気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

角川スニーカー文庫

何と言われようとも、僕はただの宮廷司書です。

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「……もし、失敗したら?」

「その時は、この首を差し出しましょう。それで足りないというのであれば、僕が持つ全てを差し出します」

 

王都ヴェロネーゼにある王立魔法図書館。地上20階建てという国内一の大きさを誇り、さらに地下には禁書も封じられていた。

シンプルに広く蔵書数が多いので、建物内での移動も大変だし蔵書数にみあった仕事量は膨大。貴重な書物を狙った襲撃もしばしばあるので撃退も仕事に含まれるし、禁書から出る瘴気に耐える必要もある。

そのせいで、現在司書として勤めているのは主人公のセレルただ一人だった。

 

……司書に乗っかる業務が多すぎるし、警備が必要なんだったら蔵書管理部門と警備部門で人員増やすなりするべきだろとか。瘴気放つ禁書の問題があるなら管理場所変えるわけにはいかないのか? みたいな疑問点は浮かびますが。

定期的に禁書に問題がないか確認する、という業務は司書らしいし敢えて遠ざける方が危ないのか。

通常利用の常連客もそこそこいるみたいなので、禁書区画に踏み込みさえしなければ問題はなさそうですし。

 

彼は平民出身であることや、所持する魔導書の位階が高くはないことなどで、一部貴族からは疎まれているようですが。

膨大な業務をさばき続けている実力は本物だし……それを一人でこなせる人材が、ただの司書であるはずもなく。

王女と個人的な親交もあるし、国王陛下ほか上層部からも信頼されてるから、何か隠してるのは確定してるんですよね……そもそも口絵バレしてますが。

 

ある日、そんな彼の下に王女の仲介である依頼が持ち込まれる。

それはベルナール公爵家の令嬢シオンを蝕んでいる病の治療方法を探してほしいというものだった。

図書館の蔵書ほとんどを読破しているセレルでも、すぐにはわからない謎の病。それに興味があったこともあり、依頼を受けたわけですが。

もちろんただの病であるはずもなく。彼は陰謀に巻き込まれ……物理的な障害だったら容易く蹴散らせるのは大きい。でも、彼まだ青いというか、知識量は膨大でも神算鬼謀を発揮するタイプではないんですよね。

敵に裏をかかれて窮地に陥ったりもしてましたが、最終的には乗り越えて生還したので何より。


南国カノジョとひとつ屋根のした

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「ナイアならできる。海はきみを拒まない」

 

カメラマンの父からアメリカを拠点にした方が仕事の都合がよくなった、と一緒についてくるか日本に残るかを選んでくれと言われた主人公。

しかしそれを伝えるのを忘れていたらしく、期限の三日前に伝えられることになったのは大変ですが……。

家族として長い付き合いがあるので、割と早い段階で受け入れてるのはすごい。諦め癖がついてるともいう。

 

主人公は陸上に打ち込んでいて、それが唯一誇れるものだったようですが……。

怪我をして以前のようには走れなくなってしまったことで、学校にも不登校気味になってしまっていたそうです。

それを思うと急な話ではありましたけど、父の伝手を頼って別の環境で暮らすことで一度「リセット」するというのも悪くない話だったのかもしれません。

 

お世話になる先はダイビングショップで……街を訪れた時最初に出会った少女ナイアが、そこの子だったのもまた運命的だともいえる。

母を亡くして育った主人公の葵と、父を亡くした少女ナイア。

それぞれに違った形で過去に傷のある二人ではありますけど、海という場所で過ごす間に前向きになれているのが良かったですねぇ。

特にナイアの影響で海に惹かれるようになった葵が、今度は立ち止まってしまった彼女を連れていくという展開は、王道でとても良かった。いい青春ものでしたね……。

恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる3

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「もしかしてヤキモチ焼いてくれた?」

「……っ!」

 

家族間での報連相を破った龍馬のことを、カヤが追求。

彼が姉のことを思ってバイトを始めたという背景はわかるけど、高級なものには当然理由があって。実はかつてカヤも行っていた恋人代行業の問題について追及されて……家族の同意を得られずバイトを辞めることに。

 

まぁ危ない仕事で稼がれても嬉しくない、という姉の感情を理解できていなかったことや、リスクについての把握が甘かったことを突き付けられた上での決断ではあるんですけど。

