気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

GA文庫

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~7

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『いやあお見事。初戦は負けたよ。本当にピンチだ。このまま負けちゃうかもしれないなぁ。だから――もっと掛け金を吊り上げようぜ』

 

皇帝崩御から三年。

未だに皇子たちの争いには決着がつかず、民の中にも倦んだ気配がじわじわと広がり……

焦れた第一皇子が、他陣営の承認を得ないまま、皇帝になるべく戴冠式を行うと通達をだして、帝国内で騒動が勃発することに。

 

第二・第三皇子は一時的に結託して、第一皇子を継承戦から脱落させようとしますし。

ロウェルミナは憂国派閥の長として各所に介入しつつ、自らの望みを叶えようと暗躍しています。

そして全ての陣営から、協力あるいは静観の要請を受けたウェインは、現地で情報を得ようと帝国に向かう。

 

最も第一皇子は泥舟なので与するつもりもなかったようですが、罠が仕掛けられていて、第一皇子と行動を共にする羽目になってたのには、笑うしかなかった。

ウェイン、また鼻からジャガイモ喰う羽目になるなんて……いい加減学習しないのか。

いやぁ、最近名を知らしめているナトラの王太子と言う看板を、こう活用して来るのか。そして、誰かに踊らされるばかりではないウェインの頭の巡りが恐ろしい。

 

各陣営が本格的にぶつかるということは、それぞれに分かれたウェインの友人たちとも競争する流れとなるわけで。

ウェインとロワが策謀に磨きをかけているように、グレンもストラングも得意分野を伸ばしているのは良かったですね。

恐ろしいのは帝国の層の厚さで、グレンの突破力もストラングの盤外戦術も恐ろしかったのに、彼ら以外にも手札が豊富にあるんだものな……

 

そりゃあウェインも一度は従属を検討するはずだ。

……いや、本人多分まだ悠々自適の隠居生活諦めてないと思いますけど。ここまで実績積み立てたら無理だろ……

 

終盤が怒涛の展開過ぎて、最初は置いて行かれましたね。ディメトリオの臣下たちが茫然としたのも頷ける。

第一皇子の決断には、感服する。あぁ、呪いは解かれたんだな……あるいは、最初からこうであったら、また違う道があったのかもしれないですが。その仮定は無粋かな。

フラーニャも帝国に赴いた際に、新しい家臣を迎え入れたようですし。まーたおっかない人を迎えましたね。彼女の決断とその理由も語られてましたので、納得ですが。

東で動乱があった次は、西で会議。こちらもこちらで魔窟なんですよねぇ。今度はどこと戦争になるのやら。


七代勇者は謝れない2

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「信じますが……でも、何故そこまでして」

「吟遊詩人だから」

 

1巻ラスト、ジオがクビ(物理)になったわけですが。

首がもげても、透明な長い首でつながっているような感じで、身体に乗せれば元どおり。

……その後右腕もげたんですけどね! 紋章を奪取するのにそれだけ身体に負担がかかったとか。

 

イリアは聖剣を通じて、神々に治療法を聞こうとするも、色よい返事は貰えず。

徒に知識を授けると、人類が成長しなくなるから、とのことですが。悪戯のように、紋章を動かしている神様たちのいう事だと思うと、途端に信用できなくなる。

聖剣が、男気を見せてくれて本当に良かったなぁ、と思いました。

危うい状態ではあるが、即座に死ぬわけではなく、発展した魔術の知識を持つ魔王の技術を入手出来れば、助かる可能性はあるとのこと。

 

ジオの身体に起きた問題、折れた聖剣の治し方。

魔王の下、なぜ死んだはずのジオの妹、セーネがいたのか。

2年前にジオとセーネに一体何が起きたのか。それを為した仇の存在。

描写したい情報が多くて、一つ一つがちょいと薄口になっていたように思えてちょっと残念でしたね。後半大分駆け足だったように思います。

 

とは言え、その分ジオとセーネ、そしてイリアに描写を割いてくれていて、そこは満足いくものでした。

突然目の前に、死んだはずの妹が現れればそりゃあ信用は出来ないよなぁ。

そうでなくても、ジオにとってセーネの存在は大きすぎて、デーモンを前にした時のように、冷静さを大分失っていましたね……

ジオもセーネも、お互いを大切に思っているからこそ、退けないのがわかって良かった。いやまぁ、ジオが疑うことにも手を抜かないので、「もうちょっと手心を」と思わなかったと言えばうそになりますが。

