気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

電撃文庫

昔勇者で今は骨

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「だったら。貴方達はいていいんですよ。誰に迷惑をかけているわけでもない。負い目を感じることもない。いていい。そのためなら、俺は力を貸します。他人事じゃないんでね」

 
作者さんは以前からTwitterで拝見してて知ってたんですが。
作品を読んだことはなくて。主に積読と懐具合的な事情で。
ただ、先日読んだ本山らの文庫に最後のひと押しされてシリーズまとめて購入。4巻まで読んだので、その内書きます。

内容は、タイトル通りの作品ですね。

剣と魔法のファンタジー! 魔物や魔王がいて、それに対抗する勇者も存在して。

プロローグが、勇者と魔王の最終決戦ですからね。

4人で戦っている中で勇者が大怪我を負い、通常の治療では間に合わない……故に、速度重視で死霊術によるスケルトンとして復活。決戦に終止符を打った、と。

 

勇者がスケルトンになったというのも公にし難いから、死んだという事になっていて。

同じような死霊が住まう墓地で、ゲームをしたり気ままに暮らしていたようですが。

三年も引き籠っていた勇者を、「いい加減仕事しろ!」とかつての仲間が引っ張り出して。

それで冒険者登録をして依頼を解決したりしてますが……

 

物資運搬に携われば、行先の村がオークに占拠されてるし。

遺跡の地図を作ろうとすれば、盗賊がそこを拠点としてるし。

いやぁ、勇者の頃からこうやって厄ネタ引っ張ってきたんだろうなぁというのがひしひしと伝わって来て楽しかった。

これもある種のマッチポンプなのでは……私が行くと事態が悪化しますが、解決してみせましょう、というか。
自分で言っててこれはひどい。でも、実際悪辣な事件を解決してるから、評価されるのも間違ってないんですよねー。これを繰り返して来たなら、勇者というのも納得。

 

昔勇者で今は骨 (電撃文庫)
佐伯 庸介
KADOKAWA
2017-12-09


数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

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「――数学は、時を超える」

 

スニーカー文庫から刊行された『理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい』を読んで気になったので購入。

数学好きで、院に進んで論文まで書いていたナオキ。彼はある時、気がついたら異世界に迷い込んでいて。

彼が、小国の王女ソアラと出会い、『数学』によって国家の危機を乗り切ろうと奮闘する話。

 

まだまだ若いから仕方ないともいえますが。

ナオキもソアラも、研究者寄りの思考が強いですねー。

正論でぶん殴ってくる感じ。計算でその数字が出てくるのは、説明されればなんとなくはわかる。数学的には正しいんだろう。

でも、それで全てを飲み込める人ばかりでは、ないんだ。

 

数学的思考によって、問題を乗り切ったり…

人の心理という数学で測り切れない部分で足元を掬われたり。

中々の綱渡りを披露してくれていますが。

それでも諦めずに計算して、道を見つけて進んでいく二人の事を、見守りたいですねぇ。

もうちょっと清濁併せ呑めるといいんですが。さてはて。



ワールドエンドの探索指南

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「ボクらの勝ちだ」

 

丘の上で立つ「学園」で目覚めた子どもたち。

大人の姿はなく、学生たちの手によって自治を行っていたが…

彼ら、彼女らは皆記憶が曖昧で。なぜ、学園にいたのかも分からない。

周囲には荒廃した街が広がり、「ミサキ」と呼ばれる怪物も徘徊している。

 

少しでも情報を得るため、危険を承知で周辺の地図を作る「探索班」が組織され、その功績に応じて報酬を与えられる、と。

随分上手いシステムを構築したものだなぁ、と思いましたね。

帯に「世界はボクらを騙している」と有るように、この世界には欺瞞が満ちているわけですが。

探索班に属しながら「学園」の規律に馴染めずにいた少年が、「この世界はおかしい」と言う少女に出会って…嘘が、暴かれるまでの話。

 

