気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

★5

川上稔短編集 パワーワードの尊い話がハッピーエンドで五本入り1

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川上稔先生の短編ですよー!!

今回も電撃文庫BornDigitalとして、電子版のみ。

カクヨム連載『川上稔がフリースタイルで何かやってます。』で一時掲載していた作品をまとめたものです(ただし『最後に見るもの』は2020111日時点で掲載中)。

短編集1~2巻は「ハッピーエンドのラブコメ」でしたが、今回は「ハッピーエンドな尊い話」。尊ければいいので、現代だろうとファンタジー世界だろうと何でもアリアリなのは強い。

 

個人的なイチオシは『ひめたるもの』。フリスタは不定期に掲載作品が出し入れされてるんですが、消えるタイミングを失念してて再読しそこねたんですよね……。いつでも読めるようになって嬉しい。

尊い話12だと1の方が好きな話多かったですけど、2も面白かったので是非読んでください!


各話ごとの感想は下記。


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BabelⅢ 鳥籠より出ずる妖姫

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「そうなんですけど。でも逃げても取り返しがつかない、失くしてしまって、きっと一生それを後悔するだろうって……そういう時があるんです」

(略)

だから退かない。

 

かつて文庫版が出ていた時、2巻で終わってしまったため描かれることが無かったキスク王女オルティア。麗しいわぁ……。

満を持しての登場に、目頭が熱くなりました。苦節4年? 5年? まぁそれくらい。
思い入れの大きさを加味して星5です。いやまぁ、普通に好きなエピソードではあるんですが。

 

でも、3巻サブタイトルが妖姫だったり、これまでの旅の中で悪い噂を聞いていた通り。

オルティアは、かなり気ままで理不尽な王族で。

ラルスも雫を初手で殺しにかかって来たり、その後も疑い続けたりしていましたけど。

それは、ファルサスに伝わる口伝を知るが故の態度だったわけで。……いやまぁ、性格がぶっ飛んでるのも否定しませんけど。

オルティアの抱えている闇は、ラルスの敵意が剣だとしたら毒のような感じで、じわじわと彼女自身をも蝕んでいた。

 

遊興を欲する彼女の前に立った雫は、エリクとの会話で気づいた「言語障害」に対策が打てる人員として自分をアピール。

1人の少女と一緒に生活しつつ、教育をしていくことに。異世界の知識を基にした教育を与えても良いものか、と迷いながらも出来る事をやり続けた彼女の戦いに敬意を。

 

結果を出したことで姫に気に入られて、側近のような扱いを受ける事になって。

オルティアの過ぎた行いに対して、雫が意見具申をガンガンしていくので、保護者の居ない状況で無理しないで……と凄いハラハラします。

ファルサスで塔から飛び降りた時もそうですけれど、「これ以上は退けない」というラインの見極めがシビアに過ぎるというか。

「退けない」ってことは「退かない」ってことだと、激痛に見舞われながらも意地を通す彼女の強さが光るエピソードでもありました。

 

正直に言うと、初見時のオルティアの印象は割と良くないんですよね。

横暴な王族って感じのものをお出しされるので。けれど、雫が立ち向かったからと言うのを加味しても、言葉を聞き入れる度量はあって。

彼女がそんな性格になった、過去の事件の事なんかも踏まえると、どんどん好きになっていく。雫が、彼女の背を押したくなるのも分かるなぁ。

 

新文芸は文庫2冊分の分量! と古宮先生がよくおっしゃってますが。

実際、ボリュームが凄いんですよね。雫とリオの試験対策に始まり、キスク内部の描写と十二家審議までやるので。

469Pの雫とオルティアのイラストが、偶然から始まった二人の培った、確かな絆を感じさせてとても尊くて好き。

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3 3年分の「ありがとう」だよ、先輩

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「――伊織先輩は、私のことなんて、早めに忘れてしまってほしい」

 

露店で働いていた少女、生原小織。

まなつによって、彼女こそが伊織が見舞い続けていた、「かつて星の涙を使った、眠り続ける友人」であったことが判明した後……

一旦店を閉めてしまうから、喫茶店にでも行っててよ、と言われて。

 

当然、事情の一部を聞いた灯火やまなつがそのまま帰るはずもなく。美少女3人を氷点下男が侍らせてる図が出来上がってましたが。

灯火とまなつが、適宜ツッコミを入れてくれるのがありがたかったなぁ。

結局伊織は一人で(当事者の小織を連れてはいましたが)星の涙問題にあたることを決めてしまって。

 

