気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

ねじ巻き精霊戦記

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン12

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「死に方とは生き筋によって導かれるもの。しかしながら、人の生き方は決してひとつきりではないのであります。小官は兄と同じく、騎士として生き、騎士として死ぬことを望むのでありますが――ミアラ殿はどうなさりたいのでありますか?」

 

帝国、共和国、ラ・サイア・アルデラミンそれぞれの思惑によって成立した三国会談。

その場に、共和国は瀆神者と教会側から忌まれているアナライ博士を引っ張ってきて。

一体何を考えているのやら、と思いましたが。そのあたりの事情もしっかり序盤で説明が入ったのは良かったですねぇ。

 

仮にこのまま帝国を滅ぼしたとして。その後、教会と共和国の関係はどうなるのか。

教会側の行動に不審な点があり、隠している手札を暴きたかった、とか。

それ以外にも教会があの帝国の狐に位をくれてやっているのは何故なのか、とか。

イクタと共和国宰相がお互いどんな思いを抱いているのか、とか。

途中で、ジャンがアナライ博士の弟子となって以降初となる対面をしたイクタとジャンが「お前は弟弟子、兄弟子を敬え」「ふざけるな」と言う感じのやり取りを始めたのは笑った。立場ある男どもが、会談やっている地でなにしてるのか……

そうした各陣営の考えとかがしっかり描かれた、会談らしい会談だったと思います。序章は。

 

三国会談はアナライ博士の独壇場、みたいな感じになっていましたが。

そこで精霊たちが一斉にある問いかけを発して。その問いの答えを求めて、三国はそれぞれ協調して行動する事に。

1つの問いに答えると、次の問いが出てきて。その度に正解を探し動き回ることに。

道中、イクタとジャンがそれぞれの過去を語り合う場面や、ミアラとルカーンティの模擬戦と兄語りなんかもありました。それぞれ魅力的なシーンだったんですが……

 

精霊たちの最後の問いに答えた先に、明らかになった真実のインパクトがすごすぎた。

え、これファンタジー戦記だと思ってたんですが、SFだったの!? と言いますか。

タイトルに込められていた意味が明らかになると、いつから想定されていたのか、と驚愕が。いや、タイトルに織り込まれていたように最初から何でしょうが。

女性キャラが多いのはラノベ的なアレじゃなかったんだ……って部分にも驚き。さて、色々と事実が明らかになり佳境も佳境ですが、え、ここから戦争するの……? とどういうゴールにたどり着くのか先が見えな過ぎて怖い。




ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅩⅠ

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「うん、いや、言ってることはよくわかるよ。どういうやり取りがあったかまで八割がたまで想像がつく。あなたの怒りはもっともだ。だから遠慮なく存分に、あんな危険物を官職にねじ込んだ僕の歴史的迷人事を罵ってほしい」


今回はイクタが復活した事によって、何とかバランスを取り直した帝国の内政編。

狐が相変わらず好き勝手していたり、以前から言われていたように傾きかけの帝国の延命措置な感じで、盛り上がりには欠けましたな。

……イクタが投与した劇薬、文官ヴァッキェが本当に劇薬だなぁ、と。見ていて怖い。

 

凝り固まった空気を壊したり、苛烈な女帝シャミーユと距離を縮めたりして、決して無能ではないんですけどね。

初対面の狐にも物おじせず絡んでいって、イクタが「あの狐から常識を疑われるという未曽有の経験」をする羽目になっていました。

いや凄い。こっちの寿命の方が縮みそうだ。ヨルガも大変だろうなぁ。

 

シャミーユとイクタは出来るだけ一緒にいるように行動していましたが。

流石に四六時中行動を同じくするわけにもいかず。別行動中に、中々厄介な状況が発生していましたが。

狐が跋扈している以外にも、ああいうのを見ると帝国崖っぷちだなぁ、と思います。

最もアルデラ教団の方やキオカの方に運営ぶん投げられるほど安心できるかっていうと、あっちはあっちで不穏というか火種に事欠かないからなぁ……

 

アルデラ教団との交流が途絶した隙を縫って、帝国でも爆砲を採用したり、キオカと水をあけられた技術格差の穴埋めにイクタが励んでますが。

そんな折、教団とキオカと帝国の代表による三国会談が持ち掛けられて。

様々な思惑からそれを飲み、イクタとシャミーユが赴いてましたが……そこにアナライ博士まで紛れ込んでいて。

え、この御仁ヴァッキェとは別方向で引っ掻き回すことしかしなそうなんですが、何で連れてきた共和国宰相……!

