気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ガガガ文庫

高嶺さん、君のこと好きらしいよ2

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「――それじゃダメなんだ」

(略)

「俺は女性の扱いがうまくなりたいわけじゃなくて、高嶺サキを大事にしたいんだ」

 

2人の性格が変にかみ合ったせいで手こずりましたけど、ついにお付き合いをすることになった高嶺さんと間島君。

しかし付き合い始めたからといって、そう簡単に間島君の堅物さとかが薄れるはずもなく。

むしろ彼女を大事にしたいからこそ入念に準備をしてデートに臨もうとかするんですが。

 

……予定していた季節節のタルトに使われている果物が変わっていただけで長考状態に突入したり、雨が降り始めたことでも「詰めの甘さをあげつらわれている」とか思うのは生真面目すぎる……。

もうちょっと臨機応変に対応して生きてもいいのよ、とか思いますけど。それができたら堅物風紀お化けは誕生してないだろうなぁっていうのもわかる。

 

雨に濡れて体調を崩した彼を、高嶺さんがお見舞いに来るエピソードとかもありましたし。次につながっていってるのは良いですけどね。

彼女を大事にしたくて、でもどうしたらよいのかわからない。どっかで見たことあるような恋愛本を手に取ったり迷走をしつつも、友人を頼る選択できたのは良かった。

友人を交えての海デート、なんか砂の城作ってるタイミングもありましたが、おおむね楽しそうでしたしね。

 

空手に打ち込んでいた時代の間島君を知る後輩女子が接触してきたり、とかもありましたが。

うーん、クルミちゃんデザインは好きなんですが、今回はちょっと魅力が薄かったというか。キャラ紹介で「崇拝していた」って書かれているのに嘘がないのは笑っちゃった。

クルミちゃんと相対して、それに負けずにハッキリと自分の気持ちを伝えられた高嶺ちゃんがとても良かったですね……。


高嶺さん、君のこと好きらしいよ

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「……まあ、そういう難しいことは置い、とい、て」

(略)

「今大事なのって、正しい正しくない以前にケンゴがどうしたいかじゃねえの?」

 

ミステリアスな美少女として、学校でも話題な高嶺サキ。

何かと噂の絶えない彼女は告白されることも多く、良く思わない女子も居た。だからか、流れる噂の中には彼女がパパ活してる、みたいな誹謗中傷まで含まれていて。

噂されるほどミステリアスでもなく、実際は臆病の虫を飼っている彼女は上手くやり返すことが出来なかった。

でも、彼女の通う学校には堅物で風紀オバケなんていわれるような、鬼の風紀委員長・間島ケンゴがいて。

 

彼の目の届くところで不穏な行動をとれば即座に飛んでくるし、校則と言う武器を手に違反者をガンガン指摘していくのは、なるほど風紀オバケと納得してしまった。

でも、そんな彼もまた学生なんですよね。

鬼の風紀委員長の目が光っていては安らげないだろうと、一人で昼食をとる少しずれた気遣いを見せたり。一方で、ずっと明かせなかった片思いを続けていたり。

お互いに好意を寄せているのに、堅物で鈍感な間島君と、臆病で更に好きな人相手だとテンパってしまう高嶺さんでは中々進展しませんが。

 

それでも諦めずにアピールを続ける高嶺さんが健気で可愛いです。

彼女が好意を持つきっかけになったエピソードも、どこまでも真面目な間島君ならではの味がありますし、お似合いだと思います。

高嶺さんに言い寄る男の中には困った連中も多いみたいですが、間島君ならなんとか捌いてくれそうな信頼もありますし。
 

 

明日の世界で星は煌めく

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「ダメじゃありません。私が行きたいから行くんです。もう決めたんです。帆乃夏に選択権はないですから」

 
BOOK☆WALKER読み放題で読了。期間限定タイトルで5月31日まで。
父親が魔術師を自称していること、住居がお化け屋敷にしか見えない外観をしていること。

そのため同級生から魔女と笑って虐められていた少女、南戸由貴。高校に進学したけれど……いじめた側の生徒も同じ学校、同じクラスに居て始業式の日から速攻で「いつも通り」の振る舞いをしてきた。

