気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

その他

メイドなら当然です。2 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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「ふたりとも、ニナのせいでダメダメなのです。ニナのことはチィに任せてふたりは一度パーティーを卒業したらいいのです」

「ティエン……仲良くなってきたと思ったらずけずけ言うようになったわね」

 

ニナの元職場マークウッド伯爵家が零落したり、名高い五賢人の一人が執心しているという話があったり、ウォルテル公国が大金を積んで探していたり。

彼女に関する噂のネタは、各国の貴族の間で広がるうちにどんどん尾ひれがついて、どんどん真相から遠ざかっていって……。

 

それでも変わらず、メイドであろうとしているニナがブレないのが良いですねぇ。

ウォルテル公国の首都を訪問した彼女は、ここまでの道中で気になったことがありとある商会に足を運んだところ……なぜか、すげなく追い返されて。

店主のクレア、商会の状況がよくなかったり、自分のトラウマ踏まれてしまったりと苛立ちポイントがあったとはいえ、初見の相手を追い払うとかは良くないと思います。

 

ニナは野良のメイドだったわけですが、普通はメイドは誰かに仕えているわけで、そういう有力者候補からの評判下げる行為は商人として良くないと思うよ……。

というのは、一読者の感想ですけど。あくまでニナはニナだし、彼女に救われたパーティーメンバーたちもまた、そのニナの善性を大事にしようとする人々なんですよね。

商会の問題へと踏み込んでいって、ニナが以前縁を結んだ大商会の御曹司ファースの助力も得て、解決したのはお見事でしたねぇ。

 

そしてニナのパーティーメンバーも各々の得意分野では傑出していて……流通革命につながる可能性のあるアイデアとかを齎すことになっていて、それが形になっていくとまたぞろニナの評判が上向きそうだな……。

4人の旅はその後も続き、ティエンの両親探しという目的から「月狼族の2人組」という噂を聞きつけて帝国の首都に足を延ばしたり、噂の確認を終えた後はリラックスのために帝国南部のリゾート地へと赴いたりして、身分に縛られていないからこそ自由な旅をしていて良いですねぇ。

 

各地で問題解決をしていた中で、ついに噂が追い付いてきたというか。ニナを確保しようとする貴族がやってきたりしたわけですが。

……現状、この世界の権力者あんまりろくなのいない気がするんですが、どうでしょう。ニナとの対面を希望して使わされた執事とか、騎士とかの対応とんでもなかったですからね。

最後、皇帝の使者に連れられて行くことになっていましたが、厄介ごとのにおいしかしないんだよなぁ……。

メイドなら当然です。1 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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「……あたしだけならともかく、ニナまでバカにされたら許せないわ」

 

とある伯爵家で働いていたメイドのニナ。

彼女は豊富な知識と巧みな腕を持って様々な仕事をこなすことのできる、万能メイドだった。しかし、師匠の教えもあってその成果を誇示するようなことはなく……。

それゆえに他のメイドたちから評価されることもなく、果てにはメイド長から濡れ衣を着せられ、次の職場への紹介状ももらえず追い出されることに。

 

これまで伯爵家の人々の無茶ぶりに対処できていたことや、伯爵家の評判が上向いていたのもすべてニナのおかげであり、それを理解できていなかったためにボロが出ていくことになるわけですが。

まぁ、自業自得以外の言葉はないかなぁ……。メイド長が「ツボを割った」という冤罪で追放したのを温いと懸賞金をかけるような人物が当主ではねぇ……。

 

追い出されたニナは旅にでることを決めて……その先で出会った人々の悩みを「メイドなら当然です」と言って解決していくんですが。

彼女を気に入っていた賢人から教えられた、貴重な知識を惜しげもなく披露したりするし。そもそもニナがメイドとしてスペックが高くて、ゴミ屋敷状態だった家を半日で掃除した上で、外観にまで手を出す余裕があったりするし。

そしてニナの知識に助けられた少女たちが、ニナへの恩と彼女への心配から旅に同行してくれることになって、楽しい旅を贈ることになる話。

行く先々でトラブルに遭遇するし、それを解決する過程で存在が知れ渡って、別の貴族家が雇い入れようと手をまわし始めたりしてるので、ニナ達が穏やかな旅を続けられるといいんですが難しそうなんですよねぇ……。