                                           

イリアと合流できていなかったら。あの麗しい兄妹が再び交流する事もなかったでしょうし、中々のファインプレーだったのでは。

……それでどうして、友達が木と花なんだろうね、不思議だね。

勇者一行のお仲間、ティナに続いてジャミルが登場しましたが、中々いい性格していて。

役目があることに奮起しているんですから、もうちょっと会話出来ていれば、イリアの魔王戦も違う形になってたかもなー、なんて思いました。

 

例え、一時は魔族に与する事となろうとも。

闘う事を。自らの在り様を曲げない事を選んだ、覚悟の話でした。

ジャミル、なんだかんだ嫌いじゃないです。一度敗れても、情報を持ち帰らんと足掻いたわけですし。

七代勇者は謝れない2 (GA文庫)
串木野たんぼ
SBクリエイティブ
2020-03-13

竜と祭礼2―伝承する魔女―

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(ああ――つまり魔女は……)

(中略)

なるほど、魔女は残酷だ。

 

イクスは相変わらずモルナの店に厄介になっているようですが、杖は造っていなかった。

前回、師の知り合いから聞いたことも合わせて、少し立ち止まってしまった部分はあるようですね。

そんな彼が、ムンジルの一番弟子であるところのラユマタに呼び出されて、ある依頼を受ける事に。

 

王都をはじめ大きな都市では、杖壁という魔法杖を組み込んだ守護装置があるようですが……

それを解き明かしたとする密書が見つかり、ラユマタが新調する事になったとか。

しかし、調べてみたところ今の杖壁は六十年前に更新されたはずが、三十年前ほどに広まった技法が採用されていて……それに関しての調査をイクスは任される事に。

 

一応気になる人物の情報とかは渡してくれましたし、魔女が関わって居るなんて噂も教えてくれましたが。

最後に伝えた言葉、「おまえは初めて作った杖を覚えているか」。

読み終えてから振り返るに、ラユマタはほとんど真相に気付いていたのではなかろうか……1巻でモルナが修復材を荷物に潜り込ませていたように。

ムンジルの弟子ってこんなのばっかりか。恐ろしいな。イクスも真実を見つけるのが上手いですし、成長が楽しみではある。

 

協力者がいるという事で行ってみたら、そこではユーイと彼女の新しい友人が居て。

変則的な調査が始まるわけですが。イクスはどこまでも職人なので、派手さも華々しさもありませんが、堅実で口は悪くとも誠実で。

地道に答えを探すあり方が好ましいです。1巻よりも謎解きは分かりやすかったかなぁと言うか。魔女の絡繰りは割と鉄板の設定ですよね……

 

後書きによれば、あくまで『竜と祭礼』は1巻のためのタイトルで、シリーズと言うのを示すためについているものとしていましたが。

今回のエピソードにも確かに竜の残滓は感じられ、収穫祭の時期という事もあり、これはこれで噛み合っていたように思います。

 

表紙と巻頭のカラーは相変わらず素敵でしたが、今回なんか絵の雰囲気違う……というか、最後のイラストとか上側、線画のような……?

3巻発売も決まった様でめでたいですが、スケジュール大丈夫かな、ってちょっと心配になってしまった。気にしすぎだろうか。

 

と、少し気になる部分もありましたが、概ね満足いく感じでした。

好ましく思っていた雰囲気が壊れてなかったのが嬉しい。3巻も買います。

イクスは一歩進んだように思いますが、ユーイの方は善良な杖を持ったが故に、注目を集めてしまっているので、どうなるのやら。


竜と祭礼2 ―伝承する魔女― (GA文庫)
筑紫 一明
SBクリエイティブ
2020-05-14

友達の妹が俺にだけウザい4

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「これが《5階同盟》の総意だ。――それ以上でも、以下でもないよ」

 

前半が紫式部先生関連の続き。

お爺ちゃんが思ったよりも柔軟だったといいますか。

世界観バグらせた場面には真白じゃないけど、ちょっと動揺しました。

あの歳で、ジャンル開拓に余念がないというか、まず理解しようとする姿勢は凄いですねー。

 