中学校時代までは耐えてきた。なぜなら、逃げれば大嫌いなモノに負けを認めることになるから。だけどその時の由貴は思わず泣きそうになってしまい、逃げてしまった。

 

家に帰ったら、仕事でしばらく家を空けるという父の置手紙と入学祝としてペンギンのストラップが残されていた。

相談できる相手も居ない為、翌日は学校にいった辺り真面目ですね……。でも、その時には既に異変が発生していた。端的に言ってしまうと全国各地でゾンビパニックが発生したんですね。

 

タイミングに多少のずれはあり、由貴たちの住んでる街では普通に生徒たちが登校していましたが、ネットに動画が出回りスマホを持っている学生はそれを目にしていたようです。

まぁ、それを本当と思っている人もいなかったようですが……その油断が命取り。学校にゾンビが現れ、次々に学校関係者が襲われゾンビの仲間入りをしていく中、由貴の託されたストラップが輝き、巨大化。

 

彼女は辛くも難を逃れることに成功します。そして別の場所に隠されていた父の手紙を発見。父が魔術師というのが真実だったことなどを知り、魔術を一人で学びゾンビに溢れた世界を生き延びていくことになります。

 

コンビニなどから無事な資材を回収していたある日、ゾンビに襲われて銃で奮闘している少女を発見。見捨てられずに助けてみたら、それはかつて友人になったものの転校して離れ離れになった友人・帆乃夏だった。

ひとまず父の残した結界によって安全が確保されている家まで招き、彼女がどうやって生き延び、どうしてここにいるのかなどの情報交換をして。

 

帆乃夏は目的があるため行動していて、友人に無理に助力を頼むような自分勝手な真似はしたくないと一人で街を去ろうとしますが……。

そんな彼女だからこそ、友人として放っておけないとついていくことを決意。崩壊した世界を少女2人が旅して、時に戦ったりしていくポストアポカリプスなお話ですね。

ひとまず荒廃した世界を生き延びてましたが、最後に出てきた情報が結構気になるところ。

ホラー女優が天才子役に転生しました~今度こそハリウッドを目指します!~2

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「わたし、たのしくなってきちゃいました」

「は?」

こんな最高に燃えるシチュエーション、そうそうないよね。

 

ホラー女優、桐王鶫。彼女の存在は、あちこちに影響を与えていたようで。

つぐみの友達となった珠里阿の母親も、共演した経験があったり、比べられたりして散々だった様子。

一度ついた悪いイメージを払しょくするのは大変だから、と娘に厳しく「いい子」であるように指導したり、良いものを与えていけば良く育つだろうという考えで、効率よく接しすぎていたようで……。

 

それ故に、珠里阿ちゃんは寂しさを覚えていて。自分が悪い子になってしまった時、錯乱してしまうくらいには、縛られていた。

そんな彼女の問題をつぐみは体当たりで解決してましたが。今度は美海ちゃんとギクシャクしてしまって……と子役たちが抱えている問題が連鎖して向き合っていく展開になるのは上手いと思いました。

ぶつかり合いながらも問題を超えて行って、彼女達は成長していますが……小学生くらいの子たちが対峙するにはどれも重いなぁ、とは思いました。家族とのすれ違い、才能の差などなど。

既に子役として働いている彼女達にたいしての妥協も無いって事で、信頼できる描写ですけどね。

 

合間にドラマなどの演技パートも入っていて、作品としての魅力が更に深まったように感じる2巻でしたね。

しかし、亡くなって大分時間がたつのに爪痕が残っている辺り、桐王鶫って本人の自覚よりもはるかにレベルの高い女優だったんじゃなかろうか。

天上の四隅に張り付けるとか言ってるし。特に「鶫」の影響を受けてる……と言うか妄信の粋に到達してそうな女優さんからは「CGなしで空を飛べた」とか言われるとか、えぇ……。

 

母親と過去の縁がある珠里阿ちゃんが女友達3人のなかでも、つぐみのライバル枠になるのかと思っていましたが。そこには凛ちゃんが入ってきそうな雰囲気ですね。

ますます変化していきそうな状況に、続きが楽しみになりました。3巻出て欲しいなぁ。

ホラー女優が天才子役に転生しました~今度こそハリウッドを目指します!~

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「そんなおもしろそうな役、やらないなんてもったいないです」

