気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アリストクライシ

アリストクライシⅢ With you

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「私は君の傍にいる。エリーゼ。君がどんな決断を下してもだ……ただ、私にはある望がある。どうかそれだけは叶えて欲しい。エリーゼ、私には幸福が分からないんだ」
私は、それでも、きみには笑っていてほしい。君にだけは、幸福でいてほしい。
いついかなる時でも、ありとあらゆる幸せを、私は君に味わってほしいんだ。
「そのためなら、私は何でもしよう。君がどこにいようと、私は君のために生きるから」


物語の終幕。
後書きでぶっちゃけられていましたが、打ち切りコースだそうで。
どうして打ち切りになるかなぁ……と残念に思います。
内容もイラストも悪くはないと思うんですけど。
個人的にもかなり好みな作品だったのですが。
やはり主流に乗ってなかったというのが致命的なのかなー。

こういうお伽噺じみた幻想的な雰囲気がある話って結構好きなんですけど。
まぁ、復讐譚なんで、お伽噺と呼ぶにはちょっと流血沙汰が多すぎますか。
エリーゼもグランも多少の怪我は何とかなるし、目的からいっても捨て身な時あるし。

閑話休題。
アリシアがもたらした情報によって訪れた街には、怪しげな噂が広まっていて。
今回は、噂として広まっていた吸血鬼騒動と少女義賊の話でした。
死体と不穏な空気と、義賊として活動する少女たち。
アリシアのほかにもユージーンの側近が出てきて状況を引っ掻き回したりしてましたが。
エリーゼが抱く復讐の炎が、エリーゼ自身を傷つけている時に、グランが不器用ながらに言葉をかけている場面がよかったかなぁ。

剣と銃で殺せない敵などいくらでもいる。
奪うものはいつか奪われる。
それでも足を止めない彼らの果てとは。
一体この二人の旅路がどういう結末を迎えるのか、見届けかった想いは尽きませんが。
謎が残りながらも、読了後、モヤモヤするのが少ない。
最後の方にいいシーンが挟まっていたからですかねぇ。
伏線張るだけ張ってここで終わりかよ! って投げ捨てたくなるような終わりではなかったのは好印象。
グランではないですが、この復讐の旅路の中で彼らに幾許かでも幸福があらんことを祈ります。
それは、二人が分かたれない限りは続くものだとは、思いますが。

アリストクライシIII with you (ファミ通文庫)
綾里けいし
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-08-30

アリストクライシⅡ Dear Queen

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「女王を信じる兵が、人ではないのは当然だろう? 抗わない者が、人間なものか」
(略)
「化け物に抗わない者など、ただの駒だ。人は人としての誇りを勝ち取って、初めて人になれる。人の身に甘んじ、何もしない人間を……僕は人だと認めることはできないよ」


復讐の旅を続ける、エリーゼとグラン。
一つの領地を滅ぼした彼女たちが次に目指したのは、100年前に村ごと滅び、しかし今もなお人を呑み込むという噂が残り、立ち入り禁止とされた森だった。
その場にあった領地に踏み込んだ二人は、『穴蔵の悪魔』の領地において、永遠に続く戦争を行わされている『人間』たちの姿だった。

相変わらず、悪意を描くのが上手いといいますか。
致命傷ではない限り傷は癒されて、また次の戦争へと繰り出される。
永遠に続く拷問のような場所ですね。
そんな環境にすら、人間は適応してしまうというか。
実際、『穴蔵の悪魔』には人間で太刀打ちできないんですけど。
心を折られ、奴隷のような境遇に甘んじている存在。
途中から登場してきた、相変わらず正体不明の自称「人間の味方」ケンジーは、彼らを人間に含めるかは微妙、といった旨の発言をします。
ケンジーと、ケンジ-の属する組織にもなにやら思惑があるようですが、いつ明かされますかね。

イラストのように、綺麗な世界ではなく、残酷さをはらんでいるけど、エリーゼたちの道行きは尊いと思いますけどね。
復讐に生きているはずのエリーゼが、今回の『穴蔵の悪魔』、ローレルとローエンに向かって、「嗤うな」と自らの意思を突きつけるシーン。
アリストクライシであるはずなのに、彼女はどこか人間臭いといいますか。
「人間の味方」であるケンジーがいろいろと介入してくるのもそのあたりが原因なんじゃないですかね。

決してハッピーエンドではないんですよね、今回も。
しかし、地獄のような村から、殺伐とした戦いを経て、脱出したとき。
その時見えた空は、本当に美しかったんじゃないでしょうか。
重くて暗い展開を重ねて言って、最後に待っているものすら悲劇的であろうと、この作品は綺麗な世界を描いているといいますね、俺は。
逆説的に美しさを教えてくれる、っていうのはあれですけど。
悲劇があろうと、折れずに、目的を掲げて誇り高く生きる姿は、人を引き付けるってことですかね。

エリーゼとグランの二人のコンビが好きなんですよね。
今回はエリーゼがメインだったので、グランの出番があまりなかったのが残念ですけれど。
ノエルとグランの会話は見てみたかったんですが、本編で描かれなかったのは残念。
ただまぁ、ノエルとの出会いでなにか考えることがあったようで、次はグランメインの話になるんですかねぇ。
楽しみです。

アリストクライシII Dear Queen (ファミ通文庫)
綾里けいし
エンターブレイン
2013-11-30

 
プロフィール

ちゃか

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