口絵を贅沢に使ってきたな、という部分に驚きましたし、序章の展開でしっかりこの世界の理不尽を描いてきて引き込まれました。

今回は「学園」絡みの真実が明らかになってましたが、謎も残っていて。そもそもこの世界は一体なんなんだ、という疑問もあるわけで。

それらが明らかになるまで続いてほしいものですが。



幼なじみが絶対に負けないラブコメ

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「クロ、お前の言う通りだ! 最高の復讐が俺には必要だ! ふふふっ、最低と言われようとも構わない! この屈辱、必ず何倍にもして返してやる!」

「――その言葉を待ってたよ」

 

絵師さんのツイッターで宣伝を見て気になったので購入。

思った以上に笑える作品でした。ラブコメの、コメディ比率が高めかなー。

学園のアイドルで現役女子高生作家、可知白草。

初恋の相手である彼女に恋人が出来たと聞き――幼なじみの少女と、ノリノリで復讐をすることに。

                                                          

恋愛で敗北を味わわされたんだから、恋愛で復讐をしよう。        

初恋復讐計画。

白草との距離が他よりも近かったのは確かだから――幼なじみの黒羽と付き合ったフリをして、彼女に見せつけて。同時に彼氏の弱みを握ろうとしたり、相手よりも格好いい姿を見せようと企画したり。

 

テンポは良いし、なんだかんだで楽しそうではありましたね……

最終的に全滅みたいなオチになってたのには笑った。友人の哲彦がかなりいい性格してましたね……

最後の行動に関しては正直全く弁護出来ないし、下手したら裁判沙汰なのではコレ……みたいな空気を感じましたけど。なるほどカス呼びが浸透するわけだ。

 

あちこちで一単語のみフォントサイズ大きくするとか、ラノベ的ではありましたね。

多用しすぎじゃないかなぁ、というのと黒羽の飯マズ設定に関してはブレーキにしかなってなかった感じで少し惜しいとは思いました。



86―エイティシックス―EP.6 ―明けねばこそ夜は永く―

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「死ぬかもしれなくても、だからって死ぬために戦ってるわけじゃない。欲しかったのは意味だ。自己満足かもしれなくてもそれでも、……納得して生きて、納得して死にたいってそう思って、」

いずれ必ず、死ぬとしても。

それだけは。

 

ロア=グロキア連合王国編、後編。

1巻を読んで、最新刊までまとめて読んだんですが。もっと早く読んでればよかった、と思うと同時に、56巻を続けて読めたのは幸せだなぁとも思いました。

 

〈シリン〉の存在。その使われ方。

エイティシックス達は、戦場に在るという誇り一つで戦ってきて……迷子になっていたようなものですよね。

それをレーナは囚われていると言って。アネットが伝え損ねた、目指す先が見えないという気付き。シンの迷いを、ベルノルトは「可愛げ」と表現して。過去の戦いぶりを知る整備士グレンには「変わってない」と口にした。

 

そうした迷いの中で、シンが珍しく失態を見せたりもしていましたけど。

レーナと喧嘩して。彼女の方も机に伏せて涙を見せることになったり。

グレーテがレーナに優しく接してくれたのは良かったですね。

シンはヴィーカに「どこかで思考を止めている」と指摘されてましたが。

迷子になって、立ち止まっては居られなくて。進み続けた果て、帰る場所を見失っていた子供たち。

 

エイティシックスの生き残り、リトの言葉が。臆病ながら言葉を紡いだシンの態度が。

あの苛烈な戦場において、輝いて見えました。

人の可能性は、まだ広がっているなぁ、と思う一方で……レギオンの的確すぎる動きに、情報漏洩が疑われていた件。まーたあそこか……みたいな雰囲気が。

後書きによると次回はライトらしいですよ! うそだ……



86―エイティシックス―EP.5 ―死よ、驕るなかれ―

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「優しいひとは、幸せになるべきです。正しい人は、報われるべきです。人の世界はそうあるべきで、今そうでないというなら、そうなってほしい。……そうやって少しずつ、人は理想を――実現してきたのですから」

 

ロア=グロキア連合王国へ派遣されることとなったレーナ達。

共和国での実験でレギオンに量産知性体が増え、連合王国も苦境に立たされているとのこと。

情報共有や技術交流などを行っていましたが……いやはや、連合王国で採用されている対レギオン兵装もまた凄まじい。

 