龍馬にとっては大切な姉でも、読者目線でそこまで印象のないキャラからそこまで言われてもなんか納得いかないみたいな気持ちが若干沸く。

理屈でいえば正しいのはカヤの方なのもわかりますけどね。

 

そして龍馬はバイトを辞めることになって。追及のきっかけになった葉月への連絡はカヤが済ませたし、初詣で愛羅との契約も清算した。

そのうえで姫乃と向き合って、育まれていた恋心について打ち明けて付き合うことになることになって。姫乃推しだったので、幸せな未来についても描いてくれたのは嬉しいですけど駆け足だったのは確かですねー。



恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる2

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「……姫乃は、シバとの時間……一番大切にしたい、から」

「……ッ!?」

「だから、写真は撮らない。一人で集中しない」

 

今回は表紙のキャリアウーマン、神城葉月さんが龍馬を恋人代行として指名することに。

酔っぱらって倒れててる彼女を龍馬が発見して、タクシーを呼んで彼女を託したっていう接点がその前にできていて。

その時と同一人物なのではないか、と興味をもった葉月が指名したという流れ。

仕事ができるからこそ葉月はいろいろとため込んでいるものがあったようで、龍馬がそこにフォロー入れていたあたり、スペックだけでいえば恋人代行業向いてる感じがします。

 

ただ脇が甘いのも確かなんですよね……。

葉月は弱みに付け込むことこそしませんでしたけど「こういうトラブルだって起こりうるんだぞ」という実例を見せつけてきて。

翻弄されて従いそうになっていたあたり危ういので、そういう面では不向きだともいえます。

 

姫乃との交友も順調で、クリスマスデートを楽しんだ結果として代行業のルールを超えて彼女に触れてしまうなんてことも起きたわけですし。

龍馬と一緒に居る時間を楽しんで、思いを育んだ姫乃がその気持ちを自覚したりもして。そのタイミングで葉月が龍馬の姉のカヤと同じ職場にいて、2人のデート風景を目撃したことで彼が恋人代行していることに気付いて追及される、ってエンディングを迎えるんだから、容赦がないというか。ケジメとして必要なイベントではありますよね。


『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3

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「こんなダメダメな俺だけど、これからもよろしくね」

「いえいえっ。こんなダメダメな私ですが、こちらこそよろしくお願いします」

 

夏彦と未仔の恋の熱は治まるどころか、毎日燃料投下されて燃え続けていたわけですが。

そうやって恋人関係がアツアツで、一緒に居る時間が増えるほどにクラスメイトと交流する時間は減ってしまうわけで。

妹の友達であった未仔ちゃんですが、最近は妹こと新那たちが遊びに誘いづらい空気になっていたそうです。……あれだけ夏彦好き好きアピールしてれば、まぁそれもそうか……。

 

応援する意図もあったけど、それはそれとして遊びたい。ということで、未仔は球技大会後のクラス打ち上げに参加するなどしてました。

恋人との関係が良好なのに越したことはないですけど、友人関係だって大切ですからね。それをしっかり伝えてくれる新那はいい子ですなー。

親友取られた仕返しとばかりに「友人としての思い出作り、邪魔しないでよね?」とも圧かけてきましたけど。

1週間離れ離れになっただけで「相手は今なにしてるかな」って思考がどんどん膨らんでいくの、愛と依存が強すぎる……。これはもう離れられないわ……。

 

草次の彼女、奏の親戚がやっているゲストハウスの改装工事が早めに終わったから、ということで泊まりがけで遊び行こうと誘ってもらって。

夏休みを恋人や友人たちと盛り上がって、楽しく過ごせていたのは何よりでした。

『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。

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「それ以上に、未仔ちゃんを傷つけるようなことはしたくない!」

 

凄いインパクトのあるタイトルしてますが、まぁタイトル通りの展開で付き合うんだよなぁ……なんで?

