気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ハラカズヒロ

ログ・ホライズン6 夜明けの迷い子

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もっと儚くて、ささやかで、大事なものがアカツキを守っている。

新章開幕。
前回、自分の中に甘えが芽生えていたことに気が付き自信を失うアカツキの話。

アキバの街で起きた、発生するはずのないPK事件。
衛兵によって阻止されるはずのその行動が実行できたのはなぜなのか。
折しも、3・4巻で起きた『ゴブリン王の帰還』を完全に片づける為に、多くの冒険者がアキバを離れている最中だった。
円卓会議代表のクラスティもその遠征に参加していて、他の代表も何人か参加しているために、アキバに残っている円卓会議所属のギルドの負担が増している状態での事件。
冒険者は死んでも復活できる。そのこともあって、ある種のオカルトとして殺人事件は広まっていく。
ただ、放っておいていい理由にはなりえないわけで、行動を起こすところもある。
身内に手を出されたから、と西風の旅団のソウジロウも動く。
今回で大分印象変わりましたね。

「さて。ボクも先輩の後輩にくらい、少しは贈り物をしないと」


口伝周りのそれぞれの価値観だったり会話が、いい味だしてると思う。

そうした事件が起きている中で、アカツキは、自信のないままふらふらと、シロエに言われたから、とレイネシアのところに通っている。
クラスティが居ないこともあってか、彼女の周りには冒険者の女性陣が訪れお茶会をすることが増えていた。
迷いながらも通い続けて、そこで結んだ縁と絆が、彼女たちの力となる。

「ままなりません――」
「もう少し、どうにかなりませんか?……サービスしてくれませんか? 手加減――してくれませんかね」


嘆きを聞いたアカツキが行動し、ソウジロウに学び、そして、あの白い浜での静かな邂逅。
そこから、友達になっていく過程といいますか、自信を取り戻し、そしてその先へと進んでいく状況が綺麗なんですよね。

記録の地平線のメンバーが交流していくのが好きなので、その点では若干物足りない。
ただまぁ、アカツキの悩みとそれが解決に至るまでの流れっていうのは、良いものでしたね。
7巻で語られる裏側のお話も楽しみです。
個人的に一番気に入っているのは後半の戦闘の中でも特に、P290からの武器のエピソードですかね。

PK事件だけではなく、世界そのものに、新たな変化が生じているようで。
それが今後どう影響してくるのか、楽しみですね。


ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日

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「シロエくんはね。――“なんでもあり”の方が生きるタイプだろうね」
「彼は策士なんかじゃないと思うよ。なりふり構わず、手段を選ばず、一切の見返りを求めず、目的以外気にかけない。そういう状況では無類の強さを発揮する。あれは妖刀のたぐいだ」

五十鈴とルンデルハウスを仲間に加えた『記録の地平線』。
4人で始まったギルドだったのに、今ではその倍、8人も在籍している。
まぁ、一ギルドに焦点を当てれば小さな変化ですけれど。
大災害以降、そうして変化が出る程度には、時間が経過していて、その上帰還方法については未だ見当もつかないとなれば、この世界で生きていく覚悟を決めないといけないわけです。

そして人間が生きていくには、娯楽が欠かせない。
というわけで、ある程度状況が落ち着いてきたことから企画された、「天秤祭」。
アキバの冒険者たちが、この世界で初めて行う、プレイヤー主導のお祭り。
まさしく、日曜日、つまりは祝日といった様相です。

祭りともなれば、あちこちで恋の話題が咲くようで。
シロエの周りも華やかですし、マリエールの方にも春が来そうな雰囲気。
今回は、ミノリとアカツキのそれぞれの悩みが描かれていて、なかなか良かったと思います。
救出された恩と、そこから積み重ねてきたものを眩しく感じ、追いかけ続けているミノリ。
これで中学生っていうんだから、末恐ろしいもので。
一方でアカツキは、その身長によるコンプレックスがあって、それに縛られない関係を欲していた。
だからこそ、いざ得られたらその安寧に甘えてしまった、と最後には衝撃を受けるわけなんですが。
別に、安らぎを得ることが悪い事だとは思いませんけどねぇ。

