気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ヴァニタスの手記

ヴァニタスの手記9

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「私にはわかったことがあるよ

 お前はとても優しい子だ」

 

ミハイルにヴァニタスの血を飲み、その記憶を暴けと脅されたノエ。

しかしノエはそもそもヴァニタスについての情報を知らなかった為、その前段階としてミハイルの血を飲まされることになってましたが。

……なんともまぁ、胸糞の悪い過去だなぁというか。あの博士は本当にろくな事してないな……。

 

実験体にされていた二人は、結果として蒼月の吸血鬼に出会い……しばらくは三人で穏やかな日々を過ごしていた気がしますけど。

最後の選択の時に、ミハイルは自分が変質して変わらない日常を選んで、ヴァニタスはそれ以上の変化を選ぼうとはしなかった。

そこで決定的に道が違ってしまった上に、ヴァニタスが秘匿している記憶の一件もあるので、ミハイルとの和解は出来なそう……というか、酷い破綻が待ち受けている気しかしませんが。

 

其れよりも先に、状況を整えられた結果としてノエとヴァニタスの間に亀裂が入って、最後のシーンが大分切羽詰まった感じで終わってるのでハラハラしますね……どうなるんだ、コレ。

冒頭のジャンヌと大公殿下の会話が伏線になって、現場に駆けつけてもらえないだろうか。

本編シリアスなのに、巻末の幕間「迷子語り」ではかなりコミカルなエピソードが描かれていたので温度差で風邪ひきそうになった。

ヴァニタスの手記8

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「なんなんだこれは!!」

 

ついに終幕を迎えた「ジェヴォーダンの獣」編。

単純に逆演算して解決できるものではなく、本人の意思が絡む中で、ヴァニタスが危うい手を使いながらも奮闘してくれたのは良かった。

蒼月の印、案の定爆弾を持っていたというか。使う度蝕まれていくとか、厄介事にも程がある。怖いわー。

ノエがアストルフォ相手に引かずに踏み込んでいった部分とか、泥臭くて好き。

 

なんかいい雰囲気で終わってましたけど、闇の深さが改めて突き付けられてる感じで怖くもあった……

ジャンヌを派遣したのは、以前事件への対処を任じられたとき、期限を切られなかったからだと宣うルスヴン卿の強かな部分嫌いじゃないです。

今回の一件でジャンヌを大公殿下の新しい弱みとするため、一旦は棚上げされたみたいですが。他にも色々思惑蠢いてるんだろうなぁ。

 

事件解決後に、ヴァニタスとジャンヌに変化がありましたが……

どっちも初心というか、周囲の人たちが衝撃受けてて、正直笑った。

しかし、穏やかな移管は長続きせずに、新しい事件が起きるんだからもう……

「ヴァニタスの血を暴け」。厄介事の気配しかしない。


ヴァニタスの手記7

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「オレは!! 信じますよ!!!」

 

最初のノエが、アストルフォ相手に健闘してる場面が好き。

「相手を子供と侮り 自分の力を驕った だから負けた」。という自己分析をしてるのが良い。直前の「次は勝ちます」発言の本気度が伺えるといいますか。

それだけ覚悟をしてなお、ただ邪魔する敵を打ち払うのではなく、知りたいと思い、話しかける辺りがノエですけどね。

 

ジャン・ジャックは“獣”になった。

――では、彼が獣になる前に発生していた被害は、一体誰の手によるものだ?

そこから紡がれるジェヴォーダンの過去が、重くのしかかる。

暗い話に、それでも読ませる引力を持たせるのが上手い作家さんだなぁ、と改めて思いました。

 

獣の事を除外して考えると、死体の状況は「吸血鬼狩り」のものに見えてくる。

教会が、その始まりだったのではないかと言う事実。異端を畏れる人々の、もう止まれない狂気が怖くてたまらない。

坂道を転がる石のように、一度勢いがついたものはそう簡単に止まれない。

守るべきの人々に弾圧されたクロエが、今この地でやろうとしていた事は、復讐だったのかと思えば、更に隠されていたものがあって。

 

いやはや、大切なものを汚された人の執念は凄まじいものがありますね。

そこからネーニアの秘密が明かされるとは思ってませんでしたが、アレ思った以上の爆弾ですね!?

