気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

三田千恵

天才少女Aと告白するノベルゲーム

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〈楽しい時間を過ごすことが、無駄なわけない。そんな当たり前のことを、わかってない大人が多すぎる〉

 

大好きなフリーゲーム制作者は、同年代の学生だった。

それを知った少年水谷湊は、高校進学を期に桜山学園ゲーム制作部へ入部。

しかし、ゲーム制作部は部長の菖蒲が不登校になり、休部の危機にあった。

菖蒲の幼馴染の少女と協力し、菖蒲を連れ出そうとするも失敗。

更には、湊のもとに『バッドエンドを探せ』という不気味なゲームが送り付けられてきて。

 

そのゲームの中は、制作部で実際に会った出来事を下敷きにした物語が紡がれていて……トラブルの種にもなっていましたが。

プレイを通して、言えなかった事や見えていなかった物に向き合い、制作部が新しく踏み出すための物語でした。

 

いやまぁ、色々とドロドロとしてましたけどね。特に湊の過去。

母親との関係だったり、田舎で過ごしていた彼が外に行くことをよく思わない相手から嫌がらせを受けたり。

制作部の面々も、それぞれに呑み込めないものを抱え続けていて、今回の件で少し楽になったならいいんですが。

しぐれうい先生のイラストも可愛かったです。304P309Pの由井が特に好き。



トリア・ルーセントが人間になるまで

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「うん。よく言ってたんだ。王族は、民とこれから民になる可能性のあるあらゆるものを殺してはならない、ってさ」

 

病に伏した父王を治療するために、サルバドールという一族との取引に赴いた第二王子ランス。

白い肌と銀色の髪、青い瞳を持った少女トリア・ルーセント。

自らを薬と呼ぶ少女は、医学の知識を多く持つのは当然として、「ルーセント」としての業を背負っていた。

 

トリアの護衛としてついてきたロサはランスに「トリアに恋をさせて欲しい」と頼み込み。

だから、というわけではないですが。

王都へ戻る道すがらランスはトリアと多くの言葉を、意見を交わし、少しずつ距離を近づけていって。

 

サルバドール一族の中でも、主流から外れた思想の妨害工作なんかもありましたが。

それを乗り越えて、無事に王都に辿り着いて。

そこでまたランスは、隠された秘密を知ったりしてましたが。

旅を経て成長していたランスが、兄姉に対しても父譲りの頑固さを見せてくれたのは、良かった。

 

国王の信念が良いですね。民になる可能性のあるものを殺すな、と。理想論であるかもしれない。守れなかったものだってあるかもしれない。

でもそんな彼の子だからこそ、三人は真っ直ぐに育ったと思うんですよねぇ。

だからこそ、ランスはトリアに影響を与えることが出来た。うん、いいお話でした。

 



彼女のL~嘘つきたちの攻防戦~

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「……やっぱり訂正。私、嘘も好き」

 

嘘が分かる、という特異体質を持つ男子高校生遠藤正樹。

彼の通う学校には嘘をつかない少女と、常に嘘を吐いている少女とが居て。

その二人の共通の友人が亡くなったことで、正樹は真実を知るために少女たちと距離を近づけていくことに。

 

傍から見てると、可愛い女子と急激に接近して羨ましいシチュエーションではありますが。

目的が、学友の死の真実を暴くというもので。

旅先で事件ばかりと遭遇する類の探偵とかでなければ、踏み込むのは中々躊躇われるよな……と思ってしまいますが。

 

この一件にかかわったおかげで、彼は自分の嘘が分かるという体質に少し折り合いをつけられたでしょうし、苦手に思っていた相手の違う側面を知る事だってできた。

正樹が見つけた真実を聞いて「後悔していない」と言ってくれる子だっていた。

少女は何故死んだのか。嘘に隠された真実は……かなり重いというか暗いものでしたけれど。結末は優しいものだったと思います。

少なくとも、救われた人が居るのだから。



リンドウにさよならを

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「真っ直ぐであれば真っ直ぐなほど、固ければ固いほど、ぽきり、簡単に折れちゃうんだ」

 

地縛霊として学校で退屈な日々を過ごす神田幸久。

彼はある日、いじめにあっている少女穂積美咲に存在を気付かれて、彼女の友達になることに。

初めて会話が出来る相手という事で美咲と過ごす時間が増えていき。

そんな中で、彼女のイメチェンを図ったり、英語の勉強を教えたりと、二人だけの小さな場所で穏やかな時間を過ごしていました。

 

そうして交流を続けていく中で、穂積にも変化が出て来て。

神田と穂積の二人だけだった輪が広まったり、穂積がいじめられていた理由なんかも語られて。

未練はない、と言い張っている神田が学校で地縛霊のようになっていた謎も最後には明らかに。

 

いじめだとか、一方的な正義感とか、好みが分かれそうな部分もあります。

色々と事情を把握している高木が、人に対しても心配りしてもっと早く行動していれば、もうちょっと状況改善していたのでは、とか思ったりしましたが……

彼女一人に全ての問題を解決しろって言うのも無茶な話ですし。意固地になってる人を説得するのって、中々難題ですしね……

 

死んでしまった人が居る以上、完璧な答えを出すのは難しく、生きている人達が納得できる着地点を目指すしかないわけですが。

そういう意味では、この作品は見事に着陸してのけたのではないかと。

喪ったモノは戻らない。それで傷を負うことだってある。それでも生きていくんだ、と苦さと切なさが感じられる青春物語で、新人の作品としては結構良質だったのでは。



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