裏側で、友人として話をしようとしてるのが良いですね。まなつの「なんでそれで普段はアホなの?」とか笑えましたし。

今回は特に蚊帳の外に置かれていた二人ですが、その交流がこの後に続いてくれると嬉しい。

 

さて、眠り続ける生原小織。

彼女は星の涙の力を持って、ずっと夢を見続けている状態だとかで。

問題を解決するために、星の涙に願いを捧げた張本人に会うために夢の世界へ。

現実とは違う時間が流れている、夢の世界。そこは、夢であるからこそ、そうであれば良かった理想的な「夢」が広がっていて。

陽星が、伊織の親友であることを自覚して、その明るさを見せつけて来たりするわけですよ。

あり得ない筈の光景を見せつけられて、また伊織が頭痛を覚えていましたけど。彼の、星の涙に干渉を受けた時に見せる反応も、絶対起きるわけでも無いですし謎が多いですよねぇ。

 

小織回で、これを見せつけてくるのは本当に人の心がない、と言いたい。……心があるからこそ、的確に傷つけられるという説もありますが。

誰も悪い事をしていないのに、間違った場所に入り込んでしまっているのが、本当に救いようがない。

 

星の涙に願ってしまったという事実がなくても、いじめは生じていたわけで、誰かは傷付いたんだろうなぁ、と思えてしまうのが痛い。

電子書き下ろしのエピソードも、小織の過去を描くもので、どうしてそこまでするの? というか。誰がそこまでやれと言った感があって、思わず叫びたくなりました……えぐい。

 

小織の事好きで、さらに好きになりましたけど。……この終わり方だと、彼女が再び登場してくれるのか、悩ましいんだよなぁ。

少なくともリハビリに専念する事になるだろうし。伊織は、習慣になってる見舞いを続けるかもしれませんが。それはそれで、問題があるというか。

 

エピローグでついに登場したナナさん。

もったいぶった甲斐があるというか、胡散くささの極みみたいなムーブしてきて、そりゃ伊織も不審者と評するわけだ、という感じ。こういうキャラ、結構好きですけど。

それはそれとして、傷口に塩塗り込むような、衝撃の事実を突き付けに来るなよ。タイミングとか演出含めて最高に最悪だよ!

こんな極悪な許し、見たことないって思わず叫びたくなるくらいには、凄まじかった。

 

あとがきでシリーズもギリギリを飛んでるとか書かれてて、不穏ではありますが。

遠野くんも何か裏で動きだしてるみたいですし、4巻にも期待したい。

Unnamed MemoryⅤ 祈りへと至る沈黙

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「だとしても、ここから前に進む。ここ以外はない」

 

コミカライズ決定!!!

Twitterとかでは、折に触れ「コミカライズしないかなー」と叫んでいたんですが、正直Act.2に入っても音沙汰なく、完結が近づいてる状況で半ばあきらめの境地にありましたが。

マジかー。今から楽しみで仕方がない。久しぶりに電撃大王本誌購入の民になろうかな……出来ればAct.1の終わりまで続いて欲しいですが、新文芸だと量あるからなぁ。どうなるだろう。楽しみが増えました。

 

そして、今回も絵が良い! 表紙絵の、ティナーシャがオスカーに膝枕されている構図も尊いし、逆パターンの挿絵もあって福利厚生が手厚い。

あらすじにも書いてる、オスカーがついにティナーシャに求婚したシーンを口絵に持ってきているのもニクい演出ですよね。式典のあとだから、正装な二人がカラーで見られてもう最高です。

 

求婚するシーンが書籍化にあたって加筆され、オスカー視点になっていたのは嬉しい誤算。

機会を逃さず踏み込んでいく、果断の人ですよね……迅速に会いに行くためとはいえ、塔の外壁を上る辺り、あなた本当に王族かって感じですが。

王として私情を抑えていた。けれど、ティナーシャの立場が変わる目算が立つならば、話は別で……

 

プロポーズされた後、うだうだしているティナーシャも可愛くて好きです。感情と魔力を分けられていない辺りが新鮮。可愛いなー。答えを返した後のシーンが挿絵になっていたのも良い。赤面してるティナーシャも良いし、彼女には見えていないオスカーの表情が穏やかで、もう幸せにおなり……って感じです。

 

