気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

ガガガ文庫

育ちざかりの教え子がやけにエモい

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「いらん。これでも教師だ。自分にうんざりしてることと、うんざりのきっかけに代償を求めるのは筋がちがう。筋がちがうことを生徒の前で見せられん」

 

イラストが可愛くてアド。

中学二年生ながら発育が良く、まとう空気も違うと特別視されている少女、椿屋ひなた。

告白されることもしばしばあって、クラスメイトからも「違う」と認識されている。

彼女の特殊さは生徒たちだけではなく、教師も把握しているもので。正直扱い兼ねている部分もあるようですけど。

 

家族ぐるみの付き合いがあり、彼女の幼少期を知っている隣人である小野寺達也は新米の中学教師で……ひなたの担任を務める事に。

本人としては知り合い故に、外してくれと希望していたようですけど。

教師と生徒としての交流と、お兄とひなたとの会話。公私が入り混じっている、二人のやりとりが楽しいですね。

 

タイトルと表紙の通り、この作品の中心にいるのは椿屋ひなたという少女なのですが。

章ごとに変わる視点に彼女のものはありません。

達也やひなたのクラスメイト、彼女と接点を得た先輩のもの。それぞれの視点から、多角的に彼女を見る。

お兄相手に言う冗談は、はたしてどこまで本気なのか。いったい何を考えているのか。描かれないからこそ、彼女の心が気になる。




カクリヨの短い歌

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「歌なんて、くだらないですよ」

 

積読消化。

7回ガガガ大賞受賞作。刊行はなんと20135月です。いや、刊行当時に買ってたんですって。その証拠に金帯ついてますからね。

大賞を! 7年も! 積むな! と自分にツッコミ入れたい感じ。

読みたい気分にならないと、読んでて楽しくないというのがモットーみたいなものなので、気が乗らないとこういう年季入った品が生まれます……

 

閑話休題。

タイトルに「短い歌」とあるように、短歌を主軸に置いた作品です。

一度、世界から三十一文字の歌が喪われ、帰って来た。

タイトルのもう一方、カクリヨとは失われた歌が迷い込んだ、異界のこと。逆に、歌が生まれ帰って来た世界はウツシヨと呼ぶようです。

 

しかし、ウツシヨに戻って来た歌は変質し、詠み上げると禍を招くものすらあった。

それ故に管理の必要が生じ、それが利権ともなり、歌を知る者同士での争いなんかも起こるようになったみたいですが。

普通の人々は、そんな事情も知らず、五七五七七の歌を諳んじる事も出来ない。

 

本格的に学んではいないけれど、国語の授業で触れた百人一首。未だにいくつか覚えていますよ。そういう人は現実にはそれなりに居そうですけど。

この世界には、ほとんど居ないのだ。何がしかの縁によって、禍を招かない歌を知る事もあるようですが、稀な例でしょう。

学校で学んだことも自分を構成するピースとなるわけで、喪失が、悲しいなぁと設定にしんみりしてしまった。

 

さて、まぁそんな世界で歌に触れている人々が描かれるわけですが。

祝園という、数多くの歌を収拾している名家の当主。

一人戦国時代なんて異名を持つ、傍若無人勝手気ままな歌人。

この二人を中心として物語が進みます。章ごとに、視点が切り替わる構成。

名家が抱える歌を狙った刺客を蹴散らす話があったかと思えば、一人戦国時代が歌の噂を聞きつけて東奔西走、持ち主を打破して歌を集める話があって、割と自由でしたね……

ファンタジー要素強めですが、戦闘がないエピソードもあり、全体的には落ち着いてる作品ですねー。嫌いじゃないです。

カクリヨの短い歌 (ガガガ文庫)
大桑八代
小学館
2013-05-31

飛べない蝶と空の鯱~たゆたう島の郵便箱~

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「約束したろ――いっしょに飛ぼう。空の最果てまで――俺はまだ、ジェシカを雲海の底へ連れていってない」

 

再読。あぁ、やっぱり懐かしいし楽しい。

飛空士シリーズもそうですが、ガガガの青いカラーリングが相まって、空をテーマにした作品が、更に美しく感じられて好きです。

 

霧の上に浮かぶ島に人々が暮らす世界。

霧の海には霧妖と呼ばれる魔物が居て、他の島と連絡を取るのも容易ではない。

「封書」と言う特殊な手紙を、命懸けで運ぶのが「武装郵便屋」と呼ばれる職業で――主人公のウィルとジェシカも、その一角に名を連ねるコンビだった。

 

