気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

★4.5

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件9

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「……周くんは私を何度泣かせたいのですか」

「それが嬉し涙なら何度でも」

「……もう」

 

周の誕生日を祝い、部屋に泊まった真昼。

早くに起きて周の寝顔を眺めてる真昼も可愛いし、布団の魔力とそんな彼女が側にいる幸福感から二度寝しそうになってる周は本当にもう……。

お互いにお互いへの好意を隠さず、大切にしあっているの良いですよね。

大分関係がこなれてきたというか、学生カップルというよりは若夫婦みたいな距離感なんだよなぁ。でも幸せそうな2人を見ているの本当に楽しいので、もっとやれと焚き付けたい所存。

 

真昼という大切な人が出来たことで、周の軸が定まって。

彼女を大切にしている態度を見てきたクラスメイト達から、「昨日誕生日だった」という話を聞きつけられてお祝いされてるのを見ると、大分変ったなぁという感慨深さがありました。

時間を費やして2人の関係が深まっているわけですが、学生としてみると受験とか進路とかを本格的に考えないといけない時期でもあって。

樹は相変わらず父と反発しているし、真昼は三者面談があることを両親につたえてすらいなかったし。それを思うと、周の両親は本当に良い人だよなぁ……と思う次第。

 

そんな日々の中で、真昼の誕生日も近づいてきて。

真昼は誕生日を周囲に伝えたがらないことや、そもそも良い思い出がないイベントだったわけですが。

そんな彼女に幸せを与えたい、と「準備して祝わせてくれ」と真正面から伝えるの実に周くん過ぎて笑っちゃうな。

当日は2人だけの時間にしたけれど、準備時代は友人たちやバイト先の人々なんかも協力してくれて。普段の周だったらやらない決断なんかも下して、本当に最高のお祝いにしていたのは良かったですね。

 

ドラマCDとスクールカレンダー付の特装版も同時発売していて、そちらも良かったですねー。スクールカレンダーは眼鏡スタイルを楽しめるという売りのために真昼の顔アップだけでしたが、可愛いですよね本当。



転生王女と天才令嬢の魔法革命8

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「私がユフィに選ばせちゃったんだね」

「えぇ、貴方が選ばせてくれたんです」

「……呪いみたいだ」

「私には祝福でしたよ」

 

魔学都市アニスフィアの建築は順調で……だからこそ、そろそろ王族であるアニスの格に相応しい建物を建築しようか、という話が出てくる程度には余裕が出てきた。

そんな中、今回トラブルが起きたのは王都……ユフィリア側の方で。

王都のある中央とアルガルドの送られた東方地域の関係は、ひとまず落ち着いている。ということで、独自の連帯感でまとまっていてなかなか手を出せずにいた西部の問題に触れることになったのですが。

 

パレッティア王国が抱えている問題として、貴族と平民の間に溝が生じていること。精霊信仰が過ぎた上、一部では腐敗もしている、と。

ユフィとアニスは改革を進めていますが、片や精霊契約者、片やドラゴンの力を宿した少女、ということで永い時を生きることが約束されている存在なんですよね。だからこそ、ある程度のタイミングで身を引くことを検討していた。

それを踏まえた上で、ある程度ユフィもアニスも譲歩してきたというか……我慢をしてきたわけですが。

 

アニスやユフィの周囲に居る人々が、アニスが鬱憤を貯め込みまくっていることや、それを我慢してくれているのは彼女の温情だと理解しているのはせめてもの救いか。ティルティなんかはもっと直接的に「まだアニスがこの国を見限ってないのが凄い」とか言ってましたしね……。それは正直そう思う部分はある。

腐敗の極みみたいな西部の貴族は、ユフィと対面した時にアニスの事を侮るような事を言って。そのことでユフィは怒りに揺れた。普段は食事や睡眠をとって人間らしい生活を装っていたけれど、それすらできなくなる程度には人から離れてしまった。