もっともその後、失踪事件が起こしたり、禁呪を使う国にファルサスが戦争吹っ掛けられて、禁呪排除の為にトゥルダールが介入したり。

過去に戻る魔法球について知るヴァルトからの接触や、邪神教団残党の復讐、上位魔族との戦闘とイベント盛りだくさんではあるんですけど。

魔女になりたがった女の起こした事件、WEBとはだいぶ毛色が変わってて驚き。結末は、苦いまま変わりませんが。

 

まぁ、色々起きていてどれも重大ではあるんですが。

やはり一番のポイントは、ついにオスカーが「断絶の呪い」をかけられた理由が明かされる所でしょうか。

沈黙の魔女が直々に乗り込んできている辺り、行動力が凄い。そして、彼女の真意が明らかになって、憎めなくなるのも良いんですよね。

 

そして次の6巻が最終巻となるのが、悲しい。あぁ、書籍化決定以来、夢のような時間だったなぁ……『Babel』のリブートや、冒頭でも叫んだコミカライズ決定があるので、まだまだ楽しめる時間はあるんですが。

それでも好きなシリーズの終わりは寂しいものです(まだ終わってないよ)。続きを期待し、お待ちしております。


ワールドトリガー22

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「へぇ……にのみやさん」

「つまんないウソ つくね」

 

ついに、修たちのランク戦が決着となる巻です。

孤立したヒュースを支援しようとするも、スナイパーに張り付かれていて失敗。

その間にも苛烈な攻撃は続き、ヒュースはじりじりと削られていくことに。

3チーム6人に囲まれてなんでこんなに生き延びてるんでしょうね。

 

そして、ランク戦が描かれるたびに、黒トリガー争奪戦時の迅さんの株が上がって行く。あの人似たような事をA級相手にやったんだよな……実力派エリートすごい。

あと東隊長も、ほとんどベイルアウトしてないっていってたし、落ちた時もこんな感じだったんだろうなと予想できる。

 

ランク戦楽しいので無限にやってほしいな。いやまぁ、この後に来るだろう遠征編も、ワールドトリガーだから面白くなること請け負いなんですけど。

その後、再度ランク戦が描かれるかは正直微妙なところだと思うんですよねぇ。玉狛第二がメインを張っていますけど、他のキャラクターたちもそれぞれ来歴があって、主人公になっててもおかしくないんだよなぁ。

 

中盤で明かされた、弓場隊長の『攻撃手キラー』の異名。そしてそれに対抗するために開発されたのが『生駒旋空』、と。

修たちはコレが初めてのランク戦ですが、こういうのを繰り返して来たんだよなぁ、先輩隊員達。密度が濃い。

 

ヒュースは、追い込まれていく中でも着実布石を打って、ギリギリのところで「隠し弾」であるところの変化弾を見事命中させてました。ここで、生駒隊長を落とせたのは大きい。

ユーマのグラスホッパー爆弾(がれき飛ばしたり)も中々ですが、それをエスクードでやって車吹っ飛ばしてる辺り容赦なくて笑う。

トリオン体だから、ドッキリくらいにしかなりませんけど、絵面が普通に交通事故じゃん……

 

二宮さんと千佳ちゃんの爆撃も、これ普通に無理ゲーじゃねっていう破壊力で笑えてくる。

最後の最後、玉狛第二と二宮隊の33になって、これまでの積み重ねをしっかり実践した、見事な勝利でした。それぞれの成長にちょっと感動した。

 

エピソード間に、エンブレム解説入ってましたが……とりまる先輩が、元太刀川隊ってマジですか。え、いつ頃の話。どういう経緯で玉狛に移動したの……

今のA級メンバーとランク戦していた時期はあるんですか。どこかですでに書いたかもってあるけど、初出では???

 

カバー裏。ランク戦が終わったここで改めて玉狛第二の初期3人+オペレーターに触れられるとか激熱ですね。

修の項目で、「師匠キャラがどんどん増えて、このペースだと2050年には3800人になる」って。BBFで隊員500名以上って書かれてるんですが、軽く8倍弱いますね???