ただ、祭りを行っているだけではなくて。
アキバとは別の形で落ち着きを見せたミナミの街からの攻撃を受ける、天秤祭。
シロエがそれに気が付いて、打った手っていうのがまたすごいといいますか。
なんですか、西風の旅団って、実は結構恐ろしいところですか。
目には優しいけど、近づいたら怪我じゃすまないような臭いを感じたんですが。

一番最後、シロエの元を訪れた、西の総領、濡羽。
彼女の言葉は、シロエをかなり困惑させ、悩ませましたが、一つだけ選択を間違えた。
大災害の直後だったら、シロエは濡羽に連れられて行ったかもしれない。
けど、彼は、覚悟を決めていたから。そこだけ読み違えてしまったのかと。
読んでいた時に、あのイラストには結構こっちの背筋にも来るものがありましたけど。
気合入れてますね。
さて、シロエと濡羽はなにやら、既刊の方法についての、なにがしかの意見というか考えを持っているようですけど。
それが明かされるときはいつになる事やら。
まぁ、気長に待ちます。


ログ・ホライズン4 ゲームの終わり 下

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「そんなに悲観することはありませんよ。死ななければよいんですから。そうすれば、記憶の剥落は起こらない。それに……」

(略)

――それに、もしそこに意義が見いだせないのならば、死よりも生の方が恐ろしいのは、どちらの世界でも一緒ではありませんか?

 

冒険者たちが忘れていた、定期クエスト「ゴブリン王の帰還」。

王の戴冠により勢力を拡大したゴブリン達は、その勢いのまま軍を動かす。

その脅威は、チョウシの街の新人プレイヤーにも、自由都市同盟イースタルの領主たちにも等しい衝撃を与える。

 

助けないですます理由ならたくさんあるのだ。

助ける理由がない。

しかし、助けたい気持ちは、ある。

 

と本文中に書かれていましたが。

新人プレイヤーたちが、冒険者として自由であるために。自分が自分であるために下した決断は結構尊いものだと思いますよ。

ゲームの世界だから、と割り切ることだってできたかもしれないのに。

そうやって楽な道に逃げなかったことは、素直に称賛されるべきでしょう。

そしていざ行動するとなったら、登場人物たちの頼りになること。

ミノリやトウヤ達新人プレイヤーも、この合宿で得たものを活かして行動してく。

そして引率だった直継やにゃん太も、ベテランプレイヤーとして、その経験に恥じない活躍をしているわけで。

 

新人たちが戦っている一方で、領主会議の方においても動きがあって。

対応の難しい問題にぶつかり、会議が硬直状態に陥った時のレイネシアの行動がまた素晴らしい。

大変だとわかっていて、怠けの虫をなんとか取っ払って、無力である自覚を持ちながら、それでも行動を起こしたことはすごい。

大地人が単なるNPCではないと、本当に実感できたのはこのあたりかもしれません。

 

円卓会議が布告したクエスト。

それを引き出したのが、ぐうたら姫であるというのは、中々面白シチュエーションですよね。

戦闘が多くて見どころも多かったですけど、今回はやっぱり最後のシロエの下した行動が見事だったかと。

ミノリの信頼に、余すところなく答えたその結果は、何か新しい火種を起こすのかもしれませんけれど。それでも、良い決着だったんじゃないかと思うわけで。

 

(ミノリが頼るのなら、助けなくてはならない)

それは意思ではなく、もはや前提だ。

 

そういう思考をできること、そして結果を導き出せること。シロエっていうのは本当に「腹ぐろ眼鏡」なんて二つ名が可愛く思えるような恐ろしさを持っているように思いますけど。それでも、格好いいんですよね。

やっぱ、この作品は好きです。

 

ログ・ホライズン3 ゲームの終わり 上

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「最近、耐久度が高くて使い減りのしない防御用の盾を手に入れたんです。敵と自分の間に挟み込むのにコツはいりますが、無理なく誘いを断れますから大丈夫でしょう」

 

新人プレイヤーの強化訓練…という名目を打ち出してまでバカンスを楽しもうとするマリエールさんが好きです。

今回は新人たちの物語を進行しつつ、シロエは別の場所での戦いに挑みます。

とはいっても、その戦いは武器を手にするわけではなく、政治的・精神的な戦いの舞台なわけですけど。

 

自由都市同盟イースタル。大地人たちの結成している同盟。

それに「円卓会議」を取り込もうと、招待状が送られてきたわけで。

クラスティが行っていましたが、この段階にあって、アキバの街が割れていたら、どんな切り崩しを受けたかわからないわけで。

そういう意味で、2巻でシロエが行動を起こした意味というものはあるでしょう。

 

