ルーファス:ひとりであの軍勢を相手にする気か。命が要らねぇのか。度肝を抜かれて唖然と見ているぜ。
バルバロッサ:騎士には生命より守らねばならぬものがある。それを失った我は、生ける屍も同然。もはや失う生命さえも持ち合わせておらぬわ。
ヘクトール:騎士の誇りだけが彼に残った唯一のものなのです。私にはもう止めることができません……。
菊池たけしGMの「ディングレイの魔核」。
稲葉義明GMの「まことの騎士」。
2本の単発リプレイが収録されている作品となります。
しかしまぁ、英雄叙事詩、ヒロイックファンタジーがテーマなシステムだけあって、なかなか見栄えがする作品といいますか。
特に後者の「まことの騎士」なんかは、周辺の事情とかを交えた話やら後の話とかが気になる感じで。
キャンペーンを自分でプレイしていくと、情勢も変化していって、楽しめるシステムなんだろうなぁ、と思います。
いつかやってみたいものです。
「ディングレイの魔核」は・・・いや、好きですよ? これでもかってほど笑えましたし。
ネタ分は満載な分、こう、ブレイド・オブ・アルカナの自由な部分が前面に出ていて、温度差すごいなと思った物です。
各リプレイについて。
「ディングレイ~」については、前述のとおり、割とネタ。
あまり戦闘で役に立たない奇跡を持っているアルカナ3つ組み合わせたビルドをしたキャラがいたり、今後サプリメントで追加する予定だった、基本ルールには乗っていないデータ使ったりとか。
白鳥人って。なんでも魔神の娘である闇の眷属だとか。・・・GMが許可しているからいいのか。
強大な殺戮者を倒し、残された「魔核」に対処するために、準備をしている英雄たちがいた。
PCたちは、その英雄の実子だったり、錬金術師の元にいるクレアータ(人造生命、ホムンクルスみたいな感じか)だったり、英雄に感銘をうけた白鳥人だったりするわけです。
最後の色物具合がまた。こう、シナリオのあらすじを抜くと、対抗策を準備していたが、敵もまた動いていて準備していた武器が奪われてしまう・・・という王道な展開なんですが。
あちこちでPCたちがボンクラでなぁ・・・それがいい感じの笑いにつながっているんですが。腹筋辛い。
「まことの騎士」が、騎士とは何かという問いに真摯に向き合っている良いリプレイでした。
滅びを免れない国と最後まで戦うことを決めた姫。
彼女の元へ集った、何かを失ったあるいは何かが満たされずにいた騎士たちの話。
震えた。短いながらも見事に答えを描いていた感じが素晴らしいと思います。
こういうの見ると面白そうなのでやってみたいと思いますが。