「己が何を以て、人たるか。言い換えるならば、そう、何のために己は生きるかというところか。それを問うためには――良い出会いであったやもしれぬな」。

というフレデリカの言葉が、的確ですよね。

〈シリン〉。トリアージで助からないと判断された、希望者の脳データを使用して作動する、レギオンの羊飼いに近い代物。

エイティシックス達は、根幹を揺さぶられたようですね。

 

今回は、シンを筆頭に、多くのキャラクターが迷っていたように思います。

ある意味においては、そうやって考える機会を得られたのは、幸いですけどね。

削られて生きて来た彼らが、それでも戦場に立つというのなら。軸を定めてブレないようにするのは必要だったことでしょう。

とは言っても、人の業って言うのを突き付けられるようで、ここまでするか、とは思いましたし。作戦とはいえ、あの行進には鳥肌がたった。一瞬立ちすくんだ、という気持ちが少しだけ分かるような気がしましたね……

 

あ、あとダスティン君は、うん。頑張れ。からかわれ続けるだろうけど、上手く馴染めるきっかけにはなったのでは……?

イディナローグの異能を「頭が良いだけの単なるアホ」と評した場面も笑いました。美学は大事だろうけど、オイ!?



86―エイティシックス―EP.4 ―アンダー・プレッシャー―

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「わたしはそれが――とても哀しい」

 

ついに再会を果たしたレーナとシン。

二人の距離を測りかねている交流が、微笑ましくていいですねぇ。

エイティシックスを生み出した共和国への風当たりは激しく、レーナも正式に着任するにあたって洗礼というか報復を受けてました。

放っておいて爆発されるよりは、監督下で発散させた方がいいという考えもあったようです。

 

それを「自分が受けるべき罰」と行ってしまうのがレーナの優しさというか、非情になり切れない部分で。

シンはそれを否定した上で、以降は「権限と責任がある」から叱責するように

シャワー中に通信をつなぐ所とか、その後の交流とかは、ちょっかい出したくなるのも分かる初々しさがありました。

 

とは言え、可愛らしく思えたのも最初だけで。

今回は、共和国の北域奪還作戦。エイティシックスの生き残りを主力とした打撃軍を構成し、赴くことに。

しかしまぁ、共和国の生き残り。従軍を志願したレーナ達のように、危機感を持っている人も居れば、救いようがない人もいて。

憂国騎士団は、ひどかった。絶句しましたね。まだ、あんな思考でいるか。そんな人が代表として、指示を集められるのか。

エイティシックス達は迫害もいつもの事と聞き流していますが。同時に白ブタとも口にしていて。最後レーナが抱いた哀しみに、共感してしまう。

削ぎ取られた、という表現が生々しくて、痛い。

 

共和国の副都奪還作戦。

歴戦のエイティシックスが多いので、順調に進んでいる用にも見えましたが。

レギオンの狂気が、恐ろしかった。亡国の命令通りに戦闘行動を続けている、正常な機械だともいえるでしょうが。

機械だから、情がないから、効率を追求できる。実験の様が、その結果が。忌々しいくらい。

連邦の上層部が、エイティシックスを剣として重宝して、慰安の手配とかしてくれてるのがせめてもの救いでしょうか。剣や猟犬の類として評価はしてくれてる模様。

悲劇調の放送をしたり、決して理想郷ではないけど、それでも共和国よりはるかにましなんだよなぁ……



湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君

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「館長は優しいんだ。ぼくも、図書館がこんな風になっちゃって、怖い。でも、ぼくそれでもやっぱり、優しい館長が好きだよ。優しいから、こんな風になっちゃうけど、優しいから、守ってくれるんだよ」

 

魔王を倒した後の彼らのお話。

名実共に勇者となった少年は、魔術師の声を取り戻すために旅を続けることに。

その前に図書館によって色々と調べものをしていましたが。

最果て図書館に訪れる人が増えて、ウォレスが楽しそうで何より。

ま、色々と取り戻して、無くしてしまったものがあっても、自分で館長であると立ち位置を決めたのも大きいでしょう。

 

