見舞われながらも意地を通す彼女の強さが光るエピソードでもありました。

 

正直に言うと、初見時のオルティアの印象は割と良くないんですよね。

横暴な王族って感じのものをお出しされるので。けれど、雫が立ち向かったからと言うのを加味しても、言葉を聞き入れる度量はあって。

彼女がそんな性格になった、過去の事件の事なんかも踏まえると、どんどん好きになっていく。雫が、彼女の背を押したくなるのも分かるなぁ。

 

新文芸は文庫2冊分の分量! と古宮先生がよくおっしゃってますが。

実際、ボリュームが凄いんですよね。雫とリオの試験対策に始まり、キスク内部の描写と十二家審議までやるので。

469Pの雫とオルティアのイラストが、偶然から始まった二人の培った、確かな絆を感じさせてとても尊くて好き。

プロフィール

ちゃか

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