気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ムシウタ

ムシウタ15 夢謳う虫たち(下)

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「オレだって戦いたくないし、とても疲れた。――それでも今まで自分に起きたことや、他人にしたことを忘れたくない。それを忘れないまま、自分で何をするかを決めたい。そうするのが普通の人間だと思うから」
(略)
「オレは、夢を叶える」
(略)
「そうしてオレは――夢を叶えただけの、ただの人間になるんだ」 


11年に及んだ長いシリーズが、ついに完結。
好きなシリーズだったので、無事に終わってくれたのはうれしいですね。
ただ、最後はかなり駆け足だったといいますか、大味な印象があったのでそこは残念。
せっかく最終決戦だからと一号指定が集まったのに、なんかパッとしなかったかなぁ、という印象が残る。
敵も味方も戦力尽くしての決戦っていうのは嫌いじゃないんですけどね。

一号指定たちの元へとあらわれていた、かっこうの影。
あぁ、そういえばここまで裏側で動きながらも、この最終局面で描かれていなかった奴らがいましたね。
茶深たちの行動によって、反撃の手段が整った。
とはいえ、〝C”の力も圧倒的で、本丸に乗り込むまでにも脱落してく奴等は出てくるんですが。

虫憑きたちの、夢の果て。
脱落したものもいるし、一歩間違えれば成虫化しそうな領域まで踏み込んだ者も多い。
そんな極限の戦闘の中でも、彼らは戦いをやめず、進み続ける。
自分たちの夢の為に。Cは、虫憑きを生むような夢はすなわち「叶わぬ夢」であるといっていました。

未来に向かって歩く虫憑きたちが進む道の先には――さらなる道の続きしか見えない。


叶わぬ夢だろうと、願ってしまった以上、彼らは歩みを止めないのでしょう。
帯の文句も「それは最高で最悪の夢の結末!!」とありますし、今更言うまでもないことかもしれませんが、これは彼らの夢の話だった、と結局そういうことですよね。
歩み続ける彼らの決断が、その折れぬ心が、読んでいて心地よいのは確かでした。

そうした部分が好きだったからこそ、最後駆け足気味だったのが惜しいとも思うんですがね。
あさぎと鯱人の戦いや、大喰いの最期、魅車の結末と、見どころありそうなのに結構あっさりと終わった部分が多くて。
あとは、メイン以外のキャラも増えてきていたのに、その他のキャラクターの「その後」があまり描かれなかったんもちょっと残念だとは思ってます。
ま、いろいろ言いましたが、それでも楽しんで読みましたけどね。


ムシウタ14 夢嘔う虫たち(上)

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「だから、俺は生きる――」
(略)
「生きてるかぎり、俺が生きていることは――罪じゃねぇ」


待ってました、のムシウタの最新刊。
帯によると、5月1日にでる、15巻が完結巻のようですけど、これ、無事に収集つくんですかねぇ。 
一番最初からして、不穏な未来が描かれているんですが。

それぞれの信念とかがある、虫憑きたち。
危険な状況、恐ろしい敵、だからといって協力できるかっていうと、そうでもない。
最も癖の強い、一号指定たちなんて、なおさらですね。

C殲滅作戦は失敗。
3チームがそれぞれ、拠点に帰還するが、Cの攻撃は止まず、危険な状況に。
バラバラに逃げることになり、レイディー・バードはその力をもって、変わらず弱い虫憑き達を守るために奮闘する。
眠り姫、アリスは目覚めず、動きかない。
ふゆほたるは、作戦失敗し、帰還するまでの間に姿を消した。
かっこうも、動きがあると言えばあるけど、ちょっと待ちの時間というか、とっとと起き上がれ、とみている側としては思いますが。戦い続けてきたからなぁ、すり減ってしまったんだろうか。
そして、炎の魔神ハルキヨ。自分の思った通りにしか動かない、彼こそ、一番扱いにくい。

今回は、帯にあるように、レイディー・バードこと利菜とハルキヨの2人の視点が中心ですね。
ただ、なんで挟まっているのか知れない、他の人の視点とかも混ざってて、あからさまに伏線っぽいんだけど、これがどう作用するのかがさっぱりわからない。
土師が復活して、逆転していけるのかなーと思ったら、Cもさる者というか、大分おかしくなってきているなぁ、という感じで、状況が。
初期に退場していたせいで土師のやりかた忘れかけていましたけど、そういえばこの人こういう人でしたねーという感じで。

さて、本編というか、利菜とハルキヨの話。
復活してもなお、「レイディー・バード」として、虫憑きの味方であろうとする利菜。
作戦失敗後に復活したために、余力を残していますが、状況がいいわけじゃないし、生き方変えられるわけじゃないしで、精神的に追いやられていますね。
まぁ、CもCで精神攻撃とかやってきているんで、その辺もありますけど。
最も弱い一号指定、と評されたりもしていましたけど、バカは死んでも治らないっていうのはアレですけど、蘇ってなお掲げようと思った信念なら、貫いてほしいですねー。

一方でハルキヨ。自分の思うようにしか動かない享楽の徒である彼ですが、それなのに、結構虫憑きの秘密にかかわったりしているんですよね。
やっぱり、一号指定にされるだけのことはあるというか、悪運強いっていうか。
ハルキヨがαの過去に触れていくとは思いもよらない展開でした。
ハルキヨ自身の過去についても触れられて、どっちもどっちというか、そりゃあこういう性格・存在にもなり得るのかなぁ、とかなんとなく思ったり。

Cの精神攻撃なのか、二人の前には倒れたはずの一号指定「かっこう」が現れる。
精神攻撃ってだけじゃなさそうかなー、なんて個人的には思うんですが、さておき。
利菜と、ハルキヨ、それぞれがかっこうに対して思う所をぶちまけるところはよかったかなー。

「アンタが、そんなことを言うな……! アンタが始めたんでしょうが!」

「そのどれにもケリをつけずにバックレようとしてやがる、てめぇが! 言うんじゃねぇぇえっっ!!」

 敵対し、戦って、一時的にでも戦場を共にするようなことがほとんどない一号指定たち。
それでもなお、戦い続けてきたからこそわかるものとかはいろいろあるんだなぁ、みたいな感じで。 

これ以上ないほどボロボロですけど、 逆転とかできるのかなぁ。
最初に描かれていた場所に繋がっていくのだとしたら、終わりには絶望しかないような気もしますけど。
どうか約束が果たされて欲しいものだと思いますがね。

 
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ちゃか

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