2050年まで続くとボーダーそこまで大きくなるって予言ですか? ……そこまで増えてなお3800人に上(師匠ポジ)に行かれるメガネ君の気持ちを考えた事があるか。

……メンタルペンチだから、必要だと思ったらやるよな。うん。

 

空閑、千佳ちゃん、オペレーター宇佐美と成長やスペックを実感できる話でしたが……

小南先輩だけ、「身内贔屓を微塵も隠そうとしない立派な先輩」、「解説できるのか心配されていた」と書かれているのが、うん。小南先輩だなぁ……


聖剣伝説3トライアルズオブマナ 公式設定資料+完全攻略ガイド

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ゲームが好きなので★5です。

……というのは、まぁ半分くらい冗談ですけど。欲しい情報はたいてい揃うのでは。追加ダンジョンのマップは凄いありがたい。

……余りゲームをしないし、攻略本を買う事も少ないので、どのくらいの情報量なのか比較材料には欠けますけど。

 

最初にキャラクターごとのデータが掲載されてます。クラスチェンジの方向や、覚えるアビリティについて。

そしてシナリオチャート、マップデータと着て、アイテム・装備・特技などのデータ集が来て、後半三分の一くらいが設定資料集ですね。

 

マップデータでは、ゲーム内で登場したタイミングで掲載されてるので、キャラのオープニングで登場するアルテナや零下の雪原、ビーストキングダムのデータが前の方に乗ってるのは乗ってるのはちょっとした罠では。

地図画像だけじゃなく、ボスデータまで乗っているから特に。ただ、パッと見で情報が分かりやすいのは良いですねー。地図と道中雑魚のドロップ、ボスデータに絞っていて、雑魚のデータ(弱点属性とか)は後半に纏めている。

詳細データではドロップ確率も載せて差別化してましたし。いい塩梅だと思います。

 

資料集ではイメージアート。攻略本表紙にもある六人とフェアリーがマナストーンの前にいるやつの他、デュラン・アンジェラ、ケヴィン・シャルロット、ホークアイ・リースの別ルートそれぞれに用意されてるのは嬉しい。

2人ピックアップのも素敵ですが、六人そろってる画が良いんですよねぇ。マナの樹の前に六人が立ってる画とか素敵。

主人公たちのデザインも掲載されていて、クラスチェンジごとのイラストが見開きで見れるのは楽しい。

死を喰らう男のデザイン画(表情)は判別難易度高すぎませんかねぇ!?

 

ゲームそのものの話。

スーパーファミコン時代から好きで好きで、何周もしていたんですよね……懐かしい。

ある意味で評判になった聖剣2のリメイクには手を出してないんですが、3リメイクに関しては、昔の雰囲気を壊さず今風のゲームにしてくれて、個人的には大変満足。


ただ、画面サイズは調整させて欲しいな……テレビとPS4の設定いじっても微妙に見切れてドロップアイテムとかが微妙に分からない。「○色アイテムの種」になる。うーん、なに色かなぁ?! ちくしょう。
そんな感じで不満点もあるにはありますが。それも踏まえて好きだから推しなんだよなぁ……速攻で3ルート制覇しました。楽しかったです。

聖剣伝説3 TRIALS of MANA 公式設定資料+完全攻略ガイド (SE-MOOK)
スクエア・エニックス
スクウェア・エニックス
2020-04-24

異修羅Ⅱ 殺界微塵嵐

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「キュネー。俺には願いがあったんだ。……馬鹿みたいな願いだ」

(略)

「馬鹿みたいでも、ずっとそうしたかった」

 

1巻同様大量の加筆が入り、WEBとは別物になった第2巻。

WEBに殺界微塵嵐なんて出てきませんからね……どうしてこうなった。

新キャラ新展開を入れて、これ以上ないと思っていた熱量を更に高めていってるので、ご無理のない範囲で続けて欲しいと思っております。

 

本当の魔王による爪痕は未だ濃く、平穏な時代は遠い。

今は黄都が力を持っていますが、それに抵抗する旧王国主義者も居るし、魔王自称者だって残っている。

黄都が進めている、勇者を決めるための戦い。それに参加させる修羅達の選考も順調に進んでいます。

 

今回登場の修羅だと、地平砲メレが好きですねー。巨人の射手。ある村を見守り続けた、偉大な戦士。それでいて普段は冗談を口にして笑う、彼の在り方はとても輝いて見える。

新キャラではやっぱり戒心のクウロが一番好き。優れた五感を持った修羅だったが、その感覚を失いつつあるキャラ。

……正直、2巻の犠牲者枠筆頭だと思っていました。予想以上に格好良かったし、まさかキュネーともども生き残るとは思っていなかった。裏切られた……いや、悲劇的予想は裏切られていいんだよ!