図書館の魔力の扱いですとか、まだまだな部分もあって図書館の魔物たちからは「結界が弛んでる」とか指摘されたりしてましたけど。

ウォレスがちょっと舐められてる分、リィリの方はスパルタだから、バランスとれてるんじゃないでしょうかね。

 

最果て図書館と同じように『空間』を核とした、地底湖の博物館なんてものがあるそうで。

そこの館長に追われて、逃げ出して来たという女性が図書館を来訪。

……剣で磔にされているという、奇妙な状態でしたが。拘束するためのアイテムらしく、痛みはないとか。まぁ、普通剣五本も刺さってたら死ぬわな……

 

図書館の客として彼女を認め、助ける為に色々と調べたり、博物館に足を運んだりもしてましたけど。

博物館の館長である少女は、「全てが欲しい」と、図書館を取り込もうとして。

ウォレスの対応は、甘くて遅かった。図書館がピンチにもなった。けれど…誠実であり正しかった。

 

「泣けばよかったんだ! (中略)泣けなくなるまで、声が出なくなるまで! 泣けば!」

必要だったのは、それだけだった。泣けずに、意地になって進み続けて、迷子になってしまった彼女が、立ち止まれて良かった。

ウォレスは、図書館乗っ取りに来られたりとかで、呑み込み切れない感情を抱いたようですが。ま、それもまた人生だよ。

 



86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈下〉

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「お前の道だ、お前が決めろ。ただ、これでも道連れだからな……しんどいっていうなら、支えてやる。きついってなら、休んでろ。だから、」

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「一人で戦おうとすんじゃねえ」

 

レギオン、機械のくせに学習能力が高すぎる。

自身の設計上の限界を代替品を見繕って乗り切ってますし。そうやって獲得した意識を持つ機体によって作戦の難易度が上がるという話は出て来てましたが。

それにしたって、という被害状況。

 

長距離砲撃によって前線は瓦解し、試算によれば人類生存圏の首都すら狙える性能だと。

空から挑むこともできないため、出された結論が――シン達による敵地縦断。それによって敵の主砲を破壊するというもので。

連邦以外に生き残った国家との連絡が復活し、協力作戦を実行できたのは不幸中の幸いでしたが。

まさしく総力戦の様相を呈してきて、それでもじりじりと削られていく戦況には震えた。

 

参謀たちの非情の決断が。憤ってくれたグレーテの、それでも計れなかった彼らの誇りが、重くのしかかる。

「まあ、でも、一番やばいとこに僕達が選ばれたのは、僕達がエイティシックスだからだよね。それだけはちょっと……寂しいかな」

作戦から退くことはしない、と断言しながら零したこの言葉が切ないですね……



86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉

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「たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのがおれ達の選んだ生き方です。それを――奪わないでもらえませんか」

 

行けるところまで行って死ね。

非道の命令に従い、旅を続けるシン達はついに隣国へとたどり着いて。

シンの異能があるとはいえ、かーなーり危ない所でしたけどね。

そうしてギアーデ連邦に保護されて、自由を与えられて……それでも彼らは戦場に戻ることを選んだ。

 

暫定大統領のエルンストが、いいキャラ。

この戦乱の時代にあって良い保護者であろうとしてくれる彼の善性が、染み入るようです。

暫定とはいえ代表を務めている以上、一筋縄ではいかない面も持ち合わせてそうですけどね。

「得体が知れない。万が一。そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないなら、人類なんて滅んでしまえばいいんだよ」。シン達ですら気圧された、あの場面には震えましたね。

 

日常パートでそれぞれが、自分なりに時間を潰している様子は、眩しかったです。

叶うならば、そのまま日常に戻っていってほしかった。けれど、そう簡単に戻れる彼らでもなし、というのが切ない。

連邦は共和国よりもまともなトップや軍人が居て、環境がマシなのは何よりですけどね。

それでも保護の道を選べたのに、戦場に戻って来た彼らに対する風当たりは強くて。その戦いぶりの異質さが際立つというのもあるんでしょうけど。

シンの戦いの苛烈さが。メンテナンスもろくもしないで動いてる機械のようで、その内壊れてしまいそうで怖かった。



プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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