気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

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処刑少女の生きる道―そして少女は甦る―

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「漂白された魂と精神で私のすべてを吸収し、いつの日か幸福によってすべてが壊れ、それでもなお生き残ることができたのなら――お前は、その時、私を超えろ」

 

GA文庫大賞、7年ぶりの「大賞」受賞作!

実を言うとダンまち読めてないんですけどね。書店員時代に売れてるのは見てたので、アレ以来の受賞というのが気になって購入。

いや、面白かったです。さすが大賞。

 

日本からの『迷い人』がやってくる世界。

過去には彼らと協力して反映した文明もあったが…暴走によって壊滅。

今なお影響を残す暴走の爪痕によって、開拓できない領域すら存在して。

それ故に、『迷い人』は殺すべし、と『処刑人』が生まれた。

招かれてしまった少年少女がいかに善性の存在であろうと、この世界に来た時に異質な力を得た彼ら彼女らは、いずれ爆発する爆弾でしかない。

 

そうして『処刑人』として職務に励むメノウ。

彼女の標的となった迷い人の少女アカリは、『殺しても生き返る』という厄介な理を獲得していて。

不死身のアカリを殺すために、「確実に殺せる手」が見つかるまで、側について監視することにしたメノウ。

一方のアカリは、そんな思惑は知らずメノウに懐いていて。

 

メノウに心酔している少女モモや、アカリを召喚した罪によって父王が裁きに懸けられることになった王女アーシュナなども個性が強く魅力的。

ネームドキャラがほぼ女子で、アカリのメノウへの懐きっぷりには百合の波動をかんじなくもないですが…

アカリ、かなり朗らかな少女であるのは間違いないですけど、同時にかなり怖い子ですよね……

あの「イジワル」はかなりピンポイントで急所を突いてて、恐ろしかった。

彼女達の旅の結末がどうなるのか、見届けたいですね。



86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈下〉

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「お前の道だ、お前が決めろ。ただ、これでも道連れだからな……しんどいっていうなら、支えてやる。きついってなら、休んでろ。だから、」

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「一人で戦おうとすんじゃねえ」

 

レギオン、機械のくせに学習能力が高すぎる。

自身の設計上の限界を代替品を見繕って乗り切ってますし。そうやって獲得した意識を持つ機体によって作戦の難易度が上がるという話は出て来てましたが。

それにしたって、という被害状況。

 

長距離砲撃によって前線は瓦解し、試算によれば人類生存圏の首都すら狙える性能だと。

空から挑むこともできないため、出された結論が――シン達による敵地縦断。それによって敵の主砲を破壊するというもので。

連邦以外に生き残った国家との連絡が復活し、協力作戦を実行できたのは不幸中の幸いでしたが。

まさしく総力戦の様相を呈してきて、それでもじりじりと削られていく戦況には震えた。

 

参謀たちの非情の決断が。憤ってくれたグレーテの、それでも計れなかった彼らの誇りが、重くのしかかる。

「まあ、でも、一番やばいとこに僕達が選ばれたのは、僕達がエイティシックスだからだよね。それだけはちょっと……寂しいかな」

作戦から退くことはしない、と断言しながら零したこの言葉が切ないですね……



86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉

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「たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのがおれ達の選んだ生き方です。それを――奪わないでもらえませんか」

 

行けるところまで行って死ね。

非道の命令に従い、旅を続けるシン達はついに隣国へとたどり着いて。

シンの異能があるとはいえ、かーなーり危ない所でしたけどね。

そうしてギアーデ連邦に保護されて、自由を与えられて……それでも彼らは戦場に戻ることを選んだ。

 

暫定大統領のエルンストが、いいキャラ。

この戦乱の時代にあって良い保護者であろうとしてくれる彼の善性が、染み入るようです。

暫定とはいえ代表を務めている以上、一筋縄ではいかない面も持ち合わせてそうですけどね。

「得体が知れない。万が一。そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないなら、人類なんて滅んでしまえばいいんだよ」。シン達ですら気圧された、あの場面には震えましたね。

 

日常パートでそれぞれが、自分なりに時間を潰している様子は、眩しかったです。

叶うならば、そのまま日常に戻っていってほしかった。けれど、そう簡単に戻れる彼らでもなし、というのが切ない。

連邦は共和国よりもまともなトップや軍人が居て、環境がマシなのは何よりですけどね。

それでも保護の道を選べたのに、戦場に戻って来た彼らに対する風当たりは強くて。その戦いぶりの異質さが際立つというのもあるんでしょうけど。

シンの戦いの苛烈さが。メンテナンスもろくもしないで動いてる機械のようで、その内壊れてしまいそうで怖かった。



理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい

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「由槻は1万人にひとりの理屈屋だ。だからこそ――人間らしくて美しいよ」