後半は、カナリアに指摘されていた、アキの役割について。

それぞれが抱えていた問題を解決し、更に前に進むエピソードでした。

アキが彩羽の「ウザさ」に対する、これまでとは違う解釈を生み出したりして。

結構今後に響きそうではありそうです。個人的には真白応援したいんですが、タイトル的には彩羽の方が強いんだよなー。

 

真白が先生に秘密を打ち明けて、最後は別の秘密を知って……5階同盟それぞれのメンバーが抱えている情報に差があるのを上手く演出してるなーという感じ。

偽恋人関係の話を真白父が持って来たり、次回もまたドタバタしそうですが。どうなるやら。


友達の妹が俺にだけウザい 4 (GA文庫)
三河ごーすと
SBクリエイティブ
2020-03-13

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2

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「……じゃあ、お願いしてもいいですか?」

 

1巻では、イラストを和武はざの先生が担当されていましたが、2巻からはねこと先生に交代。なので、2巻の初版は「はねこと先生の描いた1巻カバー」が同梱されている特別仕様になっているようです。

イラスト担当のどちらの先生も好きな人だったので、交代に関して不満はなし。

というか今回やたら挿絵が多かったですね。天使様が可愛い。口絵にある寝ている姿が、特に好きですかねー。

 

カバーが二重になっている関係は帯がなし。謳い文句を表紙に直接記載してますね。

こういうデザイン好きだなー。増えないだろうか。無理か。帯って、最初の宣伝以外にも重版したときとか○○化決定とかで、広告的な役割もする場所ですし。

 

隣人ではあるが、親密なわけではなかった周と真昼。

ふとしたことから二人の交流が始まり、周の両親や友人と真昼の接点も出来て。年末年始を共に過ごし、初詣に行って。バレンタインやホワイトデーもあって。

順調に仲が深まっているのが感じられて良いですねー。微笑ましい。なんでこれで付き合ってないんだ。

 

真昼の家族関係が冷え込んでいるのは、これまでも描かれていましたが。

ある場面で、彼女と母親の会話が描写されます。いやはや、よくそこまで言えるな、と興味のなさが凄い。それを、他の人が見聞きするかもしれない場所で言うんだから、本当にどうでもいいんだろうな……

 

実際に、隣人の周がたまたまその場面に鉢合わせてましたからね……これに関しては、真昼一人で抱え込ませずに、会話を聞くきっかけになったのでいいんですが。

これで周との縁が結ばれていなかったら、彼女は本当に壊れてしまったかもしれないかと思うと、割とギリギリの出会いだった。

樹や千歳と言う友人も出来てますし、特に千歳は同性という事もあって結構グイグイ踏み込んでいくので、結構助けになってるんじゃないかなー。

新学期が迫り、天使様がちょっとした覚悟を決めたところで終わり。書き下ろしも増えていて、今回も楽しかったです。



処刑少女の生きる道3 鉄砂の檻

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「私は、誰かに私みたいになって欲しいだなんて思わないわ。それは導師だってそうだった。だって、そうでしょう。人を殺すのが、処刑人の存在意義だもの」

(略)

「誰かに人を殺して欲しいなんて、思わないわ」

 

塩の剣を目指して旅を続けるメノウとアカリ。

しかし、砂漠には大規模な盗賊団が巣食っていて、お約束のようにアカリが攫われる。

メノウが救助していましたが、そこで面識のある修道女サハラを発見、回収する。

片腕を義手に置換した彼女は、メノウに自らの殺害を依頼してきて。

 

東部開拓領域では四大人災の【器】に動きがあったり、【魔】とマノンも嬉々として先行して混沌を生み出してますし。

そもそも、砂漠で攫われた事をアカリが知らなかったというのが、ヤバい。

2巻でも差異は生じていましたが、どんどんとズレて来ていると言うか。本当に限界まで来ている感じがしますねぇ。

今回メノウの教典に異変が生じてましたが……仮にこの状況で書き換えると、持ち越しなのかな、アレ。ここから更に【時】で巻き戻したら、世界崩壊しかねない気がしますが。

 

例によって、メノウが行動を起こしアカリはお留守番。モモが、バックアップという体制を取っていましたが。モモが独断でアカリに接触。

かつて導師の修道院に居たというサハラの登場によって、モモの過去もいくらか明らかになりましたが。サハラがちょっかい出してるとはいえ、破壊特化モンスター呼ばわりされてるのも納得というか。

センパイ第一主義を極めているからなぁ、モモ。彼女とアカリの接触が、果たしてどう作用するでしょうか。続きが気になるところ。

 