そんなユフィを見てしまったことで、アニスもキレて西部を更地にしそうな勢いがつきかけたりもしましたが。踏みとどまって、理想の為に切り替えられたのは良かったか。

舐めた西部の貴族に相応の対応もできましたし。アニスもユフィも人を超越した故の危うさもありますが、互いに互いを思い合っているからバランス取れてるのが良いですねぇ。

魔法使いの引っ越し屋 勇者の隠居・龍の旅立ち・魔法図書館の移転、どんな依頼でもお任せください

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「隠居のために、信頼できる引っ越し屋を探していたんだ。すると君の魅せに辿り着いた。……ある噂を聞いてね。王都の郊外にある、魔法使いの引っ越し屋」。そこに行けば、どんな悩みを抱えていても素敵な旅立ちにしてもらえるとか」

(略)

「私のお客さんになった以上、勇者様の旅立ちも素敵なものにしてみせましょう」

 

平民にも関わらず王立魔法学園で名前をとどろかせた天才魔法使いの少女が居た。

様々な栄光と同時にはた迷惑な騒動を起こしたこともあったようですが、卒業後何をしているのかを知るものはほとんどいないとか。

なぜならその少女、ソフィ=イザリアは卒業後、誰にも行き先を告げずにふらっと姿を消し……なぜか魔法を駆使した引っ越し業を営んでいた。

 

と言いつつ王都に店を構えているし、同期で首席を争った少女が度々足を運んでいるから、最終的に国の一部には動向を把握されてそうですけど。

有象無象の注目からは逃れることには成功してるんじゃないですかねぇ。……難しい浮遊魔法を駆使して空から荷物運びしたりしてたので、そう遠くない未来に普通にバレそうな気もしますが。

後に彼女の持ってる称号が影響してそうだなぁ、という納得をしました。バレてるけど、放置されてるのか。

 

そんな彼女のところに持ち込まれるのは普通の配達ばかりではなく……。サブタイトル通り、勇者や龍といったトンデモ依頼人たちからの願いもあって。

魔王を討伐しその後50年も戦い続けている勇者に、「当時に出会っていたら間違いなく仲間にしていた」と言われるあたりソフィの才能はずば抜けてるみたいです。

……そりゃまあ普通は魔法にたけているからと言って、「屋敷丸ごと運ぶオプションもありますよ」って言われる想定はしないのよ。

国王は勇者の引退を認めてくれていたけれど、彼の実績を見て育ってきた宰相や騎士団長とかが反発して引き留め工作があったりもしましたが……それを踏み越えて引っ越しを成功させたのはお見事。

 

その後も、神獣の引っ越しを請け負ったり、特殊な魔法が作用している魔法図書館の引っ越しに関わったり。特殊な事例ばっかり引き受けて、その状況下での苦労も当然ありましたけど、その都度適した対応をしていっているのが、『時代の魔術師』という称号を持っているだけはあるなぁと感心してしまった。

魔法図書館の引っ越しで、失われた魔法の復活まで成し遂げていたのはお見事。核となる物を見つけただけで、完全再現まで出来たわけじゃないから……と発表を控えていたあたり、自分へのハードルが高いなぁ。
どの引っ越しにも物語があって、そんな引っ越し屋をすることになったソフィにもそれを志した過去がある。うん、1冊で良くまとまっている感じがして好きでした。

魔女と傭兵2

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「確かにそいつは憎い。ぶち殺してやりてえ……だがな」

(略)

「……俺にとって死んだ仲間の仇討ちより、生きた仲間を守る方がずっと大事なんだよ」

 

異大陸に渡り、冒険者活動を楽しく行っている魔女シアーシャと、変わらず傭兵としての在り方を貫いているジグ。

シアーシャの依頼に護衛として同行したり、宿も一緒だったりと変わらず不思議な協力関係を続けている2人ではありますが。

実力が確かなこともあり、今後の事も考えてシアーシャは臨時で他のパーティーに加えてもらって集団行動を行うことに。

 