 

学院の特権、その推薦を受けられるのは1人だけ。

どちらが相応しいかを決める為に、あるゲームをすることに。

才能がない分野で、どちらがより努力をすることができるか。

その成果によって、勝ち負けをはっきりさせよう、と。

 

うん、途中まではわかるような気がしたけど、それがなんで『告らせたほうが勝ち』になるの? 

楓音のツッコミのほとんどに同意出来るぞ……

漫画の『理系が恋に落ちたので証明してみた。』に近いものを感じますね。

 

理系特化の少女、由槻は本当に尖っていて専門分野に関しては弁も立つようですけど…人混み苦手で、環境変化に弱い、箱入りのお嬢様で。

研究者になれば大成しそうというか、研究者にでもなるしかないんじゃないかな…

審判役として巻き込んだ女子と協力して、「お弁当作ってみた」ってイベントを演出すれば数式を書くし。

 

恋愛小説のタイトルに、非論理的だと計算を始めるし。タイトル通りポンコツな部分もありますが。彼女と『告白ゲーム』をやってる梓も相当アレですよね。

努力して首席を取った秀才で、知識も豊富。由槻の飛躍した発言とかも解釈できるし、割と融通が利くタイプ。ただまぁ、友人は少ないみたいですが。

彼は彼でポンコツというか。なんでこの2人まだ付き合ってないんですかね? 

審判役の楓音がイチャついてる2人に巻き込まれてちょっとかわいそうに……いや、彼女は彼女で楽しんでるからいいか……

思っていた以上に甘めで、楽しい作品でした。


86―エイティシックス―

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「……だから、あなたは〈葬儀屋〉なのですね」

『それもあります』

 

気になって買ったくせに積んでたんですが、一読して、「なんでもっと早く読まなかったんだ!」と嘆く位には面白かったです。

読み終わって翌日には残りの巻全部買ってきました。少し懐寒くなったけど、満足。

 

隣国の開発した無人機レギオンによる侵略を受けている共和国。

抵抗しなくては死ぬ状況で、共和国がとった戦術は最悪の極みともいえるもので。

85区に人民を集約し、入りきらない者を切り捨てた。彼らは存在しない86区の住人。

エイティシックスの烙印を押された、少年少女を搭載した「有人の無人機」を持って、共和国は戦線を維持していた。

 

人はここまで醜悪になれるのか、みたいな闇がそこにはあって。

ただひたすらに震えた。有色人種を追いやって、自分たちは塀の中で安穏と日々を過ごしている。パーティーなんか開催して、暢気なもので。

現状を打破するような光明も見えない道を、ただひたすらに進んでいる。

特殊通信で補佐する軍人もいるものの、職務に忠実な人も少なくて。詰んだ国って言うのは、こういう事を言うんだろうなぁ、という絶望が見て取れる。

 

P126のラフィングフォックスの叫びは、かなり痛かった。

読んでいるコチラにも苦しさが伝わってくるようで。……それでも読むのを止められない、熱量が同時に存在しています。

逆境と呼ぶのすら生ぬるい状況で、それでも日々を生き、戦い、行き着くところまで進んだ彼らの生き様に見惚れました。



純真を歌え、トラヴィアータ

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「だからお前は――お前の答えを探してくるんだ」

 

幼少期にみたオペラに撃ち抜かれ、声楽の道へ進んだ椿。

しかしあるコンクールで倒れ、トラウマに寄り歌えなくなって。

音楽大学を辞め、別の学校へ進学し……そこで、オペラの自主公演を行うサークルに出会う。

 

ずっと打ち込んできた音楽を捨てたとこに、苦さや虚しさを感じながらも、音楽が好きな気持ちは変わらず彼女の中にあって。

多少錆びついているとは言え、ピアノが弾けるという事で伴奏として参加する事に。

新しい環境、新しい出会い。

それらに良い刺激を受けて、今までの自分に無かった視点なんかも得て。

……それでも、彼女は歌えなかった。

 

