気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

カクヨム

フラレた後のファンタジー1

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「君はもう少し生きてから、生きる意味を考えるべきだよ」

言い切ってすぐ、視線を正面に戻す。彼女が僕の言葉をどう捉えたかは分からない。何も感じていなくたって、構わない。これは僕の勝手な誓いだ。

 

主人公のロジオンは、幼なじみで恋人であるユーリと共に故郷を飛び出て冒険者になった。

剣士としての才覚に溢れた彼女がどんどん先に行くのについていこうと、彼女を守ろうと重戦士として奮闘してきたようですが……。

そんな恋人のユーリは、別の男についていくことを決めてしまった。そのことでロジオンは一度心が折れて、故郷に帰ろうとするわけですが。

 

その道中で、訳ありで襲撃を受けている少女・シェストリアを保護することに。

シェストリアの元々の同行者は襲撃によって命を落としましたが……最期にロジオンにシェストリアの事を委ねて。

依頼を受けて報酬を受け取ったから、と自分の命を軽くみつもってしまう悪癖のあるシェストリアを守り、彼女の未来のために必要な選択をしようとするのが真面目ですねぇ。

 

自分の故郷に連れ帰ってしまうとシェストリアはロジオンから離れられず、自由を得られないから最適ではない。

話をしていたらシェストリアに魔導師の才能があることが分かり、学園のある都市へと連れていくことにして。ロジオン自身は魔導を使えないけれど、基本の知識くらいはあって。道中教わった程度で使えるようになっているシェストリアの才能は、なるほど素晴らしい。

良いところの生まれだったシェストリアは洗濯とかの家事・炊事も当初できませんでしたが。旅の途中で色々と学んでいこうという姿勢も見えるようになったのは良かったですね。

 

魔導都市に到達してみたら、伝承にだけ謳われるような怪物の目撃情報が出ていたり。

通常の入学のタイミングがちょうど過ぎたところであったり、不運というかなんというか。怪物の討伐にロジオンが協力することで、シェストリアの入学について便宜を図ってもらえることになったから、最終的にはプラス……なのかな?

ロジオン、通常の魔導によらない不思議な力を持っていて、それについてのアドバイスをしてもらえたりもしてましたしね。……それがまた別の問題を呼びそうではありますが。

ロジオンとしばらく一緒に活動していたガエウスから、ロジオンの不運は筋金入りだと言われているので、前々からこんなんだったんだろうなぁ……。

黒幕令嬢アナスタシアは、もうあきらめない 二度目の人生は自由を掴みます

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「いずれの死も、残された者が紡ぐ……死は一人称ではない、二人称だ」

 

ヴィノクール伯爵家という伝統ある家の令嬢アナスタシア。

彼女は優秀な令嬢であったが……女であったこともあって、家の方針を左右できる立場には立てず。兄のケインが主なかじ取りをしていたが、彼には後先考えずに大言壮語する悪癖があり……いろんな策謀に踊らされた結果としてヴィノクール家は没落の危機に瀕していた。

出来る範囲でそれを回避しようとしていたアナスタシアでしたが、それが無理なことを察した後に、体調不良により死亡。

 

……したはずが、気が付いたら十七年前。アナスタシアが十三歳だった時代に戻っていた。

彼女は横暴な兄やそれに味方する母に負けない、自立した女性として自由に生きることを決意。十七年の間に培った知識・経験を活かして、望む未来を掴もうと行動を開始することに。

兄から家宝の宝石を盗んだ疑いを掛けられた侍女を守るために、珍しくパーティーを主催してみたり。商会を立ち上げるために優秀な人物をヘッドハンティングしてみたり。

 

概ね上手くはいってましたが……例えば、兄が家宝の宝石を持ち出す事そのものは止められなかったり、父のとある決断について知った時には手遅れになっていたりして、なんでもは上手くいかないあたり、人ひとりで出来る限界を感じて良かった。