 

悪役ばかりを演じると、役者自身にそういうイメージがついて嫌われかねない。だから、敬遠する人もいるようですが。

貧乏育ちで家庭にも問題を抱えていた桐王鶫は、悪役でも「面白そう」と手を挙げる気概を持ったホラー女優で、ハリウッドを目指す夢もあったが……事故で死亡。

 

気が付いた時には、令和の時代に転生。なんの因果か名前は同じ「つぐみ」で……裕福かつ愛情にあふれた家庭に生まれ、今世でも女優になりたいと願うように。

とある事故に巻き込まれ入院した結果、記憶を取り戻したようですし引き続きついてない。ただ、ハーフ美少女という容姿の強みに、前世の経験を覚えた状態。更に、かつて努力を重ねて習得した技術を扱える天性の才覚があって……役者になるべき子って感じが強いです。

 

両親も突然女優になりたいと言い出した娘を、全力でサポートしてくれてるのはいいですけど……事務所を新設したり、子役オーディションにコネでねじ込んだり色々と無茶してますよね。

まぁオーディションの方は元々、女優の子供たちを取る出来レース的な側面があった所に殴り込んだ形で、不快感はないですけどね。それどころ、監督を筆頭に関係者の思惑をぶち壊して実力を見せてくれたのも面白かった。

 

前世の「鶫」の影響を強く受けている現役関係者たちのエピソード。そして今世の「つぐみ」が出会った同年代の子役たちが抱えている事情。それらに加えて、出演作品の描写など。情報が多いですが、かなり丁寧に描いてくれたという印象です。

 

亡くなってしまった「鶫」の影は年長者たちだけではなく、つぐみ自身にも影響を与えていて。前世は夢こそあったけれど貧乏・家族と問題を抱えていて、両親から与えられる愛を上手く実感できてなかったりするんですよね。

つぐみが仲良くなった子役仲間も、それぞれに影を抱えていてハラハラする部分もありますが、どうか幸せになってほしいなと願わずには居られません。

 

千歳くんはラムネ瓶のなか1

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「美しく在りたいんだ。あの日見た月のように

いつか本で読んだ、ふたの開かないラムネの瓶に沈んだビー玉みたいに」

 

このラノ2021文庫部門1位の作品。

それを切っ掛けに買ってはいたんですが、積んでて……最近読みました。

1位をとってもおかしくない面白さはありましたが、同時に「正論」がうるさく感じてしまうような場面もあって、これが人気でるんだという驚きも感じましたね。

 

綺麗処の女子と一緒に俗に言う「リア充」グループに所属する千歳朔。

彼は、学園裏サイトとかで悪口を書かれまくってる常連で。彼の傍にいる女子はもう餌食になってる、とまで言われてるとか。

目立っている分の苦労もあって、他のグループから絡まれたりとかもしてました。さらには担任から無茶ぶりもされて。

 

学級委員の仕事に引きこもりを連れ出すのは含まれないと思うんだよなぁ……。でも、朔はそれを引き受けて、暴言を吐かれながらも繰り返し訪問して。

閉じこもっていたクラスメイトを引っ張り出したのはお見事でした。山崎君、風評を鵜呑みにして当人たちに直接ぶつけてたのは正直いい気分しなかったですけど。

たるんだ身体を戻すためのトレーニングを実践して、トラウマの克服にも挑戦して、なんとか好感度トントン位にはなったかな……。

 

千歳は、リア充グループに属してるだけはあるというか。彼なりの理想があって、それに向かって迷いなく進んでいく軸を感じるので、結構好きな主人公ですね。

真面目一辺倒だけじゃなくて、時に無茶も出来るしノリも良い。女性陣も可愛いキャラが多いんですが、それぞれに見せてる顔が違って、どのシーンも楽しかったです。


……山崎君を引っ張り出すときにラフメイカーやってたのは無茶が過ぎると思いましたが。ちゃんとお母さんに断りを入れたのは偉いね。問題はそこじゃねーんだわ。

荒療治にも程がありますけど、結果的には良い結末に辿り着いてるから、めでたしめでたしで締めてもいいんじゃないでしょうか。
イラストで言うと、優空とか悠月が好きですねー。とりあえず悠月が表紙になってる2巻を早めに読みたいところ。