主人公の夏彦は、彼女持ちの友人草次や男勝りの少女琥珀と仲良くしてる平凡な男子高校生。

琥珀は見た目がいいのを自覚していて、それで夏彦をからかってくることもあって。それに煽られて「おっぱい揉みたい!」って叫んでいた場面を、妹の友人未仔ちゃんに見られてしまう。

 

小学校が一緒で妹と遊ぶために家に来ていたこともあって、夏彦も知っていた少女。

しかし違う中学に進学したことで夏彦とは疎遠になっていたが……数年ぶりの再会でも彼女のことは覚えていた、くらいの距離感だった。

一方の未仔ちゃんは昔から夏彦のことが気になっていて、高校での再会を心待ちにしていたそうです。

久しぶりの再会が「おっぱい揉みたい」なのはアレでしたけど、しっかり相手のこと思い出したのは偉い。そして未仔ちゃんが「おっぱい揉ませてあげるから付き合って」と言ってきた時に、衝動にまかせず彼女を大切にしたいと言える辺り根は善良です。

 

ただちょっと若さゆえの欲に正直すぎるだけで。

初手こそアレでしたけど、2人はお付き合いを始めることになって。お互い好き好きでイチャイチャしまくってるかなり真っ当なラブコメでしたね。

未仔ちゃんが中学から進路変更して夏彦の高校に来た、という一件で未仔の父に追求を受けるところもありましたが。

親としてはまぁ言っておかないといけないところだしな……とどちらかと言えば親寄りの目線で見てしまった。でも夏彦君も最後は引かずに、しっかり意見を述べたので良かった。


真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました10

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「自由な私は、自分の意思でここにいる。レッドとずっと一緒にいたいと思う私の意思。私は冒険をしていた時も、こうしてレッドと抱き合って幸せに浸っている時も、ずっと変わらないの」

 

暴走したヴァンに切られてなお生き延びてるリュブ枢機卿、たくましいな……。

そんな彼の治療を担当するのが、かつてリュブによって師が冤罪を着せられた『医師』ニューマン先生だったわけですが。先生が過去にとらわれず、それを乗り越えていけるような人で良かった。

 

ヴァンは道場に通って剣を習う余裕が出来たりしたようですし、思った以上に安定していてホッとしました。

そしてレッドは彼を誘って古代エルフの遺跡の調査に行くことにして。ルーティとティセを残して、8人パーティーを組んで冒険に乗り出すことに。

短い時間ではありますけど、その中でヴァンにレッドがいろいろと教えていたのは、ヴァンの糧になってくれると信じましょう。

 

遺跡の深部に踏み込むんだことで、加護にまつわる情報がまた増えましたが。

ルーティやシサンダンが暴れた影響で、あちこち機能停止してる様子が見えるのはちょっと笑っちゃった。むしろ勇者が上で暴れてもなお維持されていたエリアがあるあたり、厳重に守られていたとも言えますけど。

加護を与えるデミス神とは別の視点で物事を見ていた、古代エルフたちの遺物。役立つものもありましたけど、知りすぎたせいか神の干渉まで招いたのは面倒でしたね……。

衝動関係で大変なのを見続けてきた結果として言うと、デミス神って神様らしい神様ですよね。つかう尺度が人と違うから絶対に相互理解できないし、見方によっては結構な悪神な気もする。

 

まぁ結局のところ、かつてシサンダンの言った「加護があるから勇者なのではなく、勇者であろうとするから勇者なのだ」というのがこの世界の真理な気がする。

この騒動のあともなおヴァンは迷っていましたが、苦しさを伴わない良い迷いだと思うので彼らしく頑張ってほしいものです。



真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました9

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「俺は英雄でなくとも勇者の仲間だから、罪のない命が奪われることを見過ごせない。ここで逃げたら、俺は勇者の仲間として失格だ……今戦えるのは俺しかいない、だから俺はここで戦わなければならないんです」

 

普通に考えたら『勇者』ヴァンは、ゾルタンに来た目的を果たしたんだから残る意味はない。けれど彼はとどまる選択をして……。

それはレッド達からするとありがたくないので、狂信的なヴァンは横に置き他の仲間に接触することで説得させようと試みます。

 

ヴァンに恋する妖精ラベンダには、同じく恋をしているリットが当たって。欲望と信仰を抱えた後見人リュブ枢機卿には変装したレッドが情報を持っていく。

割とうまくいっていた感じがしましたけど、どうしたって予想外の状況にはなりますよねぇ……。

こちら寄りのテオドラと情報交換してるところに、ヴァンが乗り込んできて。ダナンとギデオンとして顔をさらすことになって。

 