権威至上主義のウィリアム第一皇子と、聡明で新興貴族に支持されている第二皇子との間での火種がくすぶっている状況で、兄が踊らされやすいのも時代や環境的には良くなかったですねぇ……。

 

二周目においてアナスタシアは奮闘の結果、良い未来を掴んではいましたが。良い感じになっている人物、一周目においては彼女の家を切り捨てる決断を下した側なんだよなぁ。やむにやまれず、という雰囲気は出してましたし。2周目では助けてくれてますけども。初手の印象を微妙に引きずってしまったのは良くなかった。

まぁ敵側がより分かりやすくヘイト買ってくれてたので、やり直しの王道展開で読みやすくはありましたね。


アラサーがVTuberになった話。4

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「私には同期がもういませんが……同僚には恵まれたなって思っています。特にこのメンバーは本当の同期みたいにって言うと失礼かもしれないですけれども――」

「馬鹿野郎。失礼もクソもあるかよ。そこは『俺たちを同期みたいに思ってる』、それで充分だろうが」

 

相変わらずなかなか登録者数は伸びない者の、彼自身はのびのびと活動しているVTuber神坂怜。

同僚には恵まれていて、後輩に御影くんが来たことであんだーらいぶ男子組も4人になり、モンスターを狩るゲームだったりを4人プレーで楽しめるようになったのは良いですね。繋がりが広がっていってる感じが実に良い。

 

同業他社で働くかつての後輩と食事に出かけた際、お土産の為にカップル偽装をしたことで妹ちゃんに問い詰められる一幕が発生したり。

エロゲ案件からのつながりで、ラジオ収録に参加することになって。お互い察しはついていたけれど、声優・葵陽葵とVTuber・神坂怜の中の人が「初対面」をすることになったり。

続編が出ることになったので再び体験版配信案件をすることになったり、というのはちょっと笑える良い繋がりですけど。

 

同期デビューするはずだったが、トラブルで即消えていったハセガワ氏が別の箱の企画でVTuberとして復活しそうな気配があり……さらにはそれを面白がった勢力によって投票工作まで始まる騒動に発展したり。

妹ちゃんの友人でもあり、VTuber十六夜真として活動している少女の周囲でちょっとごたついてる話があったりするのは、良くない流れではありましたねぇ……。

 

でも、そういったときに頼れる先輩がいるのは本当にありがたい。

真嬢の問題解決について、WEBだと怜がベストだと思った方法が割とサクッと採用されていたと思いますが、書籍化にあたってそこが掘り下げられていましたね。

一度却下されてしまうけれど、柊先輩の行動が一大ムーブメントとなって、最終的に問題解決に寄与してくれる、という。

あとがきにもありましたが、柊先輩が業界トップの男性VTuberであるというのが良く伝わってくるエピソードでした。普段ガチャ爆死してるシスコン面白魔界人なのに、締めるところでは締めてくれる格好良さもあるのは、そりゃファンも増えるわ。

 

怜、妹の雫ちゃんに対して愛が大きすぎるのは……まぁ彼の個性として置くとして。実際、お菓子作りだとかアレコレでスペック高いし、声も良いっていう武器になりそうなものそこそこあるのになんであんなに伸びないんですかねぇ。

……定期的に虚無配信してるのと、飛び火しての炎上で固定アンチがいるからかな……。



ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~8

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「〈エデン〉はいずれSランクになるギルドだ。やる気があって実力もアル。そんな人しか受け入れられないぞ?」

 

順調にダン活ライフを堪能しているゼフィルス。

彼の率いるギルド〈エデン〉のメンバーも、時に暴走するゼフィルスに負けずと突っ走ってる状況ではありますが。

近く、中級中位のダンジョンに挑むにあたって、カルアの装備が乏しいと話題になって。すわ爆速進行の弊害かと思ったら、カルア、自分の報酬の多くを食費に注ぎ込んでいたと聞いて笑っちゃった。もうちょっと貯蓄しようや……。

 