カクリヨの短い歌3

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「責任、というものがね、自分で勝手に感じているだけかもしれないけど、僕を縛っているような気がするんだ」


BOOK☆WALKER読み放題にて読了。

六歌澪の内1人が辞め、4人が死んで。

残った1人は、基本的に引き籠っていて、組織の旗振り役を務めるような人ではなかった。

そんな中で黄川田が地位を得て、仕事に忙殺されているのはなんというかご愁傷様と言うほかない。

 

力を持ったトップが一度にまとめて消えた事で、穏健派寄りになったそうですが。

亡くなった彼らに心酔していたりして、忠義を示そうとする勢力も残っていて。

明瓦くんは、そんな忠義者を焚き付けて真晴にぶつけることで、歌詠みたちを「共倒れ」させようと目論んでますが。

 

一人戦国時代は健在で。今回もまぁ暴れ回っていて中々に愉快でした。

ただやられるばかりではなく、一矢報いた歌詠みがいたのにはびっくり。条件が難しい歌だったようですけど、見事に当てたな……。

 

歌詠みを滅ぼしたいけど、歌は使いたくない。明瓦の葛藤は、青臭くて結構好きですけど。真晴と完道がいる時代にそれを成すのは無理なんじゃないかな……という想いが強くなるエピソードでありました。

あの二人、以心伝心に過ぎるというか。何となく通じ合ってる部分が強い。

通じ合っているという意味で言えば、椿市と振根の幼馴染二人も結構好き。歌の代償が残っているので、今後は結構大変そうですけど、平穏に過ごしてほしい。

カクリヨの短い歌2

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「僕が間違っていた。正しいことに疑問を向けすぎた。間違っていることに肩入れしすぎた。容赦も遠慮もすべきではなかった。ちゃんと、言わなくてはいけなかったんだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

三十一文字の歌が奪われ、歪んで帰ってきた世界。

歌に関連する独立機関として、歌典寮は国からも認められた地位を持っていた。

中でも、特に権力を持つ六歌澪と呼ばれる家が存在しているそうで。

その内の一人が、祝園の家を訪問。近く行われる会合場所に、一人戦国時代の犯行予告が届いたとかで、助力を要請。

ま、一番若い彼の独断っぽくて、ジジババは面白くなさそうでしたけど。

 

会合だけで終わるはずもなく、会合場所付近では喉貫き事件なんて物騒な事件も起きているとか。

それにも歌が使われていたこともあった、なんて前振りもあったためか。

はたまた真晴の名前が出たためか。完道はその話にのって、会合場所まで足を運ぶことに。

現地の人と交流してお菓子を与えられている藍佳が可愛くて良かったですね……。

 

そして、それだけ役者がそろって何事も起きない筈がなく。

案の定事件が起きて、人が死んだりしてるわけですが。喉貫き事件と同じ状況で関係者が死んでも、それを隠匿した上で会合を続ける神経の太さは凄い。

狸ばっかりだな、歌典寮。正確には六歌澪ですけれど。

喉貫き事件の犯人と疑われている相手の情報と、挙動が怪しい使用人の事があったので。ミスリードで使用人が何か仕出かすのかと思っていましたが。

……ミスリードはミスリードでも、そっちかぁって感じで。綺麗に騙されました。

 

罠を張っていた人物が、意地を張って逃げて。「詠んでたまるか……」と口にした場面が結構気に入っています。

まだ、心は折れていないようですし。3巻ではまた色々と企んでくるんだろうなぁ。楽しみ。

プロペラオペラ

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「うむ、そうだ、おれの行くべき道がみつかった。礼を言うぞカイル、お前のおかげだ」

 