円卓会議代表となった戦闘系ギルドのクラスティ、その兼ね合いから選ばれた生産系ギルドのミチタカとともに、使節に選ばれたシロエ。

円卓会議結成の立役者なんだからもっと働けって思惑もあるようで。

しかしその思惑が別方向に発展していくとはだれも予想できていなかったでしょうね。

賢者の訪問とそれによってもたらされたシロエの気付き。それが成果を発揮するのは少し先の話になりますが。

そのヒントを得て、実行できてしまうっていうあたり、恐ろしい智謀というか。

 

一方で、新人プレイヤー合宿の一環としてダンジョンに挑むトウヤとミノリ。

新人の視点から戦闘を語ることによって、連携の難しさとか特技の特徴とかを説明していくのは分かりやすくていいですね。

一度に全部説明しようとすると、情報過多でわけがわかなくなるんで。小出しにしていくべきですが、結構情報の出し方が上手いんじゃないかと思っております。

P137のイラストとか、何回も失敗して撤退しているあたりとかもいい感じですね。失敗を重ねているからこそ、最後の成功が光って見えるんじゃないかと。
 

あとは、今回の見どころは、ぐうたら姫ことレイネシア姫の登場でしょう。

ぐうたらなのに結構キャラクターとしては魅力的なんですよね。クラスティとのやりとりが面白いからこそでしょうけど。
最初読んだときには、大地人のユニークキャラとして出てきたのかと思いましたけど。
まさかあぁいう行動に出ようとは。 

 

会議と、新人合宿と、2つの場所で進行していく物語。

しかし、タイトルにあるように今回は上巻なわけで、最後にはちょっとした事件が発生します。

ちょうどアニメも3巻のエピソードに入ってきたので、これからが楽しみですねー。

 

ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち

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「(略)見て見ぬふりをいつまでも続けたら、気持ちの方がすっかり腐ってしまうんよね。――魂の問題やから。だからうちらも賭けてみる。教えて、シロ坊。その方法を。もしそのために何かができるときに、何もせえへんかったら、うちらずっと後悔しそうやから」

ススキノからアキバに帰り、その変化を知るシロエ。
大規模ギルドの台頭。中小ギルド連合の失敗。新人を利用している悪徳ギルド。
その中でシロエは悩みを得る。
この異世界に最初から感じていた不安。
「法」が存在しない無法の異世界であるということ。
ゲームシステムに沿って構成されているようで、細部に違いが見える異世界の事。
シロエの頭の中にはいくつもの悩みとそれに合わせた解決につながる回答が考えられている。
しかし、自分にこれらの悪を糾弾する権利があるのか、と足は止まってしまう。
柵を嫌い、ソロであり続けた自分。
それは、見方を変えれば集団に属さず、面倒事から逃げ続けて、責任を放棄したことにつながる。
考え過ぎなようにも見えますけど、ここまで考えているからこそ、シロエはそれでも自分の中にある、大切なもの。無視しがたい違和感。譲れない理念と向き合い、問題と相対する選択を最後には選べるんですよね。

今回のMVPは、シロエに選択肢を与えたにゃん太班長でしょうか。

「誰もがなにもせずにただ得られる宝は、所詮、宝ではないのにゃ」

彼の発見が無かったら、シロエは今回の結末を導けなかったかもしれない。
彼の導きが無かったら、シロエは足踏みをしたまま進めなかったかもしれない。
こういう人脈があるっていうことはそれだけシロエが認められているってことですけど。
セララに慕われるのも、アカツキが評価するのも納得の貫録ですよね。

それだけではなく、シロエの願いに応じ力を貸してくれた三日月同盟の存在も忘れてはいけないですよね。
生産系三大ギルドを相手取った交渉も見事。
ヘンリエッタが感じたとおり、協力が得られなくても、きっとシロエはやったんでしょう。
でも、彼女たちの協力があったからこそ、シロエは自身の理想とする場所に、たどりつきやすかったはずだと思うんです。