ただし、落ちこぼれとして。

飛ぶのが下手で風を読むことのできない少年ウィル。

ある出来事がきっかけで空が怖くなった少女ジェシカ。

武装郵便屋は危険と隣り合わせで、それでも封書だけは確かに届ける為にバディを組んで飛ぶことが義務付けられていた。

本来なら2機編成の事を言うが……ウィルとジェシカは、2人乗りで互いの欠点を補う形で、飛んでいた。

 

そんな二人に、腐れ縁の相手が封書の配達を依頼してきて。

シリーズスタートとなるこのエピソードでは、まだまだおっかなびっくり飛んでいる二人が、新鮮ですねぇ。

屈辱を感じながらも、それでも空を飛ぶのだという二人の航海がとても眩しくて、続きを楽しみに待っていたのを思い出しました。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14

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「君の気持ちは、言葉一つで済むようなものか?」

「……まさあ。たった一言で、済まされちゃたまんないですよ。だいたい言葉なんかじゃ、うまく伝わらない」

 

ついに完結。

12巻からやってたことって結局、謝恩会にプロムをやろうぜって、単純な話だったはずなのに、よくもここまで拗らせたと言いますか。

かなりの回り道をしているように見えますが、それこそが彼らには必要な冒険で、その果てに得た青春なのでしょう。

 

平塚先生が、八幡に色々言った後、それでも最高の生徒だと言ってくれるのが良いですね。

そう言ってくれる貴女が、彼らにとって最高の先生であったと思います。

13巻で八幡が言っていた「簡単なことが一番難しい」。

いやはや全くその通り。もっと容易い方法があったかもしれないけれど、もがいて足掻いた。

 

小町が入学して、いろはと交流していた場面とかが好きですねー。

割と相性良いような、悪いような。上手くハマれば結構面白くなりそうなコンビですけど。

いろはの「長続きするわけない」評とか笑っちゃったな。

女三人集まって姦しい会話を繰り広げていましたが。うん、「諦めないでいいのは女の子の特権です!」。可愛くあざとく笑うと同時にかっこいいと、思われてるのも納得の強さだ。

 

面倒な彼らが辿った、最高に面倒くさくて、眩しい青春ものでした。

甘さよりは苦味が強めな感じですが、八幡のひねくれた思考とか、結構好きでしたよ。

本編は完結したものの、短編集の予定などがあるそうで。

これからの彼らの姿がどう描かれるのか、楽しみに待つとします。

 


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。13

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「まぁ、君らしいやり方だな。勝算はあるのか?」

「なくてもいいです。どの道、他に方法がないので」

 

保護者からの意見があり、学校側ではプロムの自粛を求める方向になりそうだ、という話。

一度は内諾した以上、簡単に掌を返せないので、中止ではなく運営の自主判断に任せる方向だとか。

まぁ、頭ごなしに中止にしてこない分、柔軟なんじゃないですかね。平塚先生も、八幡にひっそりと状況を教えてくれてますし。

とは言っても、個人の裁量で出来る事など限られているわけで。

 

そんな状況で、一体八幡が何をするのかと思ったら……まぁ、いつもの彼らしい、卑屈なやり方でした。

彼は彼でスペックそこそこ高いし、行動力もあるんですよね。条件が整わないと、本気にならないだけで。

「ヒッキーにたまにすごく頭悪い……」とか。「君のやり方はまちがっている」とか「もっと簡単な方法あったんじゃない?」とか方々で言われてますが。

 

「簡単なものが一番難しい。俺にはこれが一番簡単だっただけだ」

と言うのが、結局は彼の軸というか。どこまで行っても不器用な彼らしい関わり方なんですよねぇ。

あぁもうまったく面倒くさい人だな。その面倒くささが、彼の魅力で、それまでの積み重ねもあって協力してくれる人々が居るわけですけどね。

葉山と八幡の、真逆だから少し通じる部分があるのが傍から見てると楽しいですね。そう言われた八幡の方が特に、すげー嫌そうな顔するでしょうけど。

 

しかし、もっと面倒な案を出して、元の案を通させようとか相変わらず癖のある手使いますね。本当に高校生かよ。

そしてその一手を活かす為に、過去の出来事すら利用するんだから、もう……。

 



やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12

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『……比企谷、ごめんね。それでも私はずっと待つよ。……だから、言葉にしてくれ』

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「……いつか、助けるって約束したから」

 