そうするとジグは手が空くわけですが……。以前知人となった冒険者のイサナから子ども誘拐事件の捜査協力を頼まれることになって。

専門分野とは言えないものの傭兵である以上、仕事であるならばと全力を尽くすジグが好きですね。揺らがない軸があるキャラは好きです。

まぁ傭兵として荒事を経験してきたのもあって、ここが異邦だからというのを抜きにしても彼の常識って時々歪なんですけどね……。

 

「人殺しを楽しんでしまう」という性癖を持ったライカを相手にしていた時とか顕著でしたけど。魔女シアーシャを受け入れたように、異質とされる相手にも「そういうものだ」という認識で受け止めているのが強い。

そして、今回シアーシャが単独でいるシーンも描かれていましたが……思った以上にジグ大事にしているというか、彼女の寄る辺になっていてちょっと怖くはなりましたね。

ジグ、傭兵家業を続けている関係もあってどうしても荒事に参加することにはなるし。魔物の異常行動などいろんな異変が起きている中で良く巻き込まれていたりするしで、簡単に生死の境をさまよいそうな気配がありますが……。そうなった時、シアーシャがどうなってしまうのかという不安が。長生きしてくれ……。

 

謎の双刃剣使いが冒険者を斬る、という事件が起きて特徴的な武器菜性もあってジグが疑わる一幕もありましたが。

仕事に関して他言は出来ないというスタンスを崩さず、相手に必要以上の被害を出さずに抑えたジグはお見事でした。

肝心の事件は関わることもなく終わるかと思いきや、護衛対象にちょっかいを出してしまったばっかりに刈られることになっていましたが。まぁ、遅かれ早かれではあったでしょう。

シアーシャがジグに懐いているのが微笑ましいので、2人の関係を今後も見たいものですね。

 

魔女と傭兵1

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「悪いが、お前の事情に興味はない」

(略)

「俺が興味あるのは、お前に、仕事に見合った報酬が払えるかどうかだけだ」

 

魔術を操り、人知を超えた被害を齎す存在、魔女。

かつては魔女の怒りを買ったことで、一夜にして滅びた国すらあったという。

そんな魔女を殺そうと貴族が出兵。過去の討伐隊が誰一人として戻らなかったことから、領主の私兵意外にも民兵や傭兵などを集めに集めて挑んだようです。

メインキャラの一人であり、タイトルの傭兵部分を担うのが『ジグ=クレイン』。彼もまた貴族に雇われて魔女を殺さんと現地に赴いた一人だった。

 

危険な相手だろうと、前金は受け取っているのだからと果敢に攻め込んでいくの良かったですね。体格の良い彼が使っている武器は、それに見合ったサイズと威力で……あとロマンもあって良かったですね。

ジグは歴戦の経験などもあって、標的であった魔女ことシアーシャの命に手がかかるところまでたどり着きましたが。

魔女との激戦の中で雇い主であった領主の息子が死亡。これでは残りの報酬は受け取れないから、と魔女を殺せる距離だったのに「これ以上は仕事じゃないから」と殺さない選択を取って。

……その態度に思う所があったのか契約解消してフリーになったジグを、シアーシャは自分が雇いたいと言い出すことに。

 

魔女の身の上話には興味がないと言いつつ、報酬があるなら仕事は全うする。ジグ、公私の線引きがハッキリしているというか、自分が干渉するラインを見極めているので結構好きなキャラですね。

彼らの住む大陸全土で忌避されていると言っても良い、「魔女」という存在に雇われることも厭ってないですし。雇われた後は、彼女のためになるように動いていますし。

彼がした提案が、この大陸で忌まれているのならば、別の大陸に渡ればよいというもので。技術の発展で、今まで渡れないとされていた異大陸へ渡れると目され、調査船団が出ることを知っていたジグの提案にシアーシャが載ることに。

 

そして実際に、異大陸にはたどり着いていたわけですからお見事です。えぇ。技術発展ってすごいですね!

