ico_grade6_3h                                                             

「真っ直ぐであれば真っ直ぐなほど、固ければ固いほど、ぽきり、簡単に折れちゃうんだ」

 

地縛霊として学校で退屈な日々を過ごす神田幸久。

彼はある日、いじめにあっている少女穂積美咲に存在を気付かれて、彼女の友達になることに。

初めて会話が出来る相手という事で美咲と過ごす時間が増えていき。

そんな中で、彼女のイメチェンを図ったり、英語の勉強を教えたりと、二人だけの小さな場所で穏やかな時間を過ごしていました。

 

そうして交流を続けていく中で、穂積にも変化が出て来て。

神田と穂積の二人だけだった輪が広まったり、穂積がいじめられていた理由なんかも語られて。

未練はない、と言い張っている神田が学校で地縛霊のようになっていた謎も最後には明らかに。

 

いじめだとか、一方的な正義感とか、好みが分かれそうな部分もあります。

色々と事情を把握している高木が、人に対しても心配りしてもっと早く行動していれば、もうちょっと状況改善していたのでは、とか思ったりしましたが……

彼女一人に全ての問題を解決しろって言うのも無茶な話ですし。意固地になってる人を説得するのって、中々難題ですしね……

 

死んでしまった人が居る以上、完璧な答えを出すのは難しく、生きている人達が納得できる着地点を目指すしかないわけですが。

そういう意味では、この作品は見事に着陸してのけたのではないかと。

喪ったモノは戻らない。それで傷を負うことだってある。それでも生きていくんだ、と苦さと切なさが感じられる青春物語で、新人の作品としては結構良質だったのでは。