気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

その他

このライトノベルがすごい!

ico_grade6_4

このラノ2021結果発表。
昨年までは10作品に投票できましたが、今年は半分の5作品に。

結構悩みましたねぇ。他の方もそうだったのか、今年のランキングは結構様変わりした印象を受けました。
よう実、連れカノ、友崎君辺りは継続して入っていました。と言うか。連れカノは去年もランクインしてましたし、他2作は最低でも3年連続(パッと確認できるところに2019ランキングまでしかなかった)ランクインしてるので、結構強い作品ってイメージですね。実はどれも読めてないんですが……。

 

勢いとかを見るに今年は友崎君かよう実か、と思っていたので千ラムネが1位をかっさらったのには正直驚きました。1巻は買ってあるので、近いうちに読みたいですね。

単行本部門では『異修羅』がトップを獲得。昨年は『Unnamed Memory』に続き、これで2年連続、電撃の新文芸が単行本部門1位だったわけで、知名度上がってどんどん売れて欲しいところです。

トップをとった2作品の作者インタビューと、注目作品として6作品ほどカラーページで著者コメントが付いていました。『楽園ノイズ』の2巻製作中という情報は嬉しいですねー。

 

私の投票結果は下記の通り。

1、Babel  単行本5位/新作21位/総合38

2、今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 文庫14位/新作7位/総合16

3、竜と祭礼 文庫39位/新作24位/総合46

4、わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 文庫23位/新作13位/総合25

5、たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。 ランキング外

 

去年は10冊投票して、ランキングに入ったの6品(総合96位とかのスレスレも在りましたが)。
それに比べると今年は5分の4がランキング入りしてるので、それなりに良い確率なのではではないでしょうか。
文庫トップ10はかすりもしませんでしたけど。あっちは2冊くらいしか読めていませんでしたので、そっち当てるのは難しかったかな……。

今年は新作縛りにしたため泣く泣く見送ったのですが『Unnamed Memory』にも入れたかった……けど、新規読者もついたのか単行本3位と結構いい位置にいてほっとしました。

年々参加者が増えており、今年は9576人。この調子でいけば来年には1万人を超えますかね。もっともっと盛り上がってくれるといいですけど、さて。


Magica Technica2 現代最強剣士が征くVRMMO戦刀録

 ico_grade6_3

「これは決闘ではない。討伐でもない。ただの、駆除だ。貴様の死に意味などくれてやらん、そこで無意味に朽ち果てろ」

 

 ゲーム内で、「見えない妖精を仲間にする」と言う、前代未聞のイベントを達成したクオン。それは現地のNPC達からしても、稀少なことで……それ故に信頼を勝ち取ることができた。メタ的に見れば隠しデータとして「信用度」みたいなパラメータがあるっぽいと言われてましたけど。

 それまで誰も見つけていなかった、悪魔を倒すためのキーアイテムである聖印を入手。一緒に話を聞いたから、と雲母水母たちのパーティーとそのままボス戦へ。まぁ、時間が悪かったので翌日に先送りとなり。

 その挑戦では、聖印の効果などもあってわりと危なげなく勝利。王都へ直進し、そこでもイベントを起こして……条件を満たしたために、大規模イベントのタイマーが進み始める結果になっていましたが。掲示板回で他のプレイヤー達が慌てふためいたのも頷ける、驚きの速さ……。これで開始したばっかなんですよ、この人。スペックの暴力怖い。

 武人としての誇りがあって、悪魔と戦い破れた騎士たちを尊重したり、命を弄ぶ悪魔に強い怒りを向けたり、引っかかるところでちゃんとリアクションしてくれるので、わりと分かりやすく読みやすい主人公ですよね。

 

一方で緋真は、先生なら現状最も難しいステージに向かうだろうと東のダンジョンを探索していたものの……残念ハズレ。最前線は誰も突破できてない2ボスの方じゃないですかー。うっかりしていて出遅れて。

師匠を探しに行っている場面とか、後に彼女が2ボスのアンデッドたちと戦うシーンが追加されていましたかね?一緒にボス戦も出来ずに消沈している様は可愛かったですけど。周囲からすると、凄い顔していて気圧されるような雰囲気出してたそうで。哀れな……。早く合流できるといいね……。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ふぁんぶっく5

ico_grade6_4

「護衛騎士であるお姉様が守ってくださるのでしたら、わたくし、怖いものなんてございませんね」

 