『勇者』に対応する『導き手』の加護持ちのギデオンの存在は、ヴァンの心を揺らすことになって……率先して切らなくても良いものを切り捨てようとするのは、狂気ですよ。

そんなヴァンを止めようと男を見せてくれたのがアルベールだっていうのは驚きましたが。その意地があったからこそ間に合ったものもあるので、格好良かった。

アルベールの抵抗によってさらに揺れたヴァンを、しっかりと倒したギデオンはお見事。これでヴァンの憑き物が落ちて落ち着いてくれればいいんですけど。

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「今のレッドに必要なのは精神を研ぎ澄ますことだわ。平和な中で鈍った技術を取り戻すことは、一朝一夕でできるものじゃないけれど、心ならギデオンだった頃とは違った強さを手に入れているはずよ」

 

レッド達は変わらずスローライフを満喫中。

ルーティ達の薬草も無事に採取できてホッと一安心というところですが。

かつての仲間ダナンもそろそろ旅に戻ろうか、というところ。その前の区切りとして彼はレッドとの手合わせを希望して。

 

それを受けたもののかつてよりも戦闘を重視していないレッドは、特訓を行うことに。……彼を慕う面々が集まって、なんかダナンまで一緒に居るあたり温かい集まりですよねぇ。

途中でなんかすでに設定もりもりハイエルフなヤランドララが、とある武術流派の開祖だって情報まで出てきて、寿命長いからって好き放題してるな……。

ダナンはスローライフという生き方こそわからないけど、レッドになったギデオンが足を止めたわけではなく、今も尊敬できる男だって言ってくれたのは嬉しかった。

レッドもそんな彼だからこそ手合わせを受けたんでしょうし……かつてパーティーがバラバラになった時とは違って、互いに納得して別れようとしてる関係がわりと好きです。

 

……まぁそんなレッド達の平穏を壊すかの如く、魔王の船を求めて新たな勇者として立ったヴァン一行がゾルタンを訪れるんですけどね!

テオドラがアルベールを伝令として先に送ってくれたおかげで、レッド達はヴァンと顔を合わせないように動けたのでありがたかったですけど。

ヴァンはもともと教会に預けられていた王子ということもあってか、こう狂信者みたいな気配が強くて恐ろしい。

 

ルーティみたいに人間味をそぎ落としてるのとは違って、笑顔だって浮かべられるけど話は通じないヤバさがある。

加護に従うことこそ正義だから、勇者の自分は正しいと思い込んでるし……精神操作の能力持ったアイテム使って人々を扇動しようとすらした。

流石に見過ごせず妨害に動くことになって……極力情報を与えずに撃破したけど、ルーティを見たことで執着を覚えたっぽくて、対決からは逃れられないんだろうなぁと思うと頭が痛い。

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました ~お姫様の幸せな日々~【電子限定版】

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「大切な人が喜ぶ顔を見たいのは、男も女も関係ないと俺は思う。俺は料理が好きというより、俺の料理を食べて喜んでくれるリットが好きなんだ」

 

電子限定の番外編。

イラストは表紙のみで、口絵もなし。代わりに巻頭にはコミック担当の池野先生によるレッドとリットがデートするエピソードが掲載されてます。

1P目でリットが言ってるとおり、とても幸せそうで何より……ではあるんですが。

仕様的な問題ですけどスマホでめがイラスト対応の漫画は、読みにくいという気付きを得ました。活かされる機会はそうないとおもいます。

 

レッドとリットはゾルタンで相変わらず平和に過ごしていて。

彼らの営む薬屋に、下町に越してきたばかりの少女ウメを案内しているタンタがやってきます。

微笑ましい2人を見守りつつ穏やかな日々が流れていくわけですが。

同じころゾルタンの街では、謎の異臭騒ぎが勃発していた。直ちに危険があるわけでもないし、レッド達も調査に積極的というわけではなかったんですが……。

 

ウメちゃんが悩んでいるところに出くわして。

彼女の悩みや異臭騒ぎを解決することになるお話です。ストア上の表記だと94Pとかなり短めですが、綺麗にまとまってて読みやすいエピソードでした。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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