初めてオークションに参加して装備を新調したり、ラナの好物のジュースをセレスタンから謎の資金援助を受けて落札したり。

他愛無いはずの事でもワイワイ楽しそうにしてるの、良いですよねぇ。新装備のカルアの挿絵があったのは良かった。可愛い。

レア度高いけどエデンでは使わないアイテムを納品して、ぬいぐるみという報酬をゲットして、ほとんどのメンバーが感動してたのも微笑ましかったというか。

仲も良いし、可愛いキャラたちが可愛いもの愛でてるシーンも多くて、なんか見ててホッとする。

 

新たに加わったメンバーであるミサト。彼女はこの作品で定期的に登場する掲示板の住人と交流があるキャラだったわけですが。

そこの伝手も駆使して、エデンの新規メンバーを募集する大面接会を開催することになって。注目度が高いこともあってゼフィルスが頭を抱えることになってましたが。

条件ややこしいの多いのに、ゼフィルスが干渉することなく「歌姫」についている子が居たりして、エデンメンバーが飛びぬけているのを置いても、優秀な人員が多いですよね子の世代。

毎度爆弾を投下するゼフィスルの育成論講義の影響も結構ありそうではありますが。

 

上に向かって止まらずに突き進んでいるのが〈エデン〉である一方、激変の時代において落ち目に入ってしまうギルドというのも出てきて。

メルトの所属していたギルドなんかも転職に飛びついて戦力減したことでメルトに見限られてましたしねぇ。Aランクギルドのテンプルセイバーは、エデンによって注目を集めた「馬車」のレシピを求めて上位ギルドに挑んだ結果、自分たちの作戦の核を成すアイテムを失ってしまって。

 

そのことで下位ギルドのギルマスが、ギルドの枠からあぶれるメンバーを早い段階で逃がすなんて事態も起きていたわけですが。

そのおかげで、ゼフィルスが「竜が居ない」とされている作中世界で御伽噺にしか見られない「竜騎姫」になりたい、という育て甲斐のある人と出会えたわけですから、何が影響するかわからないものですなぁ。

ゲーム知識を持っているゼフィルスにかかれば、その夢は叶うの確定してるんだよなぁ。良かったね、と早めの拍手を送っておくことにしましょう。

 

電子版特典SSが「ハンナのノエルさん、ラクリッテさん、アイギスさん案内回!」。ハンナも順調にエデンに染まってしまってまぁ……というのが分かる回でしたね! スラリポにハマりすぎたのもありますが……。溢れるほどの魔石とは……。

地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~2

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「脅したのはあなた達でしょ? 私は聞いただけ」

(略)

「もう話はない? じゃあ、あなた達は私にケンカを売ったことの言い訳でも考えてなさいよ。ばーい」

 

前代未聞の千キロのアイテム袋をオークションに出品し、世界中から注目を集める黄金の魔女エレノア・オーシャン。

当然そんな存在を捨て置けるはずもなく、アメリカからAランク冒険者が派遣されてエレノアに接触してきたり、魔女の周りは話題に事欠きませんねぇ。

まぁ逆に注目されすぎているからアメリカは誘拐したりするのではなく、日本と国交のある立場を活かして上手く利益を取っていく構えのようですが。Aランク冒険者も、主たる目的は護衛みたいでしたしね。

 

……まぁエレノアが何気なく作った翻訳ポーションの「どの国の言語にも聞こえる言葉」が、三十年前にフロンティア人が接触してきた時に聞いたのと同じだったことから、彼女をフロンティア人だと誤解したから、という部分もありますが。

色々と世間を騒がせているけど、当人は「ミステリアス路線は成功だったわね。ミステリアスすぎるけど」と、大分楽観的なの笑っちゃうな。割と元からか。

 

隠密性能の高いハイドスケルトンだろうと察知して、首を狙える剣の腕があることもあって、近距離ならどうにかできるだろうみたいな感じで怪しいタクシーに乗り込んだりしてるの、危ういと思うんだけどなぁ。