とはいえ今回は、アカリの事情よりはメノウの背景の方が主軸だった感じ。

彼女の過去の事ですとか、内包している【白】。漂白されたという事実と、導師の教導によって生まれた処刑人としての彼女。

メノウと対峙したサハラの在り方。帯の文句『貴女に、なりたい。貴女に、なれない』が的確ですが。

憧れて、なりたいものがあって。でもなれなくて。足掻き続けた一人の、たどり着いた果てが悲しい。

いよいよ導師もやってきそうですし、続きが気になるけれど、怖い……



天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~6

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「さあどうだ、ウェイン・サレマ・アルバレスト! 船、人、技術、そして歴史! これらを前にして、貴殿は私に賭けるだけの価値を見いだすか!?」

 

ソルジェスト王国との一戦に勝利し、港の一部使用権を得たウェインたち。

しかし、選聖侯と戦ったという事実や、ウェインの名が良くも悪くも響くようになったために警戒され、交易を断られて。

せっかく得た港を活用できずにいるところに、トルチェイラ王女が大陸南方にある海洋国家への紹介、という話を持ってきて。

 

いやぁ、ソルジェスト王家強かですねホント。グリュエール王が良い性格していて結構好きです。

ウェインも傑物ですけど、青い部分もあるんだなと言うのを実感する。……アレでまだ成長の余地残してるとか怖いわぁ。そりゃ他国も警戒するわ。

 

そしていざパトゥーラに辿り着いてみたら、トラブルに巻き込まれてウェインは投獄される羽目に。

獄中にあっても動じずに自分を貫いて、良い待遇を勝ち取っている辺りには笑いました。

しっかりと手を打って早々に脱出している辺りも流石。その過程で、重要人物を保護して。

優秀な兄が居たために凡庸とみなされていた弟王子。いやはや、未熟ではあれど交渉してウェインを引きずりこんだ辺りとかは、中々の手腕だと思いましたよ。

追い込まれている状況ゆえに、政治家としてよりはギャンブラーみたいなイメージがありますが。見事乗り切ってましたし、今後に期待ができそうです。

 

日常回を書こうとしたものの、筆が乗らず本編を進行させたそうですが。

ニニムの水着挿絵を織り込んできたのはグッジョブ。

しかし、相変わらず西方諸国からの横やりがあったり、今度は帝国の方で動きがありそうだったりと、穏やかな時間は遠そうですねぇ。


りゅうおうのおしごと!12 小冊子付き限定版

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「たとえあなたが機械にどれだけ評価されていようと、俺には関係ない。自分の将棋を指して勝つ。それだけです」

 

三段リーグがついに決着。

さらに、八一はついに帝位リーグの挑戦権を得て、新たなタイトルに挑む。

姉弟子との関係を踏み込んで、封じ手した状態だったところに、刺客も現れて。

将棋を指している場面はやはり熱いし、なんだかんだでイチャイチャしてるし、控えめに言って今回も最高でしたね……

 

決着に至るまでの三段リーグが、長かった……と言うより、銀子が本当に全身全霊で望んで、ボロボロになっていくのをこれでもかと描いてきたので、そこは苦しかったですけど。

それ以外の三段リーグ在籍者だって、決して戦っていないわけじゃないんですよね。

負けてる奴ほど強くなる、という魔窟。

盤外戦術も飛び交う中で、戦い抜いた人々にただただ圧倒される。

辛香の背景なんかも明かされてましたが……聴くだけでも中々重い。死んだと思って出直して来た人なりの強さ。徹底的にヒールだった彼のことは、苦手ですけど嫌いには慣れないかなぁ。

 

あいが迷い、天衣が行動するという弟子たちの行動に差が出ているのも中々。というか天衣強いな本当に。その後悶えているのも可愛かったですけど。

姉弟子が現状強すぎるんだよなぁ。……桂香さん相手の惚気とか、うん、御しきれてない部分もありますけど、うん。

終盤見せた気合の入れ方が吹っ切れすぎてて怖い。月夜見坂さんがやべーという反応もそれはそうだ……としか言えない。

 

あとは帝位リーグでの戦い。於鬼頭帝位が、勝負に際して予想外の行動をとったのにも驚きましたが。

八一の強さに揺るぎはなく。いや、本当に最近の八一大躍進と言うか、主人公してて格好いいですね。

観戦記でついに関東の人々から呼ばれている彼の異名が明らかになりましたが。……あれ、それ主人公じゃなくてラスボスでは……?