通販専売の本好きふぁんぶっく。シリーズも電子化はされてましたが、それは発売しばらくたってから……というのがパターンでした。

けど、今回は電子が同時発売! シリーズを電子で追いかけてる身としてはとてもありがたいですね。

第四部IX~第五部III、ジュニア文庫やアニメエンドカードなども収録した口絵ギャラリーからのラフ画、先生の書き下ろし短編やQ&A、ドラマCDレポートなどなど。相変わらず盛りだくさんです。

 

そして、鈴華先生の「リーゼの葛藤」が特に破壊力高くて良かったですねぇ。

ダルア契約の更新をベンノと一緒に旦那様へ報告に言ったリーゼ。そういう関係になったのは良いが、店内では言動に殊更気を付けるように言われて。

そもそも仕事に追われていちゃつけない中で、ミルダが提案した作戦を実行することにしてましたが。

 

いやぁリーゼ可愛いし、ベンノもリーゼ大好きなの伝わって来ます。

リーゼから見えてないけど、カッコつけた後、ちょっとほほ染めてるのいいですよね。

そりゃ、ベンノ彼女のこと忘れられませんよね……ってのが短い中から伝わってきて楽しかった。

 

そして書き下ろし短編はリーゼレータ視点の「色合わせと婚約式」。

彼女の婚約者は、色々と難しいとか。中級貴族の跡取り娘なので、婿を取ることになるけれど、ローゼマインの魔力圧縮を教わって、両親たちとの魔力格差が生じてるとか。

上級にはなれないけど、魔力的には上級に近く、中級の両親の伝手だと中々難しい部分もあるようで。

実際、一度は魔力が釣り合わなくなってご破算になった話もあったみたいです。

 

そして何とか、ヴィルフリートの文官であるトルステンを見つけて、彼自身も中級に落ちる事を受け入れてるとかで、話が進んで。

色合わせの方法とかが明らかになったのは面白かったですね。まずは両親が試して、その後当人たちで~みたいな順番があるのとか。やっぱり設定作り込まれてるなぁ。

 

ちゃんとリーゼレータも側近仲間から情報収集してるのも偉い。リヒャルダの評価は領主や領地に重きを置き、ライゼガング系であるブリュンヒルデからは、旧ヴェローニカ派だから辛口で。この辺りも性格といかスタンスの違いでますよねぇ。

 

リーゼレータからのトルステンの評価は、「文官らしい文官」でハルトムートと同じく、穏やかそうな笑顔を見せながら躊躇なく他者を陥れられる雰囲気を感じた、とか。

実際対面した部分を見ると、思っていたよりは好青年っぽかったですけど。アンゲリカを繋ぎにローゼマインに近づこうとする親族の思惑とか見ると、微妙に信頼しきれない空気を感じる。

WEB最新話まで読んでると、この後どうなったんだろうとか正直凄い気になります。

 

Q&Aも特大情報多くて、いちいちびっくりしてたんですが。

ローゼマインのシュタープ二刀流の真相に一番驚きましたね……。

騎士コースで習う武器と盾を出すやり方は、一つのシュタープを分裂させて実現してるそうで。なるほど、ローゼマインの常識が違うわ……彼女視点だと分からないことですからね。前例はゴロゴロいるけれど、今出来るのは彼女だけって言うのも衝撃的。

フェルディナンドすら出来ないってのは、意外と言えば意外。条件整えればあっさりやってのけそうですけど。

聖女の魔力は万能です

ico_grade6_3

「まぁ、でも、よくやったな」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

危機にさらされた世界が、救いを求めて「聖女召喚の儀式」を行った。

儀式は成功したものの……聖女は一人だけのハズなのに、なぜか儀式上には2人の女性が召喚されて。一人は十代の少女で、もう一人はOLをしていた主人公の小鳥遊聖。

 

しかし、召喚した側の王子は少女だけに声をかけて聖の存在を無視。

それにキレて、一時は感情に任せて国を出ようとしたものの、良識的な方々に止められて。ひとまずは王宮に滞在する事になった。

実際、隣の国に行こうと思ったら馬車で一週間かかる上に、街を出たら魔物が闊歩してる状態で生き抜くの難しかったでしょうし。

 

「聖女」という救いを求めて、異界から招いた(しかも帰る方法が無い)のに、対応を間違えて見捨てられたら、儀式行った意味ないですしね。

どちらかが聖女だと思われるが、例外的に二人とも聖女の可能性も考えて、手放すわけにはいかなくて。それだけに、初手で王子が対応ミスったのは、あまりにも痛い。

時間を置いて落ち着いた聖が、冷静に話を聞いてくれる状態になっていて良かったね……

 