バレンタインデー、水族館。

いつもよりぎこちなさの増した、どこまで踏み込んでいいのか探るような会話。

話題を振れば反応するけれど、それは決して今本当に話したい事ではない。

三人が、それぞれ理解しているから、最後には沈黙が下りた。

これまで避けていた事。この先の話。あるいは、これまでの話。

言葉少なに語られた雪乃の、今まで誰にも打ち明けなかった事情。

 

それを二人に話、雪乃は一歩踏み出した。姉と、家族と向き合おうとした。

その少しあと、一色いろはがまたしても奉仕部に依頼を持ってきて。

彼女、行動力に溢れてるなぁ。奉仕部に頼りすぎともいえますが。いろはの持ってきた依頼でもなければ、奉仕部、不器用だから動き出さないしなぁ。

起爆剤として中々に有用。あ、こんな事言ってますが、一色いろはってキャラクターは結構好きです。

何のために、誰のためにするのか、という問いに「もちろん、わたしためです!」と宣言できる彼女は強い。

 

……まぁ、彼女のキャラは好きですが、この時期から唐突にこれまでやったこともないプロムを謝恩会に組み込むってのは、結構な無理難題の類なんだよなぁ……

その辺りを分かっていて、雪乃が手を貸すというのがちょっと新鮮。

スペックが高いものだから、着々と準備が進行していましたが。情報発信にSNSを活用した影響で、保護者から意見具申が出る辺り、リアルでうげぇってなりました。

代表としてやってくるのが雪乃母な辺り、容赦ないわぁ……

 


クラスメイトが使い魔になりまして2

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「やっと俺をみたな!? 俺が大嫌い、そりゃあ結構なことだよ! ありがたいね! やっと藤原千影さんが芦屋草太くんを認識しましたよ!? 最の高! 俺もお前なんて大ッ嫌いだね!」

 

ソフィアは消えたものの、千景と草太の主従関係は維持されたままで。

オマケに公衆の面前で魔力補給のためとはいえキスをしたことで、藤原家に呼び出されることに。

権力に貪欲な東の一大派閥。そこのトップである千影の両親は、派閥のトップと言う感じで手段を選ばない横柄な態度を見せて。

おっかないわ。そりゃ草太でなくてもお近づきにはなりたくないタイプだ。

当初は馬の骨を排除しようとしたが、『新魔術』と言う価値を見せたので、藤原家に取り込んでも良いとか言い出すあたりはもう……人の人生駒にしてゲームでもしてるのかよ……

 

とりあえず暫定婚約者プラスお目付役の派遣で、少しばかり時間を稼ぐことには成功していましたが。

学生である以上、藤原家問題にだけ注力するわけにもいかず。

課題を受領してみれば、「新魔術」を狙う協会に所属しない外部組織から襲撃を受ける羽目に。辛くも撃退はしてましたが、一つ間違っていたら敵の手に落ちてましたよね。

どこもかしこも厄介事しかないな本当。

 

いやまぁ、課題の時は旭やお目付け役の少女の水着を堪能したり、多少はラッキーな場面もありましたが。

それ以上のトラブルが押し寄せてきてますからね……

早急に強くなる必要を感じで師匠に修行を付けてもらって。千影との信頼関係を築くためにアレコレ課題を出されて。少しずつ相手を理解して。

 

そして、二人は本音を打ち明けることに。追い込まれたから、というのもありますが。

二人の間にある溝について、しっかり描写してくれたのは良かったですね。

草太が抱えている呪いもあって、全てを話せないとしても。お互いをしっかり見てないのは大減点でしょう。そりゃ師匠も呆れるわ。

ある程度の信頼関係を築き、眼前の問題を解決する事には成功したようで何より。また新しい火種抱えた気もしますけどね! 強く生きて欲しい。


夏へのトンネルさよならの出口

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「だったらさ、川崎も自分のルールを作ってみたらいいんだよ。別になんでもいいから。自分で決めたことを、最後まで貫く。そうすれば、最初は生きづらさを感じるかもしれないけど、理想の自分に近づけるんじゃないかな」

 

相変わらずガガガは尖ったもの出してきますね。

一級品の青春小説で面白いんですけど、ラノベらしからぬ雰囲気もある。

これが選考に出て来てW受賞するあたり面白いレーベルですねー。

出版業界厳しいですけど、続く限りは方針貫いていってほしいところです。

 

ウラシマトンネル。

そこに入ると欲しいものがなんでも手に入るが、その代わりに年を取ってしまうという歳伝説。

噂でしかありえないようなソレを、高校生の塔野カオルは見つけてしまった。

 