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅩ

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「味方としての『彼女』への信頼より、敵としてのイクタ・ソロークへの警戒がこの状況下で勝った。加えて、その認識が正しかったことまで結果が証明してしまって――」

言葉を続けながら、彼は無意識に両のこぶしをきつく握りしめ――飲み込みかねたように悪態をついた。

「――Hazgaze(ふざけやがって)!」

 

あぁ、彼が帰ってきた。

もうこの巻の感想はこれに尽きてもいいぐらいです。

炎髪の彼女が消えてから。騎士団の形が崩れてから、残された者たちはそれぞれ何とか戦い抜いてきたわけですが……

 

ハロの暗躍がなかろうとも、元々下り坂の途上にあった帝国は崩壊していた可能性の方が高く見える。

皇帝と騎士団の温度差からもそれが伺えましたが……イクタが戻ってきたことで、これまで溜まっていた鬱憤を見事晴らしてくれた。

 

不眠の輝将に追いやられていた状況から見事持ち直し。

ハロの問題に向き合い、答えを出した。

多少甘い解決になったとみることもできますが……まぁ、主人公復活回だし、これぐらいいい目を見てもいいんじゃなかろうか。

狐が未だに残っていたり、問題が解決したわけではありませんが。復活したイクタが元帥に任命されたことで、色々と状況も変わってきそうな予感がします。

 

帝国は崖っぷちだし、キオカも別に理想郷ってわけではないんですよねぇ。

パトレンシーナや輝将の扱い方からしても、執政官は大分食わせ者ですし。

これで北方の教会の猊下が只人のはずもないし、あちらは三国会談を計画してるみたいで色々と動くかなぁ。

帝国に残っていた「アナライの弟子」が文官として登用される運びとなったけど……イクタはまた随分個性的なの連れてきたな。

劇薬という事ですし、上手く狐捌いてくれるといいんだけどなぁ。あの狐毒呑んでも平然としてそうだから怖いよなぁ……

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)
宇野朴人
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-07-09
 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅨ

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それは永遠に尽きない悔恨で。彼がついに辿り着けなかった眩い夢の形で。

でも、喪われなかったものがここにある。彼女が彼女としての残した想いがここにある。

彼が何よりも守りたかったもの。ヤトリシノの心は、確かに生きてここにいる。

だから、もう――死んだふりはやめて、歩き出さなければ。

 

キオカによって目覚めたパトレンシーナによって、いいように引っ掻き回されるマシュー達。

いやはや、本当幽霊としては優秀すぎるというか、厄介にすぎるよなぁ。

普段は善性が表に出ているから、疑う事も出来ない。で、いざ蓋を開けて見れば容赦ない手を影から売ってくるというんだから。

 

……エルルファイの背景を知ったときにイクタは激昂してましたが。

今のハロの姿を見ても同じように怒るのではないだろうか。

帝国の腐敗具合も相当で、狐を上司として仰ぎたくないという気持ちは痛いほど分かる。

けれど、キオカがアルデラ教の総本山が帝国と比較してどれだけマシか、と言うとね。

彼らは彼らで闇が深そうですからね……特にハロ達を拾い育てた人物なんかはかなり真っ黒な気が。

 

今回は目覚めた幽霊と輝将、そしてアルデラ総本山の策略に帝国側が振り回されるばかりでしたね。

訓練を重ねていたトルウェイが合流して、何とか持ち直してましたがマシューも結構危地にいますし。

その状況で、イグゼムとシバが動いて。後宮にいた「彼」を引きずり出し、たたき起こして。ここからひっくり返す手を打てるのかどうか。

彼の復活を告げる戦いとして、舞台は整っている感じはありますし、次回が楽しみです。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (9) (電撃文庫)
宇野朴人
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-04-09
 

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅧ

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「運命、か。わしには頷けんな。それは科学の言葉ではない」

「魂のように、ですか。けれど、僕はその実在を疑いません」

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「あの地獄でただひとり、僕だけが生かされた――それが運命でなくてなんでしょうか」

 

女帝として君臨したシャミーユ。

バラバラになりかけた帝国を、どうにか回しているようですが……その手法は「恐怖」を用いたもので。

当然それに反発する勢力なんかもいて。中枢に住まう狐も未だ健在で。アイツは本当にろくな事しないな……どうかさっさと狐の目論見を崩して、痛い目見せて欲しいんですが。

 

騎士団も重用されて、位が上がっている状況。マシューなんかは、彼女と接するときに怯えを抱くようになっていて。

トルウェイは逆に、ヤトリが……イグゼムが居なくなった穴を埋めようと、研ぎ澄まされているようです。

イクタは、半身を喪った反動で未だ動ける状況になく。

 

この状況で、彼女が動かされてくるって言うんだから敵も容赦ないなぁ。

あとは、亡命したとは語られていましたが、不眠の輝将とアナライ・カーンが出会い、意気投合するとは、どこでつながるか分からんものですな。

 

しかしまぁ、帝国は狐の暗躍もあってかなり危険な状況ですが。いくつかの国が合わさって出来たキオカもまた歪ですな。

複数民族がまとまった国であるが故に、それぞれの思惑があって。過去を懐かしむ勢力による反乱なんかも起きる状況。

不眠の輝将はかなり重宝するカードのようですが……上層部は、彼を英雄として使い潰す気満々なのが見て取れる。

科学者との出会いが、彼にどう作用するかはわかりませんが……帝国の狐とかに比べて嫌いなキャラでないので、彼なりの着地点が見いだされればいいなぁ、とは思います。

 