で、保護を受けた聖は、けれど時間を持て余し始めて。

ハーブやアロマセラピーにハマっていたこともあり、植物研究所に興味を持って、そこで色々と教えてもらって、どんどんとスキルを向上させていくわけですが。

                                                                                                                               

実際、聖が聖女なんですよねぇ。タイトルで丸わかりですし。

そんな彼女が作ったポーションやら何やらが通常の性能で収まるはずがなく。否応なく注目を集める事になって……とそんな話。

聖の性格がさっぱりしてるので、読んでいてストレスはそんなないですかね。王子がアレなだけで。

 

ステータスやレベルがある、わかりやすい異世界転移モノで読みやすいです。

王子の一件で蟠りを感じて、聖女という札を表に出してないのもあって、1巻では説明&世界観描写の、山谷抑えめな感じ。

実績積み立てて、ボチボチ隠し切れなそうですし、今後の展開に期待。

異世界でスキルを解体したらチートな嫁が増殖しました 概念交差のストラクチャー

ico_grade6_3

「低燃費高出力。最小限の努力で最大限の成果を。無理せず、できるだけ本気を出さずにこの世界で普通に生き残ること、だ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

なろう書籍化作品で、集団転移モノではありますが、主人公は早々に離脱して個人行動を始めます。

ブラックバイトの経験から、王様たちの言動に胡散くささを感じて、情報をもっと出せと突きまくったら追い出される羽目になったんですが。

 

引き留めに来た学生もボンクラというか、詰めが甘いので実際組むのも危うい状況だったから、早々に逃げ出せたのはラッキー。

その後、運よく情報を提供してくれる存在と遭遇して、少女を助けたりして旅の同行者が増えたりしてましたが。

 

ナギが街に出てから遭遇したトラブル、自分から踏み込んでいった案件なので、そこはちょっと意外と言うか。

いや、てっきり王様側から刺客でも送られてくるかなーとちょっと思ったんですが、そんなことはなかった。情報が無い状態で1人放り出せば、追い込まれて助けを求めてくるとかそういう算段だったんだろうか。

 

異世界に来た際に獲得したスキルは、自分と奴隷のスキルの効果を組み替えて新しくするもので。

スキル使うと、身体を実際に撫でまわしているような感覚になったりして、奴隷少女が甘い声を漏らすシーンとかもあります。

ユニークスキルを使ってる重要シーンだとは思うんですが、主人公が再構築する度に喘ぐことになるので、段々くどく感じてくるな……。

 

道中で宗教勢力と接触して、結果的にまた奴隷を増やしていましたが。

異種族差別が根付いて居たり、大分歪んでいるといるというか。大分生きにくそうな世界だなぁ、とは感じます。

さてはて、ナギは目的通り「普通」に生きられるのやら。……既に無理そう。


エリスの聖杯3

 ico_grade6_4

「あなたの誠実さが、わたしを助けてくれたのよ」


スカーレットの処刑の真実に辿り着いたコニー達。

ランドルフを頼りにスカーレットの父、アドルファスに会いに行って。

挿絵で触れられてるので行ってしまうと、思いっきり平手を叩き込むことに。

いやぁ、コーネリアの系譜に属する女性たちは強いですね。代々伝えられていた、とっておきの魔法の呪文が、中々痛快でした。

 

スカーレットの両親のエピソードも間に挟まっていましたが。

章間の登場人物紹介で父親が「歪んでいるように見えて意外に真っすぐな人」とか言われてて……生きるのに不器用という感じがしたなぁ。

国の為に決断をした。いや、出来てしまった父親の慟哭が痛かった。

 

少しずつ少しずつ。コニー達は味方を増やし、【暁の鶏】の手駒を洗い出し、敵の計画に迫っていた。

当然、あちら側からすれば邪魔をする勢力なんて面白いはずがなく。

末端を囮にコニー達を罠に嵌めて。それに気づいたコニーが取った行動が、無謀で勇敢で、そんな勇気を出さなくていいんだよ、と言ってあげたかった。

 

でも、コニーが冤罪を被ったことで、ランドルフたちが自由に動けるようになって、結末に繋がるわけだから、全く無駄でもないんですよね。

ハームズワース子爵がただの丸い貴族ではなくて、曲者だったのも愉快でしたし。

グレイル家が積み重ねてきた「誠実たれ」という家訓。それが、この局面で活きてくるのが面白い。

 