 

りゅうおうのおしごと!、基本的に電子書籍で購入していたんですが、今回は察す付きの限定版が欲しかったので紙版で購入。表紙が既に強い。

書き下ろし短編『銀子とただイチャイチャするだけの話』が笑えました。いや、イチャイチャしてるんですけど、二人ともお互いが好きすぎて、割とブレーキぶっ壊れているから二人だけだと暴走するんだよなぁ……あ、イチャイチャはしてます。ちゃんと。


竜と祭礼―魔法杖職人の見地から―

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「俺の仕事に文句があれば、いつでも腕を落としてくれて構わない。客にはその権利がある。そして万が一杖が損なわれたら、俺は死んで謝罪に代える」

 

伝説の魔法杖職人ムンジル、その最後の弟子であるイクス。

師匠が亡くなり、店の始末をつけ村を去ろうとしたその日、師匠の杖と修理を請け負った約定書を持った人物が来訪して。

自分で半人前と言う職人見習いであるイクスが、依頼者と一緒に杖を治す為に調査する話です。

 

杖に使われている材料を調べる為に、姉弟子を頼って。
素材が竜の心臓だと判明して喜んでた職人姉弟は、根っからの職人と言うか。新しいもの見つけるの好きだろ、君ら……
師匠も偏屈だったと言いますし、一門こんな感じなんだろうなぁ……と言うのが感じ取れる。

しかし、素材が分かっても、1000年前に絶滅したとされる竜の心臓なんて、取り扱っているはずもなく。

図書館も活用して調査をするものの、断片的な情報しかなくて。

時間制限もある状態で、できる範囲で可能性を潰しつつ、「それっぽい」所に決め打ちで探しに行く事になってましたしね……

 

でも、その調査を結構丁寧に書いてましたし、非力な職人と杖が壊れた魔術師。

どちらもまだ道半ばに居る、若い世代であることを考えれば、かなり健闘してると思う。

イクスは、魔法杖職人として組合に登録していないこともあって半人前と言いますが。杖を修理する際の誓い、師匠に教えられた覚悟を貫く彼の姿は、結構好ましいと思います。

タイトルにあるとおり、『竜』を巡る話で……古き伝承を辿る中で、イクス達は今は失われた『祭礼』についても調べる事になっていくのですが。
その果てに辿り着いた真実には、ただただ驚きました。実際目の当たりにしたイクス達の動揺たるや、いかほどだったでしょう。

 

魔法もあって、竜の伝承もあるファンタジー色の強い作品ではありますが、派手なバトルとかはなくて、ただその世界を確かに描いている感じ。結構地味というか、渋い。

彼らに見えた世界を、見せてくれたようで結構満喫しました。2巻の準備もしているとかで、出たら買います。今度はどんな杖が出てくるんでしょうね。


帝国の勇者2 ―英雄は荒野に消えた―

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「わたしが保証してあげます。あなたはわたしにとって立派な勇者ですよ」

 

いやぁ、今回もまたカイムのシオンへの愛が止まらない話でしたね……

あそこまでブレないのに本人の前では、言葉を間違えるあたり何というかヘタレここに極まれりというか。

まがいものとして生み出された勇者が、蘇った英雄に奪われた仲間を取り返さんとする。

その決着を描くエピソードで、1巻のエピローグ的な感じでしたねぇ。

 

講和が成立したにも関わらず、エリーゼに従えない勢力をまとめて砦にこもって反乱軍活動に勤しんでいる辺り、レオンもぶれませんけど。

いや、だから正義を謳って「間違いを正すのが勇者の役目」とカイムを批判する割に、彼女のとる策がまぁ色々とアレというか。

当代の人を、自分の判断で殺して「残念だった」で済ませる辺りが、かつての彼女の最期を招いたと思うんですけど、どうなんですか。

 

そして好き勝手暴れた上で、自分と同じように「かつての勇者を復活させる方法」を他国に流したとか。実際それが結実してるのを見ると、戦乱加熱させてるだけじゃねーか、って言う。

いや、彼女の夢見た未来でないことに絶望して、燃え尽きてしまえとか思ってるからあながち打つ手として間違ってるわけでもないんですが。釈然としない。


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ちゃか

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