……でも、実際に乗り込んだ結果上手い付き合い方に辿り着いているし。新たに持ち込んだレベル2の回復ポーションの交渉に議員が割り込んできても、魔女ロールプレイで蹴散らしていたしで、なんだかんだうまく乗り切ってるんですけどね。
ユニークスキル持ち、どいつもこいつもノリが軽いのもあってサクサク読めるのが良かった。

辺境都市の育成者5 神降りし英雄

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「そんなのないわ。貴方の下を去って大乱を外から眺め、そのまま特階位冒険者として生きていったとしても――」

(略)

「それは私が望む未来じゃない!」

 

プロローグが南方大陸での戦争風景。

十傑として名の上がる四剣四槍のルゼ・ルーミリアは奮闘したものの……同格の十傑2人を相手取っての戦は厳しく、敗北を迎えようとしていた。

そこにハルの弟子でもある拳聖ラカンと、戦争屋のスグリが参戦して状況を持ち直すことに成功してたわけですが。

 

北方大陸のハル達は魔人封印方法の目途がたったらしく、それ自体はめでたい事ですよね。タバサの成長を待って女神の涙の研磨を完了しないといけなかったり、することはあるけれど筋道が立ったのはありがたい。

敵の本気度も明らかになり、命を賭す必要があると覚悟を新たにする中で、逃亡した勇者を追跡していたエルミアが帰還。

 

勇者が南方大陸に渡ったのは間違いないこと。さらに、南方大陸での戦について情報を得た事から、ハル達も南方大陸に向かうことになっていましたが。

四剣四槍が侵された病を暴いて、危険な橋を渡りつつも復活への道筋を作ったりしているし。その過程でレベッカを鍛えたりもしているあたり真面目というか……状況がどれだけ動こうと育成者としての立場を貫こうとするハルらしいですね。

無茶したラカンはエルミアの折檻を受けることになってましたが……まぁ自業自得ということで。

ルゼの病状はかなり悪かったり、ハル達が訪問した時期はかなりギリギリのタイミングでしたが。それでも、可能な範囲で救ってみせたのは流石。

……まぁ敵の手は長いというか、色々やっている実験の成果が上がっていて上機嫌なのが気になるところではありますね……。



もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~3

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「兄上がやらかしてくれても良いのだぞ? 無論、その時はライブで!」

「いやいやいや。俺とミオンはもうちょっとこう、のんびりな感じのチャンネルを目指してるんだってば……」

 

本土ではワールドクエストが進行。帝国で第二皇子が第一皇子に反旗を翻して公国建国を宣言して不穏さが高まっている状況で、新たな街の開発と維持だったりが目的として提示されることになっていましたが。

 

無人島でのんびり生活をしているショウにとっては与り知らぬ話で。

ミオンとルピと一緒に無人島ライフを満喫してるんですよねぇ。制作スキルが高かったり、素材を独り占め出来たりするのもあってか、なんかベル部長よりも性能の良い装備創り上げたりしているし。

小屋の整備を進めてセーフティポイント増やしたり、より快適に過ごせる環境を作ったりしているし。また新しいスキルを獲得したり。これはこれでゲームを楽しんでいるなぁ、という感じです。魔法を活かして料理したりしてますしね。

 

その過程でなんかフェアリーとの親交を深めることになって、新たな住人として迎え入れることになっていたりして。

情報を小出しにしていくつもりが、自由なフェアリーがしれっと放送に映り込んでたの笑った。なんでセルフで公式がやったような「調教スキルネタバレ」みたいなことやってるの。スウィーが自由すぎるせいですね。

 

ゲーム以外だとミオンの母親とリアルで対面したり、手料理を振舞ったり。

彼女の家が事務所経営していたことで、名義上ミオンがそこの所属になった上で、ショウとミオンのチャンネルの利益をそこの子会社の売り上げということにしてくれることになったり、相談相手を用意してくれたりしたのは実際助かると思います。

また終盤にゲーム内でトンデモアイテム発見したりしてますけど、楽しんでるのでヨシ!