【暁の鶏】達も、一網打尽とまでは行かずともかなりの痛手を負ったでしょうし。

セシリア王太子妃の秘めていた事情と、彼女が導き出した答えもまた悲しいものでしたけど。

全く。誰も彼も、いざという場面で覚悟が決まりすぎでしょう。そういう血でも流れているのか、この国には。

誰も彼もが諦めず、意外なつながりから助けを得る事が出来たりして、多くの人が手を取り合った結末を祝福したい。

 

巻末には描き下ろし短編が2編。上手く逃げ延びた二人を描いた「ショシャンナとサルバドル」。終章後を描く「花笑む人々」。

どっちも良かったですけど、特に後者が好きですねー。

ハームズワースが笑いそうな場面で、しばらく耐えていたのはお見事。正直、目の前でアレを繰り広げられて、笑わない自信がない。最後には耐えきれなくなってましたが、仕方ないね……

WEBでは後日譚とか掲載されてますが、ひとまず書籍は完結なんですかね(電子ストアで完結タグがついてた)。
イラストも綺麗ですし、章間にある登場人物紹介が笑えて楽しいので、書籍版いいですよー。是非是非。

リビルドワールドⅢ下 賞金首討伐の誘い

ico_grade6_4
「分かったよ! 覚悟を決めるのは俺の担当だからなぁ!」

 

ヨノズカ駅遺跡の騒動から、なんとか生還したアキラ。

本格的な探索はせず、遺物売買などの事後処理をすることになっていましたが。

売り先のカツラギがヨノズカ駅遺跡に挑むハンター相手に、荒野価格で色々売りに行ってたもんだから、遺物を持って往復する羽目になってましたが。

その結果、遺跡から出てきた変異種との遭遇に、アキラを護衛として雇えたのだからカツラギとしては不幸中の幸い……なのかな? なし崩しでタダで護衛させようとしたカツラギの思惑を、アキラがちゃんと潰してるのも成長が感じられて良い。

 

遺跡から出てきた変異種が、かなり強大になっていてハンターオフィスから「賞金首」として通達が来て。

自分の運の悪さを自覚しているアキラが、荒野へ積極的に出かけなくなったのは、正直笑った。実際これまでの彼の実績を想えば、うっかりで出くわしてもおかしくないからな……。

高額の賞金目当てで挑んだハンターもいたようですが、返り討ちにあってどんどん賞金額が上がっていって。

 

ドランカムを筆頭にハンター徒党も討伐に向けて動きはじめて……アキラも、以前の縁からシカラベに誘われて賞金首の一体に挑む事に。

ハンターだかといって、ただ危険な敵を倒したり、貴重な遺物を集めるだけではなくて。徒党が大きくなるほどに、内部の問題って言うのも出てくるようで。

ハンターオフィスを通さない非正規の依頼、という形ではありましたけど。

 

しかしまぁ、話を聞くにドランカムも大変だな、と言うか。

これまで何度もアキラと出くわしているカツヤ一党も中々ではありましたが、新登場のトガミやリリーみたいなのを見ると、シカラベ達古参の応援をしたくなってくるな……

増長しているのが良くわかる。ヤラタサソリの時に噛みついてきたレイナみたいなのばっかりか。

 

ドランカムの若手勢力も、外部の応援を雇いながら賞金首の一角に挑むことになっていて。

カツヤに指揮を学ばせるために、別の討伐を見学させたり色々と手は打っていたようですし、カツヤ自身も慎重に判断してたと思いますが、暴走する子が出るんだからもう……

外部の応援から文句が出てましたが、アレは仕方ないと思ってしまった。

まぁ、ドランカム若手勢力の一番の問題は、カツヤに対するもう一人のアルファの侵食が大きいというか。

影響がどんどん広がって行ってる所ですよねぇ。アレを見てると本当に、遺跡の亡霊が怖くなってくる。

 

アキラが雇われた以上は、しっかり働くという考えてかなり奮戦していたのは楽しかったです。アルファのサポート付とは言え、あそこまで動けてランク21ってのは、周囲の反応見るに相当詐欺なんだろうな……

シカラベに誘われた一件の後も、別の徒党の賞金首討伐のサポートとしてバックアップに従事して。さらには後日、エレナ達に声をかけられたとはいえカツヤの指揮する作戦にも参加する事になって。

 

結果として、4体現れた賞金首の内3体の討伐に参加してるんですよね、アキラ。キバヤシが目にかけるのも良くわかる。まぁ、サポートに徹したマイマイは直接賞金首とぶつかってはいませんけど。

