気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

つるぎのかなた

つるぎのかなた4

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「ざまあみろこの馬鹿ども。……ちゃんと、宣言通りやってやったぞ!」

 

シリーズ最終巻。

悠と快晴は、それぞれ主将として部を引っ張ろうとしていた。

剣道から一度離れた悠の方が、実績を上げた事も合わさって、新入部員に恵まれて良好な関係を築いていたのが良かったですねぇ。成長を感じる。

 

一方で、「常勝」と謳われた快晴たちの方が腐っているのは意外ではありました。

顧問が変わったりと体制が切り替わった時に、波を乗り越えられずにしばらく足踏みをする羽目になっていたようで。

かつては挑まれる側だった彼らが、今度は悠達に挑むという構図は中々に熱かったです。

黒瀬と城崎が男同士でバチバチやりあってたのとかも良かった。

 

そして、悠を取り合う吹雪と史織の女のバトル。

お互い火花を散らしながら、近づいてくる他の女子をけん制したりしてたそうで。女の子怖い。ちっひがそれに関して憤りながら涙したのも、彼女らしくて良かったかな。

なあなあで済ませることなく、答えをしっかりと出したのはプラスですが。個人的にはもう一人のヒロインの方が好きだったので、そこは残念ではある。

未だ折れてないみたいだし、頑張ってほしいような気はするが、さて。

まぁ、全体を通して熱い剣道ものと言う軸はしっかり通っていて、主題が明確なので読みやすくはありましたね。
剣道、やったこと無いので結局最後まで試合パートの動きは良くわかりませんでしたが……まぁ、そんな感性の人でも楽しめたということで一つ。

つるぎのかなた3

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「大丈夫よ。……みんな分かってる。あたしも分かってる。だから何があっても誇りなさい」

 

2巻と対になる、第3巻。

前回は暑苦しい男たちの戦いが描かれていましたが……剣を手にした女たちだって、同じくらい暑いんだと。戦うためにここに居るんだ、という事が描かれていました。

後書きによれば、相当な難産だったようですけどねー。

帯の文句は「かわいいよりも、強いと言って。」。口絵にはその後に続く一文がありますね。

 

強い部分もあるし、弱い部分もある。人によっては逃げ出してしまうことや、目を逸らしてしまう事だってある。

けれど今、彼女たちはここにいるのだ。戦って、間違って、傷付いて。

そうして立ち止まったときに、見えていなかったものに気が付いた。そして、気が付いた後にはもう止まらなかった。

それぞれが前に進むために動いて、足掻いて。励まされたり、背中を押したり。

 

後書きで語られた、3巻のテーマ2つを真摯に描いてくれたと思います。未熟で青臭い青春模様は、とても輝いてる。

そして章間では、悠が部長となった後の8月の大会の様子が少しずつ描かれていました。うん、新しい形で戦う姿は格好良かったですよ。

4巻書けるかは不明瞭な感じみたいでしたが。もしかけたらそれが最後になる予定だとか。個人的には、続きを期待したいですが、さて。

 


つるぎのかなた2

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『分かった』

今、決意と共に改めて、その言葉を噛み締める。

『俺が、お前たちの大将だ』

 

団体戦。敗退すれば3年生は引退となる大会。

悠は、剣鬼として仲間を鍛える道を選んで。その標的となっている「常勝」秋水も、その重さを背負い練習に手を抜くことはなく。

先輩方の縁というか意地のために、大会前に秋水相手に出稽古をすることに。

 

大会が近いという事もあって、手札を伏せようとしたり暴こうとしたり。お互いに画策してましたが。

瀧本にしてやられてた悠は、剣道強いけど、まだこの辺りは苦手みたいですねぇ。

でも、悠はそれを必死にやったんですよね。苦手だろうと、泥臭かろうと、嫌われる事になったとしても。

 

集中しすぎて千紘とかにはちょいと仕返しされたりもしてましたが。

その努力の成果が見られる、団体戦。熱気がこちらにも伝わってくるような、迫力がありました。

帯にもあらすじにも書いてあるので触れますが。秋水と藤宮との戦いの果て、涙が流れることとなるんですが…

あの場面は、圧巻だった。そうだよな…勝負すればどちらかは負けるわけで。あの涙は、悔しくてそれでも、目を離せない美しさのようなものすらあった。

快晴も悠も、勝ち続けた末に化け物のように言われていましたが。

まだ高校生なわけで。彼らの人間らしさが描かれて、胸にこみ上げてくるものがありました。

 

いやまぁ、人間味があろうがどっちも剣道星人なの変わりませんけどね!

むしろ、悠が剣道復帰したことで、瞳は上段解禁するし、乾兄妹は互いに悠贔屓でテンション上げていくし。剣道星人レベル、急上昇しているのでは???

大会前に藤宮の男子組が焼肉食いに行ってる場面は笑えました。「この罪は重い」からの流れが特に。「こんなの、あまりにひでぇっス……」って八代の台詞がツボだった…。



つるぎのかなた

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「うん。わたしは、強いよ」

 

25回電撃小説大賞の金賞受賞作。

2月頭から発売するまでの間全文公開のキャンペーンをしていて、そこで読みました。

正直それまでは、手を出すつもりもなかったんですけどね。懐事情とか積読が多いとか、まぁ諸々ありましたし。

スポーツもの、ましてや剣道となるとあまり読まないジャンルだったので。

いやしかし、読んでよかった。キャラが立ってるし、剣道はよくわからないままですが……勢いと熱が凄まじかった。

 

かつて最強と呼ばれながら剣を捨てた神童、悠。

けれど、幼少期から振るっていた剣は彼を逃しはしなかった。

新たな友との出会い。旧知の頼み。そして、昔交わした約束。

それらが彼をまた剣道に呼び戻し――さらに先へと進ませてくれた。

 

悠に強く影響を与えたのは乾兄妹でしょう。あちらはあちらで刺激されてますけどね。

それぞれの部活仲間も個性が光っていて、短いシーンながら印象に残ってる部分が多いです。

様子がおかしい吹雪を心配した友人の「何もしてないのにこわれた~!」ってところとか。

「スピード三輪車じゃ意味ねぇんだよ!」って場面がやたら笑えたし、その後の『一番頭悪そうなコーデした奴が勝ち選手権』をノリノリでやってるところとか。

 

メインキャラで言うと悠が剣道星人すぎて「いつか刺されろ!」「刺せそうなヤツ知ってたら興味あるから教えて」って返すところとか。

乾兄妹が悠の試合動画を何度も見返してニヤニヤしてたところも、似た者兄妹だなと思えて見てて微笑ましかった。

 

サブキャラの登場シーンも多くてそこが結構魅力的。

今回は特に乾兄妹との絡みが多くて、カラーイラスト貰ってる史織がちょっと押され気味だった感じがしたのは残念。

とはいえ、キャラとしては吹雪の方が好きなので、吹雪にはこの調子で頑張っていってほしいと思ってしまうんだよなぁ……うーん、度し難い。


つるぎのかなた (電撃文庫)
渋谷 瑞也
KADOKAWA
2019-02-09


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