地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~

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『……魔女め! 貴様、何者だ!!』

『ふふっ。ご自分でおっしゃってますし、冒頭でも紹介してたじゃないですか』

(略)

『黄金の魔女……』

 

フロンティアと呼ばれる異世界と繋がった世界。

人々はフロンティアに許された範囲で、資源を求めた探索を行うことになって……。

現在は資格取得したものであれば、民間人であってもゲートを潜ってフロンティアに向かうことができるようになった。

厳密には異世界探索、なんですけど現代ダンジョンもの風というか。実際冒険者として赴いた時に、スキルとかレベルとか確認できるからゲーム的ですねぇ。

 

サブタイトルでざっくり序盤の流れが分かる系の作品ではありますね。

「明日から来なくていいよ」とクビになった主人公が、冒険者になることを決めて。ブラック上司とブラック企業滅びればいいのに。というのはさておき。

主人公の沖田君、学生時代にそこそこ付き合いがあった後輩少女のカエデちゃんと再会した時も覚えてなかったし、ノリが軽くて挑発的な言動もあるから、彼も癖が強いキャラではあるんですよねぇ……。

ブラック労働で病んでてボロボロになってる部分もあるっぽいですけど、ある程度は彼の素だろ……学生時代から知ってるカエデちゃんの反応からして。

 

父から剣術を教わっていた経験もあってか、レベル1で剣術スキル5とかあって素のスペックも高い方なのに、ユニークスキルで錬金術ってものを得てしまったのが、全ての原因だったというべきか。

初期レベルから回復ポーションのほかに、「性転換ポーション」なんてものまで作ることが出来て。さらにはその素材が水と小麦粉なんていうお手軽さで。

 

沖田君、ノリは軽いけれどさすがに本名でその特異さを披露するのは避けて、性転換ポーションで女性の姿を取った上で行動をとるようにしていたのは、良かったですけど。

規約ちゃんと読んでなくて不審な行動取るし、言動も緩いしで、カエデちゃんが受付嬢としてついてくれなかったら、もっと騒動になっていただろうなぁ……。

ちなみに本作の性転換ポーション、わりと高性能ですよね。ただ性別が変わるんじゃなくて、身長とかも変わって違和感のないスタイルになるっぽいですし。性転換時は別人の判定になるのか、「女性の姿で金髪に染めても、男性に戻った時は自前の黒髪のまま」とか変化の記憶効果があるの、地味に便利。

 

まぁ本人はお気楽なんですが数百円の素材で、数十万のポーションとか数千万のアイテム袋とか作れちゃうの、ヤバいよなぁ。支部長が頭抱えるのもむべなるかな。

これまでに存在しなかった大容量アイテム袋をオークションに出品し始めたり、他の人々も注目し始めましたが……「黄金の魔女」って異名は、わりと正鵠を射てる感じがしますなー。

魔法使いの引っ越し屋 勇者の隠居・龍の旅立ち・魔法図書館の移転、どんな依頼でもお任せください

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「隠居のために、信頼できる引っ越し屋を探していたんだ。すると君の魅せに辿り着いた。……ある噂を聞いてね。王都の郊外にある、魔法使いの引っ越し屋」。そこに行けば、どんな悩みを抱えていても素敵な旅立ちにしてもらえるとか」

(略)

「私のお客さんになった以上、勇者様の旅立ちも素敵なものにしてみせましょう」

 

平民にも関わらず王立魔法学園で名前をとどろかせた天才魔法使いの少女が居た。

様々な栄光と同時にはた迷惑な騒動を起こしたこともあったようですが、卒業後何をしているのかを知るものはほとんどいないとか。

なぜならその少女、ソフィ=イザリアは卒業後、誰にも行き先を告げずにふらっと姿を消し……なぜか魔法を駆使した引っ越し業を営んでいた。

 

と言いつつ王都に店を構えているし、同期で首席を争った少女が度々足を運んでいるから、最終的に国の一部には動向を把握されてそうですけど。

有象無象の注目からは逃れることには成功してるんじゃないですかねぇ。……難しい浮遊魔法を駆使して空から荷物運びしたりしてたので、そう遠くない未来に普通にバレそうな気もしますが。