六姫は神護衛に恋をする 最強の守護騎士、転生して魔法学園に行く

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『力は誇示するものじゃなく、見せるべきときに見せるもの。それが護衛の……いや、フィアレス家の信条ということにしておこうか』

『はい。兄様の仰せのままに』

 

それぞれの種族があつまって出来た、七つの帝国がある世界。

そこは仲の悪い種族も多く、争いが絶えない状況であった。ある時、天帝国の女皇帝アルスメリアは不戦結界を張って争いを止めた。

しかしそれは彼女の命と引き換えのものであり……護衛を務めていたヴァンスはその意思を汲み、協力した末に転生術式で未来にわたる彼女についていくことを決めた。

 

1000年の後、無事に転生を果たしたロイドは孤児ではあったが、記憶と技は継承していて……とある貴族に見込まれて養子として迎えられることに。

当初は母を取られたようで妹のカノンとの折り合いが悪かったみたいですが。彼女達を出し抜こうと考えた別の貴族家からの介入を、協力して退けたことで和解した模様。

どころかカノン結構なブラコンへと変貌してる気がしますが……まぁピリピリしてるよりはいいか。

 

前半は迎え入れられた後の若い時期で、中盤あたりからサブタイトルの魔法学園に行くエピソードになってますね。彼らと同時期に、各国の姫も入学することになっていて。

不戦結界は健在で大規模戦闘魔法を封じるためのもので、戦争は禁じられたけど往来や大規模ではない術式まで封じたわけではなく。入学時に対峙した姫たちがバチバチ言い合いしていたのを、気付かれぬように阻止したり。

かつて護衛騎士として務めた経験のあるロイドは、その実力を大っぴらに見せることを良しとはしてなかったですけど。力を使う時にはしっかり振舞っていたのは良かったですね。

 

コミカライズだと12巻までのエピソードであり、今コミックが11巻まで出ていることを思うと物語の続き自体は作られているみたいです。

ただ、カクヨム掲載部分としてはこの書籍化範囲プラスαくらいしかないことや、小説版1巻で止まってしまってるのは惜しいかなぁ。

太っちょ貴族は迷宮でワルツを踊る

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「生きる楽しみ……?」

「動き食い寝るだけでは獣のままよ。湯を楽しむとは娯楽そのもの。こうして見ず知らずの者と会話を楽しめるのもまた、面白い。裸で湯に浸かっているからこそ、言葉も軽やかになるからな」

 

貴族家の三男坊として生まれたミトロフ。

彼は食事に喜びを見出し食べてばかりいて、丸々とした体形に育っていた。

貴族としての教育をほどこしても、令息としての振る舞いができないと見做され、彼は実家から追い出されてしまって……。

剣の師匠から譲られた武器等の限られた物資を持って、彼は迷宮に挑む冒険者になることに。

 

時に貴族としての慣れや一般常識の疎さからズレが生じたりもしていますが。

ミトロフ、なんだかんだ根は善良なんですよねぇ。迷宮で冒険者と出会って、「迷宮では助け合うもの」という理念にのっとって、助けられたり逆にミトロフが助けに行ったりとしていく中で、少しずつ成長していってます。

 

ある目的のために迷宮5層を目指しているエルフの少女グラシエとパーティーを組むことになって、親睦を深めたり。

迷宮の遺物に呪われてしまった少女カヌレも仲間に加え、不思議なトリオを結成して迷宮に挑んでいくのが面白かったですね。

異世界でスローライフを(願望)

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「んー……まあ気にするなよ。と言っても無駄かもしれないけどな。でも、それでもお前が生きていてくれたから俺は今生きてるし、悪いけど知らない誰かの命よりも俺は俺の命が大切だからな。誰も殺さない! なんて都合のいい言葉が許されるのは物語だけだと思うぞ?」

 

神様からチート能力をもらって異世界に転生することになった主人公のイツキ。

能力を与えられた状態で街に送られるはずが、神様のミスで街道に放り出されて魔獣に襲われるトラブルに最初か遭遇して。

下手したらここで彼の冒険は終わっていたかもしれない……。

という危機的な状況を、同じく異世界からやってきた「流れ人」である隼人に助けられることに。

 