合宿に参加して買い出しに出た先で、一緒に音楽の道を選んだ幼馴染とばったり会って。

道を違えた事を責められ、軽く言い合いになってました。

幸い同行していた椿の先輩がその場はとりなしてくれましたが……

苦しいままならば、答えを探さなくてはいけないと彼女の背を押して。突き放したわけじゃないですよね。

自分の限界をどう推し量るか、どの道を進むのか。それを選ぶのは、自分でなければならないでしょう。

 

誰かに言われたから、では言い訳になる。

勿論、簡単な話じゃないです。打ち込んできて、才能というものに打ち負かされて。そういった絶望を、改めて見ろと言う話なんですから。

苦しくない筈がない。悲しくない筈がない。打ち込んできた時間が、努力が、夢見た場所に届かないなんてひどい話で……そして、珍しくもない、話です。

 

でも、気付いてしまったからには、それを飲み込まないことには、立ち止まったままなんですよね。

椿は、そして黒田は。絶望を超えた先へ、一歩足を進めたのだと。満足と愛。それは、十分な理由でしょう。

才能がないからって歌ってはいけないなんて法律があるわけでは無し。挫折を知ってなお進んだその姿を、私は尊敬します。

作中ではオペラサークルが舞台ですが、オペラの知識がなくとも読める、良い作品でした。




お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

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「怒るなよ。……今は前よりずっと、なんつーか、いいなって思うよ。そうやって笑ってた方がずっと可愛いのに勿体ないって思ってたし」

 

小説家になろうでランキング上位に来てたんで読んだんですが、いい感じに甘くて好きです。

オマケに挿絵が『白聖女と黒牧師』の和武はざのさんと来たら買うほかない。『白聖女~』も感想書けてないけど読んでます。アレも良作なので、絵に惹かれた方はあちらも是非。

 

学校で天使様と評判の容姿端麗、文武両道の少女、椎名真昼。

藤宮周は、ある日雨の中ずぶぬれになっている彼女を見かねて傘を貸して。

クラスも違うし、もう交流する事もないだろうと周は最初思っていましたけれど。

マンションで隣同士、という事情も手伝って少しずつ交流が始まる事に。

 

周はよく一人暮らし許可されたなって感じは正直あります。

料理不得手で、掃除もサボりがち。成績は良くて、人格面ではかなり優良株ではあります。

誠実であったり、しっかり言葉にしてくれたりと美点も多いです。

料理をごちそうになったらうまかったと感想を言ってくれますし、世話になった分のお返しも忘れない。

 

きっかけを得た事で自分で料理しようとし始めたり、向上させる意欲もありますし。

……結果的に真昼のお世話になってましたが、それはそれで。

真昼の方も、最初は名前ぐらいは知ってるという関係ゆえに距離がありましたが。周の人柄に触れて交流する中で、二人でいる時には照れたり笑ったり、堅さがほぐれていくのが伺えて良いです。

既に中々の甘さがありますが、WEB本編最新話付近だとさらに糖度マシマシでいいぞもっとやれって感じです。

挿絵がつくとまた一段と面白いのでシリーズ続いてほしいですねー。

 

メロンブックスの有償特典でタペストリーも購入しました。

いやぁ、予約してよかった。心が浄化される気持ちです。
GA文庫は早売りがあるのでサイン本ゲットし損ねたのはちょっと残念でした。



ワールドトリガー20

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「千佳! 今のは不慮の事故だ! 気にするな! よくやった!」

 

ランク戦第七試合の決着と総評。

最期の試合に向けての準備の話。

合間で葦原先生の状況についても触れられていましたが。

手術をされて、術後に併発で発症した別の病気で再入院とかしていらっしゃったとか。

連載再開は喜ばしいですが、お身体を第一にご自愛頂きたいですねー。

 

当初の予定ではこの20巻あたりでランク戦が終わってる想定だったそうですが、余裕で終わらず。あの情報量ですからねー。ファンとしては嬉しい限りですけど。

今回もまた面白かったです。

ヒュース初参加で、相手取るチームも大変そうでしたが。玉狛内部でも、修とヒュースとで意見が違う場面が出たりして、ランク戦途中でメンバーを変えるのがリスキーなのがよくわかりました。

 

カバー裏のネタのキャラ紹介も相変わらず情報が多くて素敵。

クロ―ニンが「トリオンの形状と軌道の制御」が専門でハウンド、バイパーや迅と共同でスコーピオンを開発したとか。かなりの功労者では。

ネイバーとしての出身国はどこなのかなぁ、とちょっと気になる。

 