まぁ、一番は歩みを止めてしまっているイクタに、どうか動き出してほしい、という願いがあるんですが。

これまでの全てをかけて必死に行ってきたことが、結実せず半身を喪った彼が、立ち上がれるのかは気になるところです。

 

天鏡のアルデラミン ねじ巻き精霊戦記 Ⅲ

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「ようこそ! 科学の世界へ!」

 

電撃文庫のコミカライズ。

丁寧にコミカライズされている印象ですね。まだ微妙に原作1巻終わってませんし。

ここで話が切れるっていう事は、少なくとも原作2巻まではコミック化されるんでしょう。アニメ化も決定していますし、できればそのまま続いていってほしいところ。

 

今回は丸々、模擬戦について描かれています。

1話目で小隊を預かり、準備して本番という流れ。

トルウェイの兄貴たちに目をつけられたイクタたち騎士団は、現役士官+ヤトリという厄介な相手との演習をすることにさせられて。

……レミオンの兄貴たちは陰険な手を打ってくるなぁ。ヤトリだけ敢えて引き抜いているあたり特に。

 

イクタは過去の経験と、これまでの行いもあって、最初は隊に受け入れられませんが。

演習を上手い事利用して、とりあえず仕事を得ていました。

怠けきれないあたり、彼の性根の真面目さがうかがえるというか。

最もそれも彼流にいうなれば、正しく怠ける為に働くべき時には働く、といった感じですかね。

それにしても騎士団がそろっているこの時が、如何に貴重な時間だったか。最新刊は積読の山に埋もれたので早く読みたい。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃コミックスNEXT)
川上泰樹
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-10-09


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅦ

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「乾杯しようか。君の堕落と、僕たちの勝利に」
「ええ――乾杯」


もう、言葉もない。
イクタとヤトリの間にある、分かちがたい絆。
いつかその源泉を見てみたいとは思っていました。
信頼するに足る相手。己が半身。
そんな想いを抱くに至る経緯は、納得できるだけのボリュームがありました。
でも、だからこそ、これは無いでしょう。
戦場にそれを求めるのは愚かだとわかっている。
けれど、それでも引き返せない一手を打って行動を起こした結末がアレではイクタが、誰もが救われないじゃないですか。

幼少期、わずかな時間ではあったが、密度の濃い時間。
バダとイクタが計画していたヤトリの堕落。
「一つ覚えておいてよ、ヤトリちゃん。おれの持論の中でさ。これだけは絶対に譲れない。――すべての子供には、夢を見る権利があるんだ」

なるほど、昼行燈と揶揄された過去を持ち、それでいて大将になるだけの器は確かにあったんじゃないでしょうか。

なぜイクタが帝国から離れないのか、閑職とはいえ司書をコネで回してもらってまで、落ち目の国に残牢としていたのはどうしてなのか。
結局それは、これまでに語られていた通り、ただ一人のため、だったわけです。
イクタの熟女趣味についても、その根幹となる要素が描かれていて。
少し予想から外れてはいましたが、イクタの母はかわいらしく、そして強い人でしたね。

イクタの父が戦犯として裁かれた理由も、過去のイクタたちは推察してました。
しかしまぁ、本当にどうしようもないほど、ボロボロなんだな、この国。
そりゃあ、レミオン派も立たずにはいられなかったんじゃないだろうか。
過去の回想を踏まえて、イクタとヤトリの話には文句のつけようもないのですが。
元帥は、もっと何かできなかったのだろうか。彼だって内心悩みはしていたみたいですが。

イグゼムは確かに強い。最強の剣士であるのかもしれない。けれど、前回イクタがレミオン大将を軍人として最適化されていて政治家向きじゃないとか言ってましたが。
イグゼムは、最強でありすぎるあまり、孤立し、ただの「権力を護る装置」になってしまっていないだろうか。
この点ばかりは、狐の言い分に納得してしまう。頭が固いとかそういう次元の話じゃない。
ここまで騒動が大きくなって、喪って、もう二度と戻らないものがあるというのに。
狐狩りに失敗してしまったのは、悔やんでも悔やみきれない。

戦記モノとしては、文句のない一冊では、ありました。
結局ライトノベルだし、どこか甘い夢を見ていた部分もあるかもしれない。
何とか無事に着地できる未来があるのかもしれないと、想っていた。
こういう決別というのは、痛くて苦しくて、辛い。けれど、心に残って止まない。
ここまで積み上げてきたものをすべてひっくり返すような展開を書くのは、作者だからこそ辛く、けれど書かずにいられなかったことなんだろうか、なんて。

狐狩りには失敗する、柱は失われ、最後には「破壊」と共に記される王が君臨する。
ただでさえ、下り坂に在った帝国ですが、これはもう歯止めが聞かないほど壊れてしまったんじゃないでしょうか。
後はもう転がり落ちて、チリの一つも残らないほど、砕かれていく未来しか見えない。
これで新章が秋ってのは酷だ……

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (7) (電撃文庫)
宇野朴人
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-03-10

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