その後の、ヴァニタスとノエのやり取りがまた楽しかった。慌ただしい時の清涼剤ですね彼らは。是非いつまでもそのままでいてほしいものですが。

ヴァニタスの手記(7) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2019-10-21

ヴァニタスの手記6

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「彼女の本当の望みがなんなのか」

「何が彼女達にとっての救いなのかも」

「それを知ろうとしないまま 離れたくないです」

 

冒頭からジャンヌが可愛い。

ヴァニタスに思いっきり振り回されていますな。

情報屋とも合流して、ノエとヴァニタスの書を求めて白銀の魔女の下へ向かおうとして。

 

一方、魔女に連行されたノエは吸血されたり、ビンタされたり忙しいな……

呪い持ちの吸血鬼を作る、ネーニアまでいて。ネーニアは強い力を持った吸血鬼相手だと、無理やり名前を奪うことが出来ない。

だから、「願いを叶えたら真名をくれる?」と交渉を持ち掛けるらしい、という情報が出てきました。

 

更には、クロエの過去からオーガストやジャンヌと交流した過去の話。

オーガストの歪みまでも描かれて、うわぁ。元は穏健派で、けれど裏切られて。

そうして彼は権力を掴み、上にいた者を蹴り落としていったようですが。いやぁ、予想以上に重いというか。

オーガストの吸血と呪い、それを弾けるくらい強かったクロエ。そんな彼女も、自ら真名を手放したんだよなぁ……

 

マキナ侯の熊だけが過去編の救いだった感が。

シリアスな場面でアレは卑怯だ……笑った。

ヴァニタスと合流したノエ、獣と処刑人と教会と吸血鬼。

色々と思惑が絡んだ中で、どんな結末に辿り着くのかが、怖くもあり楽しみでもあります。

 

ヴァニタスの手記(6) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2019-02-22


ヴァニタスの手記5

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「オレは吸血鬼を“救う”ために来たんだ」

「お前は違うのか」

 

ジャンヌとのデートを満喫してたヴァニタス。

彼女との会話の中で、ルスヴン卿に許可をもらったという言葉が出て。

……あのヴァニタスがジャンヌとのデートを放り出してまで、ノエの安否確認に行くとは思わなかった。

そしてその不安が正しくて何か裏で動いてるんだよなぁ、あの御仁。

 

ノエは今日の記憶が無く、部屋で寝ていた事になっていて。

うーん、後手に回っている感じがしますね。

一方でノエとヴァニタスだったからこそ出来た、狩人ローランとの縁。

彼は自分の信じたいものを信じる。だからこそ、吸血鬼について改めて調べたりしていて。

いつかコレが、何がしかの助けになると凄い熱い。

 

過去に発生した事件「ジェヴォーダンの獣」。

吸血鬼と協会が手を組んで解決に当たったものの、犯人は逃亡し、謎を遺したまま幕を下ろした事件。

その「獣」が現代に再び現れて……

ヴァニタス達も現地に足を運んでましたが……その森がまた厄介そうな状況だし、話を聞かない狩人は来るし、ジャンヌやシャルラタンまで出てきてかなりカオス。

ノエがまた渦中に飛び込んでいった感じはしますが。

今回は謎を明らかにしたうえで、この演目を終えることが出来るのか。楽しみです。

ヴァニタスの手記(5) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2018-07-21


ヴァニタスの手記3

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「でもオレは あんたという人間には興味があります」

「あんたがやろうとしてること…その結末を見届けたい!」

 

仮面舞踏会での騒ぎも何とか幕。

ヴァニタスが消されそうになっていましたが……元老院の一員であるというルスヴン卿が登場して、仲裁。

ヴァニタスとノエを客人として迎える、と宣言し取り合えずひと段落していましたが……

 

その保護された先で、相手に喧嘩を売るんだからヴァニタスは本当に自分の欲求に素直というか手段を選ばないというか。

ノエの先生というのも未だに謎が多いですよね……かなり高位の相手らしいルスヴン卿も知っているほどの相手ではあるようです。

……ノエの先生はルスヴン卿をひどく嫌っているそうですが、それをルスヴン卿当人が笑って口にするもんだから、どういう関係なのか本当謎ですな……

 