終盤の101話~102話でもトラブルに見舞われていましたし、本当にキバヤシを飽きさせないな……

 

巻末の閑話「運の問題」は、また装備を更新する事になったアキラが、普段より軽装でシェリルの徒党に顔を出しに行ったら襲われる話。

軽装とはいえ、しっかり武装していたので返り討ちにしていましたが。色々とスラムでも蠢いているというか、暗躍してる人が多いな、という感じ。次回に向けた伏線エピソードなんですよね。

巻末の次回予告でも「WEB連載版より全面改稿」となってる4巻が今から楽しみです。

 

 

BabelⅡ 魔法大国からの断罪

ico_grade6_4h

「まるで人間のようなことを言う」

「人間ですから」

「ならば証明してみろ」

 

ついに出ました、『BabelⅡ』!

帯に在る通り終盤に「衝撃の展開が待ち受ける」巻となってまして、読んだ方ならかつて電撃文庫から出た時はここで切られてしまったんですよ……という既読者の嘆きが分かってもらえることと思います。

 

未読の方向けに書くのならば、タイトルが「バベルの塔」を思わせるものであるように、この作品のテーマには「言葉」があって、そこに切り込んでいくことになるんですよね。

ここから更に面白くなっていく作品で、完結済みの書籍化ということもあり、全四巻と予定も立ってるのでどうか読んで欲しい。

 

文庫版には収録されなかった「無言の花嫁」。

過去に囚われて、どうしようもない結末に辿り着いてしまった男女の話なんですが……

あの二人の行動をどうしてか咎めることは出来ない、そんな気分になる。

罪を犯しているので、罰せられるべきとは思うんですが。そもそも二人とも、自らを許さなかったからあんな結果になるんだからなぁ……という感じ。

 

それはそれとして雫のウェディングドレスのカラーイラストはとっても素敵だと思いました。綺麗だ……。え、この子の個性を埋没させる姉と妹って何者……(姉と妹だよ)。

イラストで言うと、カラー口絵に登場しつつ、ほぼ同じ場面のモノクロ挿絵もついてたリースヒェンが推しです。かわいい。

 

転移失敗した後もトラブルに見舞われつつ、なんとかファルサスに辿り着いた2人。

エリクの伝手も頼って、王様との面会を取り付けたものの……

魔法大国ファルサスの王・ラルスは、異世界から来た雫を異質な存在として切り捨てようとして。

一度はその場から離脱したものの、即座に取って返して、啖呵を切りに行く雫の覚悟の決まり方が凄い。

 

雫もエリクも、戦闘能力は低いんですよね。でも、それは戦いを選ばない理由にはならない。それが必要であるならば、出来る事を躊躇わない。

かなり覚悟は決まっている、といいますか。頑固さは作中でもぴか一だと思いますね……

27年ニンジンを嫌って食事を疑い続けているラルスも、中々ですが。

「あるのは言葉と――自分自身だけだ」と割り切って、手札として扱えるのが普通の大学生としては稀有な資質だと思います。……出来れば発揮されない方が良い資質ですがね……

 

辛くも命を拾って、ファルサスで情報収集を行っていくことになり。

今まで聞いたことのなかったエリクの事情だとか、探していた240年前の事件の事とかについて知ることに。

得た情報が信じられずに、1時間ほども議論している辺り、文官よりなんですよね雫もエリクも。

 

そんな二人が、ガンドナの時と言い危機の最前線に踏み込んでいくことになるんだから皮肉と言うか。

「前例が無い少女」の手がかりを追うんだから、否が応にもトラブルに巻き込まれやすいってのはあるでしょうけど。

コチラが気を付けていても、異質な少女に目を着けて向こうからやってくるからな……さて、WEBで結末を知っていても続きが気になる終わりでした。3巻で出てくる新キャラの挿絵が今から楽しみです。流石にあるだろ……


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身Ⅲ

 ico_grade6_3h

「ねえ、養父様。首にまとわりつく真綿はハサミで一気に切ってしまった方がスッキリすると思いませんか?」

 

嫁盗りディッター後の貴族院。

プロローグのローゼマインの側近たちのエピソードが良かったですねぇ。

他の目が無い所だからこそ出せる、ブリュンヒルデの感情ですとか。

「主の望みを叶えるのが側近の務め」と言う基準を持つマティアスからすると、どうしてそこまで苦悩するのか、と最初は悩みを抱いていましたが。

 