……まぁ、異大陸ではジグ達の故郷では魔術が御伽噺の存在となったように、歴史の中で消えていった魔獣と呼ばれる狂暴な獣が生存していて、調査隊ほぼ壊滅したんですが……。

 

情報が何もない中で孤立することになったジグとシアーシャでしたが、2人とも戦闘技能は確かなので、そこまで不安はありませんでしたね。実際、調査隊が壊滅した騒動の時も、無事に生き残っていましたし。

傭兵として多くの出来事を見てきたジグは数百年単位で引きこもっていた魔女に比べれば、対人関係なんかにも気を配れる人材だったのもありがたい。

 

異大陸ならではの事情もあって、異なる文化に戸惑うことも多々あれど、少しずつ人の世界に踏み込んでいけているのは良いですねぇ。

異大陸ではヤバい傭兵が多かったりしてジグが衝撃を受けていたり。魔獣対策がメインの冒険者と呼ばれる職業が広く受け入れられていて、シアーシャがそれに参加することになったり。有能だから色々と注目を集めることになったり。

イベントには事欠かない生活を2人は送っていくことになります。いや、評判いいのは知っていたんですが読むの後回しにしてしまっていたシリーズで……実際面白かったですね。私は好きです。



春夏秋冬代行者 秋の舞 上

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「俺も貴女が平穏に暮らせないことが辛くて許せません」

 

大和では春の代行者が季節顕現の旅を続けている時期。

秋の代行者・撫子は、『春の舞』・『夏の舞』の騒動を経て刷新された侍女と護衛を伴って、花見をすることになって。夏の陣営から護衛犬が派遣されていたりして、楽しそうな日々を送れているのは良かったですね。

……ただし、そんな中で護衛官の竜胆は忙しそうにしていた。それは外交部から持ち込まれたとある厄介ごとが原因で。

 

海外にある「橋国」の代行者から交流したいという要請があり、それが秋の陣営に持ち込まれていた。

雛菊が8年行方不明になっていた時期の様に、トラブルが起きた時に応援を頼める「互助制度」というのがかつてはあったようですが。異国に赴いた代行者が危害を加えられる事例があったために、大和ではその制度を放棄していた。

そもそも海外は大和よりも賊の活動が活発であることなどから、互助制度復活を狙う動きがあってそれに利用されかねないから、と竜胆たちはそれを受け入れないつもりだった。

 

しかし橋国も引かず……。春夏冬の陣営にも声掛けをしてきたし、最悪の場合は向こうがこちらにやってくるという提案までされて。

危険な地域に赴いて守るために尽力するか。過激な賊を招き入れる可能性を考慮してでも、迎え入れるべきなのか。最初に打診された秋が断ったことで、他の季節に迷惑をかけてしまった可能性。

そういういろんな思惑を考えた結果、再打診された秋陣営はそれを受けることを決めたわけですが。

 

いざ動く時に、夏の双子神の片翼である瑠璃と雷鳥、冬主従も出てきてくれたのはありがたかったですね。

季節の祖として、狼星は最終的に冬がその交流を受けるつもりだったみたいですけど。ただ、初手で提案を受けても軽んじられるから突っぱねたとか。そういった交渉のやりとりと、それぞれの季節を思いやった結果として、秋が受けてしまったのは悲しいすれ違いでしたね……。

 

春の誘拐事件を経て竜胆が彼女への愛を自覚するようになって、より大事にするようになっていたわけですが。

これまでの両親との距離感とかで示唆されていたものの、撫子が幼少期に置かれていた状況から、「良い子」であろうとし過ぎる彼女の在り方とで、秋主従の中でも微妙にすれ違いが起きていたのは、心配材料ではありましたね……。なんせ『秋の舞』の主役なわけですし。