舞踏会でのヴァニタスの主張を受けて、ノエは彼と付き合う上での立ち位置を決めたようですけれど。

当初から語られて居たように、これは終わりが約束されている話なわけで。

このデコボココンビが結構見ていて楽しいんですけれど、「手のひらからこぼれおちていったもの 護ることが出来なかった人達」がこれから描かれると思うと、ちょっと怖い。

 

吸血鬼の重鎮にヴァニタスが喧嘩を売って険悪になったと思ったら。  

また別の事件が起きていて、その調査に赴いた先で更に教会の対吸血鬼部隊なんてものとまで遭遇して。

彼らの人生は波乱に満ち溢れてますな、ホント……


ヴァニタスの手記(3) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2017-04-22


ヴァニタスの手記2

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「……わかりません」

「ヴァニタス……!」

「〝救い“とは なんですか」

 

ヴァニタスの書の力を証明して。

オルロック伯爵との相互利用関係が成立しそうな感じです。

ノエの吸血鬼としての能力だとか、呪い持ちが出会った「シャルラタン」という謎の存在とか気になる情報が巻頭から盛りだくさんですなー。 

 

ノエの幼馴染も登場。

また一癖も二癖もありそうな手合いですが……ノエが好奇心からすぐにどこかへ行ってしまうのを承知していて、逃さないための対策を取っていたあたりは流石。

……それが首輪ってあたり、もうちょっと手段選べば……とは思いましたけど。

いやしかし、首輪外した途端迷子になったんだから、あれくらいしないと駄目なのか……

 

混沌という、これまでになかったものを生み出した実験事故なんかも出てきましたが。

なんかもう黒幕がノエの師匠でいいんじゃないか、みたいな雰囲気なんですけど。あの人一体何を考えて動き回ってるんだ……?

ヴァニタスの真意に関しても一部表に出てきましたが……彼も彼で色々抱え込みすぎというか、狂気に堕ちそうで怖い。

「お前達の意志に関係なく救う」と言っている時点で、既に手遅れという説もあります。

ヴァニタスの手記 (2) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2016-10-22
 

ヴァニタスの手記1

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「遂にオレを手伝う気になったかノエ!!」

「違います!!」「えっ」

「オレがあんたを手伝うんじゃない あんたがオレを手伝うんですよ!!」

「いいぞ! やっぱりおまえは面白い!」

 

相変わらずの綺麗な絵柄で、好みです。

吸血鬼が存在している世界。

多くの人には、ずっと昔にあった人間との戦争に負けて滅びた、と思われているらしいですけど。

実際には割と生き延びているようで。

 

そんな世界にある、一つの童話。本来紅の月の下に生まれるはずの吸血鬼。

けれど、ヴァニタスという吸血鬼は、一人呪われていると言われる青い月の下に生まれて。

彼が残した、紅月の吸血鬼たちへ復讐するための道具。

それがヴァニタスの手記。

 

実際吸血鬼たちからは呪いの道具として恐れられていますね。

今、それを手にしている人間……ヴァニタスを名乗る彼は、その道具を使って、吸血鬼たちの治療を為しています。

志は立派だけど……割と最低ですよね、彼。ノエには生理的に無理とか言われてる場面ありましたし。

 

けど、これってヴァニタスがアイテムを持ってるのに、名を歪められた相手があちこちで生まれているって言うのが不穏だよなぁ。

可能性としては「ヴァニタスの手記」が複数存在する、とか。「仮称・ヴァニタス派」とでもいうべき、名を歪める術を確保して暗躍してる連中がいるとかそういう展開になりそうですし。

 

一方で、彼と出会った吸血鬼ノエも不思議な存在ですよね。

かなりの田舎者で、パリに出てきたときにはかなり感動していましたが。

呪われた青い月を恐れない変わった子ども。そして凄腕の吸血鬼に対しても「先生程じゃない」と判断していたり。

……謎なのは、彼の先生の方か。少なくともヴァニタスの存在自体は把握していただろうし、先生の登場が待たれる。

 

そして、カバー裏のデザイン話で、アシスタントさんたちが冷静で笑った。

「描きたくねぇ」「見る分には良い」とか。

「落ち着いてください。人間の腕は2本しかないんです(略)早まらないでください」とか。

ヴァニタスの手記(1) (ガンガンコミックスJOKER)
望月 淳
スクウェア・エニックス
2016-04-22


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ちゃか

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