 

新エピソード「殺界微塵嵐」。ある地方で信仰されている、全てを微塵にする砂嵐。

今回の敵は災害という事で、どう描くのかと思っていたら……いや、丘をすり潰すとかどんだけだ……

登場キャラ達が、それぞれの事情でこの嵐に立ち向かう事となったわけですが……。修羅が易々と一丸となって戦えるはずもなく、おぞましきトロアと窮地の箱のメステルエクシルとのバトルがあったり、今回も混戦著しかったですね。

 

そして、ロスクレイとルクノカ、思った以上に関わらなかったな! 

表紙をよく視るとこの二人、中心にある微塵嵐とは別方向見てるので、伏線だった感じもしますが。え、そうだったら凄いなクレタ先生。

ロスクレイの戦法が、本人は思うところありそうですけど、手を抜いてなくて気に入ってます。「絶対なる」という二つ目の名が重い。

今回は後書き1ページという事で、かなりあっさりしてましたが。
オチまで完璧なコントのようで笑った。ネタの引き出しが多いな珪素先生。
次巻予告がなかったのがちょっと残念ではありましたけど。
もしあったら嘘予告世界でかい野菜大会とかになってたんだろうか。いやまぁ、既存修羅だったら

異修羅II 殺界微塵嵐
珪素
KADOKAWA
2020-03-17

七つの魔剣が支配するⅤ

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「……優しいものが……優しいままで、いられるように……」

 

2年生に進級した6人。たった1年ではあるけれど、この魔窟ではそれはかなり大きな違いで。

剣花団の中では未熟なカティやガイが、一年生達に優しい先輩している姿とか見られたのは新鮮でしたね。下級生は微笑ましく、先輩側は頼もしく見える。

ピートを交えた三人での迷宮探索とかもしてましたが、成長著しくても、まだまだ青い部分もあるというさじ加減は誠実でいい。

 

6人が食事を一緒にするけれど、それぞれ興味の方向も違うので、図書館行ったり自分の研究・研鑽に励んだりという別のつながりがあるのも、学園モノしてて楽しいです。

カティはミリガン先輩、ガイは迷宮美食部。ピートはオルブライトに目をかけられているし、エンリコ先生にも注目された。ナナオは箒競技で競い合っている。オリバーは、同志たちとの交流がある。

 

……シェラの交友が見えてこないのが、ちょっと不安と言うか。オルブライトとか居るにはいるんでしょうけど。先輩とかとの絡み余りない印象。まぁ彼女の場合は、ナナオにちょっかい出している父親がキーパーソンではあるんですよね。

彼の父君は、意図を持ってナナオを引き込んだ。そして、校長先生の頭痛にも察しを付けている。さらに今回シェラから聞いた話によれば。クロエとの交流まであったようですしね。ナナオとオリバーの対立の可能性ばかり気になってましたが。魔道の深淵をしる家だからこそ、彼女との決別もあるのかなぁ、とか少し考えてしまった。

 

あと、今回地味に驚いたのはこの世界の天文学と異端の話。

異端狩りについては、時々名前が出ていたと思いましたが。てっきり、魔に呑まれた魔法使いの処理だとばかり思っていましたが。もっとヤバい何かだった。

 

標的を定め、同志と下準備をこなし、ついに復讐の第二幕が開演。

ダリウスの時とは違い、同志の協力のもと作戦を実行。七年生を交えた三十二人に囲まれて、優位を取り続ける辺り怪物と言うほかない。

調査と準備をしてなお隠されていた手札で状況は変わり、一手ごとに対策を求められる。まさしく攻略せんと挑み続ける同志たち。

そして、彼らの戴く王としての姿をオスカーは全霊をもって見せ付けるのだ。

 

オリバーの事をまだまだ分かっていなかった。復讐の為に凡庸な才能を平均以上に持って行った秀才だと思っていましたが。今いる場所に辿り着くまでの道は、想像以上の苦難と罪過と血で満ちていた。

「……ノル。とっておきの、世界を良くする魔法を教えてあげよう」

かつて母が望んだ、今は遠き願い。復讐の道を選んでも、その為に犠牲を積み重ねようとも。心根が優しいままであった。

 

もし何か一つでも変わっていたら。あぁ、その空想はとても優しく温かく……現実はそうならなかった冷たさばかりが刺さる。怨敵に最後、蛮行の理由を聞く彼の在り方が、悲しくてならない。

エンリコが魔道建築者としての顔だけではなく、教師としての顔を見せていたのが印象的でした。研究者であり教育者なんですよね、アレで。

彼が最期に残した忠告は、金言ではありましたが、止まれない彼は望むことができるんだろうか。

なにしろオリバーは、既に覚悟を決めて闇に身を置いているのだから。剣の花が散るのは、きっと避けられない。……避けられないとしても、それが彼の救いになってくれればと願わずには居られない。



Unnamed Memory4 白紙よりもう一度

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「本当に……貴方なんですね」

 

Act.2が幕を上げる、待望の新刊ですよ!!