このラノ2021、新作ランキング7位(総合11位)に入った作品ですね。

久しぶりの犬村先生の作品で、「飛空士」シリーズと同様の空を舞台とした話で、もうそれだけで古のラノベ読みは喜ぶやつですよね……。

戦闘機モノではなく、「浮遊石」という構造物によって飛翔する、航空艦隊モノですが。

地球に似ているけれど、セラス粒子層が上空を覆って居たり、メイン2人には特殊な異能が宿っていたり少しずつ差異がある世界が舞台。

 

傍系の日之雄王族であった黒之宮家は、しかし謀反を企てたとして地位をはく奪された。

国許には安らぎが無い、と自由を謳うガメリア合衆国へと父子は逃れ……

未来において、日之雄とガメリアの間では戦争が開幕する運びになった時、異国に逃れたハズの少年は、日之雄軍人として戦場に立っていた。

そのシチュエーションだけでも中々美味しいんですけど、そこに至る経緯がまたいいんですよね。

 

黒之宮家が没落したのは、幼少期のクロトが父母に言われるまま、正統の姫であるイザヤに求婚し、常日頃の発言から反意ありと判断されたからですが。

異国の地にあって、日之雄人としての想いを強くしたり、そこで見た怪物の存在から彼女を守りたいと思ったり。一度落ちてから再起する、主人公として王道の展開を歩んでいる気がする。

異能が「隔絶した知能」って言う、直接敵を排除するようなものでなく、使い方を工夫して武器にしてるって言うのも好き。

 

一方のイザヤも、守られるだけの姫ではなく、自国の不利を知りながらも神輿として戦場に贈られた子で。その事情を知りながらも、誇りを持って立っている姿は美しいと思う。

後半明かされた、彼女の内面についても良かったですし、幸せになってほしいなぁ、と素直に思いますが。

 

国力の差は如何ともしがたいんですよね。敵はレーダーを開発して、的確に狙ってくるのに、日之雄側は下から上がってきた見解を「ありえない」と握りつぶして大損害を受けたわけですし。

敵を過小評価し、かつての戦果を妄信し、愚かさを発揮してたのもいただけない。それで上層部のほとんどが脱落して、イザヤ達が昇進したのは皮肉ではありますが。

クロトの意見具申を聞ける懐のひろい人なども一緒に堕ちてて、資源不足に加えて人材も欠けていくとなると、勝ち目が見えなくてハラハラする。

その上、ガメリア側の怪物はまだ裏から手出ししているだけで、打って出る準備をしているところとなれば、先行き不安になりますが。

絶望的な状況で逆転を果たした今回のように、希望を見つけてくれることを願いたい。

育ちざかりの教え子がやけにエモい2

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「うんそうだね、そうだよね。あたしたちの関係は、あたしたちで決めればいいことだもんね。周りからとやかく言われる筋合いはない、ってあたしは思うな」

 

風邪を引いたひなたの看病から始まって、達也が風邪をひいた話で締めるのが好きですねー。対になる構成とか、何となく惹かれる。

そういう意味では、2巻は全体的に対比が効いてて好みの雰囲気ではありました。

 

豊田彩夏、瀬川菜月、手島美優。そして、藤本明日香。

ひなたと良くつるんでる三人の生徒と、達也とかつて付き合っていた先輩教師。

彼女達の「恋」の話。好きな人が居たり、あるいは未だ恋を知らなかったり。

想いが募ってイメチェンをしたり、そもそも恋ではないと決めつけたり。

 

菜月は「恋をしているからおかしくなる。『なんででしょう?』と首をひねるような行動にも出てしまう」なんて評していましたが、まさしく。

想いが結実して、幸せになるばかりではなく。時に人を、らしくない行動に書きたてる熱情もまた恋の一面でしょう。

そういう想いを抱く、青春模様を丁寧に刻んでいってる感じ。

 

しかしまぁ、ひなたがカッコイイと言ったほうが今回は適切かもしれない。幼少期はよくケンカしていた、と言うのも頷ける風格がある。

可愛い部分も描写されてはいますけどねー。ひなたの母親が達也に「血は水よりも濃い」なんて話をして、順調に外堀埋めてる感もありますが。さてどうなるやら。

ひなた、賢いし色々出来るけど、自分を御しきれてるかというとそうでも無くて、良くも悪くも年相応なのが、この作品の魅力になってると思います。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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