この巻は、シロエが行動を起こす転機となるエピソードであり、アキバの街に変節を招く革新の話でもあるんですよね。
別に物語的にラスボスが出てくるわけでも、武力で持って無双するわけでもないけれど。
じわりじわりと根回しをし、いくつもの手を打ち、望む結果を引き入れる。
その展開には、ぞくりと来ましたね。
腹黒なんてもんじゃない。清濁併せのむシロエという存在の恐ろしさが見えたようにも思います。

シロエの我が儘ではじめた戦いだが、シロエは勝ちたかっただけで、誰かを負かしたかった訳ではない。勝利を得たかっただけで、奪いたかった訳ではない。
きれい事をいうつもりはないが、できれば、全員でそこに辿り着きたかった。アキバの街に住むすべての人々と、という意味だ。

 
このあたりも結構好きですよ。
シロエが準備していた「作戦」を聞いた時の恐慌じみた騒ぎとか、腹黒の名に恥じない策謀で。

心情の描写が細かいので、アニメとかだと、ミノリとシロエの最初の念話のシーンとかがちょっと物足りなさがありましたけど。
こういう細かい所の積み重ねが、この作品の魅力を最大限に発揮していると思うのですよ。
 

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

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「身内が泣いてたら助けるしょ。それ普通だから。『あいつら』が格好悪くたって、俺らまでそれに付き合う義理はねーよ」


小説家になろう連載作品の書籍化。
現在でも、原文は残っていて、全63部。
最新の章は、今月末に書籍化されるそうですよ?

MMORPGに似た異世界に閉じ込められたプレイヤーたちの物語。
スキルやメニュー画面など、ゲームのシステムをおおよそ維持している世界。
この世界は、デスゲームなどではなく、死んだ者もゲーム通り大神殿で復活する。
更には、食事には「全く塩味がしない煎餅を水分でふやけさせたモノ」とでもいうような代物で、普通に料理しようとしても失敗してしまう。

この手のゲームに閉じ込められるものだと高レベル数名が俺TUEEEする話だったり、順序立てて攻略するものとあると思いますけど。
ログ・ホライズンの特徴は、ロングランの作品で、プレイヤーの約半数がレベル上限に達しているっていう点でしょうか。新しい拡張パックによって、レベル上限が100に上昇し、様々なイベントなども追加されるだろう、と期待していたら、この「大災害」なわけですよ。
しかも、シロエの推測に寄れば、この世界には約3万人のプレイヤーが閉じ込められているという事で。
ゲームのような、ゲームと同じようにはいかない世界。
楽しい遊びをしようと思っていたら、わけがわからない状況に陥れられた、っていう感情の落差も混乱に拍車をかけているんじゃないですかねぇ。

実際に戦闘に出れば、ゲームとは違う臨場感や痛みが伴うわけで。
しかも、脱出の目途も、これからの見通しも全く立たない状態。
全く先が見えないから多くの人々が、絶望に囚われるのもむべなるかな。

結構世界を作りこんでいるので、説明が多いので、進展はゆっくりですね。
ただ、全く事件やイベントがないってわけじゃないです。
何もすることがない、という状態が世情の悪化を招き、PKが横行し、主人公たちも襲われたり。
遠方のプレイヤータウンで発生した問題に、介入したりと、色々やってます。
シロエ達は、ただ絶望に囚われて膝を屈したプレイヤーたちとは違い、この異世界を何とか生きようとしている強さがあると思います。

ススキノを目指し旅をする中、ここが異世界で、自分たちが冒険者なのだとシロエが自覚しますけど。
多くの困ったことがあるなかでも、そういう「良いもの」を見つけられるっていうのは、いい話だと思いますけどね。希望の欠片を自分で見出せるという事だから。
キャラやストーリーは結構好きです。世界が創りこまれているというか、人気あるゲームだったっていうのも納得できる世界があって、俺は好きですけど、その辺の情報の出し方で好みわかれるかも。
興味ある方は一回小説家になろうの方で読んでみることをお勧めします。
「異世界のはじまり」とあるように、今回は序章。
この巻も好きですけど、これからのシロエの「腹黒」っぷりが好きですよ。
最近気に入っているシリーズです。

今まさにNHKでアニメ化されていて、2巻の内容までが終わったところですね。
説明が多いので、どうなることかと思っていたんですが、割に良作になっていて気に入っています。
あちこちで画がもうちょっとどうにかならんかなぁ、って思うんですが。作りが丁寧なのは良いかなぁ、と思うんですけど。
 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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