気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

感想(ノベルス)

RINGADAWN 幽霊街と呪い笛吹き

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――正しくなくたっていいのだ。

人がいなくなる御伽噺。『幽霊街』と『呪い笛吹き』。
かつて聞いたその話さながらに無人となった村を見つけた税務官のイセリナが、幼馴染の軍師カミナと共に調査に向かう。
イセリナがメインのように思えますが、結局のところはカミナが主人公なのかなぁ、とか。
いや、イセリナがキーパーソンであることには変わりないですけど。

調査に向かってみれば、行った先々で死人が出る、呪われたような道程に。
そして、結局手がかりを得られずに帰還することになってしまう…かと思いきや。
種明かしされていく展開がこの上なく見事でした。
イセリナと一緒に驚き通しでしたね。

「幕後 おとぎあかし」というタイトルで明かされる、『幽霊街』と『呪い笛吹き』の本質。
そこまで踏まえて作戦を考えているとか、どんな超人ですか。
まぁ、色々語りたい部分とかはあるんですよね。
ただ、下手に内容語ろうとするとネタバレになるんですよねぇ。
ネタバレ考慮しない感想も書いてますけど、この本に関しては、最初の一回、新鮮に驚いてほしいと思うんですね。

まぁ、本筋に関係なく気に入ったところで言えば、カミナの貴族名「シュート」。
裁判で有罪になり、死刑が執行された後に、冤罪が発覚した祖先にあやかった名前。
なぜ、そんな名前が付けられたのか。
カミナの父は「――正しくなくたって、いいのだ」と小さく笑っていったそうですが。
この名前が、カミナの行動を支える柱の一つで逢ったようには思います。
単に功績の大きい相手ではなく、こういう日陰を選ぶというのもある意味勇気がいることだったんじゃないかなーとか思ったり。

あとは、カミナに次いで、ノルンが好きですね。
自分に信念を持っている、騎士らしい騎士。
ラノベ的ななんちゃって騎士ではなく、自分の選んだ道のためならば、人を傷つけられる覚悟を持っているっていうのは好感が持てます。

「今はただの騎士です。騎士とは、主君を見つけた剣士のことです」
「けれど夜明けを迎えるには夜を歩かねばならない。(略)」

まぁ、こんな感じで、場面とここまでつながる描写を読んでいないと、ちょっと切れ味鈍りますけど、ノルンの台詞は結構好きです。
後は挿絵も綺麗なので、文句なしですねー。
前の巻でも思いましたけど、最後におかれている見開きのイラストが特に。
物語の終わった余韻を感じさせるいいイラストなんですよね。



RINGADAWN 妖精姫と灰色狼

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「頼むから後悔なんかするなよ。土下座も命乞いも興醒めだ。まだまだ生きるつもりでかかって来い。まだまだ殺すつもりで来い。全部残らず食い散らしてやる。――おまえはただ死ね。それだけでいい」

お気に入りで何度も読み返している作品です。
だけど、この作品の魅力がどこか、と聞かれるとちょっと困る。
気に入った場面はたくさんありますが。一言でまとめるのが難しいんですよね。

レイジが灰色狼と呼ばれ、悪夢を見ながらも、かつての約束を覚えていたこと。
P216、P217の見開きの挿絵に繋がる灰色狼の強さ。
妖精姫を取り巻く陰謀と、姫の策略。
全てが終わった後の、レイジとフランデ、ユベイルのやりとり。
そのほかの登場人物たちも、ただ主人公の活躍を盛り上げるのではなく、自分というものを貫いて生きているように見えるところとか。

これだけだと、キャラクターだけで読んでいるのか、というとそれも少し違う。
そうした信念を持ったキャラクターたちが、行動していく本筋のストーリーもまた面白い。
結局のところ、この作品を構成する全てを気に入っているからこそ、どこから話したものか迷うんですな。

説明するのに、一番わかりやすいのは、後書きにあった理由ですかねぇ。
後書きによれば、この作品はファンタジー小説である。
魔法も亜人も魔物も登場しない。
その上、主人公は娼婦の息子で、ヒロインは一国の王女だが、政治的陰謀に振り回される。
シビアな世界観であったとしても。
作者が「好きで書いて、好きに書いた」という本作品。

「この作品がファンタジーであるのは、単に主人公たちが決して折れないからだ。世界や社会を構成するルールに立ち向かってなお負けないからだ。本作に登場する極度に意地っ張りなキャラクターたちこそが、御伽噺よりもむしろ幻想的だと作者は思っている。幻想の残り香くらいは現実にだってあるのだから」
「そういう意味で、本作品はファンタジー小説である」


と、そう述べられています。
この作品を読んで、楽しんだのなら。
作者の言葉には共感できるはずだと思います。
この小説は、魔法がなくとも、亜人や魔物が出なくとも、紛れもなくファンタジー小説であるという事が。
主人公たちが折れない、というその意味が。

作者がひたすらに楽しんで書いたという作品を、読者として楽しめたのなら、それ以上にいう事なんてあるだろうか、とも思ったり。 

良質な小説であると、保証します。



ブレイブレイド4 神葬の魔剣

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「欲しいものは、もう持っています」

主人公のジンがどこまでいっても、悪役であったというか。
いっそここまでいくと爽快な感じですね。
後、やったことに対して、言い訳しないウィルも個人的には嫌いじゃないです。

あちこちイベント盛りだくさんで、でも、織り込まれていた情報はしっかり全部出し切ったんだからさすがですね。

虚工物とはいったい何なのか。
虚人とはなんなのか。
虚工物に、亜人が守り人としてついているのはなぜなのか。
魔法の原理、というかその力に強弱がある理由。
そして、ウィルの目的。