橋国側のトンデモ要求をはねのけたり、今の竜胆は必死に主を守ろうとしていますが、最初期はそこまで必死ではなかった。そのことを知っている父との会話を撫子に聞かれたのも痛かったというべきか。

 

橋国での出来事がメインではあるけれど大和残留組である春主従とかの視点もしっかり描いていてくれたのは嬉しかったですねー。

瑠璃と狼星が初対面の時のいざこざを引きずってここまで来てましたが。季節の祖としての冬には、必要な態度というものがあるというのを、瑠璃が一緒に外交の場に出ることで感じて、少し態度が軟化したのも良かったですが。

……そうやって大和側が協力していてもなお、異国の地というのはなかなか動きにくいですよねぇ……。最後が不穏すぎる。

凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ1

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「――これは、予感よ、ソフィ。彼はそのうちすごい探索者になる。誰もが凡人ってさげすむ彼はそのうちきっと、星すらも超える探索者に。痛快でしょ?」

 

ダンジョン「バベルの大穴」が現れた現代世界。

そこで探索者として活動している味山只人は、指定探索者の中でも52番目の星と呼ばれる女性アレタの補佐役についているものの、当人には才能の輝きがない……タイトルにある「凡人探索者」であった。

 

最も、彼は少し前の探索で「耳の怪物」と戦って生き残った折に、特異な力を得たことで国の組織から注目を集める対象になっていた。

アレタの補佐であり、彼女から期待されている上に彼女自身も惹かれてる気配がなければ、即座に実験対象にされていた可能性がある危険な立ち位置でもありましたが。

でも味山が特異体質を得たの、「全世界同時に起きた記憶障害」の時期みたいで、それって1か月前なんですよね。味山、それ以前から探索者していたみたいですし……。

なんならその力を得たタイミングであろう「耳の怪物」との戦闘中ですら、アレタに対して「これは俺の探索だ」と言ってしまえる、尖ったメンタルを保持してる人物だったわけですが。

 

味山が得たのは耳の力。「ヒントを聞くことのできる」結構便利な能力ですけど、「それはお前の10倍は強い」とかそれじゃねーんだよ! みたいな情報もチラホラ出てくる、ユーザーフレンドリーではない設計ではありますが。

結局は扱い方次第で、重要なヒントくれることもあるので、そういう意味では味山はかなり上手く「耳」と付き合ってる感じはしましたね。

ちょっと耳が良くて、制限付きながらブーストも出来るけれど、あくまで素のスペックとしては凡人探索者に過ぎない。それでも、やりたいことがハッキリしているタイプというか、追い込まれたときに我を通そうとする在り方は見ていて楽しいので好きです。

あとルーチンなのか、戦闘時に端末に対して「味山只人の戦闘記録~」って定型の宣言をしてから戦いに望むの、地味ながら好きな描写ですね。

 

アレタが味山のこと結構気に入っていて、同じように粉かけようとする女性陣相手に毎回威嚇しに来てるの、飼い主を取られまいと威嚇するペットみたいな味があって可愛いと思います。

そこまでするなら早く付き合えば? とか思いますけど。あと、味山に惹かれてる女性陣誰も彼も個性が強いので、そのうち彼刺されると思います。刺されてもなんだかんだ生き延びそうだけど。

そもそもその威嚇しに来てるペット、国相手に脅しをかけて相手の譲歩を引き出せるくらいの爆弾を抱えた指定探索者という、この世界におけるトップランカー、なんなら怪物寄りの存在なんだけど。

 

この作者さんの作品、ダンワルこと『現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで!』から読んでいて、繋がりを感じる部分もありましたね。