隼人は過去にチート能力を悪用した流れ人を2人殺めた経験があり、それもあって隼人とその仲間たちは最初こそイツキの事を警戒していましたが……。

イツキは「異世界転生するからって、戦う必要ないよね?」ともらえるスキルを生産特化にしていた上、ユニークスキルも危険性の無い物をもらっていた。

それでうまく毒気抜かれて、街まで案内してくれたし、イツキのスキルを活かせそうな錬金術師ギルドを紹介してくれてたし、使えそうな素材を分けてくれたりと最初こそさんざんでしたけど、その後はいい感じで進んでいけそうだったんですよね。

 

……ところが、いざ作ったポーションを冒険者ギルドに持っていったら、増長している別ギルドの人員と誤解されて、絡まれることになって。

イツキの上司はちゃんと彼を庇護する立場を取ってくれて、冒険者ギルドのトップとバチバチやりあってくれたので、そこはまぁいいんですが。

交渉の席で本気でやりあった結果、絡まれたときに仲介に入り身内の冒険者優位の裁定を下した女冒険者のアイナがイツキの奴隷になる、なんて話にまでなってしまって。

 

イツキとしては想定よりも重い罰になりそうで気が引けてましたが、最終的にはそれを受け入れることになって。

アイナは生真面目だから現状を受け入れてるんですけど、彼女の仲間がイツキに対して食って掛かったり、冒険者ギルドの人も飲み込みがたい部分があったりするみたいなそぶりが出てくるのが、なんだかなぁ、というか。

絡んできた当人や塩対応した受付嬢を追放した上でアイナの奴隷化という話だったのに、一番外部の人間のはずのアイナの奴隷化だけは受け入れて、他2人は許すって言うのがなんだかなぁ、感じはある。

戦う力が無いから、仕事奪われたと逆恨みからの闇討ちされても困るから、あえて許すことで恩を売ろうとした、みたいですけども。なんか懲罰のバランスがくるってる気がするんだよなぁ。

忘却聖女4

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「仮令我々が壊滅しようが、君達は生きてこの場から落ち延びる必要がある。その責がある。――君には、分かるはずだ、マリヴェル。私は君に、その責を教えたのだから」

 

神に作られた人形であった聖女マリヴェル。

そんな彼女を愛し、人としての生き方を教え込んだ当代の教会。その忘却が痛かったわけですが……記憶を残したエーレの足掻きが、ついに実を結ぶことになって。

そこに至ってしまってなお、自分を大事にしなさすぎて怖い部分はありますが、吹っ切ったエーレが都度修正かけてくれてるので良いコンビだなぁ、と思ってみていました。

 

幼少期のエーレが眠っていた時期、マリヴェルと想い出を紡いでいた時の断片が描かれていたのも良かったですねぇ。

モノとしての価値基準で語るマリヴェルに、人としての生を拒絶しつつも返答を返してしまうエーレ、真面目だなぁというか。彼女の影響を受けて外に出る覚悟を決めたの、良いですねぇ。

始まりがそうだからこそ、エーレがマリヴェルの傍に居ようとするのは決まっていたんだな、というか。エーレが「自分は勝手に幸せになる」と言いつつ「俺の怒りはお前にやる」と語っているの、良かったです。

 

自分の使い方を定めたというエーレは、本当にそれをやり遂げたんですよね。

十三代聖女に就くことを決めた当代の神官たちに、マリヴェルとの繋がりについてエーレが指摘して言ったことを、それぞれが心当たりあるシーン好きです。

そういう指摘などの積み重なりもあり、記憶が戻らないままマリヴェルが聖女として教会に帰還することに。

 

先代聖女が犯した罪についての調査を進め、彼女が遺した呪いの根源も見つけた。

王城との会談の席を設けて、潜んでいた先代聖女派を炙り出しもした。

……そうした諸所の準備の間には当然書類仕事も挟まるわけですが、意識が逸れている隙に重要書類に署名させているエーレ、強すぎて笑っちゃった。

当代聖女が帰還したことと先代聖女の暗躍について気付き、聖女選考を停止して候補生たちを神殿に留めることにして。彼女たちの抱えている事情についても聞き取りをして、良い方向につなげようとしていた。

 