嵐山が1巻裏があんまりなので再登場。19歳組で京都旅行を決行したとか、なにその美味しいイベント。

広報部隊で忙しいだろうに、旅行行けたんだーと変なところで感心してしまった。

あと、結束。片桐・雪丸とともに第二期東隊で鍛えられたとか。やっぱり東さんボーダー内の育成担当なんですね……



ロード・エルメロイⅡ世の事件簿10「case.冠位決議(下)」

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「本当に、ボクは、お前の望みを叶えてやりたかったんだ」

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、ここに完結。

ハートレスの思惑を阻止するべく、霊墓アルビオンに突入するⅡ世チーム。

そして冠位決議に挑むライネス側のエピソードの、同時進行。

どちらも面白かったですねぇ。魔術師の業というものを強く感じた。

 

Ⅱ世達の状況から始まります。

一日足らずで、深奥まで簡単に辿り着けるような場所ではなく。

フリューの伝手で情報やなんかを得てましたが、こんな所にまで伝手あるあたり傭兵凄いというか。

彼の師父殺しという異名についてもしっかり触れてくれて満足。微妙に気になってたんですよね。

即席のチームではあれど、実力者揃いであるので何とか先に進んでいました。

その中に混じったⅡ世が要所要所で自信ないことを明言してて、ちょっと笑ってしまった。

 

冠位決議に望むライネスが、アルビオンの工房を見学したりしてる一面もありましたが。

秘匿をなげうった複合工房とか、そこで行われている蕩尽とか、魔術師の側面を見られたのは新鮮でしたね。

一筋縄ではいかない決議の場に、油断ならない相手を引っ張り込んでくるあたりライネスも策士というか。暗躍好きな魔術師ですよね。しかしあの人形師、とことん自分のやりたいように場を作るな……

 

最後、全てはⅡ世がハートレスを止められるかどうか、という局面になって。

残り14分という時間で、答え合わせに時間を割くあたりが彼だよなぁ、と言いますか。

魔眼蒐集列車の時のような激しさはなく。思ったよりも、静かな幕引きになったのは少しだけ、意外でした。

……そこに至るまでが大変だったんですけどね!

 

グレイが、良い立ち回りをしてくれていましたね。

内弟子としての彼女が、彼をエルメロイⅡ世として引き締めさせた、というか。

わざと間違えた言葉を口にした時。師匠にも言わぬ秘密を得た時。

「君が居なければ、困る」というロードの言葉が、彼女たちの日常そのもののようで、綺麗なエンディングだったと思います。




きみの世界に、青が鳴る

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「でも、今も幸せな方がいいよ。いつだって我慢しない方がいい。なのに今は苦しいのを受け入れるなら、やっぱり諦めているんだと思う」

 

シリーズ完結巻。

安達と堀の話であり、七草と真辺の話であり。

次の魔女の座を巡って争っているということでしたが。

相原大地のための話でもあるんだよなぁ、と言いますか。

 

七草が今回もいろいろ動き回ってました。

安達を理解するため。堀を魔女にするため。自分の幸せのため。

大地の幸せを願っているという意味では、大体のところ一致してるわけで。

正解を探すために、一歩ずつ進んでいく。これからも続いていくんだ、というそんな感じの物語。

 

魔女の魔法で、何回も試行錯誤出来たりもしますが、それですぐに万事解決とはいかなくて。理想の為に足を止めない真辺の強さは、凄いと思うけど、真似できない。

堀が少しだけ彼女を嫌い、というのも納得してしまう。同時に、七草が理想だというのも分かって、こう読んでいてもどかしく感じる部分がありますけど。

言葉の選び方一つ一つが、それぞれのキャラの信念に誠実で、美しいと思うんですよね。だから、この作品が愛おしい。

 

フェア掌編の「ラブレター」もゲットしましたー。

発売日に買いに行ったら、まだ店頭で配布スタートしてなくて泣いた。      

その後、運よく見つけられたので、購入。

いやぁ、良い情景ですね。最後のテキストだけが決まっている手紙。

彼女は悩みながらもそれを書き切ったんだろうなぁ、というのがまた良い…

 



プロフィール

ちゃか

 友人に「活字中毒っていうか読書中毒」と評される程度には本が好き。適当に感想を書いていく予定。リンクはフリーでコメントはご自由に。悪質と判断したものについては削除する場合があります。

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