ダンジョンと探索者という設定とか、人知竜っていう単語が登場したりだとか。

この作品の気になるポイントとしては、プロローグがめっっちゃ不穏な気配しか感じないところですかねぇ。

現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで!1

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「やることがたくさんある。めんどくせえ、だがその全てがたのしみだ。その全てが俺の欲望に繋がる道だ。道中の苦労、困難、試練、それを達成した時の悦び。ああ、そうだ、その全ては俺のもんだ」

夢を叶えるために超えるべき試練、それらすべては挑む者にのみ与えられる報酬でもあるのだ。

 

魔物が蔓延るダンジョン「バベルの大穴」が観測された現代。

そこではダンジョンに挑む探索者という職業が生まれており、主人公の遠山鳴人もまたその一人だった。

上級探索者になりベテランと呼ばれてもおかしくない位置にいたが……仲間を逃がすために残り、致命傷を負ってしまって。

さらには沈殿現象と呼ばれるダンジョンの異常にも巻き込まれ、死ぬことになったわけですが。彼の在り方を超常の存在が面白がって、異世界に放り込むことに。

 

遠山はゲームなどで切り札を出し惜しんだ結果、使わずにクリアしてしまうタイプの人間であり、自らが死に瀕した際にも切り札の使用を躊躇ってしまったこと。

死の間際に、叶えたかった欲望を思い返していたこと。異世界で覚醒した直後は、死の間際に夢を見ているようなものだと割り切っていたこと。

覚醒したタイミングの遠山が、異世界の冒険者たちに奴隷と扱われる境遇だったこと。精神は現代のもので、異種族への偏見がなくリザドニアンから上手い飯をもらったこと。

様々な要因が作用して、遠山は異世界で自由に強欲に戦うことを決めた。

 

一方でそんな遠山に多大な刺激を受けることになるのが、蒐集竜アリスだったわけですが。

異世界においてトップクラスの実力をもつ竜。異種である彼女は、その力ゆえに孤独を感じていた。

ちょっと興味本位で冒険者の狩りにちょっかいを掛けようかと思ったら、それが遠山が蹂躙した冒険者一派の作戦で……混乱に満ちた場所において彼女は、面白い行動をとっていた遠山と、彼と連れ立って逃げたリザドニアン・ラザールに試練を与えることにしたわけですが。

 

ラザールの決断も、遠山の決断も好きだし。その行動の結果、遠山がアリスに興味を抱かれることになって。

竜が殺されることは、すなわち竜の番が決まるということでもあって。異世界側の人物たちは戦々恐々する羽目になって……。遠山も逃げようとはしたものの、一度は捕まって。相手の強さを踏まえた態度を取っていたけれど、最後の譲れない一線を侵されそうになった時には、対抗も辞さない覚悟があるの好きですね。

自分の中にハッキリとした軸があって、自分の行いによって起きるデメリットにもある程度自覚的で(異世界の常識に疎くて騒動引き起こしもするけど)、戦い抜く姿勢を示す遠山は結構好きな主人公ですね。

超常の存在に与えられた矢印の導きに頼るときもあるけれど、自分の方針にそぐわない時は、「従うかよ」って抗ってくれるのも個人的にはポイント高い。

 

遠山を異世界に送り込んだ超常の存在、大分きな臭いというか。推定:彼女は、ダンジョンの事を「私の箱庭」と呼んでいるし。「貴方」と呼ぶ人物に執着しているっぽくて、遠山に『貴方』になりうる可能性とやらを見出してるし、いろんなナニカが干渉しているのを把握しているっぽいし。

遠山は異世界に放り込まれそこで様々なイベントに遭遇することになりますが、どこまでが掌の上なのかは気になるところ。

 

ダンジョン内部で発生したサブクエスト「あるいは懐かしき再会」で出会った人物も、遠山を知っているような素振りをしていたりしたし。

彼を興味深く見ている人々の台詞、読み返すといろんな含意があるんだろうなぁというの、創り込まれた世界観の気配を感じるので、書籍版読了後にはWEB版も見に行きたいですね。