……とはいえ、敵も当然大人しくはしてくれないんですよねぇ。

先代聖女派の計略はとても長い時間をかけて積み上げられたもので、最終局面になんとか踏みとどまろうとする状況なわけで、いつでも苦境だったわけですが。

それにしたって、まさかあんな事態に発展しようとは。衝撃的すぎて、読んだ瞬間ちょっと固まっちゃいましたからね……。

彼の仕込みの影響で、望んでいた変化もまた訪れてましたが……タイミングがタイミングで、素直に喜べなかったのが悲しい。

ボロボロに追い込まれていった状況で、最後のあがきをマリヴェルは示そうとしてましたが……どうか救いがある結末を、見せてほしい。

 

巻末書下ろし外伝は『忘却神殿・Ⅳ』。

マリヴェルに縁談が持ち込まれて、相手が意欲的だったことでエーレとバチバチバトルすることになる話。その裏で、神官長との距離も近づいていて……「家族にならないか」という提案をされることになる、という名シーンもあり味わい深いエピソードでした。

……でも、最新時系列においてああなっているの思うと涙が……。

世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。

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「私が可愛くなれるまで、どうか晴間くんはよそ見しないで――私だけを、見ていてください」

 

女性向けファッションブランドの人気モデル『hikari』。

なにかと話題になる少女のようですが……その実態は主人公、晴間光輝の女装した姿であった。

そもそもそのブランドが彼の従姉妹・美空が立ち上げたブランドだったみたいですけど、ある時メインの服が似合うモデルが見つからず困惑していて……。

そこで、以前から人にメイクを施すのが趣味の自分が女装させていた光輝の事を、美空は思い出したわけです。

 

美空のお願いに弱かった光輝は、断り切れずにそのお願いを受けることにしたわけですが。

……いざ出来上がってみた『hikari』の姿をみた光輝は、自分の可愛さにほれ込んだ。そうして「世界で一番可愛いのは俺」という、ナルシストじみた少年が誕生したわけですが。

まぁ実際人気集めているから、ある程度真実ではあるんだよなぁ……。

hikari』の完成度を挙げるため、上品な所作や愛らしい仕草、料理や手芸などのスキルなども磨き続けているのは凄かったですけどね。

当人も「正気に戻ったら負け」。「狂え。狂ったままでいろ」と自己洗脳してるシーンあったのは、ちょっと笑えました。

 

hikari』ルックになっていない光輝は、クラスに埋没する一般男子生徒だったようですけど。そんな彼が気にかけていたのが、雨宮雫という雑に切った髪と猫背をした暗い印象を持つ少女だった。

クラスメイト達からは注目されていない人物でしたけど、美容に力を入れている光輝からすると、磨けば光る原石に見えていた。

 

そして姉からモデル『hikari』の相方候補が見つからないと嘆かれていた光輝くんは……うっかり雨宮さんに女装真実を見抜かれてしまうことになった。

前々から困っていた時にフォローされていた恩があることや、なんとなく察していた部分もあった雨宮さんは、秘密を公言しないと約束してくれて。

なんだかんだデートをすることになり……似合った髪型・服装が出来ていない彼女を磨き上げることになって。

 

実際、光輝が『天使』と評した挿絵の雨宮さんは可愛かったですねぇ。桑島先生のイラスト、好きだなぁ。それに衝撃を受けた光輝は、「一番可愛い」地位を雨宮さんに明け渡すことになったりもしてましたが。

イメチェンした雨宮さんと出かけたことで、他の人物からも注目を集めることにもなったりしていましたが。

雷架さんという校内でも有名な美少女が、実は唯一の写真部所属の生徒で。雨宮さんをモデルに写真を撮りたいと言い始めて。雨宮さんに女友達が出来たことで、想いを自覚させるきっかけづくりしてるの微笑ましくて良かったですねー。



さよならトロイメライ2 かんむり座の約束

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「俺は、後悔なんてしないですよ。するはずない。未来が不確定なんて、誰だって一緒だと思ってます。大切な人を失うことだってあるかもしれない。だからって、出逢わないほうが良かったってことにはならないと思います。(中略)たとえ別れが訪れて、悲しむことがあったとしても、一緒に過ごせた時間を後悔なんてしないって――そう信じてます」

 