後に彼女の持ってる称号が影響してそうだなぁ、という納得をしました。バレてるけど、放置されてるのか。

 

そんな彼女のところに持ち込まれるのは普通の配達ばかりではなく……。サブタイトル通り、勇者や龍といったトンデモ依頼人たちからの願いもあって。

魔王を討伐しその後50年も戦い続けている勇者に、「当時に出会っていたら間違いなく仲間にしていた」と言われるあたりソフィの才能はずば抜けてるみたいです。

……そりゃまあ普通は魔法にたけているからと言って、「屋敷丸ごと運ぶオプションもありますよ」って言われる想定はしないのよ。

国王は勇者の引退を認めてくれていたけれど、彼の実績を見て育ってきた宰相や騎士団長とかが反発して引き留め工作があったりもしましたが……それを踏み越えて引っ越しを成功させたのはお見事。

 

その後も、神獣の引っ越しを請け負ったり、特殊な魔法が作用している魔法図書館の引っ越しに関わったり。特殊な事例ばっかり引き受けて、その状況下での苦労も当然ありましたけど、その都度適した対応をしていっているのが、『時代の魔術師』という称号を持っているだけはあるなぁと感心してしまった。

魔法図書館の引っ越しで、失われた魔法の復活まで成し遂げていたのはお見事。核となる物を見つけただけで、完全再現まで出来たわけじゃないから……と発表を控えていたあたり、自分へのハードルが高いなぁ。
どの引っ越しにも物語があって、そんな引っ越し屋をすることになったソフィにもそれを志した過去がある。うん、1冊で良くまとまっている感じがして好きでした。

チュートリアルが始まる前に~ボスキャラ達を破滅させないために俺ができる幾つかの事~3

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「だから今、俺達が真っ先にやらなきゃなんないのは、アイツに、アイツの弱った心に、少しでもたくさんの栄養と休息(楽しさ)を与えてやることだと思うんだ」

(略)

「俺達がアイツの拠り所になるんだ。楽しい思いでをいっぱい作って、何も気にせずガキがガキらしく振る舞えるような、そんな、“実家のような場所”になるんだよ」

 

ユピテルの契約精霊ケラウノス。

とりあえず一回叩いて大人しくさせて、さらにアルの能力で封じることでユピテルに安寧を齎すことには成功していましたが。

彼女が抱えている問題を解決するには、ケラウノスを調伏……要するに力を示して新しい契約を結ぶ必要があった。

そしてそれには、契約者であるユピテル自身の頑張りも必要になる。けれど、彼女はそれまでの経験で精神的に傷ついていて。

 

凶一郎はそんなユピテルの拠り所になろうと奔走するんですよね。

そして凶一郎の姉はもっと懐が広くて、叔母さんも巻き込んで穏当に家族になりましょうって言いだすんだから良い人ですよねぇ。

 

未来について知っている凶一郎は悲劇を回避することを目的としているわけですが。原作の愛好家出会ったのも確かなんですよね。メインストーリーの関係者を自分の挑戦に巻き込んで、何かの間違いが起きたら困ると二の足を踏んでいる部分があった。

そこで「創作の話」という嘘を用いて、姉に相談した時に……万一のリスクは全員が負っている、『運命』を言い訳にしていると指摘されたことで、彼の武器がまた増えた感じがして良かったですよね。

 

お守りと称してユピテルにデメリット付装備を渡すことで、ステータス上げつつ敵にデバフかけてるの、有効手段ではあるけどバグ活用している感があって笑えましたね。

ユピテルの問題が解決した後、エリザからの相談を受けて原作知識を基にアドバイスをして。その結果、無事に解決できていましたが……エリザたちが雇った黒騎士に「不思議な知識を持つ存在」について知られて。

WEB読んでいると、良い交渉材料にはなりそうだなぁとは感じたというか。続きが楽しみになりました。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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