1巻が出た当初は先が見えず、Act.1だけ書籍化して終わって愉悦するなんて話も見ただけに、感無量です。

今回もchibi先生のイラストは素敵ですし、加筆修正もあって満喫しました。

章タイトルが掲載されているページに、ミラのイラストが掲載されていてちょっと驚きました。やだ思ってた以上にかわいい!

 

章が切り替わったという事で、装丁も変化してますね。

13巻はタイトルが黄色で、背表紙から裏表紙にかけて紺色というか。作品に則っていうなら夜になった空と同じ、オスカーの瞳のような感じでしたが。

4巻ではそれが反転した上、表紙の文字が白になって、サブタイトルの「白紙よりもう一度」と言うのを改めて突き付けられたような気持ちになりますね。

表紙に居る二人も、また視線が合わない立ち位置になってますし。あと、今回分厚いですね。「無言歌」から「見えない貌」まで収録されています。え、これ定価で良かったんですか。

 

以下、本編の感想です。

ネタバレしてるので予防線。Act.1読了後に読まれることを推奨します。

……まぁ、あらすじからして、ネタバレ気味ではありますが。

 


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さよならの言い方なんて知らない。3

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「もっと気楽に、受け入れてもいいだろう? 生きてるのは幸せで、死ぬのは不幸だ。こんなことにどうして、理由がいるんだ。当たり前に信じていいだろう?」

 

ついに刊行された、架見崎シリーズの新章、書き下ろしの第3巻。

架見崎で最強と目される月生に対して、「平穏な国」と「PORT」が行動を開始。

2チームで共同して、月生を倒すという作戦。

さすがに以前、香屋が言っていた「登録名:月生のプレイヤーを倒す能力」ではありませんでしたが。

 

最大のポイントを持つ月生に、真っ向からは敵わない。そして、協力するとは言っても、ただ一人にポイントを集めて無効化するのも現実的ではない。

そこで、それぞれが能力を取得し組み合わせることで発動する、と。

平穏の前ナンバー2が進めていた交渉で、新しくその座に就いたトーマも、作戦実行に向けて動いて。香屋は人質のまま、できる範囲で情報を集めた。

小規模なチーム同士の争いはあったが、大手は準備に励み1ループが終わった。

そして、切り替え時にそれぞれが能力を取得しついに幕が上がる。新能力が一気に羅列されてちょっとびっくりしたと言いますか、読みこむのに時間かかった。

 

月生が刺客を最初のうちは軽くあしらっていて、さすが最強と目されたプレイヤーだなと感心してしまった。

平穏もPORTも、状況を動かしている幹部クラスの面々がそれぞれに思惑をもって、出し抜こうとして。そんな中に、まったく無力な香屋が指し手として介入するって言うんだから、いやはや全く大したものだ。

ポイントは無い。戦闘能力も。勇気もカリスマも。香屋には何もかもがなくて、どこまでも臆病で……だからこそ、怖いし強い。

限られた情報しか持たず、それでも事態を動かせる彼は、活用できれば最強のカードにもなりそう。

 

ゼロ番目のイドラのこと。PORTの新キャラ達や、ユーリィ回りの話。

ユーリィの能力の活用方法は独特で面白かったですし、タリホーの思惑はなんなのかよくわからなかった。あとは、新キャラであるパンか。色々抱えてそうな気配がしました。今後の活躍に期待。

明らかになった情報がいくつかあって、増えた謎もある。

 

月生戦が3巻の見所なのは間違いないですけど、一番衝撃を受けたのはやはりトーマの秘密でしたね。

香屋も、秋穂も。そうとわかっていて、招待に応じたのか。架見崎に足を踏み入れたのか。

そしてそれを、今まで黙っていたのか。どうして、そんな事が出来るんだ。

秋穂に怪物と称されるのにも頷ける。そんな彼が架見崎で何を為すのか。続きを期待したいですねー。


プロフィール

ちゃか

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