「そう。私は反逆者。人が死なないはずのこの地球で、人殺しを夢見る乙女なのよ」
今回はこの世界の醜さや汚さが上手く描かれていた気がします。
死んでも蘇るんだから、と慰め者にされたもの。口にするのも悍ましい行為を強要されたもの。
以前ネットで「高度に医療技術が発展した世界では暴力に歯止めがかからない」的な意見を見たことがあるんですが。まさしく、そんな感じで。人はここまで醜悪になれるのか、と思いましたね。
ウルティマラティオによって、どれほど傷を負っても、心が壊れてしまっても、老衰以外では死ねない。
これはロザリオが禁忌を犯して「人殺しの方法」を探すのも仕方なく想えてしまう。
現時点でも、バグを蓄積させてアマデウスを呼び起こせるので、その気になれば死ぬことは出来るんですよね。
ただ、彼女が望むのはそうした怪物や天災といった「逃れ得ぬ災厄による死」ではなく。
人が、自らの意思を持って為す、決着なのだと。
今のところエイジと敵対する組織に属している彼女ではありますが。
「黄金の夜明け」の主流派、ウルティマラティオの支配を強め世界征服をするという目的よりは共感できる。
エイジも、アマデウスによって故郷を失っているが故、ロザリオが目的に到達する過程でアマデウスが生じる危険性を無視できないのは分かりますが。
このままじゃ、ロザリオがあまりにも不憫なので、彼女に救いの手があってほしいものです。あと、今回振り回されて、見たくなかった現実を突きつけられたヘルミーナにも。