前回の騒動を経て、冬麻は良い縁を結んだこともあって脱走を控えるようにはなったみたいですが。

そんな折に学園内で連続爆弾騒ぎが発生しはじめて……都のパートナーである八千代からは、逃走を企てた冬麻の仕業かと疑われるし。

 

誤解が解けたかと思ったら、都は巫城の令嬢であり、目に見えた脅威である爆弾騒ぎが起きた時には、外に出てくることが出来なかった。

八千代はパートナーとして極力彼女の傍にいなくてはならないこともあって、冬麻が調査と解決を依頼されることになるわけですが。

 

はじめましてでパンチぶち込んでくる阿久沢が、これまでの噂に恥じない御仁だなぁとか思った。

今回は各章の間に「手記」として主人公以外のシーンが挿入されていて、あからさまに事件に関係してそうだなぁ、という感じで。まぁ、そうなるだろうな、みたいな結末ではあった。

春太が終盤かき乱しに来た感じがあって、うーんって感じがありましたな……。



さよならトロイメライ

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「これから、泉と冬麻さんはずっと一緒ですっ!」

 

田舎町の寂れた高校に通っていた藤倉冬麻。

ある日やってきた美少女転校生の巫城都によって、彼は私立御城学園へと連れ去られることになって。

全寮制のその学校には、トップ3と呼ばれる生徒を選ぶ伝統があり……なぜか強制転校させられた冬麻も、そこに在籍することになって。

伝統に則ってパートナーとして泉という少女が傍につくことになって、ドタバタ学園生活を送っていくことになる話。

 

無理やり連れてこられた冬麻は、二か月で七度の逃走を試みたりするくらいアグレッシブな男子なんですが。

泉とか都とかみたいな個人を嫌っているわけではないんですよねぇ。メシマズ女子な泉ちゃんの料理を何だかんだ食べたりしてるし。

 

そんなある日、トップ3の集っている寮で起きたトラブルに出くわすことになってましたが。

……なんというか、派手なことやっていたわりに決着は地味だったというか。各々が勝手に動いた結果、うまい事まとまった感じがありますが。まぁ、本当の意味での悪人は居なくて、いい感じに決着したのは良かったか。

転生した大聖女は聖女であることをひた隠す6

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「ザビリア、私は行くわ!」

「うん、分かっていた」

 

魔人を怖がるフィーアに対して、グリーンが伝手を頼って大聖堂の封印を確認してくれることになっていましたが。

『はじまりの書』に記されていることによれば、世界には33紋の魔人がいると記されていて、かつての魔王は13紋も持っていた強大な存在だったとか。

フィーアはその魔王を封じたそうですが……その後、魔族たちは自らその姿を隠したとか。それ故、今を生きる人たちは魔族の恐怖を忘れつつあるという不安材料も増えてきたな……。

 

しかし、これまでの歴史で27紋が封じられていて、残りが6紋しかないって話でしたけど……5巻でザビリアとカーティスが話していたことによれば、魔王の右腕は20とも30とも言えない数の紋を宿していたとか言っていたし、上限超えてるのは果たしてどういうことなのか。

フィーアの記憶を契約を介してみたザビリアは正確に認識できているのに、フィーア自身は記憶が歪んでいますし、そのあたりも気になりはしますが。

 

噂をすれば影とばかりに魔族と遭遇し戦闘する羽目になって。フィーアは怯え、復讐に燃えるカーティスはいざというための備えを怠っては居なかったり、個性が出ますね。

前半分で北方に行ったフィーアたちのエピソードが収録されていて、真ん中に「第一回人気投票」の結果が発表されて、後半はそこで上位に入った人々のSSが収録されていたのは面白い構成だとは思いましたね。

 

シャーロットの薬草採取のエピソードが面白かったですね。

大聖女だったフィーアにしかできない調合があり、それを当時の聖女にも教えはしたけれど、あまり伝わらなかった。……今までの様子をみると、感覚派なところあるからなぁ……その影響では。

習熟できた人に後世に伝えるための記録を残すように伝えていたらしいですが、フィーアは知らず。他国の秘蔵の図書には必要な薬草が記されていたみたいですし、多分その記録の写しか何かですかねぇ。

全く残っていないわけでもなく、今もシャーロットにフィーアが教えたりしているのはほのぼのして良いですけど。失われてる知識多すぎて、毎回震えるんだよなぁ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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