いやぁ、これ以上ない見事な最終巻だったんじゃないでしょうか。
前回の最後で壮大な引きになってた大量発生した虚工物もおおよそ解決しているし。
勇者一行が、英雄が、そして悪役が。
それぞれ思うように動いて、まぁ、いい結果を引き寄せたといいますか。
ジンの行動力というか実行力は本当に素晴らしいものがありますねー。

面白くて、一気に読みましたよ。
やっぱりこの作者さんの作品は好きですね。新シリーズも準備されているみたいですし、早く来春がこないものかと。


ブレイブレイド3 惨下の都

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「(前略)私はすっごいワガママなんだ! 私は――ジン・アークロストの妹だ!」。

今回の個人的な見どころは、冒頭のセリフですな。
こりゃすごい。これ以上ないくらいの説得力を感じましたよ、確かに。さすがは「勇者」ですねぇ。
今まで「魔剣使い」な兄に振り回されているような印象を受けましたが、ここにきて振り切れたな、と。
悩みもあったようですが、振り切れた後の、行動はなるほどあの兄にしてこの妹ありという感じで。

もう一つ、ゼクトとユスティンが途中で叫んでいた、

「焚き付けたな、騎士の兄さん!」
「そのつもりが引火して大爆発だ! まったくあの兄妹は! 英雄の子供はまるで火薬庫だ!」

っていうのが、もう、心の底から叫んでるんだろうなぁ、と思えてしまって。
割と苦労性ですよね、ユスティン。腕はいいはずなのに。
触れちゃあいけない親子ですよ、アレは。下手に手を出したら火傷じゃすみませんから。

ローズマリーとかに見せ場があったかなー、と思う一方で『徒花』の連中は、ちょい役過ぎた気がするというか。色々と残念な奴らでした。
まぁ、ジンがあっさり切り捨ててるのはいっそ愉快と言うか。
割とシスコンなジンの前で、手を出そうとするからいけない。

相変わらずの面白さだった。
終盤、マキナがある人物を指さし告げた言葉から、転回していったよなぁ、と思います。

次回、最終巻が楽しみ。 



ブレイブレイド2 鉄鎖の泉

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「――好きにすりゃいいじゃねぇか。――好き勝手やりかえされて構わないなら」。

ジンは自称する通り、悪者な面を持っているんですよね。結構いざというときに容赦ないし。
弱いけど、それでもやっぱりジンは主人公、なんだなぁ、とか思います。
神民の態度にはイラっとするときもありますが、そんな不満に対して、ジンが不平を言ってくれてて、ジンの考え方は結構好きだなーとか思いました。

イルマが信念を持たずに、でも好きだからやっている、と言う部分も結構好きですね。
登場人物が自分なりの価値観を持って行動しているとわかる描写が多くて、それらに共感できる部分もあるので、キャラの魅力が引き立つんだろうなぁ、とか思います。
いやまぁ、敵キャラのナッシュとオルティアは勝手だなぁ、と思いますが。本人たち納得してるならいいんじゃないでしょうか。やられた方は納得いかないでしょうけど。

最後の、ジンの「打つ手に容赦がない」シーンは好きですが、おっかないですね。
すれ違った勇者チームの感想にもありましたが、怒らせると、こうなるわけで。
持たせちゃいけない人に、持たせちゃいけないものを持たせた結果。
これを見ると、確かに1巻で英雄たちがジンを閉じ込めてまで何とかしようとしたっていうのもわからないではないです。しかし、閉じ込めるような真似をしなければ、猛威を振るう事もなかったんだから、自分で自分の首絞めてるよなぁ、と父親世代に関しては思いますけど。


ブレイブレイド1 遺跡の虚人

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「答えろよ! 正義の言葉で俺を屈服させろ!」 

主人公のジンは、英雄と呼ばれる父と、勇者と称される妹を持つ、落ちこぼれ学生。
「英雄の息子」として求められる実力や振る舞いをしない彼に対して、周囲の目は厳しい。
本人は、自分に父や妹のような力がないことを早々に悟り、自立をめざし、自らにできることを探している。

別の巻で「我慢できていたのが異様だった」と言われる状況の中、ジンはそれなりに学生生活を満喫しているんですよね。
エリスやウィルみたいな変わり者と付き合いながら。
類は友を呼ぶって言いますが、まさしくそんな感じで。 能力的には平凡で、自分で雑魚と自嘲するぐらい。
普通だったら、英雄である父親や、勇者と呼ばれる妹が主人公になるでしょう。
でも、この本の主人公はジンなんですよね。 誰も彼もが、彼を無視できていない。
そんなジンが、遺跡で少女を拾い、運命が動き出す。

まぁ、これが普通だったらボーイ・ミーツ・ガールの典型で、成長だったり、努力だったり、友情だったりとつながっていきそうなものですが。
ひねくれているジンがそんな真っ当な道を選ぶはずも、また周囲が選ばせてくれるはずもなく。
ついに、彼の抱えていた爆弾を爆発させてしまう。

冒頭に挙げた言葉は、途中でジンが叫ぶ言葉です。
何者にもなれないと嘘をついていた彼が選んだ路がまた痛快で。
英雄たちが悪だっていうんじゃなくて、ジンも自分で言っているように、多くの人はジンを悪とするでしょう。
でも、それがどうした、とばかりにその道を進んでいく様がいいですね。 その精神性は、決してヒーローのものではなく。その逆を行くものですが。
周囲が勝手すぎる、と言う部分になんとなく共感もできるので、障害を越えていく様子が気に入っています。 イラスト、嫌いじゃないんですが、ちょっとみにくい部分があったかなーと。 P211を見たとき、最初どういう体勢なのかわからなかったです。 あと、スカルノ学園長にすらイラストついているのに、イラストもなくやられていったユスティンはすごく哀れな気も。


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