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)5

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「れなちゃんって…… ……誰にでも優しいよね~」

「それ紫陽花さんが言う!?」

 

真唯に誘われてファッションショーの見学に行ったり、意図せず彼女の母と遭遇したりしてるの面白かったですね。

高名な人物がれな子より背が低いの、なんか良いなぁ。……「それで抱かれたの? それとも抱いたの?」とか唐突に聞いてきたりする、面白ウーマンではありましたね。

 

そこから帰宅したときに、妹の友人ズとバッタリ遭遇して、真唯ママパワーで株上がってたの笑えた。

動物っぽい髪飾りつけてる黒髪の子がデザイン的には好みでした。

ファッションオタクっぽくて、好きなジャンルについて語るときテンション変わってるの可愛いですよね。

 

コミカライズも、紫陽花さんとの交流を深めていくことになる原作3巻へと突入したわけですが。推しの紫陽花さん描写が増えてとてもニコニコしてました。

れな子と遊ぶの楽しみにして、ちょっと気合れちゃうところとか、ゲーム上手いれな子と弟たちが遊びたがって「もー!」ってなっちゃうところとか、あまりにも可愛いポイントが多すぎる。

原作と同じで、合間に視点が変わる「瀬名紫陽花さんのお話」が入ってるのもこだわりを感じて好き。

 

あとは40話扉絵で猫を見つけて、れな子の袖を引いてる紫陽花さんとかも良かった。41話の糸電話持ってるのも好き。ラーメン食べる時、髪型変えてるのもいいですよね……。

諸々あって家出を決めた紫陽花さんは「自分の知ってるところにしか行けない」というものであれど、行動指針は有った。ただ、押しかけ同行者のれな子はテンションバグってたのは本当にもう……「楽しいに決まってるじゃないか……」じゃないんだよ。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2

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「真昼」
「名前くらい誰だって呼んでくれるだろ」

「……それもそうですね」
「……周くん」


BOOKWALKERで電子版を購入してるんですが、カバー裏に書かれているイラストが収録されてるのは嬉しいですね。

真昼が可愛い……。あと、電子版でカバー裏の収録あるタイトルはちらほらあるんですけど、袖――カバー折り返しの著者コメントとかまで収録してるのは珍しい気がします。

構成担当の優木すずさんのコメントがとても笑えました。

 

これまでの交流から周がある程度信用を勝ち取れたのか、食費折半でなら出来立ての手料理を食べさせてくれることになって。

ありがたい提案にまず「それでいいのか?」的に真昼の意見を聞いてくれるのは偉い。

周の部屋でエプロンつけて料理してる真昼の様子がとてもかわいくて良かった。

ゴム加えて髪整えてる絵は小説1巻の挿絵にもありましたけど、漫画だとより鮮明に描かれるわけで。調理器具泣いてるコマとか、潔い周に嘆息するところとか、周が奥さんもった気分って照れてるところとか。

全体的に微笑ましい空気を感じ取れて可愛い。無言ジト目で「変なこと考えてません」ってなってるところとかもよかった。

 

おいしそうにご飯を食べてる周が良いし、彼の言葉を聞いて笑う真昼が可愛い。

巻末の書下ろしSSが「二人の関係性」で真昼から見た周の印象についての補完ができるので、それも併せてみるとニコニコできますね。

「頑張らないといけませんので」の時とか、時折真昼が影を見せる時もあるのですけど。

周がそれに気付きつつ無理に踏み込まないのも良い。

 

そうやって気遣いができるからこそ、周の近くにいるときに真昼は自然な笑みを零してくれるんだろうなぁって思えるのが良い。

ひょんなことから預かることになった合鍵を、初回とか特に大事そうに抱えたり。返す時ちゃんとハンカチで包んでいたり。いざ使用するときに躊躇いを経てから「えいっ」ってやる真昼が可愛くて、良いコミカライズを堪能させてもらいました。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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