かつて、その方針で動いた護衛騎士たちは、主を2年眠らせる結果を招いてしまった。

汎用的なものではなく、「ローゼマインという主に仕える心得」をしっかりと共有して、団結できているローゼマインの側近たちは意志も質も高いなぁと感心した。

それを踏まえてみると、巻末の「不信感とゲヴィンネン」におけるヴィルフリートとその側近の距離感にちぐはぐさを感じる、というか。

オズヴァルトは本当にもう……廃嫡云々の時に、遠ざけておくべきだったよ、やっぱり。

 

領地対抗戦における他領との社交。

ダンケルフェルガーはまだ、事情を汲もうとする心意気はありましたが。

圧力をかけてくる形になるんだから貴族怖いというか。ジークリンデ視点の「娘の意見と覚悟」で、利益をもたらすつもりがあったけれど、前提が間違ってたと気づいてくれただけ良いですよね。

その後やってきたアーレンスバッハとか、もっとひどい例もあるしな……

 

久しぶりのフェルディナンドとの対面と、夕食だったり。ほっとする一幕もあるにはあるんですが……

ディートリンデが奉納舞でトラブルを起こし、そこから王族にまで波及して。

全体的にもどかしいというかギクシャクしているというか。柵がどんどん増えていって、沈みがちな展開が続くんですよねぇ。

WEB読んでいて展開を知っている分、生じている行き違いだとかに、思わず天を仰ぎたくなる。長い冬だな……


異修羅Ⅲ 絶息無声禍

ico_grade6_4

「くだらなくなんてない」

「……そうかよ」

「…………ハルゲントとの勝負なんだ……」

 

ついに、六合上覧が開始する第三巻。

関東に用語解説とか、黄都二十九官の名前一覧とか乗っていて楽しかった。

こういう設定部分が見れるのは個人的に好きなんですよね。

まぁ、私の嗜好を抜きにしても、修羅を擁立している面々の情報が整理されてるのは良いことだと思います。いくつか空席あるんですねー。

                                                                                                      

サイアノプみたいに、離れた地域で産声を上げた修羅なんかも居ますけど。

黄都からも警戒されている、最大の傭兵ギルドが作った国家、オカフ自由都市。

本物の魔王。そして魔王軍が居た場所に続く、最後の地。

前半は、この二か所の描写が多かったですねぇ。特に最後の地周りでは、過去編として本物の魔王に挑んだ「最初の一行」の描写もあり、本物の魔王の名前なんかも明らかになっていて情報量が多い。

 

名を広く知られた修羅達であろうとも震える、本物の魔王の在り方はただただ恐ろしかった。己の在り方を貫く、修羅達の様子を3巻まで読んでいたからこそ、怖さが増すんですよね……。

魔王の正体が明らかになっても。本当に、だれがこんな魔王を倒せたんだ、という謎が出てくる。物語の構成が巧みで、読んでいて引き込まれる。

 

今回当登場した修羅だと、黒き音色のカヅキが好きですねー。

「英雄として、世界への責任を果たさないとね」という客人の少女。

オカフ自由都市に対抗するため、黄都が派遣した銃使い。実際に腕利きを何人も仕留めてて、活躍っぷりが見事。彼女の名を冠した章の、終盤で出てくる修羅紹介文の演出含めて好き。

 

これまで裏で動いていた灰色髪の少年なんかも出て来てましたが。

自らは戦闘力がないものの、誰もが無視できない状況を整えるのが上手い、彼なりの戦い方があるのは結構好みですねー。修羅にも多様性の時代……

 

アルスを擁立したヒドウのポリシーも分かるし、名誉に執着するハルゲントのこだわりも嫌いじゃないんだよなぁ。

冬のルクノカという伝説を引っ張り出してきて、アルスと戦う舞台を整えて。それでも、彼は。ただアルスの輝きを信じ続けていた。


アルスはアルスで、冬のルクノカを通じてハルゲントの存在を見ていますし、なんなんだこの二人は……いや、好きですけどね、こういう関係。

ハルゲントは全くもって不器用で、時代遅れの官僚とされているのも無理はない感じですが。最後のあの慟哭は、中々刺さる。嫌いな人はヒドウみたいにとことん嫌いそうですが。
これだけ迫力ある戦いやって、まだ第二試合までしか終わってないとかどうなってるんでしょうね……

プロフィール

ちゃか

 新刊・既刊問わず、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。コメント歓迎。ただし、悪質と判断したものは削除する場合があります。当サイトはリンクフリーです。ご連絡等はコメントかメッセージよりお願いします。

メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