このトンネルを使えば、五年前に死んだ妹を取り戻せるかも。

その思いが沸き上がってきたら、止まることは出来なかった。

検証作業中に転校生の花城あんずに見つかり、2人でトンネルを使おうと色々と調べていって。

何かを得る為に何を犠牲に出来るか。取捨選択する話というと身も蓋もないですけど。

過去に縛られていた彼らは、何らの形で「禊ぎ」が必要だったんでしょう。

前に進むために、踏み出すまでの決断が、丁寧に描かれた良作。



クラスメイトが使い魔になりまして

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「そうか。覚悟が決まってるならいい。ただ、失敗して死んでも恨むなよ」

「恨まない。その時はあなたも死ぬんだから」

 

初となるガガガ賞と審査員特別賞のW受賞を果たした作品。

魔術が存在する世界で、それを学ぶ学院もあって。

進級試験の際にトラブルが発生し、クラスメイトを使い魔としてしまった主人公。

 

名家の学年主席の少女と、落ちこぼれ魔術師というデコボココンビ。

同い年の異性を使い魔として、同棲までする事になって。周囲からの好奇の目を数多く向けられることに。

少女が名門出身というのもあって、かなり主人公側の負担がデカい感じ。

うん、美少女侍らせてもさっぱり羨ましくない。下手に注目集めすぎて命の危機までありますからね……強く生きろ想太。

 

まぁ、彼自身かなりメンタルタフというか。

死にそうになった局面で、立て板に水の反論が出来るあたりは凄い。

いや逃げて助けを呼ぼうとして補足されて、「うるせぇばぁぁあか!!」と叫ぶ辺り自棄になってるとも言いますが。元々卑屈で、口が悪いからその辺りは仕方ないかな……

 

落ちこぼれというのも間違いではなくて、魔力量とか色々と欠陥を抱えているみたいですけど。

周囲の反応からすると、まず間違いないだろう過去についても想像できますが。

千影の態度はえーっと……放っておけなかったのは分かるけど、言い方がね、うん。彼女もスペック高いのに微妙に自分を御しきれてないですよね……

ただ、目的ははっきりしていて、そこに至る努力を惜しむ気はない、という所は好印象ですね。道行きは遠そうですが、頑張ってほしいものです。

イラストも可愛くていい感じですねー。
女子力ゼロで明け透けな物言いをする近衛も、引っ込み思案ながら友達を大事にしてくれる旭もいいキャラしてるので、どんどん巻き込んでいこうぜ……




ジャナ研の憂鬱な事件簿5

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傷つくことを覚悟で自由に生きようとするひとを、親であるという理由だけで止めることができると、なぜ思ったのか。

 

「ロシアン・ウイスキー・ホーリーナイト」、「消えた恋人」、「ジャナ研の憂鬱な事件簿」の三話とエピローグが掲載された完結巻。

真冬とスタンスの差ですれ違い……卒業も迫ろうとしている時期。

謎を解く中でできた知り合いにも、「仲直りしたのか」とか聞かれてましたしねぇ。

割とどっちも我が強い部分あるよな……

 

啓介が一人で、謎を解くことになった冒頭の「ロシアン・ウイスキー・ホーリーナイト」。

ユリの知り合いの提示した状況、それに対する回答を探す中で真冬から受けた影響に、変化した自分に気がついて。

気付きを得てから、次に会った時にちゃんと弁明できる辺り素直でよろしい。

「消えた恋人」は、また世知辛いネタ盛り込んできたなぁ、という感じでしたが。

荒事に発展せず、静かに解決したのは何よりです。

 

そして最後の事件となる「ジャナ研の憂鬱な事件簿」。

追い出し祭。そこで啓介はまた謎に出くわしてましたが。

よく覚えてるな。自分が高校生の時に、小学校時代の後輩が訪ねてきたとして、絶対わからないって自信しかないですけど。人の顔覚えるの苦手で……

まぁ、今も付き合いがある良太郎と仲良くなるきっかけになった少女だと思えば、記憶に残っててもおかしくないのか。ちょうど作中で話題に出てましたしね。

 

ある少女の、決断と将来の話。そして同時に家族のお話でもありましたが。

謎としては正直わかりやすかった、というか。

動機が悪意ではない、と啓介は想像していましたが。あの手の「悪気がなかった」は下手に悪意があるよりも悪質でしょう。

啓介が気付いたから良かったものの……と謎を解いて良かった、と思えるエピソードが最後に来てほっとしましたねぇ。

ジャナ研の後輩も見つかったようですし、区切りとして綺麗にまとまった完結巻だったと思います。



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